
ツアーAD GPは、グラファイトデザインが展開する中でも弾道を抑えつつ方向性と強弾道を両立した人気のシャフトです。
しかし、その特性上「誰にでも合う」シャフトではなく、使用者を選ぶシャフトとして知られています。この記事では、「ツアーAD GP 合う人」というキーワードにフォーカスし、スライスとの相性、スペック、似ているシャフトとの比較、振動数など具体的かつ詳細に掘り下げ、ゴルファーが自分に合うかどうかを判断できる情報を提供します。
記事の内容一覧
- ツアーADGPのスペック
- スライス
- 似てるシャフト
- ツアーADGP合う人
- 分布図
- マーク金井
- 廃盤?
- 振動数
- ツアーADGP合う人まとめ
目次
ツアーADGP合う人を見極めるための全知識
本記事では、ツアーAD GPシャフトの詳細スペックや特徴から、スライスに悩むゴルファーへの適性、他の似たシャフトとの比較を通して「合う人」を明確にしていきます。また、クラブ設計家マーク金井氏の見解や、ツアーAD GPの現在の流通状況(廃盤情報)・振動数データなど、実践的な情報を網羅的に紹介し、最終的にどんなスイングタイプのゴルファーに最適かを具体的にまとめています。
ツアーADGPのスペック
ツアーAD GPは、グラファイトデザインのツアーADシリーズの中でも2015年に登場し、弾道の抑制と方向安定性を追求したモデルとして位置づけられています。シャフト設計のコンセプトは「先端剛性を高め、叩けるけど暴れない」。この設計思想が、特定のスイングタイプに絶大な効果をもたらしています。
シャフト設計の特徴
- キックポイント:中元調子
→ 切り返しでのしなりを抑え、ヘッドがブレにくい。 - トルク値:比較的低め(4.4〜3.0程度)
→ 方向性重視の設計。 - 重量:40g台〜70g台までラインナップ
→ 初心者から上級者まで選択可能だが、実際は50g台以上が主流。
フレックスバリエーション
フレックス | 重量(g) | トルク | 調子 |
---|---|---|---|
R2 | 約47g | 約5.1 | 中元調子 |
R1 | 約49g | 約4.7 | 中元調子 |
S | 約66g | 約3.2 | 中元調子 |
X | 約68g | 約3.0 | 中元調子 |
このように、全体的にシャフトの剛性が高く、特に先端剛性に優れる点が、ハードヒッターやヘッドスピードが速いゴルファーから支持を集めています。
弾道傾向
- スピン量:少なめ
- 打ち出し角:中〜低
- 方向性:フェード傾向が出やすい
結果として、フェード系弾道や風に強い低スピン弾道を求めるプレーヤーにとっては、非常に頼れるシャフトです。
向いているゴルファーの傾向
- ヘッドスピード45m/s以上
- 手元でシャフトのしなりを感じたい
- フェードヒッターまたはストレート弾道が理想
- スピンを抑えて強い球を打ちたい
このように、ツアーAD GPのスペックは、「飛ばし」よりも「方向性」や「ライン出し」を重視するプレースタイルに最適であることがわかります。
スライス

ツアーAD GPは、スライスに悩むゴルファーにとって「合う」場合と「合わない」場合がはっきり分かれるシャフトです。結論から言えば、スライスの原因が「インパクト時のフェースの開き」や「体が開く動き」にある場合、GPの特性が逆効果になることがあります。その一方で、スイング軌道が安定しており、インパクトの再現性が高いスライサーには非常に効果的な選択肢になる可能性もあります。
スライスの原因とシャフト挙動の関係
一般的にスライスは以下の原因で発生します:
- フェースが開いて当たる
- アウトサイドインの軌道
- トップでの手元の緩みやリリース不足
ツアーAD GPは中元調子+高剛性という特性を持つため、シャフト全体の動きが「硬く」感じられ、特に先端部分が暴れない仕様となっています。この特性により、インパクト時のフェースの開きを自分で戻すスイングができないゴルファーは、スライスがさらに悪化する可能性があります。
なぜGPでスライスが悪化することがあるのか
- 先端剛性が高いため、インパクトでフェースが閉じにくい。
- 手元のしなり戻りが遅めのため、タイミングが遅れると開いたままヒット。
- シャフト全体が「粘る」印象で、タイミングのズレが弾道に出やすい。
つまり、シャフトが助けてくれるタイプではないのがGPの特徴です。
では、スライサーには不向きなのか?
一概にそうとも言えません。スライスの中でも、「スピン量が多すぎて吹き上がる」タイプのスライサーには、GPの低スピン性能が有効に働くケースがあります。
- ヘッドスピードが速く、アウトサイドイン軌道がやや強い
- フェース面のコントロールはある程度できる
- ドロップするようなスライスに悩んでいる
こういった条件に当てはまるプレーヤーであれば、GPの**「風に強い直進性」や「スピン抑制」**が効果的に作用し、結果的にスライス傾向が改善することもあるのです。
対応策:GPでスライスを抑える工夫
- シャフト重量を軽めにしてタイミングを取りやすくする
- ヘッドはつかまりやすいモデルを選ぶ(例:ドローバイアス設計)
- シャフト長を短めに設定してインパクトの安定性を上げる
これらの調整を行えば、GPを使いながらもスライスのリスクを軽減することが可能です。
スライス改善に向く代替シャフトは?
スライスが深刻な場合、GPよりも「つかまりやすい」シャフトを選ぶ方が先決となります。次の章「似てるシャフト」で詳しく比較を行いますが、スライス補正効果を第一に考えるなら、より先調子かつ低トルクのモデルを検討する必要があるでしょう。
似てるシャフト
ツアーAD GPの購入を検討する際、比較対象となる「似ているシャフト」を知ることは非常に有益です。なぜなら、似た特性を持つ他のシャフトを比較することで、自分にとって本当に合うのかを見極めやすくなるからです。この章では、剛性配分や調子、打感などの観点からGPに類似した代表的なシャフトをピックアップし、それぞれの違いや選び方のポイントを解説していきます。
ツアーAD DIとの比較
ツアーADシリーズの中で、GPとよく比較されるのがツアーAD DIです。
項目 | ツアーAD GP | ツアーAD DI |
---|---|---|
調子 | 中元調子 | 中調子 |
先端剛性 | 高い | やや高め |
弾道 | 中〜低弾道 | 中弾道 |
スピン量 | 少なめ | 標準〜やや多め |
打感 | しっかり硬め | 柔らかめの中に芯 |
方向安定性 | 非常に高い | 高い |
DIはより自然な挙動を持ち、つかまりも比較的良いため、GPよりも操作性が高く、やや優しい印象を持たれます。対して、GPはしっかり叩いてラインを出すプレーヤー向きです。
テンセイCK Pro オレンジ
三菱ケミカルのテンセイCK Pro Orangeも、挙動が似ているとされるモデルの一つです。こちらは手元がしなりやすく、先端剛性が非常に高い設計で、全体のバランスはGPに近いです。
- 先端剛性が非常に高く、吹け上がりを抑制
- 手元が緩やかにしなり、タイミングが取りやすい
- 弾道は低めで、風に強い球が打てる
ただし、テンセイは「カーボン積層構造」によって打感やフィーリングに独特の硬さがあり、好みが分かれます。フィーリング面ではGPの方がしなやかに感じるという声も少なくありません。
フジクラ ベンタスブルー(Velocore搭載)
フジクラのベンタスシリーズも、近年の主力シャフトとして注目されています。中でも**ベンタスブルー(Velocore搭載モデル)**は、ツアーAD GPに非常に近いポジションです。
- 中調子〜中元調子(重量帯により変化)
- 高いトルクコントロール性能と安定感
- 振動数はGPよりもやや高く、シャープな印象
ベンタスブルーは振り抜きの良さと安定感を高次元で両立しており、方向性にシビアな競技ゴルファーにも人気です。弾道の高さはGPより若干高くなりますが、球のまとまりやライン出し性能は互角。試打比較で最も迷いやすい1本といえるでしょう。

ディアマナTB
三菱ケミカルのディアマナTBも、シャフト全体の挙動がGPに似ています。
- 手元と中間のしなり戻りが非常にスムーズ
- 先端剛性が高く、左へのミスが出にくい
- シャフト全体でしなりをコントロールする感覚
ディアマナTBは、スイングテンポが速すぎず、一定のリズムで振るゴルファーに適しており、GPよりも少ししなやかさを感じたい人には好相性です。
比較まとめ
シャフト名 | 調子 | 振動数傾向 | 向いている人 |
---|---|---|---|
ツアーAD GP | 中元調子 | 中〜やや低 | しっかり叩く、フェード系 |
ツアーAD DI | 中調子 | 標準 | 操作性重視、ドロー系 |
テンセイCK Pro Orange | 中元調子 | やや高 | 吹き上がりを抑えたい、手元を使いたい |
ベンタスブルー | 中〜中元 | 高め | ヘッドスピード速め、操作性重視 |
ディアマナTB | 中元調子 | 中〜やや高 | 安定性+しなり感を求める |
ツアーADGP合う人
ツアーAD GPは、シャフト全体にしっかりとした剛性感を持ち、特に「しなり戻りが速くない」中元調子に分類されるモデルです。
ツアーAD GPが最も効果を発揮する人
そのため、万人受けするタイプではなく、明確に「合う人」「合わない人」が分かれるシャフトでもあります。この章では、ツアーAD GPが最も効果を発揮するゴルファーの特徴について、スイングスタイルやヘッドスピード、弾道傾向など複数の視点から整理して解説していきます。
1. ヘッドスピード45m/s以上のハードヒッター
ツアーAD GPは剛性が高く、特に先端剛性が強いため、**ヘッドスピードが速くないとシャフトがしならず「棒のように感じてしまう」**ことがあります。しなりを感じられないとタイミングが合いづらく、ミート率や方向性にも悪影響が出るため、ヘッドスピード45m/s以上が一つの目安となります。
- ヘッドスピード45m/s未満の場合:しなり戻りのタイミングが合いにくい
- 45〜48m/sのゴルファー:シャフトがちょうど良く動き、安定性と直進性を両立できる
2. スイングプレーンが安定している
ツアーAD GPは、「シャフトが暴れない」設計である一方、スイング軌道の修正効果が少ないことも特徴です。つまり、ミスを補正してくれるシャフトではないため、スイングプレーンが安定しているゴルファーの方が恩恵を受けやすいのです。
- スイングが一定のプレーンで振れている
- 切り返しでタメを作りやすい
- フェースコントロールに自信がある
このようなスイングタイプであれば、シャフトの剛性バランスとぴったりマッチし、ミート率が高く、方向性も向上します。
3. 弾道を抑えたい・風に強い球が打ちたい人
中元調子かつ先端剛性が高いGPは、弾道が中〜低めに抑えられ、吹け上がりにくい設計です。そのため、「高弾道で球が上がりすぎて困る」というゴルファーには、弾道コントロールを改善する強い味方になります。
- スピン量を抑えてライナー性の球を打ちたい
- 風の強いコースでのプレーが多い
- 高弾道ドロップで飛距離をロスしている
こうした悩みを持つゴルファーがGPを使用すると、打ち出し角が抑えられ、スピン量が減ることで「風に負けない強い球」を実現できます。
4. 左へのミスを嫌うプレーヤー
ツアーAD GPは、先端剛性が高く、つかまりすぎる挙動が少ないため、左への引っかけやフックミスを嫌うプレーヤーに向いています。特に、フェードを持ち球とする上級者や、ドロー過多を抑えたいゴルファーには高評価です。
- ストレートからフェードを理想弾道とする人
- 引っかけミスが多く、左へのミスを減らしたい人
- シャフトの「つかまり」が強すぎると感じる人
このようなプレーヤーには、GPの特性が安心感と結果の両方をもたらします。
5. スチールシャフトのアイアンが得意な人
スチールシャフトのように、インパクトゾーンで暴れず、粘りのある動きが特徴のツアーAD GPは、アイアンでダイナミックゴールドなどの剛性高めのスチールシャフトを使っているゴルファーにもなじみやすいとされています。
分布図
ゴルフシャフトの特性を理解する上で、”分布図(シャフトチャート)”は非常に有用なツールです。分布図では、シャフトの剛性配分(手元・中間・先端)、調子、トルク、重量などを視覚的に把握することができます。ここでは、ツアーAD GPが市場の中でどのようなポジションに位置しているのか、他シャフトとの相対比較を交えながら、詳しく解説していきます。
分布図におけるツアーAD GPの位置
ツアーAD GPは、**「中元調子」「先端剛性強め」「トルク低め」**という特徴を持ち、以下のような位置づけに入ることが多いです。
- 縦軸(弾道の高さ):中〜低
- 横軸(スピン量):低
- 対角軸(シャフトのしなりやすさ):硬め・シャープ
- 位置:方向性特化ゾーン、低スピン+ライン出しエリア
この位置関係から、ツアーAD GPは「操作性よりも安定性重視」、「スピンを抑えてライナーで狙いたい人向け」のシャフトとして明確な分類がなされています。
シャフト特性分布チャート(例)
以下は、ツアーAD GPを含む代表的なシャフトの特性マッピングを簡略化したものです。
高弾道 │ ┌─────────────┐ │ │ ベンタスブルー │ │ └─────────────┘ │ ┌──────────┐ │ │ AD DI │ │ └──────────┘ │ │ │ ┌────────────┐ │ │ディアマナTB │ │ └────────────┘ │ │ ┌────────────┐ │ │AD GP │ ←低スピン・低弾道・安定性重視ゾーン │ └────────────┘ └──────────────────────────→ 低スピン
※これは一般的な傾向を簡略化した図であり、厳密なデータに基づくものではありません。
ツアーAD GPと他モデルの比較位置
シャフト名 | 弾道 | スピン量 | 調子 | ポジション特徴 |
---|---|---|---|---|
ツアーAD GP | 中〜低 | 低め | 中元調子 | 方向性特化、ライン出し重視 |
ツアーAD DI | 中 | 標準 | 中調子 | スピンコントロール、操作性重視 |
ベンタスブルー | 中〜高 | 低め | 中調子 | 飛距離と安定性のバランス型 |
ディアマナTB | 中 | やや低め | 中元調子 | 打感と安定性の両立 |
テンセイCK Pro O | 中〜低 | 低め | 中元調子 | 手元で粘り、先端で抑えるタイプ |
この表をもとに分布図をイメージすると、ツアーAD GPは、「方向性と抑えた弾道」を最重視するタイプのゴルファーが選ぶべき位置にあるといえます。
分布図から見たGPの立ち位置の意味
- ドライバーで「ストレートかフェードを打ちたい」人向け
- 左のミスが絶対に許されない競技ゴルファー向け
- 強風時にもラインを出して飛ばしたいというニーズに最適
一方で、シャフトが球を上げてくれたり、つかまりを助けることは少ないため、自力でフェース管理とスピンコントロールができるプレーヤーでなければ、性能を活かしきれません。
自分の位置を見極める指標として
分布図は、シャフトを感覚ではなくロジカルに比較・評価するためのツールです。実際にツアーAD GPを検討しているゴルファーは、現在使用しているシャフトがこの分布図上でどの位置にあるかを把握し、それとGPの位置を比較することで、スイングに与える影響を事前に予測しやすくなります。
マーク金井
マーク金井(まーく・かない)氏は、日本におけるゴルフギア評論家・クラブ設計家・スイング研究家として非常に高い知名度を誇る人物です。特に「中立的かつ論理的な視点でのギア評価」に定評があり、多くのゴルファーがシャフト選びやクラブ選びの参考にしています。ここでは、マーク金井氏によるツアーAD GPに関する評価と、それを踏まえた「合う人・合わない人」の特徴を掘り下げていきます。
マーク金井氏とは誰か
- クラブフィッター、ギア評論家として30年以上の実績
- スペック至上主義ではなく、実打とデータを重視
- スペック計測での「振動数測定」「EI分布(剛性分布)分析」などをいち早く導入
- 自身のYouTubeチャンネルや「アナライズ」サイトで情報を発信
特にシャフト評価においては、「感覚に頼らない科学的分析」が特徴です。そのため彼の意見は、多くのフィッターや上級者から高い信頼を得ています。
マーク金井氏のツアーAD GPに対する評価
マーク金井氏は、実際にツアーAD GPを複数フレックス・重量帯で試打しており、その評価は非常に明確です。
「先端剛性が非常に高く、切り返しでしなりすぎない。中元調子らしい動きで、ヘッドスピードが速くないと性能を活かしきれないシャフト」
— マーク金井氏 試打レビューより
この評価は、実際のスイング映像とインパクトデータをもとに述べられており、特に以下の点が注目されています:
- 先端剛性が高いため、インパクトゾーンでフェースが開きやすい人には厳しい
- 手元のしなり戻りがゆっくりなため、切り返しでタメが作れる人には効果的
- しなりを使って飛ばすタイプより、叩いて押し込むタイプに向く
つまり、「誰でも扱えるシャフトではないが、ハマる人にはこれ以上ない武器になる」という位置づけです。
評価の具体的ポイント(氏の分析より)
特性 | マーク金井氏の評価 |
---|---|
振動数(Sフレックス) | 高め。270cpm台(45.25インチ換算) |
EI分布 | 中間剛性:高い/先端剛性:非常に高い |
トルク | 小さめ(3.2〜3.4程度) |
操作性 | 低め。シャフトが仕事をしない=自分で操作する |
相性が良いスイング | ゆったりとしたテンポ、切り返しでシャフトを溜められる人 |
これらの分析結果は、他の試打メディアでもおおむね一致しており、**マーク金井氏のコメントは「客観的な基準として活用できる」**といえます。
彼の評価をどう活かすか
マーク金井氏の試打レビューを参考にする場合、以下のようなポイントで自分のスイングを振り返るのが効果的です。
- 「自分はどれだけシャフトに頼っているのか」
- 「しなり戻りを待てるテンポを持っているか」
- 「方向性重視のクラブ選びをしているか」
これにより、ツアーAD GPが自分に合うかどうか、フィーリングに頼らずに理論的に判断することができます。
廃盤?
ツアーAD GPは、グラファイトデザインから2015年に発売されたモデルです。2025年現在、発売から10年が経過しており、多くのゴルファーが「GPは廃盤になったのか?」と気にしています。この章では、ツアーAD GPの現行販売状況やメーカーの対応、流通市場での入手可否、後継モデルの有無などを踏まえ、「廃盤かどうか」という疑問に明確に答えていきます。
公式には「現行ラインナップから外れている」
グラファイトデザイン公式サイト(日本)では、**2025年時点でツアーAD GPは現行モデルとしての掲載はありません。**これは事実上、メーカー公式からの「生産終了(廃盤)」を意味します。
- 現行ラインナップには「ツアーAD CQ」「ツアーAD HD」「ツアーAD UB」などが掲載
- GPの記載はなく、過去モデルとして扱われている
- メーカーからの新規供給は原則ストップ
このように、新規製造・販売は終了しているため、GPは“廃盤モデル”という扱いが妥当です。
中古市場ではまだ流通中
廃盤とはいえ、ツアーAD GPは中古市場での流通が比較的安定しているモデルでもあります。とくに人気のあるフレックス(S、X)や重量帯(5S、6S、6X)は、ゴルフパートナーやゴルフドゥ、楽天市場などで今も多数出品されています。
- 価格帯は状態や重量帯によって異なるが、おおむね8,000〜18,000円程度
- 人気があるスペックほど高値で取引される傾向
- 先端カット済み・スリーブ付き・ヘッド装着済みの中古シャフトが多く出回っている
注意点としては、「新品同様」の状態での入手は年々困難になっており、欲しいスペックがある場合は早めの購入が推奨されます。
フィッティング施設でも一部保有あり
クラブフィッティング専門店(例:ゴルフ5プレステージ、つるやゴルフ本店、フィッティングスタジオなど)では、ツアーAD GPを試打用シャフトとして今も保有しているケースがあります。これは過去の名作として評価が高いため、“比較用の基準シャフト”として扱われることが多いためです。
- 試打クラブの基準として「方向性重視の中元調子シャフト」が必要
- ユーザーの「昔のGPが良かった」というリクエストに応えるため
ただし、全国どこでも打てるわけではないため、試打希望の際は事前の在庫確認が必要です。
後継モデルは存在するのか?
ツアーAD GPの**明確な後継モデルとして公式に位置づけられているシャフトはありません。**ただし、特性が近いとされるツアーAD UBやHDが“実質的な後継ポジション”として認識されることが多いです。
モデル名 | 剛性バランス | 特徴 |
---|---|---|
ツアーAD GP | 中元調子・先端硬め | 弾道低め、方向性重視 |
ツアーAD UB | 中元調子・全体硬め | スピン量少、ヘッドスピードに応じて直進性向上 |
ツアーAD HD | 中調子・先端安定 | つかまりも程よく、ややマイルド |
とくにUBは「よりアスリート向けに進化したGP」とも言われており、GPユーザーの移行先として選ばれることが多いです。
廃盤でも「名作」であり続けている理由
ツアーAD GPは、発売当初から「風に強く、ラインが出しやすい」性能で評価され、多くのツアープロや上級者から信頼を集めたモデルです。今でも中古市場で探される理由は、**一度ハマった人にとっては「代えが効かない」**と感じるほど完成度の高いシャフトだからです。
振動数
シャフト選びにおいて「振動数」は非常に重要な指標のひとつです。振動数とは、シャフトが1分間に何回振動するかを示す数値(cpm=cycles per minute)で、一般的には硬さを示す目安とされます。ここではツアーAD GPの振動数について、他モデルとの比較を交えながら詳しく解説します。
ツアーAD GPの振動数の傾向
ツアーAD GPは、グラファイトデザインの中でもしっかりとした剛性を持つシャフトとして知られており、その振動数も高めの設計です。特に元〜中間部の剛性が高く、「全体がしなり過ぎない」特性から、振動数にもその特徴が反映されています。
- 6Sでおおよそ260〜265cpm(組み上げ状態での目安)
- 6Xで270〜275cpm
- ヘッドの装着重量や装着長さ、グリップ重量などによって±5cpm程度の変動あり
このように、フレックスごとの表記以上に“実際の剛性感”が強いのがGPの特徴です。
フレックス別振動数(参考値)
以下に代表的なスペックの振動数をまとめます(いずれもドライバー用、45インチ、D2前後のバランス時):
モデル | フレックス | 振動数(目安) | 体感剛性 |
---|---|---|---|
Tour AD GP 5 | R2 | 約235 cpm | 軟らかめ(ハイロフト向き) |
Tour AD GP 5 | R1 | 約240 cpm | 軟らかめだがしっかり |
Tour AD GP 5 | S | 約250 cpm | ややしっかり |
Tour AD GP 6 | S | 約262 cpm | 標準的なSより硬め |
Tour AD GP 6 | X | 約272 cpm | ハードヒッター向け |
Tour AD GP 7 | X | 約280 cpm | ハードスペック、高速対応 |
上記のように、「6Sでも一般的な6X並み」と感じるユーザーがいるほど、GPはシャフト全体の剛性が高く、それが振動数にも表れています。
振動数の測定方法と注意点
振動数は、振動計(シャフトアナライザー)を用いて測定されますが、測定条件によって異なる数値が出ることもあります。
- シャフト単体 vs グリップ付き vs ヘッド装着済み:数値に差が出る
- 測定位置(シャフトの固定点)、測定機器の仕様によって誤差あり
- フィッティングスタジオでの統一測定が信頼性が高い
特にグリップの重さや太さ、ヘッドの重量配分によってシャフトのしなり戻りスピードが変化し、同じモデルでも体感の硬さが違ってくるため、単なる振動数の数値だけでは判断できない側面もあります。
振動数だけでなく「剛性分布」との組み合わせが重要
ツアーAD GPのようなシャフトは、単に振動数だけで語ると「硬いシャフト」と思われがちですが、しなり戻りのタイミングや先端の挙動が安定しているため、体感としては「暴れないが扱いやすい」と感じる人が多いです。
- 元〜中間剛性が強く、ダウンスイングでのシャフトの“粘り”が少ない
- 先端が硬く、インパクトゾーンで当たり負けしない
- 全体的に“直線的に戻る”感覚があり、操作性重視のゴルファーに好まれる
このように、振動数だけでなく“剛性分布”との合わせ技でシャフト特性を判断することが大切です。
どんなプレイヤーに合う振動数か?
ツアーAD GPの振動数設計は、中〜上級者、特にインパクトゾーンでの安定性を求めるプレイヤーに適しています。
- ヘッドスピード43〜47m/sのゴルファーに6Sがフィット
- それ以上のハードヒッターには6Xや7Xがおすすめ
- 弾道を抑えたい人、高さを抑えてライン出ししたい人にも好相性
ツアーADGP合う人まとめ
ツアーAD GPシャフトは、グラファイトデザインの中でも独特の剛性分布と振動数設計により、多くのゴルファーに支持されています。しかし、すべてのプレイヤーに合うわけではなく、適合するタイプを正しく理解することが重要です。ここでは、ツアーAD GPが特に合う人の特徴を詳しくまとめて解説します。
1. ハードヒッターでしっかり叩ける人
ツアーAD GPは、全体的に剛性が高く硬めの設計です。特に6Sや6X、7Xのモデルでは、ヘッドスピードが速くて力強くインパクトを迎えられるゴルファーに向いています。ヘッドスピード43〜47m/s以上の中〜上級者に適し、しっかり叩いて球を押し出す打ち方のプレイヤーにとっては、シャフトの剛性がボールのつかまりと方向性の安定に寄与します。
2. 安定した弾道を求めるゴルファー
振動数が高く、元〜中間部の剛性が強いツアーAD GPは、スイング中のシャフトの暴れを抑え、振り抜きの良さと方向性の正確さを両立しています。したがって、「スライスを減らしたい」「弾道のバラつきを抑えたい」と感じている人に適しています。シャフトのしなり戻りが速いため、インパクトの再現性が向上し、安定したショットが打ちやすくなります。
3. フェード系の弾道を好む人
ツアーAD GPは先端剛性が高めで、球をつかまえすぎない設計のため、強いドローヒッターよりは、どちらかというとフェード系の弾道を好むゴルファーにマッチしやすいです。フェード弾道は風に強く、コントロール性能も高いため、戦略的なゴルフを志向するプレイヤーに選ばれています。
4. テンポが速めのスイングの人
シャフトの硬さと剛性分布から、ゆったり振るよりは比較的速めのテンポでスイングできる人のほうが、ツアーAD GPの性能を引き出しやすい傾向があります。テンポが速いとシャフトの反発力としなり戻りの速さがマッチし、最適な弾道と飛距離を生み出します。
5. 繊細な操作を求める上級者
ツアーAD GPは操作性の高さでも定評があり、方向修正やコース戦略に応じた球筋の調整がしやすいシャフトです。シャフトの剛性が高いことで、手元に余計な負荷がかからず、コントロール性能を求める上級者に好まれています。中間剛性が強いため、インパクトでの球のつぶれ感が少なく、打感の良さも評価されています。
合わない人の特徴
逆に、ツアーAD GPが合いにくいのは以下のようなタイプです。
- ヘッドスピードが遅い、ゆっくりしたスイングテンポの初心者やアマチュア
- 柔らかいシャフト感が好みで、手元にしなりを感じたい人
- 強いドローやフックボールを多用する人
このような人は、より軟らかめで手元しなりの強いモデルのほうが、ボールのつかまりや振り抜きの良さが得られるでしょう。
総評
ツアーAD GPは「剛性が高く、しなりを抑えた設計」のため、力強く正確なスイングを持つ中〜上級者、特に安定したフェード系弾道を求めるゴルファーに最適です。振動数も高めで、テンポの速いスイングにマッチしやすいため、スイングパワーとコントロール性能の両立を図りたい人におすすめします。