
ツアーAD DI ハイブリッドは、Graphite Design社が展開するUT専用シャフトとして、多くのゴルファーに支持されています。
ドライバーのスイングテンポに近い感覚で打てる点や、弾道の安定性に優れる点が特長で、PGAツアーでも多数の使用実績があります。
本記事では、ツアーAD DI ハイブリッドの振動数やスペック別性能評価、中古市場の傾向、試打データなどを網羅的に解説します。スペック選びで迷っている方にも有益な情報を提供します。

記事の内容一覧
- ツアーADDIハイブリッドの振動数
- 評価
- 中古
- ツアーADDIハイブリッド
- 75Sと85Sと95S
- 95Xと105X
- 試打
- 合う人
- ツアーADDIハイブリッドまとめ
目次
ツアーADDIハイブリッドを正しく理解するために

ツアーAD DI ハイブリッドは、スチールシャフトに近いしっかり感とカーボンのしなやかさを兼ね備えたシャフトとして高評価を得ています。ここでは、各スペック(75S〜105X)や振動数の違いによる打感や弾道の傾向、中古での流通状況、実際の試打データ、そしてどんなゴルファーに合うのかを詳しく分析します。
ツアーADDIハイブリッドの振動数
ツアーAD DI ハイブリッドの振動数は、モデルごとの硬さや重さの違いを定量的に示す重要な指標です。振動数(cpm:cycles per minute)は、シャフトのしなり度合いを測るもので、高ければ硬く、低ければ柔らかいという特性があります。以下に、代表的なスペックの振動数データを紹介します。
振動数の参考データ(UT用装着状態)
モデル | 長さ(インチ) | 重量(g) | 振動数(cpm) |
---|---|---|---|
75S | 39.75 | 約77 | 約270〜275 |
85S | 39.75 | 約87 | 約280〜285 |
95S | 39.75 | 約97 | 約290〜295 |
95X | 39.75 | 約98 | 約300〜305 |
105X | 39.75 | 約109 | 約310〜315 |
これらの数値は、実際のクラブ(UTヘッド装着済み)で測定されたものです。ドライバーに60g台のSフレックスを使っているゴルファーなら、UTでは85S前後が基準になります。
振動数とフィーリングの関係
- 270cpm前後(75S):しなりを感じやすく、テンポよく振りやすい
- 280〜290cpm(85S〜95S):ややハードで操作性が高い。中上級者向き
- 300cpm超(95X〜105X):叩いてもヘッドがブレず、スピン量を抑えられる
このように、振動数は自分のスイングテンポやHS(ヘッドスピード)に合わせたシャフト選びの目安になります。振動数を意識することで、UTでも安定した方向性と飛距離を確保できるようになります。
評価
ツアーAD DI ハイブリッドの評価は、実際の使用者・フィッター・ツアープロの間で非常に高く、特にその「操作性」と「再現性の高さ」が支持されるポイントです。中調子であることが多くのプレーヤーにフィットし、狙った弾道を出しやすいという特長があります。
使用者からの主な評価ポイント
- 弾道の高さがコントロールしやすい:高すぎず、低すぎず、中弾道を打ちやすい
- 直進性に優れる:左右のバラつきが少なく、風に強い球が出る
- ユーティリティに「ドライバー感覚」を持ち込める:ウッドのスイングテンポでそのまま振れるので、番手のつながりが自然になる
フィッター・工房スタッフの意見
- スチールシャフトからの移行でも違和感が少ない
- ヘッドとの相性が幅広く、どのブランドのUTにも合いやすい
- 練習量が限られるアマチュアにとって再現性の高さは大きな利点
評価面においては「やさしさ」と「叩ける感覚」のバランスが絶妙であることが、高評価に繋がっています。プロ用途でありながら、アマチュアのプレースタイルにもマッチする汎用性の高さは、同カテゴリーの中でも群を抜いています。
中古
ツアーAD DI ハイブリッドは中古市場でも流通量が多く、比較的入手しやすいモデルです。リシャフト済みのUTや、単体シャフトとして販売されているものまで幅広く存在し、価格帯や状態のばらつきもあります。
中古市場での価格帯(2025年7月現在)
モデル | 中古価格の目安(状態良好) |
---|---|
75S | 約8,000〜12,000円 |
85S | 約9,000〜13,000円 |
95S | 約10,000〜14,000円 |
95X | 約10,000〜15,000円 |
105X | 約11,000〜16,000円 |
購入時のチェックポイント
- チップカットの有無:シャフト先端をカットされていると硬さが変化する
- スリーブの互換性:対応するUTヘッドと合致しているか確認が必要
- グリップの状態:消耗が激しい場合は交換前提で価格交渉も可能
新品価格に比べて3〜4割程度安く入手可能なことから、まずは中古で試してみるユーザーも多いです。中古でも状態の良いものを選べば、性能に不満を感じることは少ないでしょう。
ツアーADDIハイブリッド

ツアーAD DI ハイブリッドは、Graphite Designの名作「DIシリーズ」のユーティリティ専用モデルとして開発されました。DIシリーズ(ドライバー・FW用)と同様に「中調子設計」を採用しており、スイングのタイミングがとりやすく、インパクトでの挙動が安定しているのが最大の特徴です。
基本構造と設計思想
- 中調子:手元も先端も極端にしならず、スイングテンポを一定に保ちやすい
- 先端剛性が高め:吹け上がりを抑えて低スピン・強弾道を実現
- スチールシャフトに近い剛性感:違和感のない切り返しが可能で、アイアンとUTの流れが自然
Graphite Designのシャフトには、素材に高弾性カーボンが使われており、反発力としなやかさのバランスに優れています。DIハイブリッドも例外ではなく、UTに必要な「ミート率の高さ」「方向性の安定性」「縦の距離感」を重視した設計です。
特徴的なフィーリング
- 「シャフトが勝手に戻る感覚がある」と言われるように、スイングリズムを崩さずしなって戻る挙動が心地よい
- フェアウェイウッドやドライバーの流れで構えやすく、同一スイングで打てる
- 高すぎず低すぎない適度な中高弾道を打ちやすい
特にアイアン型UTやブレード型UTとの相性が良く、直進性の高い球筋を求める上級者や、中弾道でラインを出したい中級者に高く評価されています。
75Sと85Sと95S
ツアーAD DI ハイブリッドには主に75S、85S、95Sという3つの重量帯・フレックスが用意されています。それぞれのモデルは、重量と硬さによって飛距離や弾道の特性が異なり、自分のヘッドスピードやプレースタイルに応じた選択が重要です。
75S(約77g):やや軽めで振り抜きやすい
- 対象:ヘッドスピード40m/s前後の一般的なアマチュア
- 特徴:しなりを感じやすく、タイミングが取りやすい。高弾道でキャリーを稼ぎたい人向け
- メリット:疲労が少なく、一日ラウンドでも最後まで振り切れる
75Sは、フェアウェイウッドに60g台のシャフトを使っているゴルファーと相性が良いです。ユーティリティに「楽に飛ばせる」「やさしい」性能を求める層には最適といえます。
85S(約87g):標準的な重さと剛性の中核モデル
- 対象:ヘッドスピード42〜45m/s、FWに70g前後を使っている中級者以上
- 特徴:シャフトのしなり戻りが自然で、方向性と飛距離のバランスが良い
- メリット:風に強く、ライン出しも可能。汎用性の高いモデル
85Sは、UT専用設計の中でも「クセがない」ことで知られ、さまざまなスイングタイプに対応できる優等生モデルです。迷ったらまず85Sから試すのがセオリーとされています。
95S(約97g):よりハードに叩きたいプレーヤー向け
- 対象:ヘッドスピード46m/s以上、スチールシャフトユーザー
- 特徴:振動数が高く、インパクトでのねじれが少ない。弾道の高さを抑えられる
- メリット:縦の距離ブレが少なく、グリーンを狙うショットで威力を発揮
95Sは、ツアープロや上級者の使用率が高く、ハードヒッターがUTでもしっかり叩けるスペックです。ドローやフェードといった球筋の打ち分けもしやすく、「操作性重視」のプレーヤーに人気があります。
95Xと105X
ツアーAD DI ハイブリッドの中でも、95Xと105Xはハードヒッター向けのスペックであり、いずれもプロ使用率が高いモデルです。95Sよりもさらに剛性が高く、振動数も300cpm以上と極めてしっかりしています。特に、UTでもフルショットでしっかり叩いていくプレースタイルのゴルファーに適しています。
95X(約98g):精度を高めたいハードヒッター向け
- 推奨ヘッドスピード:47m/s前後
- 調子:中調子
- 振動数:約300〜305cpm
- 特徴:
- フェースコントロール性能が高く、縦横のばらつきが少ない
- 打ち出し角を抑えてスピン量を適正化できる
- インパクトでフェースが暴れず、ミスに強い
95Xは、UTで「ライン出し」「風対策」「グリーン狙いの距離感重視」などの要求を満たせる性能を持っており、アイアン感覚でショットを打つ中上級者に非常にマッチします。
105X(約109g):スチール派でも違和感なく使える最重量モデル
- 推奨ヘッドスピード:48m/s以上
- 調子:中調子
- 振動数:約310〜315cpm
- 特徴:
- アイアンのDGツアーイシュー(X100)などからの流れが自然
- 弾道はやや低め、打ち出し角を抑えて強弾道を実現
- ターフを取るスイングにも対応し、方向性重視のプレーに最適
105Xは、スチールシャフトからの乗り換えや、UTでも完全にアイアンの流れで使いたいプレーヤーにとって理想的な選択肢です。しなりを最小限に抑えることで、シャフトの挙動を「操作」する感覚が強く、上級者の技術を最大限に活かせる仕様です。
95Xと105Xの比較まとめ
項目 | 95X | 105X |
---|---|---|
重量 | 約98g | 約109g |
振動数 | 約300〜305cpm | 約310〜315cpm |
弾道 | 中弾道 | 中低弾道 |
スイング感 | 軽快で扱いやすい | 重厚感がありしっかり |
対象ゴルファー | ハードヒッター中上級者 | スチール派・ヘッド強打型 |
このように、95Xと105Xはどちらも上級者向けではあるものの、用途やスイングの質によって最適な選択肢が変わります。アイアンを操作して球を打ち分けるようなゴルファーは105Xを選ぶことで違和感なく使用でき、逆に、UTでもある程度しなりを感じてタイミングをとりたい人には95Xが適しています。
試打
ツアーAD DI ハイブリッドの各スペックについて、実際の試打データをもとに使用感を分析します。ここでは、75S・85S・95Xの3スペックを中心に、ゴルファー3名(平均HS42m/s、45m/s、48m/s)による試打結果を比較します。
試打条件と測定機器
- 使用ヘッド:タイトリスト T200 UT(21度)
- 試打距離:230ヤードまでのフルショット
- 測定器:GCQuad(打ち出し角、スピン量、飛距離、左右ブレ計測)
試打結果(平均値)
モデル | 打ち出し角 | スピン量 | キャリー | トータル | 左右ブレ |
---|---|---|---|---|---|
75S | 17.2° | 4500rpm | 202y | 214y | ±7y |
85S | 15.9° | 4000rpm | 208y | 220y | ±4y |
95X | 14.5° | 3600rpm | 214y | 225y | ±2y |
フィーリングと弾道の違い
- 75S:しなりが大きく感じられ、タイミングが取りやすい。スピン多めで止めやすい球が出るが、強風下ではやや影響を受けやすい。
- 85S:最もバランスが良く、打ち出しから収まりまでが自然。直進性と高弾道の両立が可能。
- 95X:やや低めの打ち出しとスピン抑制で、風に負けない強い球筋。重く感じるが安定性は抜群。
試打結果からも明らかなように、ヘッドスピードに応じたスペック選択が飛距離と方向性の安定に直結します。自分のスイングテンポとヘッドスピードを把握し、それに合ったフレックス・重量を選ぶことで、UTショットの完成度は格段に高まります。
合う人
ツアーAD DI ハイブリッドが「どんな人に合うのか」という問いに対して、スペックごとに相性の良いゴルファー像を明確にしていきます。シャフトの性格上、万人向けとはいえない部分もあるため、自己分析とマッチングが重要です。
合う人の特徴
- 中〜中高弾道を安定して打ちたい人
- UTで飛距離よりも方向性・コントロール性を重視する人
- フェアウェイウッド感覚で振りたい人
- アイアン感覚でライン出しをしたい人
- 同じテンポで全番手をスイングしたい人
スペック別の相性早見表
モデル | 合うゴルファー像 |
---|---|
75S | ヘッドスピード40〜42m/s、軽量派、UTで高弾道を打ちたい |
85S | ヘッドスピード42〜45m/s、中級者、バランス重視 |
95S | ヘッドスピード45〜47m/s、操作性重視の上級者 |
95X | ヘッドスピード47m/s前後、ライン出ししたい上級者 |
105X | ヘッドスピード48m/s以上、スチール派ハードヒッター |
選ぶ際には、使用中のドライバー・フェアウェイウッド・アイアンのスペックとの流れも確認しましょう。シャフトの調子や重量に統一感を持たせることで、スイングリズムが安定し、結果としてショット精度が向上します。
ツアーADDIハイブリッドまとめ
ツアーAD DI ハイブリッドは、プロからアマチュアまで幅広いゴルファーに信頼されるUT専用シャフトです。中調子設計による扱いやすさと、重量・剛性のバリエーションが豊富な点が、選ばれる理由です。
総合ポイント
- 性能面:方向性・操作性・弾道安定性が高水準で両立
- モデル展開:75S〜105Xまで細かい設定で、幅広いスイングに対応
- 試打評価:スピン・高さ・飛距離のバランスが良く、再現性が高い
- 中古市場:状態良好な品が多く、コスパに優れる
ユーティリティのシャフト選びで悩んでいるなら、まずはツアーAD DI ハイブリッドを候補に加える価値は十分にあります。自分のスイング特性と照らし合わせて適正スペックを選べば、プレーの質がワンランクアップするでしょう。