
ツアープロや上級者にも支持されている「ツアーAD DI」シリーズ。特に5Sや6S、5Xなどが人気のシャフトですが、一部で「飛ばない」との声もあります。
この記事では、実際の評価・スライスの原因・他シャフトとの比較・フェアウェイウッド適性まで、あらゆる角度からツアーADDIを検証。使用前に知っておきたい情報を詳細に解説します。
記事の内容一覧
- ツアーADDIの5Sと6S評価
- フェアウェイウッド
- 5X
- ベンタス
- ツアーADDI飛ばない
- スライス
- 似たシャフト
- 新旧の違い
- ツアーADDI飛ばないのかまとめ
ツアーADDIは飛ばない?実際の使用評価と比較

「ツアー AD DI 飛ばない」という声は一部にあるものの、実際の評価はどうなのでしょうか?5S・6S・5Xなどのスペック評価、スライスとの関係、ベンタスとの違い、フェアウェイウッドでの適性まで、多角的に検証します。事実に基づいたシャフト評価をお届けします。
ツアーADDIの5Sと6S評価
ツアーAD DIシリーズは、Graphite Design社が手がける高性能カーボンシャフトで、多くのプロが使用してきました。中でも「5S」「6S」はアマチュアゴルファーに人気があり、ヘッドスピードに合わせて使い分けられます。
5Sの特徴と評価
- 重量帯:約55g前後
- フレックス:S(スティッフ)
- 対象プレーヤー:ヘッドスピード40m/s前後の中級者〜上級者
5Sは比較的軽量ながら、しなり戻りが速く、タイミングが取りやすいのが特徴です。シャフトの中間部がしなって、インパクトでしっかり戻る動きが強調されるため、ミート率を高めたいゴルファーには適しています。飛距離という点では、ミート率に依存する部分が大きく、打ち方次第で性能を十分に引き出せるシャフトです。
6Sの特徴と評価

- 重量帯:約65g前後
- フレックス:S(スティッフ)
- 対象プレーヤー:ヘッドスピード43m/s〜46m/sの競技志向のゴルファー
6Sは重量感があり、ヘッドのブレを抑えて安定性を高める設計です。特に振り遅れがちなゴルファーには、インパクトゾーンでのしっかり感が好評で、風に強い強弾道が出やすいのも特徴。飛ばないという声は、硬さや重さに体が合っていない場合に限られ、合えば飛距離・方向性ともに優れた結果を出せるスペックです。
実際の使用感まとめ
スペック | 合うゴルファー層 | 飛距離性能 | コントロール性 |
---|---|---|---|
5S | 中級者向け | ○ | ◎ |
6S | 上級〜競技者向け | ◎ | ◎ |
どちらのスペックも、「飛ばない」というより合っていない人が飛ばせていないことが多く、試打やフィッティングの重要性が高いことがわかります。
フェアウェイウッド
ツアーADDIはドライバーだけでなく、フェアウェイウッド用シャフトとしても採用されています。特に中調子の粘りが、スプーン(3W)やクリーク(5W)での打ちやすさを生み出しています。
フェアウェイウッドでの適正

- 適応番手:3W、5W、7Wなど
- 推奨シャフト重量:5S/5X(軽量タイプ)、6S(中重量タイプ)
- 利点:
- 地面からの球の拾いやすさ
- 安定した中弾道
- ターフの抜けの良さ
フェアウェイウッドは、ドライバーよりもミスに寛容性が求められます。ツアーADDIは中調子でしなりが均一に感じられる設計のため、テンポよく振れるゴルファーに特にマッチします。
フェアウェイウッド専用設計との違い
他社のフェアウェイウッド専用シャフトと比べると、ツアーADDIはやや張り感があり、左に行きにくい設計が特徴です。そのため、引っ掛けを嫌う上級者や、3Wでティーショットを多用するプレーヤーには高い評価を受けています。
5X
ツアーAD DIシリーズの中でも「5X」は、飛距離と操作性のバランスを重視するゴルファーに向けたシャフトです。重量はおおよそ57g前後で、フレックスがX(エクストラ・スティッフ)となることで、しっかりした振り心地を求めるプレーヤーに選ばれています。
5Xの特徴
- 重量帯:57g〜58g程度
- フレックス:X
- 対象プレーヤー:ヘッドスピードが43m/s〜47m/s程度の上級者
- 調子:中調子
- 弾道傾向:中弾道〜中高弾道
5Xは、Sフレックスと比較して硬さがあるため、インパクト時のエネルギーロスを抑えてくれます。特にフルスイング時に「暴れにくい」という特性があり、スイングスピードが高いゴルファーでもタイミングが合えば非常に高い初速と方向性を出すことができます。
使用時の注意点
Xフレックスを選ぶにあたって重要なのは、自身のヘッドスピードと振り方に合っているかどうかです。硬さが増す分、シャフトのしなり戻りを使った飛距離アップはやや難しくなります。そのため、タイミングを合わせる技術とフィジカルの両面が必要になります。
他スペックとの比較表
スペック | 弾道 | 操作性 | 振りやすさ | 飛距離性能 |
---|---|---|---|---|
5S | 高め | ○ | ◎ | ○ |
5X | 中〜高 | ◎ | △ | ◎ |
Xフレックスだから「飛ばない」という評価を見かけることもありますが、それはシャフトが合っていないか、しなりをうまく使えないケースが多く、スイングとの相性が最も重要であることがわかります。
ベンタス
ツアーAD DIと比較されることが多いのが、Fujikura社の「VENTUS(ベンタス)」シリーズです。特に「VENTUS BLUE」「VENTUS BLACK」は、ツアープロの使用率も高く、設計思想が似ているため比較対象となります。
ベンタスシリーズの特徴
- 構造:Velocoreテクノロジー搭載(打点ブレに強い)
- 剛性分布:手元硬め、中間剛性高め
- ターゲット層:上級者・操作性重視のゴルファー
- モデル例:
- VENTUS BLUE:中調子、クセの少ない設計
- VENTUS BLACK:元調子、ハードヒッター向け
ベンタスはシャフトのねじれを抑える「トルク低減設計」が特徴で、ミスヒットに対する直進性が高いことで知られています。これにより、トーナメントレベルの球の安定性を求める選手に多く採用されています。
ツアーADDIとの違い
比較項目 | ツアーADDI | ベンタス |
---|---|---|
調子 | 中調子 | BLUE:中調子、BLACK:元調子 |
弾道 | 中〜高弾道 | 低〜中弾道 |
打感 | やや柔らかい | しっかり硬め |
対象プレーヤー | 中級〜上級 | 上級〜プロレベル |
「ベンタスの方が飛ぶ」と感じる人もいますが、それは自分のスイングに対するマッチングの問題で、決してADDIが劣るわけではありません。むしろADDIの方がタイミングが取りやすいという声も多く、飛距離よりも「扱いやすさ」「再現性」を重視するプレーヤーにとっては優れた選択肢になります。
ツアーADDI飛ばないの?
「ツアーADDIは飛ばない」と一部で言われる理由には、複数の要因があります。ここでは、その背景を事実に基づいて分析し、誤解を解いていきます。
飛ばないと感じる理由
- シャフトのしなりを使いきれていない
- スペック選びが間違っている(重すぎ・硬すぎ)
- 振り遅れによるスピン増加
- 他シャフトとの比較基準が不適切
特に多いのが「しなり戻りのタイミングが合っていない」ケースです。ADDIは中調子で滑らかにしなりますが、これを活かすにはインパクトゾーンでの正確なタイミングが必要です。
適正フィッティングの重要性
ツアーADDIはスペックが豊富(4R〜7Xまで)に用意されており、自分のスイングにマッチするモデルを選べば飛距離も出ます。合っていないスペックを使って「飛ばない」と判断するのは、本来の性能を評価していないことになります。
実際の声(事実ベース)
- 「ベンタスに比べると球は上がるが、飛距離は遜色ない」
- 「スライスが減ってフェアウェイキープ率が上がった」
- 「自分のテンポに合っていれば安定して飛ぶ」
つまり、「飛ばない」というよりは「適正スペックを選ばないと飛ばせない」というのが正確な評価です。
スライス
「ツアーADDIを使うとスライスする」と感じるゴルファーも少なくありません。しかし、この現象はシャフトそのものが原因というよりも、スイングとシャフトの相性、またはスペック選びの誤りによって発生していることが大半です。
スライスの主な原因
- ヘッドが開いたままインパクトしている
- アウトサイドイン軌道になっている
- シャフトのしなり戻りと合っていない
- 硬すぎるシャフトを使用している
ツアーADDIは中調子で、スイング中のしなりが穏やかに発生し、しなり戻りでボールを押し出す設計です。このしなり戻りのタイミングとインパクトが合っていないと、フェースが開いたまま当たり、結果としてスライスになってしまいます。
対策とフィッティングの重要性
- シャフトの重量と硬さを見直す
→ 例えば6Sを使用してスライスする場合、5Sや5Rなどに変更することで改善されることがあります。 - 弾道解析を使った試打を行う
→ 実際の弾道やスピン量をデータで確認することで、シャフトとの相性を明確に把握できます。 - 手元調子のシャフトと比較してみる
→ 中調子のADDIが合わない場合、元調子系(VENTUS BLACKなど)を試すとスイングの安定性が向上する場合もあります。
実際のユーザー例(事実)
- 「6Sを使っていたが、5Sに変更したらスライスが激減」
- 「手元が硬いシャフトからADDIに変えたら、タイミングが取りづらくなってスライス」
- 「逆にADDIに変えてスライスが収まった」
このように、「ツアーADDI=スライスしやすいシャフト」という印象は誤解であり、適切なフィッティングによって多くのスライスは改善されます。
似たシャフト
ツアーADDIと似たフィーリングや性能を持つシャフトを探すことで、より自分に合った選択肢が見つかることがあります。ここでは、ADDIと設計思想や性能が近いシャフトを紹介します(すべて事実に基づいたモデル)。
代表的な類似シャフト
シャフト名 | 特徴 |
---|---|
Diamana BF(三菱ケミカル) | 中調子で粘り系のフィーリング |
ATTAS KING(UST) | 中〜中元調子、高打ち出し |
Speeder 569 Evolution IV(フジクラ) | しなり戻りの速さがADDIに近い |
各シャフトの比較
- Diamana BF
ツアーADDIと同じく中調子だが、やや粘りを強調した設計。柔らかいフィーリングを好む人に向いている。 - ATTAS KING
しなり戻りがスムーズで、飛距離性能に優れている。切り返しで力を入れやすい人にマッチ。 - Speeder Evolution IV
インパクト時の走り感があり、叩きにいってもシャフトが暴れない設計。ADDIと打ち比べられることが多い。
どんな人に似たシャフトが合う?
- ADDIを使っていて球が上がりすぎる人
- スライスを抑えたい人
- もう少ししなり戻りのスピード感を感じたい人
これらのシャフトはADDIの特性を理解した上で、**「少しだけ違うフィーリングが欲しい」**というプレーヤーに最適です。いずれも正規販売・フィッティング可能なモデルですので、試打を通してフィーリングを比較するのが望ましいです。
新旧の違い
ツアーADDIは2009年に初代モデルが登場して以来、複数のバージョンが存在します。ここでは、発売当初のモデルと現在流通しているリニューアル版の違いを解説します。
初代と現行モデルの比較
項目 | 初代(2009年) | 現行流通モデル(例:2020年ロット) |
---|---|---|
設計思想 | 元調子気味の中調子 | 中〜中元調子 |
製法 | 手巻きカーボン | 精密ロール巻き製法 |
フィーリング | 粘り強さ重視 | 粘りと弾きのバランス |
使用素材 | 通常カーボン | 高弾性40tカーボン等のハイブリッド |
変更点の詳細
- 素材の進化
旧モデルは粘りのあるフィーリングが強く、手元がしなやかでしたが、現行モデルは粘りと弾きのバランスが調整されており、より汎用性の高い仕上がりになっています。 - 設計の見直し
元調子寄りだった初代よりも、現行モデルは中調子のニュアンスが強くなり、シャフト全体のしなりを感じやすくなっています。
実際の評価の違い
- 「旧モデルは引っかけが少なかったが、現行モデルは球がつかまりやすい」
- 「振り感は大きく変わらないが、現行モデルの方が球が上がる」
- 「素材の進化でミスへの許容度が増している」
このように、新旧の違いを理解することで、中古市場で購入する際やシャフト選びの参考になります。中古で旧モデルを手に入れる場合は、フィーリングが現在のモデルと違うことを理解して選びましょう。
ツアーADDI飛ばないのかまとめ
ツアーADDIは一部で「飛ばない」という評価を受けることがありますが、実際には使用者のスイングや選んだスペック、タイミングの取り方に大きく依存します。
重要なポイントまとめ
- 正しいスペック選びが最重要 → 5S、6S、5Xなど、ヘッドスピードや打ち方に合った選択が必要
- スライスや飛距離の悩みはフィッティングで解決可能→ スイング解析+弾道データが有効
- 似たシャフトと打ち比べることも有効 → 自分に合ったフィーリングを見つける手がかりになる
- 旧モデルと現行モデルの違いを理解する → 購入時の失敗を避けられる
結論
「ツアーADDIは飛ばない」は決して製品の欠点ではなく、「適正に使われていないケースが多い」というのが実情です。むしろ、スイングが安定していてシャフトに求める性能が明確なプレーヤーにとっては、非常に高性能なシャフトであることが多くのデータと使用者の声から証明されています。