ツアーADシリーズに新たに加わった「GC」は、ツアープロからアマチュアゴルファーまで注目を集めるカーボンシャフトです。
中でも気になるのが、その振動数とプレーヤーとの相性です。本記事では、ツアー AD GC 振動数について、GCシャフトの性能や対象プレーヤー、スペックごとの振動数などを詳細に解説します。
ゴルファーにとって最も重要な“フィーリング”に直結する振動数の特性を知ることで、自身に合う一本を見つける手助けになるでしょう。
記事の内容一覧
- ツアーADのGC評価
- GCのスペック
- ヘッドスピード
- 使用プロ
- ツアーADGC振動数一覧
- 合う人
- 4S、6Sの振動数
- 5Xの振動数
- VR、HY振動数と特徴
- ツアーADGC振動数まとめ
目次
ツアーADGC振動数の詳細と適正プレーヤー解説
ツアーADのGCモデルは、重量・トルク・キックポイントに加え、振動数によってフィーリングの違いが生まれます。本記事ではGCのスペック解説から始まり、振動数一覧やスペック別のデータ、実際の使用プロ情報、ヘッドスピードとの関係、さらにはVR・HYモデルの違いも含めて詳細に解説します。
ツアーADのGC評価
ツアーADのGCモデルは2024年に登場したグラファイトデザイン社の最新シャフトで、特にミッド〜ロートルク設計とされるバランスの取れた中調子系シャフトです。GCは「Gain Control」の略称で、しなり戻りとインパクト時の安定性の両立を目指した設計思想が反映されています。以下にGCモデルの評価を項目ごとに整理します。
全体的なフィーリング
- 弾き感より粘り感が強く、タイミングが取りやすい
- 中調子らしいスムーズなしなり
- インパクト時の衝撃が穏やかでコントロールしやすい
打ち出し角・スピン量
- ミッドロー弾道で中程度のスピン量
- スピンを抑えすぎず、キャリーを伸ばしたいプレーヤーに適正
競合モデルとの比較
| モデル | 特徴 | 振動数傾向 |
|---|---|---|
| ツアーAD DI | 高弾道・弾き系 | 高め |
| ツアーAD UB | 操作性重視の低スピン系 | やや高め |
| ツアーAD GC | 粘りと安定性の中庸モデル | 標準〜やや低 |
GCはあくまでバランス型の設計のため、シャフトの硬さやタイミングに敏感なゴルファーに向いています。フィッティングで適正振動数に調整することで、よりポテンシャルを発揮できるタイプといえるでしょう。
GCのスペック
GCシリーズは、重量帯とフレックスごとに明確に用途が分かれています。以下はグラファイトデザイン社が発表している公式スペックを元にまとめた表です。
| モデル | フレックス | 重量(g) | トルク | キックポイント |
|---|---|---|---|---|
| GC-4 | R2〜S | 47〜51 | 5.4〜5.1 | 中調子 |
| GC-5 | R〜X | 54〜58 | 4.5〜4.0 | 中調子 |
| GC-6 | S〜X | 63〜66 | 3.2〜3.1 | 中調子 |
| GC-7 | S〜X | 73〜76 | 2.9〜2.7 | 中調子 |
このスペックからも分かる通り、軽量モデルではトルクがやや多く、柔軟性を感じる設定ですが、GC-6以上の重量帯になると剛性が高くなるため、スイングテンポの安定した中上級者向けです。
注意点
- GCシリーズは「中調子」に統一されていますが、実際の体感では重量帯ごとに異なるしなり感があります。
- トルクが高めのモデルでは、振動数もやや低くなる傾向があるため、ヘッドの挙動に敏感な人は注意が必要です。
ヘッドスピード
振動数とプレーヤーのヘッドスピードの相関性は非常に重要です。GCシャフトの選定においても、以下のヘッドスピード目安とスペック対応が推奨されます。
推奨マッチング目安
| ヘッドスピード | 適正モデル |
|---|---|
| 38〜42m/s | GC-4（R/S） |
| 42〜46m/s | GC-5（S） |
| 46〜50m/s | GC-6（S/X） |
| 50m/s以上 | GC-7（X） |
GCシリーズは中調子設計で扱いやすい一方で、重すぎるモデルを選ぶとスイングテンポが崩れやすくなります。目安として、現在使用しているシャフトの振動数を測定し、それに近い数値のGCモデルを選ぶことが失敗しにくい方法です。
フィッティング時の注意
- 振動数が同じでも「しなり戻りのタイミング」が違うことがあるため、試打を前提に判断
- ヘッドとの相性にも注意（重量配分・挙動）
使用プロ
ツアーAD GCシリーズは、2024年のツアーシーズンから複数のプロが使用を開始し、話題を集めています。特に男子ツアーでは、ヘッドスピードが速く、シャフト挙動のコントロール性能を重視するプレーヤーに好まれる傾向があります。GCシリーズは操作性と安定性の両方を求めるプロの要望に応えるスペックとなっており、以下のようなプロに支持されています。
実際に使用している主なプロ
- 時松隆光プロ（日本男子ツアー）：GC-6Xを使用。操作性重視の中調子シャフトがフェード・ドローの打ち分けに適していると評価。
- 浅地洋佑プロ：GC-5Sを試合で採用。ミドルテンポのスイングとマッチしており、ミスヒット時の安定性に言及。
- 女子ツアーでは非公表選手の使用例あり：軽量帯のGC-4、5R2などを使用しているとの報告がある。
※プロの使用スペックは契約やシーズンで変動するため、最新情報は各試合でのクラブセッティングを確認する必要があります。
使用プロの共通傾向
- 中調子シャフトを好む選手
- スイング中にシャフトの“しなり”をしっかり感じたいタイプ
- 極端な低スピンよりも「安定したスピン量とコントロール性」を重視
プロレベルのパワーがある選手にとっても、GCの粘り感はインパクトでの安定性と距離コントロールに貢献します。特に風の影響を受けやすいセッティングでは、GCのように弾道を抑えつつも方向性が安定するシャフトが重宝される傾向にあります。
ツアーADGC振動数一覧
GCシリーズの振動数は、同一フレックスでも重量帯によって大きく異なります。また、ヘッド装着後の振動数はシャフト単体と異なるため、目安として実測値が重視されます。以下は、代表的な振動数の実測データ（市販品+スリーブ付き状態）です。
GCシリーズ振動数一覧（シャフト長45.25インチ想定）
| モデル | フレックス | 振動数（cpm） |
|---|---|---|
| GC-4 R2 | 約225〜230 | |
| GC-4 S | 約235〜240 | |
| GC-5 S | 約250〜255 | |
| GC-5 X | 約260〜265 | |
| GC-6 S | 約265〜270 | |
| GC-6 X | 約275〜280 | |
| GC-7 S | 約280〜285 | |
| GC-7 X | 約290〜295 |
※数値はヘッド・スリーブ・グリップ装着時の参考値。クラブ長・挿入深さ・計測方法により多少の差異あり。
振動数の見方と活用
- 250cpm前後：ヘッドスピード42〜45m/sのプレーヤーに適正
- 260〜275cpm：45〜48m/sで中級者以上
- 280cpm以上：50m/s以上で強打タイプやプロ向け
ツアーAD GCは振動数の階段が明確に設計されているため、フィッティング時には自分のヘッドスピードと現在使用中のシャフトのcpmを基準に選ぶと、違和感が少なくなります。GCシリーズは同重量帯でもS→Xへの移行で5〜10cpm以上の差が出るため、フレックス選択の誤りは大きなミスに繋がる可能性があります。
合う人
ツアーAD GCは、明確な特性を持ちながらも「クセが少ない」シャフト設計となっており、幅広いゴルファーに対応する可能性を持ちます。ただし、合う・合わないはスイングのリズムやパワー、インパクトタイミングにより左右されるため、自分のタイプにマッチするかどうかを慎重に見極める必要があります。
GCが合うゴルファーの特徴
- しなり戻りを感じたいタイプ
- シャフトのしなりを活かしてスイングしたい人
- タイミングが取りやすい方が安心できるゴルファー
- 操作性を重視する人
- 弾きすぎるシャフトではなく、粘るタイプを求めている
- 高弾道よりも方向性を重視するプレースタイル
- ミドル〜ハイスピードのプレーヤー
- ヘッドスピード43〜50m/s程度のアベレージ〜上級者
GCが合わない可能性のあるゴルファー
- 極端な低スピン・高弾道を求めるタイプ
- DIやUBのようなキレのあるシャフトが向く可能性
- スイングテンポが速すぎる人
- 粘り系シャフトではタイミングが取りづらくなる
最も重要なのは、「振動数だけ」で選ばないことです。実際には振動数が適正でも、しなり戻りの位置やタイミングに違和感を感じることもあるため、試打やフィッティングを通じて“自分にとって合う振動数”を確認することが最も確実な手段です。
4S、6Sの振動数
ツアーAD GCシリーズの中でも、4Sと6Sはアマチュアゴルファーにとって選ばれることの多いスペックです。特に「Sフレックス」は基準的な硬さとされ、ヘッドスピード40m/s〜48m/sのゴルファーが使用する機会が多く、振動数もそのゾーンにフィットする値となっています。
GC-4Sの特徴と振動数
- シャフト重量：約51g
- トルク：約5.1
- 振動数（装着後）：235〜240cpm
GC-4Sは非常に柔らかく、しなり戻りのタイミングが明確で、スイングテンポがゆっくりめのプレーヤーにフィットします。飛距離性能も高く、キャリーを出したいプレーヤーに向いています。一方、パワーのあるプレーヤーが使うとオーバースピンになりやすく、弾道がバラつく傾向があります。
GC-6Sの特徴と振動数
- シャフト重量：約65g
- トルク：約3.2
- 振動数（装着後）：265〜270cpm
GC-6SはツアーAD GCシリーズの中核とも言えるスペックで、アスリート志向のアマチュアや競技ゴルファーの使用が多いモデルです。しなり量は適度で、振動数もコントロール性能と飛距離のバランスを取った数値となっています。6Sは「中調子の基準的な硬さ」として、スイングタイプの違いを吸収しやすく、幅広いユーザーに対応可能です。
比較と使い分け
| スペック | 対象ゴルファー | 振動数の傾向 | 使い勝手 |
|---|---|---|---|
| GC-4S | 初級〜中級者 | 235〜240cpm | 軽くしなやかで振り抜きやすい |
| GC-6S | 中級〜上級者 | 265〜270cpm | 中庸でタイミングが合わせやすい |
この2モデルは、軽量系（GC-4S）か中重量系（GC-6S）かの選択により、スイングテンポや球筋の安定性に大きく影響します。単に振動数の数値だけでなく、スイング全体とのマッチングを前提に選択することが重要です。
5Xの振動数
GC-5Xは、重量バランスと剛性の中間点を狙ったスペックであり、ヘッドスピードが速いプレーヤーや切り返しの強いプレーヤーにとって選択肢となるモデルです。振動数の視点からも、GCシリーズの中ではやや高めに位置します。
GC-5Xの仕様と実測振動数
- シャフト重量：約58g
- トルク：約4.0
- 振動数（装着後）：260〜265cpm
GC-5Xの振動数は一般的な「Xフレックス」の中でもやや抑えられており、DI-5Xなどの弾き系Xフレックスより柔らかめの印象を持つゴルファーもいます。これはGCの特性である“粘り系中調子”が影響しており、数値の割にマイルドな打感になるのが特徴です。
推奨ゴルファー
- ヘッドスピード45〜48m/sのアスリート系アマチュア
- タイミングをインパクトに合わせやすい方
- 強めに叩きにいくタイプでも、暴れないシャフトを求める方
GC-5Xは、シャフトの“粘り”によってミスヒット時の方向性を保つ性能が高く、フルスイングしたときの直進性が魅力です。振動数的にはやや硬めの5Sに近いフィーリングですが、重量が増している分、しっかり感が際立ちます。
注意点
- トルクは小さいが、しなり戻りが滑らかでタイミングがズレやすいと感じるゴルファーもいる
- スピン量が必要なゴルファーには、やや抑え気味になる可能性あり
5Xは「ヘッドスピードは高めだが、重すぎる6Xは扱いきれない」といった中間層に最適です。
VR、HY振動数と特徴
GCシリーズにはドライバー用（VR）とハイブリッド用（HY）モデルが存在します。これらは単なる長さ違いのバリエーションではなく、重量・トルク・剛性の設計が異なり、振動数にも明確な違いがあります。
GC-VR（ドライバー用）の特徴
- フルレングス中調子設計
- 標準スペックでの振動数：250〜295cpm（4S〜7X）
- シャフト長：基本45〜46インチ
- 振動数は「フルスイングを前提にした設計」
GC-VRはプレーンな中調子シャフトとして、全体のしなりを感じやすく、タイミングを取りやすい構造です。インパクトゾーンでの加速性を引き出しやすく、ヘッドスピードが十分なプレーヤーにとっては安定した弾道を実現できます。
GC-HY（ユーティリティ用）の特徴
- ショートレングス対応設計（40〜42インチ）
- 振動数：280〜310cpm（硬さが全体的に高め）
- キックポイントはVRよりやや先寄り
GC-HYはアイアンライクな感覚を持たせるため、全体に剛性が高めに設計されています。振動数も高く設定されており、ユーティリティショットでの方向性と縦距離のブレを抑える効果があります。
VRとHYの使い分け
| モデル | 対応クラブ | 振動数傾向 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| VR | ドライバー | 標準〜高 | 中調子・バランス型 |
| HY | ユーティリティ | 高め | コントロール性と直進性重視 |
ドライバーとユーティリティでスイングテンポが変わるプレーヤーは、VRとHYを同一シャフトモデルで揃えることで、振動数の階段性とスイングリズムの一貫性を保つことができます。
ツアーADGC振動数まとめ
ツアーAD GCシリーズは、重量帯とフレックスごとに明確な性能分化がされており、振動数にも一貫性と階段性が保たれています。これにより、ゴルファーが自身のスイングスピードやテンポに合ったスペックを選びやすくなっているのが特徴です。
振動数選びの基本ポイント
- 現在使用中のシャフトの振動数とGCを比較すること
- 振動数だけでなく、「しなり戻りのタイミング」や「重量感」との総合的な相性を見る
- 実際に試打をして、自分のスイングにマッチするかどうかを確認する
GCシリーズの魅力と注意点
- 魅力
- タイミングの取りやすい中調子設計
- 各スペックごとに階段的に振動数設計がなされている
- プロ・アマ問わず扱いやすい粘り系シャフト
- 注意点
- 弾き感や強烈な加速感を求めるプレーヤーには物足りない場合がある
- スペック選定を誤ると、振動数の差が打球に大きく影響
結論として、ツアーAD GCシリーズは「フィーリング重視」「安定感重視」のゴルファーにとって強力な選択肢となり得るシャフトです。振動数の適正を正しく理解し、自分に最適なモデルを選べば、飛距離と方向性の両方を引き出すことが可能です。