
三菱ケミカルの人気シャフト「ディアマナ TB」は、多くのゴルファーから高い評価を受けているカーボンシャフトです。
本記事では、TBシリーズの特徴から適正ヘッドスピード、調子の分類、発売日、合うゴルファー・合わないゴルファー、振動数データ、スライサーとの相性、SとXの違いなど、詳細な情報を分かりやすくまとめています。
購入検討中の方や、性能を深く知りたい方はぜひご一読ください。
記事の内容一覧
- ディアマナのシャフトTB特徴
- ヘッドスピード
- 何調子のシャフトか
- ディアマナTBはいつ発売?
- 合う人と飛ばない人の特徴
- 振動数
- スライサー
- ヘッドスピード
- 60Sと60X
- ディアマナTBまとめ
目次
ディアマナTBの特徴を徹底解説
ディアマナTBは、三菱ケミカルが手掛ける中元調子シャフトで、タイミングの取りやすさと直進性を高い次元で両立しています。本記事では、TBシリーズの具体的なスペックや挙動、合うゴルファーの傾向、振動数やヘッドスピードの参考数値まで実データに基づき解説。幅広い層のゴルファーが自身に合うかどうか判断できるよう、専門的かつ分かりやすくまとめました。

ディアマナのシャフトTB特徴
ディアマナTBは2020年に登場した、ディアマナシリーズ第5世代のモデルです。「Blue」系譜のシャフトであり、従来の“癖がなくタイミングが取りやすい”という特性を踏襲しつつ、最新素材「MR70」や「Tough-QURE」を採用し、より現代のヘッドにマッチする設計となっています。
主な特徴
- 中元調子設計:切り返しからインパクトまでの安定感が高い
- 低トルク設計:ねじれを抑え、ミート率を向上
- 高剛性素材:「MR70」カーボン使用によりインパクトのエネルギーロスを軽減
- スムーズなしなり戻り:インパクト時の加速感が強く、球が前に押し出される感覚がある
ディアマナTBは、捕まりすぎず、かといって左に行きすぎない絶妙な中立性を持っており、弾道のコントロール性が高い点が評価されています。フェードヒッターや、インパクトに厚みを求める中上級者プレイヤーから特に支持されています。
また、スピン量を抑えすぎない設計のため、ハードヒッターでも球がドロップしにくく、キャリーを安定して稼ぎやすいのも特徴です。重量帯とフレックスの選択肢も豊富で、50g台から80g台まで展開されています。
シャフト構造の工夫
「Tough-QURE(タフキュア)」という樹脂硬化技術を使用することで、強度としなやかさのバランスを両立。これにより、シャフト全体の動きに一体感が生まれ、インパクトでの押し込み感が向上。従来のBlue系よりもトルクを抑えつつもスムーズな加速を実現しています。
TBは“捕まりすぎない”、“暴れない”というコンセプトで作られており、スイングタイプとしてはダウンブロー気味の強めのヒッターに特にマッチします。逆に、軽いタッチでシャローに振るスイングスタイルの人には、しなりが硬く感じることもあります。
ヘッドスピード
ディアマナTBを使用するにあたって、ヘッドスピードとの相性を理解することは極めて重要です。TBシリーズはラインナップが50g台から80g台まで幅広く、同じモデルでも重量帯やフレックスによって適応するヘッドスピードが異なります。以下に重量別・フレックス別のおおよその目安を示します。
ヘッドスピード目安一覧
モデル | フレックス | 推奨ヘッドスピード(m/s) |
---|---|---|
TB50 SR | SR | 40〜43 |
TB50 S | S | 43〜46 |
TB60 S | S | 45〜48 |
TB60 X | X | 47〜50 |
TB70 S | S | 46〜49 |
TB70 X | X | 48以上 |
TB80 X | X | 50以上 |
上記はあくまで目安であり、実際にはスイングテンポ、リリースのタイミング、インパクトロフトなどによっても適正は前後します。しかし、ディアマナTBは基本的にしっかり目の剛性設計となっているため、「表記よりやや高めのヘッドスピードを要する」と考えた方がマッチングしやすい傾向にあります。
TBは“しなり戻り”より“粘り”重視
TBシリーズは粘り感のあるしなりを持っており、急激なしなり戻りで飛ばすタイプのシャフトとは異なります。そのため、ヘッドスピードがやや不足している場合、シャフトの動きに乗り切れず「弾道が低く、距離が出ない」といったケースが見られます。特に、40〜42m/s程度のヘッドスピードでTB60Sを使うと、やや硬く感じ、結果的に振り遅れや飛距離不足につながることもあります。
シャフトの硬さとヘッドスピードの関係
ディアマナTBはトルクが低く、シャフトの剛性分布も偏りが少ないため、ヘッドスピードの上下動によるシャフト挙動の変化が少ないという特徴があります。つまり、安定したスイングができる方ほど、TBの持つ「粘り+押し込み感」の恩恵を最大化できます。
実際のフィッティング事例
三菱ケミカルが公開しているデータやフィッティング事例においても、TB60Sはヘッドスピードが43〜46m/sのプレイヤーに適しており、ドロー・フェード問わずストレート系の中弾道を打ちやすい傾向が見られます。スインガーよりヒッター向けのシャフトと言えるでしょう。
推奨ユーザー
- ヘッドスピード43〜48m/s
- 弾道を抑えてコントロールしたい
- 振り切っても左へのミスを減らしたい
- フェースの開閉を抑えたい
このようなプレイヤーにとって、ディアマナTBは非常に信頼性の高い選択肢となります。
何調子のシャフトか
ディアマナTBは「中元調子」に分類されるシャフトであり、三菱ケミカルが開発したディアマナシリーズの中でも、しなり戻りより“粘りとしっかり感”を特徴とするモデルです。「中元調子」という表現はあくまで全体の中でのバランスを示すものであり、TBのように各部位で剛性が緻密に設計されているシャフトでは、その“中元調子らしさ”も独特です。
中元調子とは何か
ゴルフシャフトの“調子”とは、シャフトのどの部分が主にしなるのかを示すもので、一般的には以下のように分類されます。
- 先調子:シャフトの先端がしなる。球が上がりやすく、つかまりやすい。
- 中調子:シャフトの中間がしなる。バランスが良く、操作性が高い。
- 元調子:手元側がしなる。抑えた弾道で左に行きにくい。
「中元調子」はこれらの中間に位置するやや“しっかり系”の調子で、ディアマナTBはまさにこの中元調子に属しています。ただしTBの場合、単なる“中元調子”ではなく、トルク設計と剛性配分によって独自のフィーリングを作り出しています。
ディアマナTBの中元調子の特徴
TBの中元調子の最大の特徴は、「手元のしなりすぎを抑えながら、中間部でしなり感を出す」点にあります。手元剛性はしっかり確保されており、切り返し時のブレや暴れを防ぎます。一方、中間部には適度なしなりを持たせ、切り返しで“溜め”を作ることが可能。そのしなりがインパクト直前で粘りとなって伝わることで、結果として「球が強く前に押し出されるような感触」を生み出します。
この設計により、先調子のような「走り」はないものの、再現性が非常に高く、方向性重視のプレイヤーにとっては大きな武器となります。
他モデルとの比較
- ディアマナZF(元調子):より手元側の剛性が高く、叩けるがやや扱いが難しい
- ディアマナBF(中元調子):TBと似た調子だが、しなり戻りがやや速い
- ディアマナTB(中元調子):粘りと安定性に重視し、左を抑えやすい
- スピーダーNX(中調子):中間しなりだが、ややつかまり寄り
TBはあくまで「粘る中元調子」であり、暴れない・弾道を抑えられる・インパクトゾーンが長いという特徴を持ちます。
どんなスイングに合うか
中元調子のシャフトは、手元側でタイミングを取るヒッタータイプに適しており、テンポが速くてもシャフトが遅れすぎないのが利点です。逆に、スインガーやしなり戻りを活かして飛ばすプレイヤーには、やや物足りなさを感じる可能性があります。
特にディアマナTBは、「切り返しが速く、ヘッドの挙動を安定させたい人」「球を抑えて前に押し出したい人」には理想的な特性を持っています。
ディアマナTBはいつ発売?

ディアマナTBは、三菱ケミカル株式会社が2020年9月に正式に発売したカーボンシャフトであり、同社が展開する「ディアマナ」シリーズの新たな柱として位置付けられています。発売当初からツアープロや上級者を中心に注目を集め、その後アマチュア層にも高評価を受けるようになりました。
正式な発売日と背景
ディアマナTBの**正式発売日は2020年9月4日(金)**です。
このモデルは、従来のディアマナシリーズのフィーリングを継承しながらも、現代のヘッド構造やアマチュアゴルファーのニーズに対応するために開発されました。
三菱ケミカルはディアマナTBについて、「TourBalance(TB)」というネーミングを採用しており、これは“ツアーで求められるバランス性能”を意味します。実際、PGAツアーをはじめとするプロ使用者の中でもTBは“操作性と安定性の両立”に優れたモデルとして採用されています。
発売当初のスペックラインナップ
ディアマナTBは発売時点で以下の重量帯とフレックスがラインナップされていました:
モデル | フレックス | 重量(g) | トルク | 調子 |
---|---|---|---|---|
TB50 | R, SR, S | 54〜57 | 4.7〜4.3 | 中元調子 |
TB60 | SR, S, X | 63〜66 | 3.7〜3.4 | 中元調子 |
TB70 | S, X | 74〜76 | 3.2〜3.1 | 中元調子 |
TB80 | X | 85 | 3.0 | 中元調子 |
重量・フレックスのバリエーションが豊富で、幅広いゴルファーのニーズに対応できる設計となっている点が特徴です。
発売当時の市場の反応
ディアマナTBは、前作であるディアマナZF(2019年発売)に続くラインとして、ツアープロの使用率も高く、初期の市場では「操作性と飛距離性能のバランスが良い」として好意的に受け止められました。特に、プロゴルファーやフィッターの間で評価されたポイントは以下の通りです:
- 左に行きにくい設計(低トルク設計)
- インパクトで押し込める感覚
- 高い再現性と直進性
- 幅広いヘッドに対応できる汎用性
このように、シャフトの特性が非常に明確であるため、ゴルファーが求める弾道や球質に対して、フィッティングしやすいモデルとして認知されていきました。
現在でも継続モデルとして販売中
2025年現在でも、ディアマナTBは三菱ケミカルの公式ラインナップにおける主力モデルの一つとして位置付けられており、新たなシャフト開発が進む中でも販売が継続されています。また、中古市場でも比較的状態の良いモデルが多く流通しており、費用対効果を考慮して選ぶアマチュアゴルファーにも適した選択肢となっています。
合う人と飛ばない人の特徴
ディアマナTBは、中元調子特有の「粘り」と「安定性」に優れたシャフトですが、その性質上、合うゴルファーとそうでないゴルファーがはっきり分かれます。飛距離や操作性を最大限に引き出すには、自分のスイングタイプやリズム、ヘッドスピードとの相性を見極めることが重要です。
ディアマナTBが合う人の特徴
- 切り返しが速く、スイングテンポが早い人 TBは手元側の剛性が高いため、切り返し時のシャフトの“暴れ”を抑える設計です。そのため、テンポが早いプレーヤーが使ってもシャフトが負けず、しっかりとタイミングを取ることができます。
- ヘッドスピードが43m/s以上ある中〜上級者 TBはしなり戻りのスピードがやや遅めで“粘る”タイプなので、ある程度のパワーがないとシャフトをしならせきれず、飛距離が出にくい場合があります。特に60S以上のスペックは、43〜48m/sのヘッドスピードがあるゴルファーにマッチしやすいです。
- 球を左に曲げたくない人(フッカー) TBはトルクが低く、ヘッドが返りすぎないため、球のつかまりを抑えたいゴルファーに最適です。引っかけやチーピンに悩むフッカーが使うと、持ち球をフェードやストレートに整えやすくなります。
- インパクトゾーンで押し込むタイプのスイングをする人 粘るシャフトなので、インパクト時に“押していく”ようなスイングスタイルの方は、シャフトの粘りを活かして強い弾道を生み出せます。
ディアマナTBが飛ばない・合わない人の特徴
- ヘッドスピードが遅めのゴルファー(40m/s以下) TBはしなり戻りの力を利用して飛距離を出すというよりも、“粘りと安定性”が重視されている設計のため、ヘッドスピードが足りない場合、シャフトを使いきれず球が上がらず、飛距離が伸びない可能性があります。
- スインガータイプでシャフトのしなりを活かして飛ばす人 しなり戻りが速い先調子のシャフトを使い慣れている人にとっては、TBの中元調子はしなり感が少なく感じることが多く、結果としてタイミングが合わず飛距離が出にくいことがあります。
- 高弾道やつかまりを求めるゴルファー ディアマナTBは弾道が中弾道〜やや低めで、つかまりも控えめです。球を上げてつかまえたいゴルファーには、スピーダーNXやVENTUS REDなど、先中調子のモデルの方が適しています。
- 打点がバラつきやすい初心者 安定性に優れるTBですが、シャフト自体はしっかりしており、ミスヒット時の許容度はそれほど高くありません。まだスイングが固まっていないゴルファーにとっては、扱いが難しく感じられることがあります。

選び方のポイント
- 自分のスイングテンポと球筋の傾向を理解していることが重要。
- ヘッドスピードが一定以上あれば、TBのポテンシャルを活かしやすい。
- フィッティングを受けて、試打で実際の数値(打ち出し角、バックスピン量、サイドスピン量)を確認することが最も確実。
ディアマナTBは、万人向けのシャフトではありませんが、条件が合えば非常に高いパフォーマンスを発揮する“プレミアムな中元調子”シャフトです。
振動数
シャフトの「振動数」は、フィッティングやシャフト選びの重要な指標のひとつです。ディアマナTBシリーズの振動数は、同じ重量帯・フレックスの他シャフトと比較して“やや高め”の傾向にあり、シャフトの硬さやスイングへの応答性を評価する上で大きなポイントとなります。
振動数とは何か?
振動数とは、シャフトを一定の方法で固定して先端にウェイトを吊るし、その状態で上下に振動させたときの「1分間あたりの振動回数(cpm: cycles per minute)」を表すものです。数値が高ければ高いほどシャフトは“硬い”とされ、低ければ“柔らかい”と感じられます。
振動数は以下の要因で変化します:
- シャフトの材質
- シャフトの重量
- シャフトの長さ(短いほど数値は高くなる)
- ヘッド重量や取り付け方(測定条件)
ディアマナTBの振動数の実測例
以下は、一般的な測定条件(45.25インチ・D2バランス・ヘッド重量200g程度)での実測値の例です。
モデル | フレックス | 振動数(cpm) |
---|---|---|
TB 50S | S | 約255〜260 |
TB 60S | S | 約265〜270 |
TB 60X | X | 約275〜280 |
TB 70S | S | 約275〜280 |
TB 70X | X | 約285〜290 |
これらの数値は、同重量帯の他社製シャフト(スピーダーNXやVENTUS BLUEなど)と比較してもやや高めであり、ディアマナTBが全体的に「しっかりとした剛性設計」であることを裏付けています。
振動数が示すTBの特徴
ディアマナTBの高めの振動数は、次のような特性と関係しています。
- 中元調子の粘りに剛性感をプラス
粘る中元調子ながら、シャフト全体がブレにくいため、タイミングが取りやすく、スイングの再現性が高まります。 - 方向性重視のプレーヤーに最適
特にフッカーや左ミスを抑えたいプレーヤーにとって、シャフトのしなり戻りが穏やかであることが好材料になります。インパクト時のフェースローテーションを抑え、狙った方向に打ち出しやすい傾向があります。
選び方の注意点
- ヘッドスピードと振動数のバランス 例えば、ヘッドスピードが42m/s程度のゴルファーがTB 60X(振動数275cpm以上)を使用すると、シャフトがしなりづらく感じ、結果として飛距離が落ちることがあります。自分のスイングスピードに合った振動数を選ぶことが重要です。
- 感覚だけでなく数値での確認を ディアマナTBのような“しっかり系”のシャフトは、しなり感が少なく「硬い」と感じやすいため、感覚だけでなく、振動数測定を通じて客観的に判断するのがベストです。
- 同じフレックスでも振動数は異なる 「60S」などの表記が同じでも、モデルによって実際の振動数は大きく異なるため、メーカーが違えばフレックス表記だけで判断しないようにしましょう。
ディアマナTBの振動数は、その設計思想である「粘りながらも安定感のあるシャフト」を具現化したスペックであり、パワーのあるゴルファーが意図通りに球筋をコントロールするのに最適です。
スライサー
ディアマナTBは、一般的にスライスに悩むゴルファー、いわゆる“スライサー”にとっては注意が必要なシャフトです。しなり戻りが控えめでしっかりとした剛性を持つディアマナTBは、スライスを抑える設計ではなく、逆に“捕まりすぎ”を抑える設計だからです。そのため、自分がスライサーである自覚がある場合は、フィッティングによる確認が推奨されます。
ディアマナTBの捕まり傾向
ディアマナTBは、中元調子で剛性が高めに設計されており、しなり戻りが穏やかなのが特徴です。この特性により、シャフトが意図せずインパクト前にフェースを返しすぎることが少なく、打球が左へ行きにくい(引っかけづらい)構造です。
これは、持ち球がフック気味だったり、球の捕まりが強すぎると感じている上級者やフッカーにとっては非常に有利に働きます。しかし、スライスに悩んでいるプレーヤーにとっては、逆に「捕まりづらさ」が球の右方向へのミスを助長してしまう可能性があるのです。
スライサーに合うシャフトとは?
スライスに悩むプレーヤーにとって理想的なシャフトの特徴は、以下のようになります:
- トルクがやや多めでシャフトがねじれる
- 手元剛性が柔らかくタイミングが取りやすい
- ダウンスイングでシャフトが自然にしなり戻る
- 先調子もしくは先中調子でヘッドが返りやすい
ディアマナTBはこれらの条件とやや異なり、「トルクは少なめ」「全体が粘る中元調子」「シャフト全体がしっかりしている」ため、スライサーには“やや不向き”という評価が多く見られます。
実際のスライサーのフィードバック
ゴルフショップやフィッターのレビューによると、スライスに悩むプレーヤーがTBシリーズを使うと、以下のような傾向が出ると報告されています。
- 球がさらに右に出る
- インパクト時にフェースが開いたまま当たる
- 高弾道でスピン量が増え、飛距離ロスが発生
このような傾向が見られる場合は、同じディアマナシリーズでも捕まり重視の「ZF」や、もう少ししなりを感じられる「Sシリーズ」、あるいは他ブランドの先調子モデル(例:フジクラ スピーダーNX、USTマミヤ アッタスシリーズ)などを検討するのも手です。
対策と調整方法
スライサーがどうしてもディアマナTBを使用したい、あるいは試したい場合には、以下のような対策が有効です。
- 軽め・柔らかめのスペックを選ぶ 例えば60Xよりは60S、もしくは50Sなど、フレックスや重量を落としてシャフトの動きを出しやすくします。
- 重心距離が短いドライバーヘッドを選ぶ スライスを軽減するには、ヘッド側でも捕まりやすい設計を使うことが重要です。ディアマナTBは“シャフト単体”では捕まりが弱いので、ヘッドで補う発想です。
- ライ角やフェースアングルを調整する スリーブ調整機能を活用し、フェースアングルをクローズ側にしてボールの捕まりを増やすのも一つの方法です。
ディアマナTBは非常に完成度の高いシャフトである一方、万人向けではなく、特にスライサーにとっては適合確認が不可欠です。スライスに悩む方は、まずは試打やフィッティングで実際の球筋を確認することを強く推奨します。
ヘッドスピード
ディアマナTBシリーズを選ぶ際に最も重要なポイントの一つが「ヘッドスピード」です。シャフトの特性を最大限に活かすためには、自分のヘッドスピードに合ったモデルを選択することが不可欠です。ディアマナTBは主にミドルからハイスピードのプレーヤー向けに設計されているため、特にヘッドスピードの範囲を正しく理解しておく必要があります。
適合ヘッドスピードの目安
ディアマナTBシリーズの基本スペックから見ると、推奨ヘッドスピードの目安は以下の通りです。
- 60S(60g、硬さS):約42〜47m/s(94〜105mph)
- 60X(60g、硬さX):約47m/s以上(105mph以上)
このように、60Sは中〜上級者で平均的なスイングスピードの方に、60Xは非常に速いスイングスピードを持つ競技者レベルのゴルファーに適しています。特に60Xはシャフト剛性が高く、しなりの少ない設計なので、ヘッドスピードが速い方でないとシャフトの性能を活かしきれません。
なぜヘッドスピードが重要か
シャフトは柔らかすぎても硬すぎてもパフォーマンスが落ちます。柔らかすぎると、シャフトのしなりが大きくタイミングが合わずにボールの方向性が乱れやすくなります。一方、硬すぎるとシャフトがしならずに振り負けてしまい、飛距離や打感が悪化します。
ディアマナTBは特に剛性が高く、重さも比較的あるため、適切なヘッドスピードで振ることで初めて「しなり戻り」の恩恵が最大化されます。ヘッドスピードが遅い人が無理に硬いTBシャフトを使うと、振動数が合わずミスショットが増加する可能性があります。
ヘッドスピードの測定とフィッティング
自分のヘッドスピードを正確に知るには、ゴルフショップやフィッティングスタジオで計測機器を使うのが最も確実です。一般的な計測機では、スイングスピードの他、ボール初速や打ち出し角度、スピン量も一緒に測定できるため、適切なシャフト選びに役立ちます。
ディアマナTBを検討している場合は、計測時に特に「シャフトの硬さや重量を変えた場合のフィーリング」「振動数との相性」などもスタッフに相談しましょう。ヘッドスピードだけでなく、振り心地や弾道の変化もシャフト選びには重要な要素です。
ヘッドスピードが速い人のメリット
ヘッドスピードが速いゴルファーがディアマナTBを使用すると、シャフトの持つ高剛性が安定性に寄与し、スイングの再現性が高まります。特にインパクトでのシャフトのブレが少なく、方向性や飛距離の精度向上が期待できます。
また、重さ60g程度のシャフトはしっかりとした手応えがあり、ヘッドのコントロール性能も向上します。パワーのあるゴルファーが求める「操作性」と「安定感」を兼ね備えているのがディアマナTBの特徴です。
ヘッドスピードが遅い人の注意点
逆にヘッドスピードが40m/s以下のゴルファーには、ディアマナTBは硬すぎる傾向があり、スイングのタイミングが取りづらくなることが多いです。振動数が高すぎて手元が硬く感じられ、ミスショットの原因になることもあります。
その場合は、ディアマナTBよりも軽量かつ柔らかめのシャフトを選択するのが賢明です。たとえば、ディアマナシリーズの「ZF」や「S」など、より柔らかくしなりの多いモデルが適合するケースが多いです。
60Sと60X

ディアマナTBシリーズの中でも特に注目されるのが、「60S」と「60X」という2つの硬さ(フレックス)です。この二つは重さが同じ60グラム台でありながら、剛性やしなりの特性が異なり、ユーザーのスイングタイプやヘッドスピードに応じて選択されます。ここではそれぞれの特徴や違い、選び方のポイントについて詳しく解説します。
60Sの特徴
「60S」はシャフト重量が約60グラムで、フレックスは「S」(スタンダード)にあたります。このモデルは主にヘッドスピードが42~47m/s程度のミドル〜アッパーミドルのゴルファーに適しています。60Sはしなりと反発のバランスが良く、スイング中のシャフト挙動が扱いやすいのが特徴です。
- しなり戻りがスムーズで、タイミングが合わせやすい
- 手元の剛性は高めで安定感がある
- しなりすぎないため、ヘッドの暴れを抑制
このため、ミドル〜やや速いヘッドスピードのゴルファーにとって、スイングリズムを崩さず安定した弾道が得られやすい設計になっています。
60Xの特徴
一方、「60X」は同じ約60グラムの重さでも、フレックスは「X」(エクストラハード)で剛性が高く設定されています。こちらは特にヘッドスピードが47m/s以上の競技者レベルやパワフルなスイングを持つゴルファーに向いています。
- シャフトのしなりが少なく、硬めの挙動
- インパクト時のシャフトブレを極限まで抑制
- 振動数が高く、シャープな打感
60Xは高速スイングでないとその性能を発揮しづらく、ヘッドスピードが低いとスイングが合わずに方向性や飛距離のロスにつながる可能性があります。振り負けしないパワフルなスイングを持つゴルファーにとっては、しっかりとしたフィーリングが得られる最高の選択肢となります。
使い分けのポイント
60Sと60Xの選び方は、主に自分のヘッドスピードとスイングのフィーリングを基準にします。以下の点を参考にしてください。
- ヘッドスピードが42〜47m/sなら「60S」
- ヘッドスピードが47m/s以上なら「60X」
- シャフトのしなりを感じたいなら「60S」
- シャフトの硬さで安定性を重視するなら「60X」
また、振動数の違いも大きく影響します。60Xのほうが振動数が高いため、手元が硬く感じる傾向があり、繊細な操作を求めるゴルファー向きです。逆に60Sは少し柔らかめなので、スイングリズムを重視したい人に適しています。
実際のフィッティングでの注意点
フィッティングでは単にヘッドスピードだけでなく、スイングのタイミングやボールのつかまり、弾道の安定性も考慮します。60Sは少し柔軟性があるため、スイングリズムがややゆったりしているゴルファーに向きます。一方、60Xはハードなシャフトなので、正確なタイミングで振れるかどうかがポイントです。
フィッターに相談しながら、実際の試打で感触や弾道を確認するのが最善です。特にディアマナTBの60Xは合う人には非常に高性能ですが、合わないと振動数の高さが逆効果になることもあるため慎重に選びましょう。
ディアマナTBまとめ
ディアマナTBシリーズは、最新の技術と素材を駆使し、高性能シャフトとして多くのゴルファーから支持を集めています。特徴的なのは、しなりのコントロール性能と高い振動数による打感の良さ、そして幅広いヘッドスピードに対応できるラインナップです。ここでは、これまで解説した内容を踏まえ、ディアマナTBのポイントを総括します。
高性能な設計思想
ディアマナTBは、最新のカーボン繊維素材と複合構造を採用し、シャフト全体の剛性バランスを最適化しています。特に手元剛性を高めることで安定したスイング軌道を支え、中間部と先端部のしなりを計算したことで飛距離アップと方向性の向上を実現しました。この設計はヘッドスピードに応じて複数の硬さ(フレックス)で展開されており、60Sと60Xのように幅広いユーザーにマッチします。
ヘッドスピードに応じた選択肢
ディアマナTBは、ヘッドスピードの異なるゴルファーに最適な選択肢を提供しています。ミドルレンジのヘッドスピードであれば60Sが、より高速スイングのゴルファーには60Xが推奨されます。自分のスイングタイプや感触に合わせて選ぶことで、最大限のパフォーマンスを引き出せます。
振動数としなりのバランス
振動数の高さはディアマナTBの大きな特徴で、これによりインパクト時の打感がシャープで明確になります。一方で、しなりの適切なコントロールによってタイミングが取りやすく、スイング全体の安定感も保たれています。この絶妙なバランスが、飛距離と方向性の向上に寄与しています。
合う人と合わない人
ディアマナTBは、高いパフォーマンスを求めるゴルファーに向けて設計されていますが、すべてのゴルファーに万能というわけではありません。特にヘッドスピードが極端に低い方や、柔らかめのシャフトを好む方には合いづらい場合があります。フィッティングや試打を重ねて、自分に合うかどうかを見極めることが重要です。
総括
ディアマナTBは、最先端の素材技術を活用し、高い安定性と飛距離性能を実現したシャフトです。60Sと60Xの硬さ展開により幅広い層に対応し、ヘッドスピードやスイングタイプに合った選択が可能。振動数の高さとしなりのバランスが、精度と飛距離アップを支えています。自分のスイングに合った一本を見つけることで、ゴルフのパフォーマンス向上に大きく貢献するでしょう。