
フジクラMCIシリーズは、カーボンとスチールの特性を融合させた画期的なアイアンシャフトで、多くのゴルファーに支持されています。
しかし、シリーズの中にはMCI50からMCI100X、さらにMCIBlack、MCI80まで多彩なラインナップがあり、「どのヘッドスピードでどれを選べばいいのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、各MCIモデルの適正ヘッドスピードやスペック、振動数、使用プロ、そしてユーティリティやアイアンでの評価まで、徹底的に解説します。
記事の内容一覧
- MCI50、MCI100Xのヘッドスピードは?
- スペック
- 振動数
- シャフトの使用プロ
- フジクラMCIBlackの適正ヘッドスピードは?
- フジクラMCI60と70と80
- ユーティリティの評価
- アイアンシャフト
- フジクラMCIの適正ヘッドスピードまとめ
目次
フジクラMCIと適正ヘッドスピードの関係を徹底解説

本記事では、フジクラMCI各モデルの適正ヘッドスピードを軸に、シャフトのスペックや特徴、使用プロの傾向までを詳細に解説します。MCI50からMCI100X、さらにBlackシリーズやユーティリティへの対応も含め、自身に最適なモデルを見極めるための正確な情報を提供します。
MCI50、MCI100Xのヘッドスピードは?
フジクラMCIシリーズの中でも両極端の位置にあるMCI50とMCI100X。この2モデルの適正ヘッドスピードを把握することで、どの層のゴルファーに適しているかが明確になります。
MCI50の適正ヘッドスピード
MCI50は最も軽量なモデルで、シャフト重量は約53g前後。推奨されるヘッドスピードは33~38m/s程度とされ、主にシニア層やスイングスピードの控えめな女性ゴルファーに適しています。
このモデルの特徴は、軽さによるスイングのしやすさと、カーボン特有の高弾道。スチールシャフトでは出しにくい球の高さを出せるため、飛距離不足を感じているプレーヤーに最適です。
MCI100Xの適正ヘッドスピード
一方、MCI100Xは重量が約104gあり、スチールシャフトに近い剛性を持ちます。適正ヘッドスピードは45m/s以上で、競技志向の強いアスリートゴルファーやプロレベルの使用者を想定。
Xフレックス特有のしっかりした振り心地が特徴で、スイングテンポが速く、ヘッドの挙動を正確に制御したいゴルファーに好まれています。
比較表:MCI50とMCI100X
モデル | 重量(g) | 適正ヘッドスピード | ターゲット層 |
---|---|---|---|
MCI50 | 約53g | 33~38m/s | シニア、女性、中高年向け |
MCI100X | 約104g | 45m/s以上 | 上級者、競技ゴルファー |
両モデルの差は非常に大きいため、自身のスイングスピードと目的に合った選択が重要です。
スペック
フジクラMCIシリーズは重量・フレックス・トルク・キックポイントのバリエーションが豊富で、幅広いゴルファーに対応できる設計になっています。
主なスペック一覧
モデル | 重量 | フレックス | トルク | キックポイント |
---|---|---|---|---|
MCI 50 | 約53g | R, S | 4.2 | 先中調子 |
MCI 60 | 約64g | R, S | 3.7 | 中調子 |
MCI 70 | 約74g | S, X | 3.3 | 中調子 |
MCI 80 | 約83g | S, X | 3.1 | 中元調子 |
MCI 100 | 約94g | S | 2.8 | 中元調子 |
MCI 100X | 約104g | X | 2.7 | 元調子 |
MCI Black | 約83g | S, X | 3.1 | 中元調子 |
特徴解説
- 軽量モデル(MCI50〜70):高弾道とミスヒットの許容度が魅力。シニアや女性向け。
- 重量モデル(MCI80〜100X):弾道を抑えつつ操作性を高める設計。競技層に適す。
- Blackシリーズ:安定性とフィーリングに優れるハイバランス設計。
各モデルのスペックは、スイングテンポや弾道、操作性の好みに応じて選択する必要があります。
振動数
振動数(CPM=Cycles Per Minute)は、シャフトの硬さを数値化したもので、フィーリングやタイミングの取りやすさに直結します。MCIシリーズでは、モデルごとに振動数が異なり、それがヘッドスピードとのマッチングに大きく関係してきます。
振動数の目安と計測方法
振動数は、クラブを専用機器で固定し、先端を引いて離した際の1分あたりの往復回数(Hz)で計測されます。例えば、振動数が低ければ柔らかいシャフトとされ、高ければ硬いと判断されます。以下はMCI主要モデルの振動数目安です(5番アイアン長、D2バランス想定)。
モデル | フレックス | 振動数(CPM)目安 |
---|---|---|
MCI 50 | R | 約250 |
MCI 60 | R | 約260 |
MCI 70 | S | 約280 |
MCI 80 | S | 約290 |
MCI 100 | S | 約300 |
MCI 100X | X | 約310〜320 |
MCI Black 80 | S | 約295 |
この振動数からも分かるように、MCI50は非常に柔らかく、MCI100Xは非常にしっかりとした硬さがあります。柔らかいシャフトはタイミングが取りやすい反面、スイングスピードが速すぎると暴れる恐れがあります。一方、硬いシャフトは安定性がある一方、スイングスピードが不足すると飛距離が落ちたり、ミスヒットが増える可能性があります。
振動数とヘッドスピードの対応目安
ヘッドスピード(m/s) | 推奨振動数(CPM) | 該当モデル例 |
---|---|---|
~35 | ~250 | MCI50 R |
36〜39 | 255〜265 | MCI60 R |
40〜43 | 270〜285 | MCI70 S、MCI80 S |
44〜46 | 290〜305 | MCI100 S、MCI Black |
47〜 | 310以上 | MCI100X |
自分のヘッドスピードと照らし合わせて、振動数の合うシャフトを選ぶことが、ミート率と方向性の向上に大きく貢献します。
シャフトの使用プロ

フジクラMCIシリーズはアマチュアだけでなく、国内外のプロゴルファーにも使用されており、その信頼性の高さが窺えます。特にアイアンやユーティリティにMCIシャフトを組み込んでいるプロが多く見られます。
主な使用プロ
- 石川遼プロ:アイアンにMCI Black 100Sを使用した実績あり
- 今平周吾プロ:ユーティリティにMCI 80Xを使用
- 原英莉花プロ:レディースモデルにMCI 60Rを採用した時期がある
これらのプロは、シャフトに求める要素として以下を挙げています:
- MCI Blackの安定性と打感:アイアンでラインを出すプレースタイルに合う
- ユーティリティでの高さと止まりやすさ:特にロングアイアンの代用として重要
また、MCIは「コンポジットテクノロジー(炭素繊維とスチールメッシュの融合)」による打感の良さがプロからも高評価を得ており、方向性と距離の両立を実現したモデルとしてツアー現場でも浸透しています。
プロ使用とアマチュアの違い
プロは基本的に振動数や重量が高いモデルを選びがちですが、アマチュアゴルファーはそれを真似するのではなく、自分のスイング特性に合ったスペック選びが重要です。ヘッドスピードやテンポ、スイング軌道などの自己分析に基づいたフィッティングが、最大のパフォーマンスを引き出します。
フジクラMCIBlackの適正ヘッドスピードは?
フジクラMCIBlackは、通常のMCIシリーズとは異なり、「スチールのような振動特性」と「カーボンの飛距離性能」をより高いレベルで融合させた設計です。中調子寄りの設計で、先端剛性が高く、インパクト時のブレを極限まで抑えたモデルです。
MCI Blackのラインナップと特長
MCI Blackシリーズは主に以下の重量帯がラインナップされています。
モデル | 重量(g) | フレックス | 調子 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
MCI Black 80 | 約85 | R/S | 中調子 | ユーティリティ向け |
MCI Black 100 | 約104 | S/X | 中元調子 | アイアン向け、高剛性 |
MCI Black 120 | 約120 | S/X | 中元調子 | スチールシャフトに近い使用感 |
これらのシャフトはすべて高強度炭素繊維に加えて、スチールメッシュを巻いた「メタルコンポジット設計」を採用しており、非常に芯のある打感と低トルク性を実現しています。
適正ヘッドスピードの目安
MCI Blackシリーズはその剛性から、ある程度のヘッドスピードが求められます。以下はモデルごとの推奨ヘッドスピードです。
モデル | 推奨ヘッドスピード(m/s) | 対応するプレイヤー層 |
---|---|---|
MCI Black 80 | 40〜44 | 中級者〜上級者のユーティリティ用 |
MCI Black 100 | 43〜47 | 飛距離と安定性を両立したい上級者 |
MCI Black 120 | 45以上 | スチールからの移行、ハードヒッター向け |
MCI Blackが向いているスイングタイプ
- テンポが速く、インパクトが強いプレーヤー:先端剛性が高く、ボールの吹け上がりを抑えたい人に最適。
- ラインを出すコントロール重視のゴルファー:風の中でも打ち出し方向とスピンを安定させられる。
- 従来のNS950やモーダス120から移行したい人:MCI Black 100や120は、これらのスチールシャフトに近いフィーリング。
一方で、ヘッドスピードが十分でないプレイヤーが使用すると、弾道が低くなりすぎたり、ボール初速が落ちるリスクもあります。打ち出しの高さとキャリーを確保するためにも、スイングスピードに合わせたフィッティングが重要です。
MCI Blackは上級者モデルと思われがちですが、ユーティリティ専用のMCI Black 80 Rなどは、平均的なヘッドスピードでも使いやすく設計されています。アイアンではややパワーが必要ですが、ユーティリティ用なら中級者でも十分に使いこなせる設計となっています。
フジクラMCI60と70と80
MCI 60、70、80はMCIシリーズの中核をなす重量帯モデルであり、多くのアマチュアにフィットするように設計されています。それぞれのスペックの違いと適正ヘッドスピードについて詳しく解説します。
基本スペック比較
モデル | 重量(g) | フレックス | 調子 | 推奨ヘッドスピード(m/s) |
---|---|---|---|---|
MCI 60 | 約64 | R/S | 中調子 | 37〜41 |
MCI 70 | 約74 | R/S | 中調子 | 40〜44 |
MCI 80 | 約85 | S/X | 中調子 | 42〜46 |
この3モデルはすべて「中調子」に分類され、しなり戻りのタイミングが取りやすく、インパクト時の安定性にも優れています。
それぞれのモデルの特徴
- MCI 60:最も軽量で、シニアやレディースにも使いやすいモデル。スイングテンポがゆったりしている方、飛距離を求める人におすすめ。
- MCI 70:最もバランスの良いモデル。方向性と飛距離の両立を狙う中級者に最適で、RとSが選べる点も魅力。
- MCI 80:やや重量がある分、振り応えがあり、しっかり叩きたいプレイヤー向け。SとXがあり、ヘッドスピードが速い人に向く。
適正ヘッドスピードとシャフト選び
スイングタイプによっては、単純に数値だけで選ぶのではなく、スイングテンポや打点位置、インパクト時のシャフトの挙動を考慮することが重要です。
- 飛距離重視:MCI 60でヘッドスピード37〜40m/sが理想
- バランス重視:MCI 70が万能
- 方向性・弾道安定重視:MCI 80がおすすめ
この3モデルは、フィッティングでも使用頻度が高く、多くのゴルファーに合いやすい設計となっています。
ユーティリティの評価
フジクラMCIシリーズは、ユーティリティクラブとの相性の良さで非常に高い評価を得ています。特にMCI 70・80・100のRおよびSフレックスは、フェアウェイウッドとアイアンの中間であるユーティリティの特性に非常にマッチします。
ユーティリティに最適な理由
- 安定した中調子設計 MCIシリーズは「中調子」が基本設計で、スイングテンポの速いゴルファーにも、ゆったりしたテンポのゴルファーにも合わせやすい特長を持ちます。ユーティリティでは打点がブレやすくなりがちですが、MCIのしなり戻りがタイミングを取りやすく、ミート率が向上します。
- スチールライクな重量感と打感 カーボンでありながら、スチールシャフトに近いしっかりとした打感を残すため、過度に弾きすぎず、飛びすぎを抑え、番手間の飛距離差をしっかり作ることができます。
- 低トルクによる方向性 方向性の安定に重要な「トルク値」が抑えられているため、ユーティリティにありがちな引っかけや右へのプッシュを減らし、直進性の高い弾道を実現できます。
実際の使用例と評価
多くのゴルフショップやフィッターからも高評価を受けており、以下のようなユーティリティ用セッティング例があります。
クラブ番手 | 推奨MCIシャフト | 理由 |
---|---|---|
U3 (19°) | MCI 80 S | 強弾道、スチールからの移行にも適する |
U4 (22°) | MCI 70 S or R | 高弾道と方向性の両立 |
U5 (25°) | MCI 60 R | 軽量で高さが出る |
一般的な使用者評価としても、以下のような声が多く聞かれます:
- 「アイアンと同じ感覚で振れる」
- 「ミスしても曲がりが少ない」
- 「弾道が安定してキャリーが揃う」
MCIは特に「番手間の距離管理」「狙った弾道の再現性」「打ちやすさ」の点でユーティリティシャフトとしての信頼性が高く、多くのクラブメーカーでも純正カスタムシャフトとして採用されています。
アイアンシャフト
フジクラMCIシリーズは、カーボンシャフトでありながらスチールのような打感と剛性を持つことで、多くのゴルファーから支持されています。特にアイアン用シャフトとしてのMCIの性能は、年々注目度が上昇しています。
カーボンなのに「しっかり振れる」
従来のカーボンアイアンシャフトは「柔らかい」「方向性に不安がある」といったイメージがありましたが、MCIはその常識を覆す性能を持ちます。高弾性カーボンとステンレスメッシュの融合により、以下のようなメリットを実現しています。
- 高剛性・低トルクで方向性が安定
- 打感がスチールに近く、打ち応えがある
- 重量帯が幅広く、フィッティング対応しやすい
MCIアイアンラインナップ
モデル | 重量(g) | フレックス | 調子 | 適正ヘッドスピード(m/s) |
---|---|---|---|---|
MCI 60 | 約64 | R/S | 中 | 36〜40 |
MCI 80 | 約85 | S/X | 中 | 40〜44 |
MCI 100 | 約104 | S/X | 中 | 42〜47 |
MCI 120 | 約120 | S/X | 中 | 45以上 |
スチールからの移行にも最適
特にMCI 100・120は、NS PRO 950GHやモーダス120などのスチールシャフトからの移行組に適しています。重量感や振り心地は似ているものの、MCIは振動吸収性に優れ、肘や手首への負担が軽減されるという利点があります。
フィッティングのポイント
- スイングテンポが速い→100以上が合いやすい
- ゆったりとしたスイング→MCI 60〜80で飛距離アップ
- 飛距離と方向性を両立したい→MCI 70〜80がバランス型
MCIアイアンシャフトは、競技志向のゴルファーはもちろん、体力に不安のある中高年ゴルファーにも最適な選択肢であり、2020年代に入っても人気が高まっています。
フジクラMCIの適正ヘッドスピードまとめ
ここまで各モデルの適正ヘッドスピードや用途、特徴を詳細に解説してきました。フジクラMCIシリーズは非常に幅広いゴルファーに対応するカーボンシャフトであり、正確なフィッティングを行うことで性能を最大限に発揮します。
モデル別の適正ヘッドスピード一覧
モデル名 | 重量帯 | フレックス | 適正ヘッドスピード(m/s) | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
MCI 50 | 約55g | R | 33〜37 | シニア、女性 |
MCI 60 | 約64g | R/S | 36〜40 | アベレージ層 |
MCI 70 | 約74g | R/S | 40〜44 | バランスタイプ |
MCI 80 | 約85g | S/X | 42〜46 | 中級〜上級者 |
MCI 100X | 約104g | X | 45以上 | 上級者、競技志向 |
MCI Black 80 | 約85g | R/S | 40〜44 | ユーティリティ |
MCI Black 100/120 | 約104〜120g | S/X | 43〜47以上 | アイアン、ハードヒッター |
適正な選び方の重要性
「適正なヘッドスピードに合わせたシャフト選び」は、弾道の安定性、ミート率、飛距離、そしてケガ予防にも大きく影響します。合わないシャフトを使い続けることで、パフォーマンスだけでなくスイングフォームにも悪影響が及びます。
まとめ
- フジクラMCIは軽量から重量帯まで幅広く対応。
- 各モデルに明確な適正ヘッドスピードが存在。
- 正しい選定でスイングの効率・結果が大幅に改善。
- 必ずフィッティングを通じて適正モデルを確認すべき。
フジクラMCIシリーズは、単なる「カーボンシャフト」という括りに収まらない、非常に完成度の高いシリーズです。自分のスイング特性を理解し、最適なシャフトを選ぶことで、ゴルフのパフォーマンスは確実に向上するでしょう。