
グラファイトデザインの人気シリーズ「ツアーAD」に新たに加わったCQ(カウンターバランス・クイック)は、その特性から多くのゴルファーに注目されています。
しかし、実際に使用してみると「合わない」と感じる方も少なくありません。
この記事では、ツアーAD CQの評価や偽物の見分け方、ステルス2との相性、似たシャフトとの違い、振動数のデータ、そしてなぜ「合わない」と感じるのかという理由を技術的かつ実践的に解説していきます。
記事の内容一覧
- ツアーADCQの評価
- 偽物
- ステルス2
- 似たシャフト
- 振動数
- ツアーADCQ合わない
- ヘッドスピードは?
- IZに合うヘッド
- ピンとコブラ
- ツアーADCQ合わないまとめ
目次
ツアーADCQが合わないと感じる原因を徹底検証
ツアーAD CQはカウンターバランス設計と高初速性能が特長のシャフトですが、それが万人向けというわけではありません。この記事では各項目を通じて「なぜ合わないのか?」を明らかにし、使用すべきか迷っている方の参考になるよう技術的に解説していきます。
ツアーADCQの評価
ツアーAD CQは、グラファイトデザインが2023年にリリースした最新のカウンターバランス系シャフトです。最大の特徴は、中元調子による「押し出し感」と、スムーズな切り返しに対応する「シャフトのしなり戻りの早さ」。このバランス設計がハードヒッターを中心に注目されており、ツアープロの中でも一部使用者が出ています。
しかしアマチュアの評価は分かれます。ハードヒッターやHS45以上のゴルファーからは「左に行きにくく叩ける」「しなり戻りが早くタイミングが取りやすい」という声がある一方で、ヘッドスピードが平均的なゴルファーからは「しなり戻りが速すぎてタイミングが合わない」「ボールが上がらない」との声もあります。
特にスインガータイプのゴルファー(振り切るというよりタイミングで打つ人)には、しなり戻りの早さが合わず、フェースが開いてインパクトすることで右へのミスが増える傾向にあります。また、手元側が重めに設計されているため、カウンターバランスの影響でヘッドが感じづらくなり、タイミングのズレを感じる方も少なくありません。
ツアーAD CQは非常にシャープな挙動を持つシャフトで、求められるスイングスキルも高めです。ヘッドスピードやスイングテンポによっては、従来のツアーADシリーズよりも合わないと感じるゴルファーがいるのも事実です。フィッティングや計測器を活用し、自分に合うかどうかの検証は必須といえるでしょう。
偽物

ツアーAD CQの人気が高まる中で、注意すべきなのが偽物(コピー品)の存在です。とくにネットオークションや個人売買サイト、海外通販サイトでは、見た目が本物と酷似した模造品が流通しているケースが報告されています。偽物はパフォーマンスだけでなく、安全性や耐久性にも問題があるため、必ず正規品を購入することが重要です。
偽物の見分け方
- グラファイトデザインのロゴの印刷精度 本物はロゴやモデル名の印刷が非常に高精度で、線の太さや発色が均一です。偽物はこの部分が微妙にズレていたり、印刷のかすれがある場合があります。
- シリアルナンバーの有無と位置 正規品にはシリアルナンバーが記載されています。これは基本的にグリップエンド付近、またはシャフトのバット側に小さく刻印されており、偽物ではこの刻印がなかったり、印刷形式が異なる場合があります。
- シャフトカラーの再現度 ツアーAD CQの独特のカラーリング(マット仕上げのブラックとグリーンのグラデーション)は、偽物では微妙に色合いが違っていたり、光沢があったりします。本物はマット仕上げに高級感があるのが特徴です。
- 振動数や重量の違い 模造品は外観だけを似せており、素材や設計がまったく異なるため、実測すると振動数や重量が正規品と大きく異なります。特に、偽物はしなりが不自然だったり、極端に軽いことがあります。
購入時の注意点
- ゴルフ量販店や公式フィッティングショップなど、正規取扱店で購入するのがもっとも安全です。
- ネット購入する場合でも、「メーカー保証付き」や「正規代理店」の表記があるかを確認し、不明な場合は避けるべきです。
- 異常に安価な価格で出回っている商品には注意。新品で市場価格より2〜3万円以上安いものは、ほとんどがコピー品の可能性があります。
偽物を使用するリスク
偽物のシャフトを使用すると、スイングリズムが崩れるだけでなく、シャフトの破損による怪我のリスクもあります。また、スイングデータやフィッティングの結果が狂い、適切なクラブ選びができなくなるという弊害も生まれます。
特にツアーAD CQのようなカウンターバランス設計は、その重心設計や素材特性がパフォーマンスの要であるため、模造品を使用することでシャフト本来の性能はまったく発揮されません。
正規品を選び、安全かつ確かなフィーリングでプレーを楽しむことが、ゴルファーとしての技術向上にも繋がります。
ステルス2

ツアーAD CQはテーラーメイドの人気ドライバー「ステルス2」との相性も話題になっています。ステルス2のヘッド特性は高初速・低スピン設計であり、弾きの良いカーボンフェースを採用しています。そこにツアーAD CQのシャープなしなり戻りを組み合わせることで、振り抜きと球の初速を最大化する効果が期待されます。
相性の良い理由
- カウンターバランス設計が重ヘッドと好相性 ステルス2のヘッドは比較的重めの設定で、ヘッド単体の慣性モーメントも大きいため、通常のシャフトではやや扱いにくいと感じるプレーヤーもいます。ここにカウンターバランスのCQを組み合わせると、バランスが整い振りやすくなるメリットがあります。
- 高初速設計のマッチング ステルス2はカーボンフェースの軽量化によってヘッド全体の速度を上げやすい構造になっており、そこにツアーAD CQのスピード重視の挙動が噛み合うことで、飛距離性能をさらに引き出すことができます。
- しなり戻りの一致 ステルス2ユーザーの多くは切り返しでシャープにスイングしたいタイプが多く、ツアーAD CQの中元調子かつしなり戻りの早い挙動はそのニーズにマッチしています。
注意点
ただし、ステルス2とツアーAD CQの組み合わせが万人向けとは限りません。スインガータイプやスローな切り返しをするゴルファーにはタイミングが合いづらく、フェースが開いたまま当たってしまう傾向が見られるため、フィッティングでの確認が不可欠です。
また、ステルス2 HDなどのドローバイアスモデルとCQを組み合わせると、ボールがつかまり過ぎることもあるため、重心距離やライ角などを含めた総合的なヘッドとのバランスを考慮することが重要です。
似たシャフト
ツアーAD CQの特性を理解するうえで、類似する特性を持つシャフトと比較することは非常に有効です。ツアーAD CQは、カウンターバランス設計、中元調子、しなり戻りが早いという特徴を持っています。これに近い特性を持つ代表的なシャフトとしては、以下のようなモデルが挙げられます。
ベンタスTRブルー(VENTUS TR BLUE)
1つ目に挙げられるのはフジクラのVENTUS TR BLUEです。このシャフトも中調子寄りの設計で、手元剛性を高めることでタイミングの取りやすさと安定性を両立させています。特にベンタスTRは「VeloCoreテクノロジー」により、インパクト時のフェースコントロールを容易にし、ミスヒットに強いのが特徴です。
- 類似点:中元調子、高剛性、操作性重視
- 相違点:VENTUSはややしなりが少なく、より直線的な挙動を好む方向け
ディアマナTB(Diamana TB)
ミツビシのディアマナTBシリーズも似た傾向があります。中元調子で、切り返しのタイミングがとりやすく、叩いても左に行きにくい点がCQと共通しています。TBはシャフト全体のしなりが滑らかで、トルクをうまく使える設計になっているのが特徴です。
- 類似点:中元調子、操作性、叩ける安心感
- 相違点:TBの方がトルク感が強く、スムーズなスイングに向く
TENSEI Pro White 1K
カウンターバランス要素を含む中元〜元調子のシャフトとして、TENSEI Pro White 1Kも候補に挙がります。手元の剛性が高く、シャフトのしなり戻りは穏やかで、叩きにいっても暴れません。特に1Kシリーズは方向性重視のプレーヤーに向いています。
- 類似点:中元〜元調子、カウンターバランス傾向あり
- 相違点:CQよりもしなり戻りが緩やか、タイミングにやや余裕がある
フジクラ スピーダーNXブルー
スピーダーNXブルーもまた、しなり戻りの早さとカウンターバランスの特徴を併せ持ったシャフトです。特に中調子モデルであるブルーは、タイミングの取りやすさとヘッドスピードアップを狙うプレーヤーにマッチします。
- 類似点:カウンターバランス、中調子、高初速
- 相違点:スピーダーNXはシャフト全体がよりしなやかで、弾き感が強め
比較のポイント
シャフト名 | 調子 | カウンターバランス | 振動特性 | 合うプレースタイル |
---|---|---|---|---|
ツアーAD CQ | 中元調子 | あり | しなり戻りが早い | ヒッター向け、左を嫌う人 |
ベンタスTRブルー | 中調子 | ややあり | 直線的、剛性高め | ストレート弾道を求める人 |
ディアマナTB | 中元調子 | なし | 滑らかな挙動 | タイミング重視の中上級者 |
TENSEI Pro White 1K | 元調子 | ややあり | 粘り系のしなり | 叩いて飛ばすプロ〜上級者 |
スピーダーNXブルー | 中調子 | あり | 弾き感、操作性良好 | 初中級者〜中級者 |
まとめ
ツアーAD CQは「しなり戻りの速さ」「カウンターバランス」「中元調子」の3点が特に強く表れているシャフトです。そのため、類似シャフトを探す際には、単に中元調子かどうかを見るだけでなく、シャフト全体の剛性感、戻りのタイミング、トルク特性、カウンター設計の有無を総合的に判断することが必要です。
似ているシャフトを試打することで、ツアーAD CQが自分に合うかどうかの判断材料になるだけでなく、自分のスイングに合った最適な1本を見つける手助けにもなるでしょう。
振動数
ゴルフシャフト選びにおいて、振動数は非常に重要な数値の一つです。振動数とは、シャフトの硬さ(剛性)を示す数値で、シャフトを固定してしならせたときの1分間あたりの振動回数(cpm=cycles per minute)を表します。数値が大きいほど硬く、低いほど柔らかいことを意味します。
ツアーAD CQも例外ではなく、そのフィーリングやパフォーマンスを正しく理解するには、振動数のデータを把握しておくことが重要です。
ツアーAD CQの振動数の目安(60g台)
以下は、一般的に計測された「ツアーAD CQ」の振動数の目安です(インチ:45.25、バット側固定で測定)。
フレックス | 振動数(cpm) | 備考 |
---|---|---|
R | 約240〜245 | シニア向けや女性ゴルファーに推奨 |
SR | 約250〜255 | スイングスピード35〜40m/s程度の方へ |
S | 約260〜265 | 標準的な男性ゴルファー向け |
X | 約270〜275 | ハードヒッターや競技ゴルファー向け |
※ヘッド重量や装着グリップにより数値は若干変動します。
この数値は他のツアーADシリーズ(例えばDIやIZ)と比べるとやや高めであり、同じ60g台の「S」でもCQの方が硬く感じる場合があります。
振動数の実用的な意味
振動数はシャフトフィッティングにおいて、スイングテンポや切り返しの強さ、スイングスピードに対する適正を判断する指標になります。例えば:
- 切り返しが速く強いタイプのゴルファー:高い振動数でもタイミングが取りやすい
- スイングテンポがゆったりしたプレーヤー:低振動数の柔らかいシャフトの方が合いやすい
ツアーAD CQは「しなり戻りの早さ」が設計上の特徴であるため、同じ振動数でも実際の体感は「さらに硬く」感じることがあります。これはシャフトのしなり方がシャープであり、戻りが早いことでスイング中のトルク感(ねじれ感)が少なく、剛性を強く感じるからです。
他シャフトとの振動数比較(Sフレックス)
モデル名 | 振動数(cpm) | 特徴 |
---|---|---|
ツアーAD CQ S | 約260〜265 | カウンターバランス、剛性高め |
ツアーAD DI S | 約255〜260 | 全体しなり、しなり戻りは穏やか |
ベンタスTRブルー S | 約265〜270 | 高剛性、低トルク、直進性重視 |
ディアマナTB S | 約250〜255 | 全体しなり、スムーズでトルク感あり |
スピーダーNXブルー S | 約255〜260 | 弾き感、ややトルク高めで扱いやすい |
このように比較すると、ツアーAD CQはSでもかなりしっかり目の設計となっており、「Sを使っているが少し硬いと感じる」というゴルファーは、SRや他モデルへの変更も検討すべきです。
適正な振動数を見極めるには
シャフト選びにおいて最も重要なのは、振動数=剛性だけでは判断しないことです。しなりの位置(調子)、トルク(ねじれ)、重量、長さ、さらにはヘッドとの組み合わせによって体感は大きく変わります。
そのため、自分に合った振動数を見つけるためには、必ず試打・計測器(弾道計測器やシャフト診断機)を用いてフィーリングと数値の両面から確認することが不可欠です。
ツアーADCQ合わない
ツアーAD CQは高性能シャフトとして注目される一方で、「自分には合わなかった」という声も一定数存在します。これは決してシャフトの性能が悪いわけではなく、シャフトの設計特性とプレーヤーのスイングスタイルが合致しなかったことによるものです。本項では、ツアーAD CQが合わないと感じる典型的なケースとその原因を分析します。
合わないと感じる主な理由
- しなり戻りが速すぎてタイミングが合わない ツアーAD CQは、しなり戻りが非常にシャープで、切り返しからインパクトまでの時間が短いゴルファーにマッチするように設計されています。そのため、スイングテンポがゆったりしている人や、タイミングで打つスインガータイプの人にとっては、戻りが早すぎてタイミングが取りにくく、ミスショットの原因となります。
- カウンターバランスによる違和感 カウンターバランス設計とは、グリップ側(手元側)に重さを配分することで、ヘッド側を軽く感じさせ、振りやすさを向上させる仕組みです。しかし、この設計は「ヘッドが感じられない」と違和感を持つ人もいます。特に、ヘッド重量やスイングの感覚に敏感なプレーヤーにとっては、タイミングのズレやフィーリングの不一致が発生しやすくなります。
- 硬く感じやすいフィーリング 前述の通り、振動数的には他のSシャフトと同等でも、しなり戻りの早さや手元の剛性の高さから、実際には「ワンフレックス上」に感じることもあります。このため、普段Sフレックスを使用している人でも、CQではSRの方が合うというケースも少なくありません。
- 弾道の上がりにくさ CQはつかまり過ぎを抑えた設計のため、フェースが開いて当たりやすいプレーヤーにとっては、ボールがつかまらず右に出る傾向が顕著に表れます。また、スピン量も少なめなため、十分なヘッドスピードがないと弾道が上がりにくくなり、結果的に飛距離を損なう原因にもなります。
合わないと感じたゴルファーの声(実例)
- 「今までDIのSでちょうど良かったが、CQのSは硬くて振り遅れる」
- 「ステルス2に組んだけど、ボールが上がらず右へばかり出る」
- 「カウンターバランスが合わない。ヘッドの位置が分からない」
- 「しなり戻りが早すぎて、フェースが開いたままインパクトしてしまう」
これらの声に共通しているのは、フィーリングの不一致と弾道のコントロールミスです。特に、自分のスイングテンポや軌道に対して、シャフトの挙動が合っていない場合、性能を活かすどころか、逆にスコアに悪影響を及ぼすこともあります。
合わないと感じたときの対策
- シャフトのフレックス変更(例:S→SR)
1段階柔らかくすることで、しなりのタイミングが合いやすくなります。 - カウンターバランス設計以外のシャフトを試す
手元の重さに違和感がある場合は、標準設計のシャフトに戻すことで改善されることも。 - フェースの返りをサポートするヘッドと組み合わせる
つかまりやすいヘッドを組み合わせることで、右へのミスを軽減できる場合があります。
まとめ
ツアーAD CQは設計意図が明確なシャフトであり、それゆえにスイングスタイルとの相性が合えば非常に高いパフォーマンスを発揮します。しかし、合わない場合は「扱いにくさ」「飛距離ダウン」「方向性の不安定さ」などが顕著に出るため、購入前の試打やフィッティングが必須です。合わないと感じた際は、シャフトだけでなく、ヘッドや全体バランスも含めた見直しをおすすめします。
ヘッドスピードは?
ツアーAD CQが真価を発揮するかどうかを見極めるうえで、最も重要な指標のひとつが**ヘッドスピード(HS)**です。ヘッドスピードによって、シャフトのしなり方やタイミング、しなり戻りの影響が大きく変わるため、自分のHSがCQに適しているかを知ることは非常に重要です。
ツアーAD CQの適正ヘッドスピード(目安)
フレックス | 推奨ヘッドスピード | 備考 |
---|---|---|
R | 35〜39m/s | 女性・シニア層に向く柔らかめ |
SR | 38〜42m/s | 平均的なスイングスピード |
S | 42〜46m/s | 一般的な男性ゴルファーに最適 |
X | 46m/s以上 | ヘッドスピードが非常に高い競技志向の方 |
Sフレックスで42〜46m/sが推奨とされるように、**ツアーAD CQは全体的に「ややハードめ」**に設計されています。これは、カウンターバランスによるシャフトの剛性感、しなり戻りの早さ、手元側の剛性強化といった特徴から、一般的なフレックスのシャフトよりも「1段階上」に感じやすいというフィードバックが多いためです。
ヘッドスピードが足りないとどうなるか?
CQはしなり戻りが非常に早く、スイングに対してシャフトの動きが先行する設計です。これが上級者には「フェースコントロールしやすい」と評価される反面、ヘッドスピードが不足していると以下のような現象が起こります。
- フェースが開いたまま当たり、右へのミスが増える
- ボールが上がりきらず、キャリー不足になる
- シャフトがしなりきらず、フィーリングが硬く感じる
- 弾道にばらつきが出る
つまり、自分のHSに合っていないフレックスや設計を選ぶと、クラブの挙動がスイングについてこず、ミスショットが出やすくなるのです。
ヘッドスピード別フィーリングの違い(例:Sフレックス)
- HS 40m/s前後
しなり戻りのタイミングが合わず、振り遅れたような感覚が出やすい。右プッシュ傾向。 - HS 43m/s前後
しなりとタイミングがマッチし始めるゾーン。インパクトでフェースの操作が可能になり、弾道の安定性が増す。 - HS 46m/s以上
CQ本来の性能を最大限引き出せるゾーン。カウンターバランス設計も活き、叩いても暴れず、強弾道が出やすい。
スイングタイプによる影響
ヘッドスピードが同じでも、スイングタイプによっても適正は異なります。
- スインガータイプ(テンポで打つ)
スピードが十分でも、しなり戻りが合いづらい可能性あり。SRや柔らかめのモデルの方が合いやすい。 - ヒッタータイプ(叩いて打つ)
切り返しが強い分、CQのシャープなしなり戻りを活かせる。SまたはXの選択肢もあり。
計測での確認を推奨
自分のヘッドスピードがわからない場合や、シャフトが合っているか自信がない場合は、ゴルフショップやフィッティング施設での計測をおすすめします。最近では、GC QuadやTrackManなどの弾道計測器で正確なHSを知ることができ、シャフト選びの精度が格段に向上します。
まとめ
ツアーAD CQは、「ヘッドスピードがある程度高く、シャープに振り抜くゴルファー」に最適化されたシャフトです。HSが42m/s以下の場合は、柔らかいフレックスや他モデルへの切り替えを検討することも重要です。自分のスイングスピードとシャフトの挙動が噛み合えば、CQの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。
IZに合うヘッド
ツアーAD IZは、グラファイトデザインが2017年にリリースした中調子のシャフトで、現在でも根強い人気を誇るモデルです。中元調子でありながら、先端部のしなりが適度に残されており、操作性と飛距離性能のバランスに優れています。IZは癖のない挙動で扱いやすく、多くのヘッドと相性が良いシャフトですが、なかでも「特に合う」とされているドライバーヘッドには一定の傾向があります。
ツアーAD IZの特徴とヘッド選びのポイント
まず、IZの特徴をおさらいしておきましょう。
- 中元調子
- トルク控えめ(方向性重視)
- しなり戻りは穏やか
- 弾き感より粘り感
- 先端剛性が高く、暴れにくい
この特性から、IZは「叩いても左に行きにくい」「フェースコントロールしやすい」という評価が多く、特にフェードヒッターやスピン量を抑えたいプレーヤーに適しています。
IZに合うヘッドの条件
IZと相性の良いヘッドの特性をまとめると、以下のようになります:
- 重心距離が標準〜短め
- スピン量が多めのヘッド
- 球が上がりやすいヘッド
- つかまりが良すぎない設計
こうしたヘッドと組み合わせることで、IZの特性が引き立ち、飛距離と方向性のバランスが向上します。
代表的な「IZに合うヘッド」
以下に、実際の市場でIZとの相性が高いと評価されている代表的なドライバーヘッドを紹介します。
1. テーラーメイド SIMシリーズ(SIM、SIM MAX)
SIMシリーズはややつかまりが弱く、重心が浅めでスピンが少なめの設計です。IZを挿すことでフェースの安定性が増し、直進性の高い弾道が実現します。特にSIM MAXは、寛容性を保ちつつも叩ける設計で、IZとの相性が非常に高いとされています。
2. キャロウェイ エピック フラッシュ サブゼロ
低スピン・浅重心の代表格ともいえるモデル。先端剛性の高いIZとの組み合わせで、低スピン・高初速の強弾道を実現しやすくなります。打ち出しを高くするには、ロフト選びが重要です。
3. コブラ LTDx LS
ヘッド自体の直進性が高く、つかまりを抑えた設計。IZの粘り感と組み合わせることで、引っかけを嫌うプレーヤーに安心感を提供します。低スピン・高弾道志向のセッティングにもマッチします。
4. タイトリスト TSR3
操作性を重視したプレーヤー向けヘッド。センター重心寄りでスピン量はやや控えめ。IZのしなやかさとマッチし、コントロールショットがしやすくなります。重量バランスを整えると更にフィーリングが向上。
5. ミズノ ST-X 230
つかまりすぎない中立的な設計のST-Xは、IZとのバランスが取れた組み合わせです。シャフトの粘り感がミズノヘッドのフィーリングと一致し、打ち出し角の調整幅も大きいため、中級者〜上級者におすすめです。
IZと合わない傾向のヘッド
- 重心距離が極端に長く、つかまりづらいヘッド
- 極端に軽量なヘッド(バランスが崩れる)
- ドローバイアスが強すぎるヘッド(左に行きやすくなる)
IZはある程度の「つかまりにくさ」を内包するシャフトのため、もともと左に行きにくいヘッドとの組み合わせではフェードが強く出すぎる場合もあります。そのため、バランスを重視した組み合わせが最も重要です。
まとめ
ツアーAD IZは、粘りと方向性を両立する中元調子の名作シャフトです。合わせるヘッドは、「中立〜ややスピン多め」「つかまりすぎない設計」「重心が浅すぎない」ものが好相性です。自分のスイング傾向と打球の特徴に応じて、IZの特性を活かせるヘッド選びを行うことで、最大限のパフォーマンスが期待できます。
ピンとコブラ
ツアーAD CQシャフトとの相性を語る上で、ピン(PING)とコブラ(COBRA)のドライバーヘッドは特に注目すべきブランドです。両ブランドは設計思想やターゲットプレーヤー層に違いがあるものの、共通して「寛容性の高いヘッド設計」を採用しており、シャフトとの相性が顕著に出やすいことでも知られています。このセクションでは、ツアーAD CQとピン/コブラ各モデルの適合性について、構造・重心・球筋傾向などの面から分析します。
ピン(PING)の代表モデルとの相性
ピンのドライバーヘッドは「慣性モーメントの高さ」「直進性の高さ」が特徴で、モデルによってつかまり性能に違いがあります。
G430 MAX
- 高慣性モーメントで曲がりにくい
- 球が上がりやすい
- つかまりはニュートラル
CQは先端の剛性を保ちつつ、手元から中間のしなり戻りが特徴のシャフトであり、G430 MAXの安定性と合わさると、「暴れない強い弾道」が出やすくなります。ただし、ヘッドが非常に高慣性であるため、シャフトの挙動を感じにくくなると感じるユーザーもいます。
G430 SFT
- ドローバイアス設計
- つかまりが非常に強い
- 球の上がりやすさが際立つ
ツアーAD CQの特性(しなり戻りの早さ)とSFTのつかまりやすさが合わさると、「左に行きすぎる」傾向が強くなります。スライス改善を狙うゴルファーにとっては良い組み合わせですが、持ち球がドローやフェードのプレーヤーにはやや過剰になる可能性があるため注意が必要です。
G430 LST
- スピン量を抑えた設計
- 重心が浅めで中級〜上級者向け
G430 LSTとCQの組み合わせは、スピンを抑えて飛距離を伸ばしたいプレーヤーに最適です。CQの挙動が安定しているため、ヘッドの暴れやすさをコントロールできます。ただし、ミスヒットにはややシビアなため、スイング安定性が求められます。
コブラ(COBRA)の代表モデルとの相性
コブラのドライバーヘッドは、「操作性」「低重心」「飛距離性能」を重視した設計が特徴です。特にLTDxやエアロジェットなど、革新的なテクノロジーで知られています。
LTDx
- 寛容性が高く直進性に優れる
- 中立的なつかまり設計
- 球が上がりやすく扱いやすい
CQと非常に相性が良いモデルです。シャフトの中間のしなり戻りを活かしながら、ヘッドが自然につかまってくれるため、引っかけに悩む人でも安心して振ることができます。飛距離と方向性のバランスが取れた組み合わせといえるでしょう。
LTDx LS(ロースピン)
- 低スピン・浅重心設計
- フェード系プレーヤー向け
- 操作性が高い
LSTヘッドと同様に、CQの先端剛性と相性がよく、強い球が打てます。ただし、シャフトの戻りが早すぎるとタイミングを取りにくくなる可能性もあるため、しっかり叩けるプレーヤーに向いています。
エアロジェット MAX
- 高弾道・高スピン設計
- ドロー系の球が打ちやすい
エアロジェット MAXはつかまりの強いモデルで、CQとの組み合わせでは球が左に行きやすくなる可能性があります。スライサーには最適ですが、自然なフェードを持ち球とするゴルファーにはオーバーな組み合わせになることもあります。
ピンとコブラでの最適セッティング比較
ヘッド名 | シャフト相性(CQ) | 推奨プレーヤー |
---|---|---|
G430 MAX | ◎ | 安定性を重視する中級者以上 |
G430 SFT | △ | スライスに悩む初心者〜中級者 |
G430 LST | ○ | 強弾道を求める上級者 |
LTDx | ◎ | 飛距離と方向性を両立したい中級者 |
LTDx LS | ○ | 低スピン志向のアスリート |
エアロジェットMAX | △ | スライサー向け、高弾道重視 |
まとめ
ツアーAD CQとピン・コブラの各ヘッドの相性は、プレーヤーのスイング傾向により変動しますが、共通して言えるのは「つかまりすぎないヘッド」との相性が高いという点です。ピンのMAXやコブラのLTDxは、寛容性と直進性が両立しており、CQのしなり戻りの特性を最大限活かすことができます。逆に、つかまりすぎるヘッドとの組み合わせは引っかけやすさが増す可能性があるため、自分の持ち球と相談しながらセッティングすることが重要です。
ツアーADCQ合わないまとめ
ツアーAD CQシャフトが「合わない」と感じるケースは、多くの場合プレーヤーのスイング特性やクラブのセッティング、使用環境によるものです。このセクションでは、これまで解説してきた各要素を総括し、「合わない」と感じる原因と対策を詳しくまとめます。
ツアーAD CQの特徴と合わない原因
ツアーAD CQは、先端剛性が高く、手元から中間にかけてのしなり戻りが早いシャフトです。これにより、ボール初速を高めつつ強弾道を打ちやすいという特徴があります。しかし、こうした特性はすべてのゴルファーに合うわけではありません。
- ヘッドスピードとタイミングの問題
ヘッドスピードが遅すぎる場合や、シャフトのしなり戻りのタイミングとスイングが合わないと、ミート率が落ち、弾道が安定しません。特にスイングがゆったりしているプレーヤーは、CQの素早いしなり戻りを感じにくく、違和感を覚えることがあります。 - ヘッドとの相性の問題
つかまりが強いヘッド(ピンのSFTやコブラのエアロジェットMAXなど)と組み合わせると、左へのミスが増えることがあります。逆に、寛容性の低いヘッドだとシャフトの動きが増幅されすぎて安定性を欠く場合もあります。 - 振動数・硬さの不一致
振動数(cpm)やシャフトの硬さがプレーヤーのスイングに合わないと、手元に余計な振動が伝わり、打感やコントロール性が悪化します。振動数は同じモデル内でもフレックスや長さで異なるため、正確なフィッティングが必要です。 - 偽物の影響
流通している一部の偽物シャフトは本物と特性が異なり、性能を発揮できません。安価で購入した場合や信頼できないショップからの購入は避けるべきです。
合わない場合の対策と選び方
- フィッティングを受ける
シャフトの特性を理解し、自分のスイングに合った硬さ・重量・振動数を正確に把握することが最重要です。特にCQのように挙動にクセがあるシャフトは、試打や専門フィッティングで相性を確認してください。 - ヘッドとのバランスを考慮
ヘッドの慣性モーメントやつかまり性能を理解し、過度なつかまりやすさを持つヘッドとの組み合わせは避けるのが無難です。ピンのMAX系やコブラのLTDxなど、バランスが良いモデルが推奨されます。 - 振動数と硬さを調整する
シャフトの硬さは体力やスイングスピードに合わせて選びますが、振動数も確認し、手元の振動感が心地よいかどうかを重視しましょう。これによりスイング中の違和感を減らせます。 - 偽物に注意する
信頼できる正規代理店や実績あるショップから購入し、正規品であることを確認することが大切です。偽物は性能が大きく劣るため、結果的に「合わない」と感じる大きな原因になります。
ツアーAD CQは万人向けではないが、適合すれば非常に高性能
ツアーAD CQは明確な個性があるシャフトで、スイングタイプやヘッドとの相性次第で飛距離・方向性に優れた効果を発揮します。しかしその反面、使いこなすにはある程度の技術や正確なフィッティングが必要です。合わないと感じたら無理に使い続けるより、別モデルや別フレックスの検討をおすすめします。
最後に
「ツアー AD CQ 合わない」と感じたら、その理由は必ずあります。ヘッドスピード、ヘッドの特性、シャフトの硬さや振動数、購入経路など多角的に見直すことが重要です。適切なフィッティングとセッティングで、自分に最適な組み合わせを見つけることが、快適なゴルフライフへの近道となるでしょう。