
ゴルフクラブの性能はシャフトによって大きく左右されますが、その中でもアッタスキングは独自の剛性設計と振り抜きの良さから幅広いゴルファーに支持されています。
特にヘッドスピード40m/s前後のゴルファーにとっては、硬さの選択や似たモデルとの比較、近いヘッドスピード帯の参考値など、多くの判断材料があります。
本記事ではアッタスキングの特性を踏まえ、ヘッドスピード38〜45m/sの方に向けた硬さ選びの基準や合うヘッド、合わない人の特徴、さらに振動数や評価まで体系的に整理して解説していきます。実際の数値やシャフト特性をもとにまとめることで、クラブ選びの迷いが大きく減るはずです。
記事の内容一覧
- アッタスキングヘッドスピード40に合うシャフトの硬さ
- 5SXと4Xと4Rのヘッドスピード
- アッタスパンチに合うヘッド
- ダースのヘッドスピード
- アッタスキングヘッドスピード38と40と42と45
- 合うヘッド
- 合わない人
- 振動数
- 評価
- アッタスキングヘッドスピード40まとめ
目次
アッタスキングヘッドスピード40の基準とシャフト選び
ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーは、スイングテンポが中程度で、しなり戻りを適切に使えると飛距離と方向性が安定しやすいゾーンです。アッタスキングは中間部の剛性が高く、切り返しでシャフトが暴れにくい特徴があるため、この帯域のゴルファーに相性が良いモデルといえます。本記事では、硬さ選び・近いヘッドスピード帯の参考数値・モデル別の特徴・合うヘッドや向かないタイプまで総合的に整理し、40m/sの基準で迷わない選び方をわかりやすくまとめています。
アッタスキングヘッドスピード40に合うシャフトの硬さ
ヘッドスピード40m/s付近のゴルファーがアッタスキングを選ぶ際、硬さ(フレックス)は性能を大きく左右する最重要ポイントです。アッタスキングは中間剛性が高く、手元側までしっかりしているため、同じフレックスでも一般的なシャフトより硬く感じる傾向があります。そのため、通常Sフレックスを使用している人でも、アッタスキングではワンフレックス柔らかめを検討するケースが少なくありません。
硬さ選びの基本基準
アッタスキングはしなり戻りが素早く、ヘッドを加速させる設計が特徴ですが、ヘッドスピード40m/sの場合、硬すぎるとインパクトでフェースが開きやすく、逆に柔らかすぎるとタイミングがズレて左に引っかけやすくなります。40m/s前後では、
- 4S … 標準的に使いやすい基準値
- 4SR … 少しゆったりしたテンポの人に馴染みやすい
- 4X … ハードヒッター気味でインパクト強めの人向け
剛性感の強いアッタスキングでは「少し柔らかめ」を選ぶと扱いやすいケースが増えます。
ミート率との関係
40m/sでミート率1.45〜1.49のゴルファーは4S〜4SRが適正。
ミート率が1.40前後の場合は柔らかめを選ぶことでしなり戻りを活かし、結果としてミート率改善に繋がります。
逆にミート率が低い人は、フレックスよりテンポを優先し、切り返しでシャフトの戻りを感じられる硬さを選ぶと方向性が安定します。
しなり位置の体感
アッタスキングは先端が動きすぎないため、左のミスを抑えたいゴルファーに有利です。40m/s帯のプレイヤーが強振するとしなり戻りが早く、インパクトが遅れると右に出やすくなるため、自分のテンポに合わせた硬さ選びが重要になります。
5SXと4Xと4Rのヘッドスピード
アッタスキングの中でも、5SX・4X・4Rといった異なる重量帯と硬さの選択肢があり、それぞれに適正ヘッドスピードがあります。
5SXの適正ヘッドスピード
- 適正:42〜45m/s
- 40m/sにはハード気味で、叩きにいくタイプ向け
- Xフレックス慣れしていないと右に出やすい
4Xの適正ヘッドスピード
- 適正:40〜43m/s
- 振り切りやすい軽量X
- 左へのミスを抑えたいゴルファー向け
- 40m/sで叩きたい人には最もフィット
4Rの適正ヘッドスピード
- 適正:36〜39m/s
- ただしアッタスキング自体が硬めのため40m/sでも選択肢に入る
- ゆっくりテンポ&球が上がりにくい人に向く
- 右へのミスが多い人はしなりを使えるようになり改善に繋がる
アッタスパンチに合うヘッド

アッタスパンチはキックポイントが中元調子寄りで、弾き感としなり戻りのバランスが良く、ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーにも扱いやすい特性を持ちます。ただしシャフト特性を最大限に引き出すには、ヘッド側の重心設計や慣性モーメント(MOI)、フェースのつかまり具合などとの相性が極めて重要です。パンチ特有のクセとして「走りすぎない」「暴れづらい」「左に巻きにくい」特徴があり、これを踏まえて相性の良いヘッドを選ぶ必要があります。ここでは、近年の市販ドライバーヘッドの中でも、アッタスパンチと相性の良い特性を持つヘッドの特徴を体系的にまとめます。
合うヘッドの重心特性
アッタスパンチは先端剛性がやや高いため、先端が動きすぎるヘッドよりも、中〜後方重心のヘッドとの相性が安定しやすくなります。重心が深いヘッドは打ち出しを高め、寛容性を上げてくれるため、パンチの適度な弾きと組み合わせることで、40m/s帯でも高弾道を楽に作れます。
例えば「つかまりすぎるヘッド」だとパンチのしなり戻りと衝突して左のミスが増えやすいですが、「ニュートラル〜やや低スピン傾向のヘッド」だとつかまりすぎを抑えつつ、直進性の高い弾道を作りやすくなります。
ヘッド重量(可変ウェイト含む)の相性
パンチは同重量帯のシャフトより若干しっかりしたフィーリングを持つため、
- 198〜205gの標準重量ヘッド
- 軽すぎないウェイト配置
との相性が特に良く、40m/s前後のゴルファーでも振り遅れが起きにくく扱いやすいセットになります。
反対に、軽量ヘッド(185〜190g)との組み合わせでは、切り返しでシャフトの戻りが強く出やすく、右への抜けや左の引っかけなど、いずれもタイミングエラーが発生しやすくなります。標準重量のヘッドで慣性モーメントが高めの設計を選ぶと、パンチの特徴を素直に活かせます。
フェースのつかまり具合とのバランス
アッタスパンチは先端剛性が高めで、もともと「つかまりすぎないシャフト」です。そのため、
- つかまりが強すぎるヘッド → 左が怖くなる
- つかまりが弱すぎるヘッド → 球が右に出やすい
という両極端のミスが発生します。
最も相性が良いのは、
- ニュートラルバランスのフェース角
- ややドロー寄り設定だが過度ではないモデル
この条件を満たすヘッドです。パンチの挙動と衝突しないため、自然につかまる力を補ってくれます。
寛容性(MOI)との相性
ヘッドの慣性モーメントが大きいほど、打点ブレに強く方向性が安定しますが、アッタスパンチは挙動が素直なため、
- 高MOIヘッド → ミスに強い・パンチと相性が良い
- 低MOIヘッド → クセが強くなりタイミングがシビアになる
という傾向があります。
40m/s前後のゴルファーで、フェース下やトウ寄りへのミスが出やすい人は、高MOIヘッドとの組み合わせで安定性が大幅に向上します。
実際の組み合わせ例(特性ベース)
以下は「特性の組み合わせ例」であり、実在モデルの特徴に基づくものです。
- 後方重心 × 高MOI × ニュートラルフェース
→ もっとも扱いやすく、パンチの良さ(直進性+高さ)を最大化 - 浅重心 × 低スピン × ニュートラル
→ 強弾道になるが、ミスには弱い - ドロー強め × 深重心
→ 球は上がるが左が増えやすい
まとめると、アッタスパンチは「標準重量・深重心・ニュートラルフェース」のヘッドと最も高い相性を示し、40m/s前後のゴルファーでも高弾道で曲がりの少ないショットを期待できます。
ダースのヘッドスピード
アッタスダースのヘッドスピード適性を理解するためには、シャフトが持つ素直な挙動と、プレイヤーのスイングタイプがどのように噛み合うかを丁寧に整理する必要があります。ダースはアッタスシリーズの中でも「クセが少なく、しなり戻りが自然で、暴れにくい」ことが最大の特徴で、特に中速帯のプレイヤーに扱いやすい性能を提供します。ここでは、ヘッドスピードごとにどのような適性があるのか、またどの重量帯・硬さが適しているのかを詳しく解説します。
ヘッドスピード38m/s前後の適性
ヘッドスピード38前後のプレイヤーであれば、アッタスダースのR〜SR帯がもっとも扱いやすく、シャフト全体がしなりやすいことでミート率を向上させやすいメリットがあります。特にこの速度帯では、重すぎるシャフトを選ぶとトップしやすくなったり、フェースが開いたままインパクトするリスクが増えます。ダースの素直な戻りはこの弱点を補い、弾道を上げやすくする効果が期待できます。また、バックスイングで適度にたわむため、タイミングが取りやすく、スイング全体がリズムよくまとまりやすいのも特徴です。
ヘッドスピード40〜42m/sの最適ゾーン
もっともアッタスダースの性能を引き出せるのが、40〜42m/sのヘッドスピード帯です。このゾーンにいるプレイヤーは、5Sや5Xといった標準的な重量帯・硬さを選択することで、シャフトのしなり戻りと自分のスイングテンポが高いレベルで一致し、最も安定した弾道を実現できます。また、ダースは中間部の挙動が穏やかで急激な動きをしないため、インパクトでの球離れが安定し、方向性のブレが小さくなる点が大きな利点です。特に、左へのミスを嫌うプレイヤーや、強いハンドファーストを作りたいゴルファーにおいても、ダースは過度に捕まりすぎず、かつフェースコントロールを容易にします。
ヘッドスピード43〜45m/sの適合性
ヘッドスピードが43m/sを超えてくるプレイヤーの場合、ダースはしなり戻りがやや早く感じる可能性があり、場合によってはタイミングが合いにくいケースが生まれます。45m/sに近づくと、シャフトの戻りがインパクトに間に合わず、左への引っ掛けや、逆に押し出し気味のミスが混じるなど、安定性に課題が出ることがあります。この速度帯でダースを使用する場合は、6Sや6Xといった重量帯で手元側の剛性を補ったモデルを選ぶことで、タイミングのズレを減らせますが、それでも同シリーズの中では若干マッチングが難しい領域となります。
ダースが中速帯に最も向く理由
アッタスダースは極端な先調子・元調子の性格がなく、どの部分も均一にしなる「ニュートラル系」シャフトであるため、ヘッドスピードが中速帯のプレイヤーにとって非常に扱いやすいのが特徴です。しなりが自然で、戻りが穏やかであることから、スイングの癖を必要以上に強調せず、プレイヤーの本来の動きをそのままボールに伝えやすくなります。これにより、方向性のばらつきを抑え、飛距離を安定させる効果が生まれます。
重量選びと最終的なフィッティングのポイント
ダースを最大限生かすためには、重量帯の選択も非常に重要です。ヘッドスピードが38m/s前後ならRまたはSR、40〜43m/sなら5S〜5X、43m/s以上なら6S以上を検討することで、しなりと振りやすさのバランスが整いやすくなります。さらに、実際のフィッティングではスイングテンポ・トップでの間・手元の使い方なども大きく影響するため、試打での挙動確認は必須です。総合的に見ると、アッタスダースは「38〜43m/sの中速帯プレイヤーがもっとも性能を引き出しやすいシャフト」であり、方向性とミート率のバランスを求める層に最適です。
アッタスキングヘッドスピード38と40と42と45

アッタスキングは、弾き感の強さと先端部のしっかり感が両立していることから、ヘッドスピードの違いによって性能の出方が大きく変わるシャフトです。特に「ヘッドスピード38・40・42・45」という幅の中では、それぞれで要求される剛性バランスや振り心地が異なるため、自分のスピード帯とスイングタイプがどこに位置しているかを正確に把握することが重要です。ここではスピード帯別にアッタスキングの相性を詳細に解説します。
ヘッドスピード38m/s:適合のボーダーライン
38m/s前後はアッタスキングにとって適合の境界付近になります。キングは中間部の張りが強く、しなり戻りのパワーも大きいため、この速度帯だと「強すぎる」「振りにくい」と感じるケースが多くなります。
もし38m/sで使用する場合は、5SRや5Rに相当する柔らかめのスペックを選び、軽量化も検討する必要があります。それでも、トップで溜めが少ないスイングや、手元からクラブをリリースしてしまうタイプの場合、しなりを十分に使えず飛距離ロスが発生しがちです。
一方で、体幹の使い方が上手く、ゆっくり大きなトップを作れるスイングであれば、意外と扱え、弾きの強さによる初速アップを感じやすい場合もあります。ただし総合的には「38m/sはやや厳しい」という評価になります。
ヘッドスピード40m/s:性能を引き出しやすい下限
アッタスキングの性能を自然に感じられるのは40m/sからです。40m/s帯であれば、シャフトが持つ張りが適度に作用し、しなり戻りのスピードと自分のテンポが噛み合いやすくなります。この帯域では、5Sまたは5SRが最もフィットしやすく、特にフェースターンが穏やかなプレイヤーでもボールを拾いやすくなる点がメリットです。
また、中間部の強さにより、インパクト前後でフェース角が安定するため、「当たり負けを減らしつつ初速を上げたい」と考える40m/s前後のプレイヤーにとっては非常に扱いやすいシャフトとなります。
ヘッドスピード42m/s:もっとも相性が良い黄金ゾーン
アッタスキングがもっとも実力を発揮するのが42m/s前後です。
このスピード帯では、シャフトの中間部〜先端部の剛性がスイングスピードと完全にマッチし、しなり戻りのタイミングが自然に合います。そのため、5S・5Xが最も高いパフォーマンスを発揮しやすいスペックになります。
特にドライバーで高初速・強い中弾道を求めるゴルファーには理想的で、フェード・ドローどちらの持ち球でも安定したサイドスピン量に保ちやすい点が特徴です。インパクトの強さに負けない骨格を持つため、安定度と飛距離のバランスを最高レベルで実現できます。
ヘッドスピード45m/s:スペックを上げれば対応可能
45m/sになると、アッタスキングの標準スペック(5S・5X)ではしなり戻りが追いつかず、左への巻き込みや右への押し出しが混在しやすく、弾道が不安定になりがちです。この領域では、6Sまたは6X以上の重量帯にすることで、手元側の安定感が増し、強振した際にもタイミングがずれにくくなります。
45m/s帯のプレイヤーはインパクトが強く、ヘッド挙動の安定性がもっとも大事になりますが、キングは「暴れにくい弾き系」であるため、相性が悪いわけではありません。むしろ適正重量を選べば、飛距離の伸び幅は大きくなる傾向にあります。ただし、ヘッドスピードが45m/s近くになると、純粋な粘り系シャフトを選ぶケースも多くなるため、キングは「向く人と向かない人がはっきり分かれる」速度帯でもあります。
スピード帯別まとめと選び方のポイント
- 38m/s:合いにくい。使うならR〜SRで軽量帯必須
- 40m/s:性能を引き出せる下限。5SR〜5Sが最適
- 42m/s:最良の適応帯。5S〜5Xで高性能を発揮
- 45m/s:重量帯を上げれば可能。6S以上推奨
アッタスキングは「弾き系なのに暴れない」という希少な特性を持つため、スピード帯の違いがフィッティングに直結します。自分のヘッドスピードとテンポを正確に把握することで、このシャフトの魅力を最大限引き出せます。
合わない人
アッタスキングは弾き感が強く、中間部の張りによる独特の挙動を持つシャフトです。そのため、一定のスイングタイプとヘッドスピードを備えていないと性能を引き出しにくい場合があります。ここでは「アッタスキングが合わない人の特徴」を、スイング傾向・フィジカル・打点管理など多角的な観点から詳しく解説します。
しなりを大きく使うタイプのスイングの人
アッタスキングは中間部が強く、しなり戻りのスピードが速い特徴があります。そのため、
- 手元側を大きくしならせたい
- しなりの量を感じながら打ちたい
- ねじれの少ない“棒状感”ではなく、柔らかい挙動を求める
といったタイプのプレイヤーには合わないケースがあります。
とくに、トップで大きく溜めるスイングや、切り返しで手元が走りやすいタイプの場合、しなり戻りが急に感じられ、タイミングがズレて左に巻き込みやすくなります。
逆に言えば、キングは「しなりを使う」よりも「スピードで叩く」タイプに向いているシャフトです。
ヘッドスピードが38m/s前後のゴルファー
アッタスキングは本来40〜45m/s帯のプレイヤーで性能を最大化できる設計です。
そのため、
- 38m/s以下ではしなりを感じにくい
- 弾きが強すぎて球が上がらない、キャリー不足になる
- タイミングが合わず、方向性が悪化する
といった状況が起こりやすいです。
もし38m/s前後のプレイヤーがキングを使う場合は、
5R〜5SRなど柔らかいスペック必須
ですが、それでも中間部の張りによって「硬さ」を感じる人は多く、根本的に挙動が合わないこともあります。
手元調子のしなりを強く求める人
アッタスキングは典型的な“中間〜先端剛性の強い弾き系シャフト”であり、手元が柔らかいタイプとは真逆の性質を持ちます。
そのため、
- 切り返しで手元のしなりを感じてリズムを作りたい
- シャフトのねじれ量を使ってつかまえたい
といったプレイヤーには適性が低い傾向があります。
特に、MCI系のアイアンや手元調子のドライバーシャフトを好むゴルファーは、キング特有の「キレのある戻り」が強すぎて違和感を持つケースが多いです。
インパクト時の打点ブレが大きいゴルファー
キングは暴れにくい構造ですが、同時に“ごまかしの効きにくいシャフト”でもあります。
理由は、
- 先端が安定しているため挙動が正直
- 打点のズレが弾道へそのまま反映されやすい
からです。
そのため、
- 毎回芯を外しがち
- 打点が上下左右にバラけやすい
- インパクトロフトが安定しない
といった傾向がある人は、シャフトの正確さが裏目に出てしまい、ミスが増えてしまうことがあります。
極端にゆったりとしたテンポのプレイヤー
切り返しの間を長く取り、ヘッドを“落としてから振る”ようなテンポだと、中間部の張りが強すぎてスイングテンポとシャフト挙動が合いにくくなります。
結果として、
- 振り遅れ
- トップの切り返しでシャフトが動かない
- 強い弾き感が逆に制御しづらい
といった問題が生じやすくなります。
合わない人まとめ
- しなりを大きく使うスイング
- ヘッドスピード38m/s以下
- 手元調子シャフトを好むタイプ
- 打点が安定しないゴルファー
- ゆったりテンポで間合いを取るタイプ
アッタスキングは“弾き感の強さ×暴れにくさ”を求めるゴルファーには理想的なシャフトですが、しなり量やテンポで打つプレイヤーには適性が低くなる傾向があります。
振動数
アッタスキングの性能を理解するうえで、振動数の知識は欠かせません。振動数とはシャフトの硬さを数値で把握するための指標で、一般的には「CPM(Cycles Per Minute)」で表されます。数値が高いほど硬く、低いほど柔らかい傾向があります。アッタスキングは“弾き系シャフト”として設計されているため、同じフレックス表記でもほかのシリーズより振動数が高めに出やすいのが特徴です。ここでは番手ごとの振動数の目安、フィッティング時の判断、ヘッドスピード40との関係などを詳細に解説します。
アッタスキングの振動数は高めに設定されている
アッタスシリーズの中でも、キングは中間部の張りと先端剛性の強さから、全体として“数値以上の硬さ”を感じるシャフトです。
一般的な傾向としては以下のようになります:
- 5S:260〜265cpm前後
- 5X:270〜275cpm前後
- 6S:270〜280cpm前後(ヘッドの重さでブレる)
- 6X:285〜295cpm前後
※あくまで一般的な組み合わせでの目安であり、実際はヘッド重量・挿入長・接着長で上下します。
同じフレックス表記でも、
「数字よりも硬く感じる」
という声が非常に多いシャフトで、フィッティングでは慎重な選択が必要になります。
ヘッドスピード40m/s帯に適した振動数
ヘッドスピード40前後のゴルファーがアッタスキングを使う場合、もっとも扱いやすいのは 250〜265cpm の領域です。
- ミート率を落とさず
- 弾きの強さを活かし
- 左に巻き込みすぎず
- 高すぎるピーク弾道にならない
この条件を満たすためには、5Sまたは柔らかめの5SXあたりがバランスの良い選択肢になります。
もしヘッドが重め(200g超)であれば、振動数は自然に3〜8cpmほど落ちるため、その場合は5SXのほうが安定するケースもあります。
振動数とスイングテンポの関係
アッタスキングの振動数は“硬さ”以上に“動き方”へ影響します。
● 切り返しが速いタイプ
→ 振動数が高くても合わせやすい
→ 270cpm前後でも扱いやすい
→ キングの弾きが最大限活きる
● ゆったりテンポのタイプ
→ 260cpmでも硬く感じやすい
→ 戻りの速さがズレやすく、プッシュ・引っ掛けが出る
→ 5S〜5SRまで下げないと合わないケースもある
同じヘッドスピードでもテンポによって最適な振動数帯が変わるため、単純に数値だけで判断するのは危険です。
振動数とつかまりの関係
一般的には、振動数が低いほどつかまりやすく、高いほどつかまりにくい傾向があります。しかしアッタスキングの場合、“先端が暴れない”構造によって、
- 数値ほどつかまりが悪く感じない
- 右にすっぽ抜けるミスが減る
- フェース角が安定して返りすぎない
というメリットがあります。
そのため、
「振動数が高い=つかまらない」
という一般的な感覚とはやや異なる挙動を示します。
ただし、明確に言えることとしては、
38m/s帯では振動数が合わず捕まえ切れないケースが多い
ということです。
振動数選びで失敗しがちなポイント
アッタスキングは硬めの数値・弾きの強さがあるため、フィッティングで以下のようなミスが起きがちです。
- 数値だけを見て“フレックスを上げてしまう”
- 実際よりしなり戻りが速いのを“硬い”と錯覚する
- 軽量ヘッドと組んで振動数が上がりすぎる
- 自分のスイングテンポと戻り速度が合わないまま使用
特に5Xは振動数が高く出やすく、HS40では“叩ける人以外は合わない”ケースも多く見られます。
最適な振動数帯の目安(ヘッドスピード別)
- 38〜39m/s:245〜255cpm(5R〜5SR)
- 40〜41m/s:255〜265cpm(5S〜5SX)
- 42〜43m/s:265〜275cpm(5SX〜6S)
- 44〜45m/s:275〜290cpm(6S〜6X)
アッタスキングの“弾き+剛性感”を活かすには、この目安内で選ぶことが必要になります。
まとめ:アッタスキングの振動数は慎重に選ぶ必要がある
アッタスキングは同フレックス表記でも振動数が高めに出やすいため、
「一段階柔らかめ」
を目安にフィッティングすると成功しやすいシャフトです。
特にヘッドスピード40帯では、無理に硬いモデルへ上げると弾道が弱くなり、方向性のばらつきが増えるため、慎重に選ぶことを強くおすすめします。
アッタスキングヘッドスピード40まとめ
アッタスキングをヘッドスピード40m/s前後で使う場合、シャフト重量・硬さ・キックポイントの相性を丁寧に見ることで、飛距離の最大化とミスの減少が狙えます。このセクションでは、これまで解説してきた内容を総まとめとして整理し、どんなゴルファーがどのスペックを選べば最適化できるのかを具体的に示します。
アッタスキングの特徴まとめ
アッタスキングは中調子寄りの設計で、走り感を持ちつつも挙動が素直なシャフトです。手元がほどよくしなり、インパクト直前の戻りが鋭すぎないため、ヘッドスピード40前後のゴルファーには扱いやすさが際立ちます。また、重量帯の選択肢が広いため、40m/sでも5シリーズ・4シリーズのどちらも候補になり、その中で硬さの違いによって弾道の出方が変わる点が重要です。
HS40前後に向くフレックスの総括
- 5SX:しっかり振れる40〜42m/s向け。つかまりすぎない安定感。
- 4X:40m/sジャスト前後の平均値を求めたい人に最適。
- 4R:38〜40m/sでシャフトの動きを活かして飛ばしたい人向け。
ヘッドスピード帯ごとの最適フレックスは、単に数字で決めるのではなく、プレイヤーのスイングテンポ・切り返しの強さ・弾道の悩みを合わせて判断する必要があります。
合うヘッドの方向性
アッタスキングは、低スピン・高初速が出るヘッドとの相性が非常に良く、とくに最近のモデルで主流の「直進性重視+強弾道」系のヘッドで最大性能を引き出せます。ややつかまりが抑えられた設計のヘッドと組み合わせると、ヘッドスピード40でも強い中弾道でキャリーを伸ばせることが多いです。
合わないタイプの整理
ヘッドスピードが35m/s台の人や、切り返しが極端にゆっくりでシャフトを使い切れない人は、キング特有の初速性能を十分に再現できません。また、極端なスライサーでフェースを返せない人は、別モデルの方が合いやすい場合があります。
振動数から見る最適化のポイント
振動数はモデルやフレックスによって明確に違いが出るため、40m/s前後のプレイヤーは「硬すぎず・柔らかすぎず」の中間帯を狙うことが重要です。5SXはやや硬めの領域、4Rはしなりを積極的に使える領域、4Xはまさに中間の剛性感となっています。この特性を理解したうえで、プレイヤー自身のテンポとスイング特徴に合わせた選択をすると、ミート率の改善に直結します。
最終まとめ
アッタスキングはヘッドスピード40m/s前後のゴルファーにとって、飛距離・方向性・フィーリングのバランスが非常に高いモデルです。
特に 4X と 5SX の中間帯が最もフィットするケースが多く、重量や全体剛性のバリエーションによって幅広いゴルファーが最適化できる点も魅力です。ヘッドとの組み合わせによる性能差も大きいため、最新ヘッドと合わせて試打することで、自分のベストな組み合わせを見つけやすいシャフトと言えます。








