
ツアーAD GTシリーズは、グラファイトデザインの中でも人気が高く、幅広いゴルファーに支持されています。
本記事では「ツアーAD GT 合う人」というキーワードをもとに、このシャフトの性能やフィーリング、合うスイングタイプなどを詳細に解説します。
使用しているプロや剛性分布、調子、振動数などのデータも交え、あなたにこのシャフトが合うかどうかを見極める一助となる情報をお届けします。
記事の内容一覧
- ツアーADGTの特徴
- 使用プロ
- 特性
- 分布図と剛性分布
- 後継
- ツアーADGT合う人
- GCはどのような人に向いてる?
- DIに合うヘッド
- 調子
- 振動数
- 6Sのヘッドスピード
- ツアーADGT合う人まとめ
ツアーADGT合う人を知るための性能分析と傾向
ツアーAD GTが合う人を見極めるために、まずはそのシャフトの基本特性や剛性分布、使われているプロの傾向を知ることが大切です。また他モデル(GC・DI)との比較や、振動数、ヘッドスピードなどの客観的データも交えながら、実際にどんなタイプのゴルファーにフィットするかを解説していきます。
ツアーADGTの特徴
ツアーAD GT(グラファイトデザイン)は2013年に発売されたモデルで、ツアーADシリーズの中でも非常に完成度が高く、安定性と操作性のバランスに優れたシャフトです。GTは“Gain Traction”の略で、方向安定性と強い弾道を狙った設計コンセプトに基づいています。
特筆すべきはその中調子の設計で、手元から先端までの剛性変化が滑らかに構成されていることです。これにより切り返しのタイミングが取りやすく、スイングのテンポが安定する特徴があります。しなり戻りのスピードも自然で、インパクト時にフェースの向きが狂いにくいため、方向性重視のゴルファーに好まれています。
もうひとつのポイントは「ハードヒッターにも対応できる剛性設計」です。先端の暴れを抑えており、スピン量も抑え気味。球が吹け上がりにくく、風にも強い中弾道を打ちやすい点が評価されています。
中調子とはいえ、全体剛性がしっかりしており、「シャフトが仕事をしてくれる」感覚を好む人には非常にフィットします。ドロー・フェードどちらの球筋にも対応可能で、幅広いゴルファーにマッチします。
使用プロ
ツアーAD GTはプロの間でも広く使用されてきました。日本国内ツアーでは特に男子プロに人気が高く、藤本佳則プロや、谷口徹プロなどが使用歴を持つことが確認されています。PGAツアーでは海外選手の使用例は比較的少なめですが、これはGTが日本市場向けに設計されたモデルであることに起因しています。
プロに選ばれる理由は、何と言ってもその安定性と適応力です。スイングテンポが速くても暴れず、かといって硬すぎず、球の高さもコントロールできる点が評価されています。
またGTは、フェアウェイウッドやハイブリッドでも採用例があり、クラブセット全体の調和を重視するプロには特に好まれてきました。試合環境での実績も多く、優勝クラブセッティングに名を連ねることも少なくありません。
実際の使用プロの傾向からも、ツアーAD GTは「飛距離と方向性のバランスを重視する中・上級者」に支持されているシャフトと言えます。
特性
ツアーAD GTのシャフト特性は、以下の3点に要約できます:
- 中調子で癖が少ない
→ タイミングが取りやすくスイングリズムを崩しにくい。 - 全体剛性が高め
→ しっかり振っていける。ダウンスイングでの粘りがありつつも素直な挙動。 - 先端剛性が高く暴れにくい
→ スピン量が抑えられ、風に負けない強い中弾道が打てる。
このシャフトは「捕まりすぎない設計」でもあります。つまり、スライス系の球を抑えるような設計ではないため、自分でフェースコントロールができるゴルファー向きです。フッカーには安心感がありますが、スライサーには難易度が高めかもしれません。
また、シャフトが「走りすぎない」ため、安定したミート率を維持でき、フェースの芯にボールを集めやすい点も魅力です。
分布図と剛性分布
ツアーAD GTの剛性分布は、グラファイトデザイン社の公式資料や計測サイトのデータにより、以下のような特徴を持ちます。
- 手元剛性:やや高い
- 中間剛性:滑らかなテーパー構造
- 先端剛性:高め(特にTip側)
このバランスにより、スイング時の「一体感」が得られやすく、切り返しで手元が浮いたり、シャフトが暴れることがありません。特に中間部から先端への剛性変化が非常にスムーズで、トルクも控えめ(6Sで約3.1)なため、ボールコントロール性能が高いです。
分布図を見ると、いわゆる「全体しっかり・先端しっかり」の特性で、ハードヒッターでも暴れず打てる設計です。よってスイングタイプを問わず、一定のスピードがあるプレイヤーであれば、違和感なく振ることができます。
後継
ツアーAD GTの後継モデルとして位置づけられているのは、ツアーAD MJおよびツアーAD TPです。GTがリリースされたのは2013年で、MJは2015年、TPは2016年に登場しました。これらはGTの特性を踏襲しながら、時代のクラブ進化に合わせて設計されたモデルです。
ツアーAD MJ(2015年)
MJはGTの“中調子で癖のないフィーリング”を引き継ぎながらも、先端のしなり戻りをやや強調した設計になっています。これにより弾き感がやや増して、やや高弾道を打ちやすくなったという特長があります。シャフトの挙動としてはGTよりも若干アクティブな動きで、「よりボールを上げやすくしたGT」と言っても過言ではありません。
ツアーAD TP(2016年)
TPはGTよりも全体剛性がさらに高められており、特に中間部の剛性がしっかりしています。これは、重心位置が後方にある大型ヘッド(特に高慣性モーメント型)とのマッチングを考慮した結果です。GTから乗り換えるプレーヤーの多くが、TPの剛性感に信頼を置いています。
GTユーザーで、現在のヘッドにややシャフトが負けていると感じている人にはTPが最適であり、同等かそれ以上の安定性を求める場合の良い後継選択肢となるでしょう。
ツアーADGT合う人
ツアーAD GTが「合う人」とはどのようなゴルファーか?この問いには、フィジカル・スイング・プレースタイルの3側面から見ていく必要があります。
ツアーADGT合う人
①フィジカル(体力・パワー)
GTは中調子ながら全体剛性が高いため、ヘッドスピードが43m/s以上のゴルファーに適しています。特に6Sを使用する場合、43〜47m/s程度のレンジが最もフィットしやすいとされます。それ以下のスピードだと「シャフトが硬く感じる」「球が上がらない」といった傾向が出やすくなります。
②スイング傾向
- 切り返しが早いタイプでも、GTはしっかり受け止めてくれます。
- シャフトに頼らず、自分のスイングでフェース面を制御できるゴルファー。
- フッカー(左に曲がりやすい人)には特に安心感があり、引っ掛けを抑制しやすいです。
逆に、スライサーにはGTは少し扱いづらく感じることがあります。捕まりすぎることがなく、やや抑えた挙動のため、自然なフェードを打つプレーヤーには好まれる傾向があります。
③プレースタイル
- 方向性重視のプレーヤー。
- 強い中弾道で風に負けないショットを打ちたい人。
- 安定したスピン量で距離のブレを抑えたい人。
これらの要素を総合すると、「ヘッドスピードがある程度あり、スイングで球筋を作れる中・上級者」こそが、ツアーAD GTのターゲットユーザーと言えるでしょう。
GCはどのような人に向いてる?
GC(Tour AD GC)は、GTとは異なる設計思想を持ったシャフトで、2021年に登場したモデルです。中調子ながら先端の剛性がやや柔らかめに設計されており、捕まりの良さと高弾道を意識したシャフトになります。
GCが向いているのは、以下のようなタイプのゴルファーです:
- ヘッドスピードが38〜43m/sの中間層
- ややスライス傾向で、捕まりが欲しい人
- ボールが上がりづらくて悩んでいる人
- シャフトの助けを借りたい人
GTとは対象がやや異なり、よりアベレージゴルファー向けの設計と言えます。シャフトが“仕事してくれる”感覚が強く、ミスヒットに対する許容性も高いため、スイングが安定していない人にも選ばれやすい傾向にあります。
また、GCはヘッドとのマッチングにおいても、やや捕まりの悪いヘッドや、ロースピン傾向の強いヘッドと相性が良いです。GTのような“抑制的”なシャフトではなく、プレーヤーを“助けてくれる”傾向があるため、逆球(意図しない球筋)への耐性も強くなります。
DIに合うヘッド
ツアーAD DIはGTとは異なり、先調子で非常にシャープな挙動を特徴とするシャフトです。そのため、ヘッドとの相性も異なり、以下のような条件が合うとフィット感が高まります。
ヘッドの条件
- 捕まりすぎないフェース角
- 低スピン系・ディープフェース設計
- 慣性モーメントがやや高めの安定系モデル
代表的なヘッドとしては、以下が挙げられます:
メーカー | モデル名 |
---|---|
タイトリスト | TSR3 / TSi3 |
キャロウェイ | PARADYM◆◆◆ / EPIC SPEED |
テーラーメイド | SIM2 / Stealth Plus |
ブリヂストン | B1/B2 |
DIは先端が走ることで球が上がりやすくなり、スピンが入りやすい特性があります。そのため、元々球が上がりやすいヘッドや、捕まりの強いモデルに装着すると、球が吹け上がったり、フック傾向が強まるリスクがあります。
その点、GTは挙動が穏やかで抑え気味であるため、DIとは対照的なヘッド選びが必要となるでしょう。
調子
ツアーAD GTの「調子」は**中調子(ミッドキックポイント)**に分類されます。この中調子設計は、手元・中間・先端の剛性変化が緩やかで、切り返しからインパクトにかけての動きが非常にスムーズになるように設計されています。
中調子のメリット
- タイミングが取りやすい
→ 切り返し時にシャフトが暴れず、スイングテンポを乱さない。 - ヘッドの挙動が安定する
→ フェース向きのブレが少なくなり、ミスのばらつきを抑えられる。 - 極端なスピン増減が起きにくい
→ 中弾道・中スピンでコントロールがしやすい。
一方で、先調子のように「走ってくれる」タイプのシャフトとは異なり、プレーヤー自身のスイングリズムにシャフトが合わせるイメージが強く、ヘッドスピードが低いとしなりを活かしきれない可能性もあります。
GTは“中調子の中でもしっかり系”に属するため、他のミッドキックシャフトと比べても「緩やかな弾き感と高剛性のバランス」が取れている点が特徴です。
振動数
ツアーAD GTの振動数は、市販データによると以下のような数値が一般的です(装着長さ・クラブ長により差異あり):
フレックス | 振動数(参考値) |
---|---|
5S | 約250 cpm |
6S | 約265 cpm |
6X | 約275 cpm |
7S | 約275〜280 cpm |
GTの振動数は同じ「中調子」の中でもやや高めであり、特に6S・6Xでは全体的に剛性感が強く感じられる数値です。つまり、「振っても暴れずに戻ってくる」シャフト挙動を好むプレイヤー向きであり、スイングタイプとしてはダウンブロー気味で叩いていける人に合います。
なお、振動数だけでシャフトの硬さは決まりませんが、GTのように振動数が高めかつトルクが少なめ(例:6Sで3.1程度)であるシャフトは、しなり戻りの速さよりも“粘り”を活かしたスイングが求められます。
6Sのヘッドスピード
ツアーAD GT 6Sのスペックをフルに活かすには、最低でもヘッドスピード43m/s以上が推奨されます。これは、GTのシャフト剛性およびトルク値、シャフト重量(約66g)から判断される基準値です。
推奨ヘッドスピードと特性の関係
ヘッドスピード | 使用感 |
---|---|
~42m/s | やや硬く感じ、球が上がりにくい |
43〜45m/s | 最もフィット。適度なしなりと直進性 |
46〜48m/s | 叩いても暴れない。弾道は中低弾道傾向 |
49m/s〜 | しなり戻りの遅さを感じる可能性あり |
GT 6Sはトルク3.1とやや締まった設計のため、速いスイングテンポや強く振るスイングとの相性が良いです。逆に、ゆったり振るタイプにはシャフトが動いてくれず、「硬いだけ」の印象になることもあるので注意が必要です。
また、GT 6Sは先端剛性が高く、ボールの吹け上がりを抑える特性があります。よって、ロースピンで中弾道、強めの球筋を好むゴルファーには非常にマッチします。
ツアーADGT合う人まとめ
最後に、ツアーAD GTがどのようなゴルファーに合うのか、ポイントを整理してまとめます。
ツアーAD GTが合う人の特徴
- ヘッドスピード:43〜47m/s程度
- スイングタイプ:テンポが速く、叩いていくタイプ
- 球筋:フェード〜ストレート、捕まりすぎを嫌う人
- プレースタイル:方向性重視、中弾道、風に強い球を打ちたい人
向いていない人の傾向
- ヘッドスピードが40m/s以下
- ゆったりとシャフトのしなりを感じて打ちたい人
- シャフトに球の捕まりを助けてもらいたい人
- 高弾道・高スピンを求める人
GTは万能型ではありますが、シャフトの「走り」を活かす設計ではなく、どちらかといえば「粘りと安定性」を重視するプレーヤーに向いています。クラブで球筋を作るよりも、自分のスイングでコントロールしたいゴルファーにこそ、GTは真価を発揮します。
そのため、アマチュア中上級者〜競技志向のゴルファーにとっては、長く愛用できる1本となる可能性が高いです。