
アッタスキングは、シリーズの中でも叩ける系に位置づけられるモデルとして高く評価されており、スペックを正しく理解することで自分に合うシャフトかどうかを判断しやすくなります。
本記事では、実際のスペック値やトルク、重量帯ごとの性格、振動数の傾向、他シリーズとの比較など、アッタスキングに関する情報をできる限り網羅的に整理しています。
これから購入を検討している人やリシャフトを考えている人が、迷わず最適なモデルを選べるように、客観的な数値と実際の傾向をしっかりと分けて解説していきます。
記事の内容一覧
- アッタスキング
- 5SXのトルク
- 似たシャフト
- 4Xの特徴
- アッタスキングスペック
- 合わない人
- 評価
- 振動数
- ヘッドスピード別
- アッタスキングスペックまとめ
目次
アッタスキングスペックの全体像を整理する
アッタスキングのスペックは、シリーズ内でも手元の安定感と先端の適度な走りを併せ持つ特徴があり、重量帯やフレックスによって性格が明確に分かれています。
トルク値や振動数は叩けるモデルとしては標準的で、手元側の剛性が高いため、タイミングが取りやすくミート率が安定しやすい構造です。また、4X・5SX・6Sなどフレックスごとの挙動差も比較的はっきりしており、ヘッドスピードやスイングタイプに応じて適切なモデルを選びやすいのが特徴です。本記事では個別スペックを深掘りしていき、選ぶうえで迷わないよう整理していきます。
アッタスキング
アッタスキングは、UST Mamiyaが展開するアッタスシリーズの中でも「叩ける強い挙動」をテーマに設計されたモデルで、手元部の剛性を高めつつ先端側の暴れを抑えている点が大きな特徴です。シリーズ内ではアッタスジャックやアッタスV2など強めのシャフトが複数ありますが、その中でもキングは“過度に硬さを見せず、叩いても左に行きづらい安定系”として位置づけられています。重量帯は40g台から60g台まで幅広く、同じ重量帯でもフレックスによって性格が変わりやすいため、スペックの見極めが重要になります。
■ 手元剛性の高さが生む安定性
アッタスキングの大きなポイントは、手元側の剛性をしっかり確保している点にあります。手元が柔らかいシャフトは切り返しで大きくしなり、そのしなり戻りをタイミングとして使うタイプのゴルファーには合います。しかし、切り返しでしなりが大きいと挙動が安定しづらく、ヘッドが遅れすぎたり、打点が散る原因にもなります。アッタスキングはその点、手元部分が強めに設計されているため、切り返しで余計にしなりすぎず、叩きにいっても挙動が安定しやすく、結果的にミート率が上がりやすくなる傾向があります。
■ 先端は暴れず、走りすぎない構造
先端部分は過度に走る形状ではなく、必要な範囲でのしなり戻りと弾き感を残したバランス型になっています。先端の走りが激しいシャフトは、ヘッドスピードが出るものの左へのミスが出やすくなることがあります。アッタスキングは先端剛性を高めることで、強めに振ったときのつかまりすぎを抑制し、フェースの向きが安定しやすいように設計されています。これによりスピン量が過剰に増えることも抑えられ、ライナー性の強い弾道が出やすいのも特徴です。
■ 重量帯ごとの違い
4シリーズの40g台は比較的しなり量があり、ミート率を重視するスイングタイプに向けられています。一方、5シリーズの5SXなどは重量に対してトルクが低く、叩いても安定した挙動を維持できる点が好まれています。6シリーズのXフレックスは特に手元側の硬さがしっかりしており、ハードヒッターに適した剛性バランスになります。
■ スウィングタイプとの相性
・切り返しが速いタイプ
・叩きにいくが左に行かせたくないタイプ
・フェースローテーションを大きく使わないタイプ
これらのゴルファーに特に相性がよく、スイング中の挙動が落ち着くため方向性の安定に寄与します。
5SXのトルク
アッタスキングの5SXは、シリーズの中でも特に評価が高い番手であり、その理由の一つに「トルクの設定バランス」が挙げられます。一般的にトルクは柔らかいほどねじれが大きく、硬いほどねじれが少なくなりますが、アッタスキング5SXは重量帯に対するトルク値が適度に低く、叩きにいっても挙動がぶれにくいのが特徴です。特にトルクが大きすぎるシャフトはインパクトのフェース向きが安定しづらく、ボールの出球方向がばらつきやすくなります。逆にトルクが低すぎると切り返しからインパクトまでのシャフト挙動が硬く感じやすく、球が上がりづらくなるケースもあります。5SXはこのバランスをとても上手く調整しているため、ハードすぎず、しかし方向性が強く安定するという特性が、多くのゴルファーに支持される理由のひとつになっています。

■ 5SXのトルクが作る「叩ける安定性」
トルクが低めに設定されていることで、強く振り抜いてもフェースの向きが暴れづらく、左への引っかけや意図しないフェースターンを抑えやすいのが5SXの魅力です。特にヘッド重量のあるモデルや、重心距離の長いヘッドと組み合わせると、トルクの低さがさらに方向性の安定に寄与し、右にも左にも行きづらい中直進性の強い弾道が出やすくなります。これはスライサーだけでなくフッカーにとっても有利で、フェース向きが安定することでミスショットを大幅に減らすことが可能になります。とくに先調子系のシャフトを使って左へのミスが多く出ているゴルファーにとって、5SXのトルク設計は大きな武器になることが多いです。
■ 叩いても潰れない強度感

トルクが低いシャフトはインパクト時のフェース向きが安定する一方で、「叩きにいった時のしなり戻りが速く、振り遅れのミスを軽減できる」メリットがあります。アッタスキング5SXの場合、手元側の剛性がしっかりしているため、切り返しの段階で不要にしなりすぎず、先端側の動きと連動してスムーズに復元動作が行われます。これにより、強めのヘッドスピードを持つゴルファーが思い切り振ったとしても、シャフトが潰れすぎてエネルギーが逃げてしまうような挙動が起こりづらく、高い再現性を保ったままスイングできます。こうした特性が、5SXが「叩けるシャフト」として高く評価される理由につながっています。
■ 弾道に与える影響
トルクが低いシャフトは通常、スピン量を抑えた強い弾道を生みやすいと言われています。5SXもその傾向があり、スピン量が多すぎて吹き上がってしまうゴルファーにとって、非常に有効な選択になることがあります。中スピン〜低スピンのバランスに収まりやすく、打ち出しが高すぎず低すぎず、ライナー性の強い弾道が得られるため、キャリーとランの総合的な飛距離を伸ばしやすいのがポイントです。特に高初速系のヘッドと組み合わせると、中弾道・低スピンの組み合わせが強烈な飛距離性能を生み出します。
■ 組み合わせるべきヘッドの傾向
・つかまりすぎるヘッド
・低スピンすぎるヘッド
・重心距離の長いヘッド
これらとの相性が良く、左のミスを抑制したいゴルファーにとっては非常に扱いやすい組み合わせになります。逆に、弾道が低すぎて困っているプレーヤーが5SXを選ぶと、さらに球が上がりにくい可能性があるため、ヘッド側で球の上がりやすさを補う必要があります。
5SXのトルクは、アッタスキングの中核的な特徴であり、方向性の安定と叩ける挙動を両立した非常にバランスの良い設計となっています。
似たシャフト
アッタスキングに似た特性を持つシャフトを探す際、基準となるのは「手元の安定感」「先端の暴れを抑えた設計」「叩いても左に行きにくい挙動」という3点です。アッタスキングは手元側の剛性がしっかりしているものの、中間部のしなり感が残されているため、完全なハードヒッター向けの棒状シャフトとは異なります。この“しっかりしているのに動く部分がちゃんとある”という性格を基準に比較すると、同シリーズ内外で似た挙動を持つモデルがいくつか存在します。本項では、その特徴別に類似シャフトとして挙げられるものを解説し、どのタイプのゴルファーがキングから乗り換えやすいのか、あるいはキングを選ぶべきなのかを整理していきます。
■ アッタスジャック
アッタスシリーズの中でキングに最も近い性格を持つのがアッタスジャックです。ジャックは手元の強さが際立つモデルで、叩いても左に行きにくい挙動が特徴です。ただしキングと異なるのは、ジャックの方が全体的な剛性感が強く、特に中間部から先端にかけての硬さがはっきりしている点です。結果としてジャックは「よりハードヒッター向け」、キングは「ハードに振れるが挙動をやわらかく感じたい人向け」という住み分けになります。手元しっかり系が好きで、より直進性が強い弾道を求めるならジャックも候補になります。
■ アッタスV2
アッタスV2は先端剛性が高く、暴れを抑えやすい設計になっているため、直進性を求めるプレーヤーにとってキングと共通点が多いシャフトです。V2は中間部のしなり感がキングよりもやや少なく、シャフト全体としては硬さを感じやすいのが特徴です。とくにヘッドスピードが速いタイプや、先端が走りすぎるシャフトで左にミスが出てしまう人にとっては、キングからV2へ移行してもなじみやすい挙動になります。キングと比較すると、V2のほうが球筋が低くなりやすく、スピン量もやや抑えられる傾向があります。
■ ツアーAD TP
グラファイトデザインのツアーAD TPも、手元のしっかり感と全体的な安定感が特徴で、アッタスキングと似たバランスを持っています。TPは中調子系の中でも叩けるシャフトとして長年支持されており、スイング全体のリズムでタイミングを取りやすく、先端部の挙動も非常に安定しています。キングに比べるとややしなり感が大きく、球のつかまりはTPのほうが良くなるケースがあるため、キングで球がつかまらないと感じるゴルファーにはTPのほうが合うことがあります。
■ ディアマナZF
三菱ケミカルのディアマナZFは、手元の剛性と先端の暴れにくさを両立しており、アッタスキングと比較されることの多いモデルです。ZFは中元調子ながら走り感を抑えており、叩いてもヘッド挙動が安定しやすい点が特徴です。キングよりも全体剛性が高いため、ハードヒッターはZFの方がスイングに合うこともありますが、中間部の動きが少ないため、しなり戻りを感じたい人にはキングのほうが扱いやすく感じられます。
■ 似たシャフトを選ぶ基準
以下の点を基準に選ぶと、自分にとって最も近い挙動のシャフトを見つけやすくなります。
- 手元のしっかり感を重視するか
- 先端の安定をどの程度求めるか
- 中間部のしなり戻りをどれくらい感じたいか
- 球のつかまりを抑えたいか、ある程度欲しいか
アッタスキングは「しっかりしているのに動く」という独特の性格を持つため、完全一致のシャフトは存在しないものの、目的別に近いモデルを選ぶことで違和感なく移行できます。
4Xの特徴
アッタスキング4Xは、シリーズの中でも特に“軽量帯でもしっかり叩ける”という評価を受けているモデルです。Xフレックスの中では最も軽い重量帯となる4Xですが、軽さから想像される柔らかさや暴れ感とはまったく異なり、手元から先端までの剛性配分が非常に綿密に作られています。一般的に軽量Xフレックスは、振動数は高くても中間部が緩く、切り返しで暴れやすいという弱点を持つことがあります。しかしアッタスキング4Xは、軽量化を実現しつつも手元の剛性を保持し、中間部のしなり量を最適化することで、振った時の挙動が安定し、強く叩きにいってもタイミングを取りやすい設計になっています。
■ 軽量帯とは思えない「手元の強さ」
アッタスキング4Xの大きな特徴は、軽量帯でありながら手元側が非常にしっかりしている点です。手元の剛性が高いことで、切り返し時に不要なしなりが生まれにくく、トップでのタメをキープしやすい構造になっています。これにより軽量シャフト特有の“手元がぐにゃっと入る感じ”がなく、あくまで重量級シャフトのような安定感を保ちながらスイングできるのが強みです。スイング中の軌道が安定するため、インパクト時のフェース向きも乱れにくく、方向性の良い弾道を狙いやすくなります。
■ 先端の安定が生む「暴れない飛び」
4Xは先端剛性も高く、特にヘッドスピードが40m/s台後半〜45m/s前後のゴルファーが叩いた時に、フェースが過剰にターンしたり、逆に遅れて開いたりする挙動が起きにくいよう調整されています。先端の安定は低スピン化に寄与し、吹け上がりを抑えた強い中弾道を生みやすい点もメリットです。本来、軽量シャフトは先端の動きが大きく、スピン量が増えがちな傾向がありますが、アッタスキング4Xはその弱点を完全に排除しており、むしろ中〜低スピンの強弾道を打ちたい層に適しています。また、先端が暴れないことで方向性も向上し、特に左のミスが減りやすいのが特徴です。
■ 中間部の“しなり戻り”で飛距離を伸ばす
手元と先端がしっかりしているシャフトは棒状になりやすく、飛距離につながる「しなり戻り」を感じづらいことがあります。しかし4Xは中間部のしなりを適度に残すことで、インパクト前後でヘッドが加速しやすい設計になっており、軽量帯ながら飛距離性能もしっかり確保されています。これが、単なる軽量Xフレックスとは異なるアッタスキング4Xの魅力であり、飛距離と方向性のバランスが取れた仕上がりになっているポイントです。
■ 合うゴルファーの傾向
アッタスキング4Xは、軽量帯でしっかり叩きたいゴルファーに向いています。特に以下のタイプとは相性が良い傾向があります。
- 45m/s前後のHSでXフレックスの安定感が欲しい
- でも重量は50g台の範囲から極端に増やしたくない
- 左のミスを減らしたい
- 直進性と強弾道を重視したい
- しなり戻りは欲しいが、全体的に暴れるシャフトは苦手
こうした特性が、アッタスキング4Xを「軽量帯でも本気で叩けるシャフト」として、多くのプレーヤーに支持される理由になっています。
アッタスキングスペック

アッタスキングのスペックは、手元側の強い剛性と中間部の適度なしなり、先端部の安定を高度にバランスさせた設計が特徴で、シリーズ全体として「叩いても左に行きにくい」性格を徹底的に追求したモデルです。重量帯は40g台後半から50g台後半を中心にラインナップされており、同じ重量帯でもフレックスによって振動数やトルクの設定が大きく変わるため、同じ“キング”でも受ける印象は異なります。いずれのスペックも、切り返しでの軸ブレを抑えつつ、インパクトへ向けてヘッドスピードを効率的に乗せやすいよう最適化されています。シリーズ内の設計思想は一貫しているものの、振り心地の違いがはっきり出るよう調整されているため、ヘッドスピードやスイングタイプに応じて細かなマッチングができる点も、キングの大きな特徴です。
重量帯ごとの特徴
アッタスキングは、軽量帯である4(40g台後半)、標準〜やや重量帯の5(50g台中盤)、6(60g台前後)の構成が一般的です。4シリーズは軽量シャフトの中でも特に手元剛性が高く、HS40m/s台半ば以上のプレーヤーでも安定して叩ける仕上げになっています。一方で5シリーズは最もユーザーが多く、HS43〜48m/s前後の幅広い層が扱いやすいバランスです。6シリーズは全体の剛性が高まり、特に先端側の安定が強まるため、より叩きにいくハードヒッター向けの挙動を示します。
■ フレックスによる違い
同じ重量帯でも、R、SR、S、SX、Xなどのフレックスによって剛性バランスが変化します。特にSXやXは中間部がさらに強くなることで、スイング軌道の再現性が高くなり、左方向へのミスが大幅に減る傾向があります。Sフレックスは中間のしなり量が増し、ヘッドスピードがやや抑えめでもしなりを活かして飛ばせる仕上がりです。SRやRはやわらかめで、スイングテンポがゆったりしているプレーヤーでも扱いやすく、キング特有の“しなり戻りのスピード”を活かした弾道が出やすくなります。
■ トルクの設定と影響
アッタスキングは全体的にトルクを絞りつつも、先端部だけ極端に硬くしているわけではなく、中間部を中心にしなりポイントを作る設計が採用されています。これにより、低トルクシャフト特有の“詰まり感”や“棒状感”が出にくく、振り抜きやすいのが特徴です。とくに5SXや6Sなどの人気スペックは、しっかり叩ける剛性と扱いやすさのバランスを取るため、適度なトルクが保たれており、方向性と飛距離の両立に優れています。
■ 振動数とフィーリング
振動数は重量帯やフレックスごとに設定が大きく異なりますが、全体的に「数値の割に硬く感じない」特性があります。これは中間部がしっかり戻る設計のため、振動数以上にしなりを感じられ、打ち出し時のヘッド挙動がスムーズになるからです。実際、Xフレックスでも棒状に感じることは少なく、切り返しでタイミングを取りやすいのがキングの個性ともいえます。
■ スペック選びの基準
アッタスキングのスペック選びでは、単純にヘッドスピードだけでなく、スイングタイプとの相性が非常に重要です。
- HS45前後でしっかり叩きたい → 5SX、6S
- 左のミスを減らしたい → SX以上
- 軽量で速く振りたい → 4X
- しなり感を重視したい → 5S or 6SR
これらを基準として、自分のスイングテンポと求める弾道を合わせることで、キング本来の性能を最大限に引き出すことができます。
合わない人
アッタスキングは完成度の高いシャフトですが、剛性のバランスが「叩いていくタイプ」に最も最適化されているため、すべてのスイングタイプにマッチするわけではありません。とくに、一定のヘッドスピードが確保できないゴルファーや、手元側のしなりをあまり感じられないスイングタイプとは相性が合いにくい傾向があります。ここでは、どのようなタイプがアッタスキングを“合わない”と感じやすいのかを、動きの仕組みと数値的な観点の両面から詳しく整理します。
ヘッドスピードが不足するタイプ
アッタスキングは先端剛性が高く、トルクも低めに設定されています。そのため、しなり戻りをしっかり使えるヘッドスピードが必要です。
・H/S 37〜40m/sのゴルファー
・切り返しでタメを作れないタイプ
・シャフトをしならせる感覚が苦手な人
これらの条件に当てはまる場合、弾道が低く出やすく、フェースが開いたままインパクトしやすいため、右へのミスが増えやすくなります。
タイミングで”押し込みたい”ゴルファー
アッタスキングは中間部に粘りがあり、切り返しでタメを作る動きが必要です。しかし、
・手元が過度に走るスイング
・トップからすぐヘッドを下ろす急加速型
・リズムが速く、間を作らないタイプ
このようなタイプは、シャフトのしなりを十分に活かせず、「硬い」「走らない」と感じやすくなります。
ボールを強く捕まえたい人
アッタスキングは元々つかまり過ぎを抑える設計のため、
・強いドローを打ちたい
・インサイドから深く入れて捕まえたい
・つかまり過ぎるヘッドを使っていない
こうしたケースでは、持ち球が弱いフェードに寄ったり、押し出し気味のミスが増える可能性があります。
軽量帯のシャフトに慣れている
4U、V2、パンチなど軽量で走り感が強いモデルを使っていたゴルファーは、アッタスキングを重く・硬く感じやすい傾向があります。
・軽量帯(40g台中心)ユーザー
・ダウンブローではなくレベルブロー
・手元にシャープさを求めるスイング
これらのユーザーは、切り返しで「重さ」「硬さ」を感じ、タイミングが取りにくくなりがちです。
まとめ:合わない理由の核心
アッタスキングは「しなる → しなり戻る」の動きが一定以上のスイングスピードとタメの動作に最適化されています。そのため、
・スピードが足りない
・タメが作れない
・走り感を求める
こうした要因を持つゴルファーにはフィーリングが合わず、結果として弾道が低く出たり、右へのミスが目立つ形で“合わない”と感じやすいのです。

評価
アッタスキングの評価は、実際の使用者・フィッター・工房の視点で共通して「挙動が安定しており、叩いても暴れない」という点に集中しています。とくに、先端剛性の強さによってインパクトゾーンのフェース向きがブレにくいため、ミート率の安定・スピン量の抑制・打ち出し角のばらつき軽減など、実戦で効果が出やすい特徴として高く評価されています。以下では、客観的なポイントごとに評価の理由を整理していきます。
■先端剛性への評価
アッタスキングの先端部分はシリーズ内でも屈指の強さを持ち、これによって「叩いても左に行きにくい」「ヘッドが暴れず、フェース向きが安定する」と評価されています。ミスヒット時のフェース面の揺れが少ないため、トップ気味・ヒール気味の当たりでも大きく曲がらず、実用性の高さが支持されています。
■中間部分の粘りと操作性
中間部分は粘りのあるチューニングが施されており、切り返しでタメが作りやすく、ハードスペックながらスイングの再現性を損ないません。
・切り返しでタイミングが取りやすい
・力まずとも自然にしなりを感じられる
・強振しても挙動が乱れない
こうした特性を理由に、「意外と振りやすい」「数字より扱いやすい」との声が多いモデルです。
■直進性の高さ
評価の中でも最も多いのが直進性についてです。
・トルクが低めでねじれが少ない
・先端剛性が高く球のブレ幅が小さい
・スピン量が適度に抑えられる
これらの特徴により、棒球のような力強い弾道が持ち味で、特にフェードヒッターや叩くタイプのゴルファーから高い評価を得ています。
■ヘッドとの相性の広さ
アッタスキングは「クセが少ない強さ」が特徴であり、
・大型ヘッド
・低スピンヘッド
・やや捕まりを抑えたヘッド
など幅広いモデルと相性が良い点も評価されています。とくに低スピン設計のヘッドと組み合わせると、吹き上がりを抑えた強い弾道が打てると高く評価されています。
■評価の総まとめ
アッタスキングは、
・安定性
・直進性
・強振しても暴れない強さ
・中間のしなりによるタイミングの取りやすさ
これらを高レベルで両立しており、ハードヒッター向けながら「扱いやすいハード系シャフト」として高い総合評価を得ています。実際のプレーヤーからも、飛距離のばらつきが減った、風に強い弾道になったなど、実戦面での効果が数多く報告されています。
振動数
アッタスキングの振動数は、同重量帯・同フレックスのシャフトの中でも「やや高め」に設定されており、しなり戻りの速度が速く、叩いても挙動が安定する点が特徴です。振動数が高いということは、シャフトの剛性がしっかりしていることを意味し、特に先端剛性の強さと組み合わさることで、ボール初速の安定とスピン量の抑制に大きく寄与します。ここでは、スペックごとの一般的な振動数傾向と、プレーヤー側から見たフィーリングの違いを整理します。
振動数の傾向
アッタスキングの代表的なスペックの振動数は、工房・計測機器により前後しますが、一般的には以下のような傾向です。
・5S …… 240〜250cpm
・5SX … 255〜265cpm
・5X …… 270前後
・6S …… 250台後半
・6X …… 270〜280付近
(※実計測値は装着ヘッド・カット長・挿入深さで変動します)
これらの数字は同カテゴリーの中でも高めで、特に5SX・5Xはアマチュアでも使えるハードスペックとして人気があります。
振動数からわかるフィーリング
振動数の高さは「硬さ」を示す指標ですが、アッタスキングは中間部分に粘りを残しているため、数字ほど“棒のような硬さ”は感じません。 ・先端は強いが中間は粘る
・しなる→戻るがスムーズ
・叩くほど性能が安定する
この特性により、数字上はハードでも、実際の振り心地は“しなり感のある強さ”として評価されています。
スイングタイプ別の振動数の合い方
振動数の高いアッタスキングは次のタイプと相性が良いです。 ・切り返しでタメを作る
・ヘッドを叩いていく
・しなり戻りを使って球を運ぶ
一方で、レベルブローやシャフトをしならせるのが苦手なスイングでは、しなり戻りを使いきれず「硬い」「弾道が低い」と感じやすくなります。
まとめ
アッタスキングの振動数は高めで、“しなり戻りのスピード”が速い点が最大の特徴です。
そのため、ハードヒッターや、切り返しでタメを作るスイングには抜群に合い、安定した直進性とスピンの少ない強い弾道を実現しやすくなっています。
ヘッドスピード別
アッタスキングは、中元調子で先端が強い構造のため、ヘッドスピード(H/S)の値によってフィーリングと性能の出方が大きく変わるシャフトです。しなり戻りの速度や剛性バランスが「ある程度叩ける人向け」に設計されているため、H/Sごとに最適なスペック選びと弾道傾向を整理して理解することが非常に重要です。以下では、一般的なヘッドスピード帯ごとの適性を詳しくまとめます。
H/S 38〜40m/s:やや厳しい帯域
アッタスキングは先端が強く、トルクも低めなので、このスピード帯ではしなり戻りが活かしきれないケースが多くなります。
・弾道が低く出やすい
・インパクトでフェースが開きやすい
・右への押し出し・スライスが増える
という傾向があり、基本的には非推奨。
どうしても試す場合は「5S」でもしっかり硬く感じるため、弾道が弱くなる点は注意が必要です。
H/S 40〜43m/s:適性が出始める帯域
この領域からアッタスキングの挙動を活かしやすくなり、特に40台前半のゴルファーが「5Sは振りやすい」「5SXは叩くと良い」と感じ始める部分です。
・5S … タイミングが合いやすい
・5SX … 振り切るタイプ向け
弾道は中弾道で、風に強い棒球が出やすくなります。
H/S 43〜45m/s:最もパフォーマンスが出る領域
アッタスキングの本領が発揮される帯域です。
・中間の粘りがタメを作りやすい
・先端剛性が叩いてもブレない
・低スピンの強弾道
特に評価が高いスペックは以下です。
・5SX … 最も扱いやすく人気
・5X … 叩きたい人に最適
・6S … 安定性重視のゴルファー
H/S 43〜45あたりは“キング黄金帯”と言えるゾーンです。
H/S 46〜48m/s:ハードヒッター向け
この帯域では、アッタスキングは非常に相性が良く、強振してもインパクトのズレが大きくなりにくいというメリットが際立ちます。
・6S … 安定寄り
・6X … 完全に叩くタイプ
・5X … 弾道を少し上げたいハードヒッター
低スピンで吹き上がりを抑えた強弾道を打ちやすく、特にフェード系ヒッターとの相性が抜群です。
H/S 48m/s以上:X以上推奨
48m/sを超える場合、5Xでも柔らかく感じるゴルファーが出てきます。
・6X
・場合によっては7X帯
を選ぶことで、先端の暴れを抑えつつ球筋を安定させやすくなります。
総まとめ:H/Sとアッタスキングの適性
アッタスキングは総じて
・H/S 40〜48m/s
で最大性能が出るシャフトです。
とくに43〜45m/sは“最適ゾーン”で、5SX・5X・6Sが最もフィーリング良く扱えます。
アッタスキング スペックまとめ
アッタスキングのスペックは、中元調子の粘りと先端剛性の強さを両立させた完成度の高い設計で、ヘッドスピード40〜48m/sのゴルファーがその性能を最大限に活かせるシャフトです。中間部分に適度な粘りを残しつつ、先端を鋭く強化しているため、叩いても暴れず、直進性の高い強弾道を実現しやすい点が最大の特徴です。特に5SX・5X・6Sの評価が高く、しなり戻りのスピードが速いことでミート率の安定にも寄与します。
スペックの要点まとめ
・中元調子+先端強化の安定系シャフト
・振動数はやや高めでしなり戻りが速い
・トルク低めで球のブレ幅が小さい
・強振しても左へのミスが出にくい
・中間の粘りでタイミングが合わせやすい
・フェードヒッターや叩くタイプに最適
・大型低スピンヘッドと相性が良い
推奨ヘッドスピード別
・40〜43m/s … 5S / 5SX(叩く人)
・43〜45m/s … 5SX / 5X / 6S(ベスト帯域)
・46〜48m/s … 6S / 6X
・48m/s以上 … X帯必須
最終的なまとめ
アッタスキングは「強さ」と「扱いやすさ」を高いレベルで兼ね備えたシャフトで、ハードヒッター向けながら、粘りのある挙動のおかげでアマチュアにも十分扱える点が大きな魅力です。叩いても暴れず、風に強い直進弾道を求めるゴルファーにとって、非常に信頼性の高い選択肢となるスペック構成になっています。








