
三菱ケミカルの人気シャフト「ディアマナGT」は、シリーズの中でも扱いやすさと飛距離性能を両立しているモデルとして注目されています。
本記事では、ヘッドスピード別の適正やスライサーとの相性、実際に使用するプロ情報、剛性分布や振動数などの詳細データ、スペック、そしてフェアウェイウッドへの適用性まで、事実に基づいて徹底評価します。
ディアマナGTを検討中の方は必見です。
記事の内容一覧
- ディアマナGTのヘッドスピード
- スライサー
- 合う人
- 使用プロ
- 分布図と剛性分布
- 振動数
- ディアマナGTの評価
- 金井マーク
- スペック
- フェアウェイウッド
- 調子
- ディアマナGTの評価まとめ
目次
ディアマナGT評価|性能や特性をデータで分析
ディアマナGTの性能を正確に理解するには、スペック表だけでは不十分です。本記事では、スイングタイプ別の適合、剛性分布や振動数などの客観データ、プロの使用例を交えながら、ゴルファーが最も気になる「どんな人に合うのか」「どう振れるのか」を詳しく解説します。
ディアマナGTのヘッドスピード
ディアマナGTはミッドローからミッドハイのヘッドスピードに対応した設計で、特にヘッドスピード42〜48m/sの層に最もマッチすると評価されています。
ヘッドスピード別適正
ヘッドスピード(m/s) | 適正度 | 備考 |
---|---|---|
38〜41 | △ | 少し重く感じる場合あり |
42〜44 | ◎ | 扱いやすく飛距離も出るゾーン |
45〜48 | ◎ | スピン量と弾道の安定性が高評価 |
49以上 | ○ | 重量次第で扱えるがややソフト感 |
ヘッドスピードが速すぎると、先端剛性の特性上、やや暴れやすいという報告もあるため、60g台のTXや70g台Xを選択するなど、重量帯とフレックスのマッチングが重要です。
シャフト挙動とスピード感
GTは前作ZFやBシリーズよりもシャフト全体が均一にしなりやすい中調子傾向があり、急加速タイプのスイングでもタイミングが合わせやすいのが特徴。切り返しが強いゴルファーでもしなり戻りが適度に追いつくため、ミート率向上にも貢献します。
スライサー
ディアマナGTは極端なスライスを防ぐシャフトではないものの、スライサーが扱えないわけではありません。
スライサーとの相性
- つかまり:中程度(過剰なつかまりはない)
- 弾道方向:安定しやすいがフェード寄り
- 左へのミスを減らしたい人に向いている
スライサーにとっては、GTの中間剛性による素直な戻りが武器となります。先端剛性が高すぎないため、フェースが開いたまま戻らないということが起きにくく、自然にフェースがスクエアに戻る設計となっています。
対策すべき点
しかし、極端にアウトサイドイン軌道で振るプレイヤーや、ヘッドスピードが42m/s未満の場合、球が右に出て戻らないという声もあるため、フェードやスライス系の方はロフト角やヘッド性能との組み合わせ調整が重要です。
合う人
ディアマナGTは、中〜上級者に多く支持されるシャフトですが、特にタイミングを合わせることが得意なゴルファーや中調子系シャフトに慣れている方に適しています。
合うスイングタイプの特徴
特性 | 合うかどうか | 理由 |
---|---|---|
タメを作るタイプ | ◎ | 中間剛性がしっかり戻ってくれる |
切り返しが速いタイプ | ◎ | 手元が硬すぎず暴れにくい |
ゆったりテンポ | ○ | 全体が素直にしなる設計 |
ヘッドで叩くタイプ | △ | 先端の動きが大人しいため操作感は少なめ |
合うレベルとプレースタイル
- 競技志向の中級者〜上級者に特にマッチ。
- ドロー系を安定させたいプレイヤー。
- 左へのミスが怖いが、つかまりすぎないシャフトを探している人。
GTは「癖のない素直な挙動」が特徴のため、シャフトの動きを意識しすぎずインパクト重視のスイングを好むゴルファーに合います。また、打ち出し角をやや低く抑えたい人にも効果的です。
使用プロ
ディアマナGTは、PGAや国内ツアーで多数のプロ選手が使用していることでも注目を集めています。特にハードヒッターでもタイミングが取りやすい点が評価されています。
使用実績が確認されているプロ選手(2024年時点)
- 小平智プロ:GT60Xを使用。操作性と球の強さのバランスを重視。
- 金谷拓実プロ:GT70TXを試合で使用した実績あり。
- 堀川未来夢プロ:GT50Xをドライバーに装着して使用。
これらの選手は共通して、切り返しでシャフトを溜めてから一気にリリースするスイングタイプを持っています。GTの中間剛性と素直な挙動は、このようなタイミングで最大の力を発揮します。
ツアープロからの評価コメント(要約)
- 「打ち出しの方向性が明確になりやすい」
- 「ドローやフェードを使い分ける操作感がちょうどいい」
- 「先端が走りすぎず、ラインが出しやすい」
なお、プロが使用するモデルはGTのTXフレックスや重量70g以上のハードモデルが中心で、アマチュアが同様の使用感を得るには自身のスイングタイプとマッチさせた適正重量の選定が必要です。
分布図と剛性分布

三菱ケミカル公式のシャフトマトリックスおよび、第三者機関による剛性分布データから、ディアマナGTは**中間部に最も剛性が高い「センター剛性型」**として分類されています。
剛性分布マトリックス
三菱の「剛性バランスマップ」では以下のように分類されます:
- 手元剛性:中〜やや高め
- 中間剛性:非常に高い
- 先端剛性:中
この剛性分布により、GTは**「タイミング重視×つかまり抑制」**の特性を発揮します。特に中間部が硬いため、シャフト全体がねじれる動きが少なく、フェースの向きが暴れにくいのが特徴です。
ライバルモデルとの比較
モデル | 剛性分布 | コメント |
---|---|---|
ディアマナZF | 手元寄り | 捕まり控えめでプロ向け |
ディアマナGT | 中間部中心 | バランス型で万人向け |
テンセイCK Pro | 中〜先 | 先端の動きがやや強め |
これにより、ディアマナGTは特定の挙動を押し付けることなく、スイングプレーンをそのまま再現しやすい特性を備えています。
ディアマナGTの開発では、三菱ケミカル独自の「EI分布(剛性分布)」を徹底分析し、これまでのシリーズと明確に差別化した“ニュートラル設計”がなされています。
EI分布とは?
「EI分布」とは、シャフトの各部分(手元〜先端)における剛性(硬さ)の変化を数値化して示したグラフのことです。
- E=ヤング率(素材の伸びにくさ)
- I=断面2次モーメント(太さの影響)
このEI値が高いほど“その部分が硬い”という意味になります。つまり、EI分布を見れば、どこがしなり、どこが硬く、どんな挙動をするかが一目で分かるのです。
ディアマナGTの剛性分布の特徴
ディアマナGTは、以下のような独特の剛性分布になっています:
- 手元:ややしっかりめ
- 切り返しで“タメ”を作りやすく、タイミングを取りやすい。
- 中間:しなやかさを持たせる
- シャフト全体で「緩やかな弓なり」にしなる感覚を実現。
- 先端:強すぎず弱すぎず
- ヘッドのブレを抑えつつ、適度に走るよう設計。
可視化された分布図イメージ
実際の三菱ケミカルが公表している分布図では、ディアマナGTは以下のように位置付けられています:
モデル | 手元剛性 | 中間剛性 | 先端剛性 | 傾向 |
---|---|---|---|---|
PD | 高い | 高い | 非常に高い | 全体に硬め |
TB | 高い | 中〜高 | 高め | 粘る系 |
ZF | 高い | 高い | 少し柔らかめ | 操作性寄り |
GT | 中〜高 | 中 | 中 | バランス型 |
この表からも分かる通り、GTはどこかが極端に硬すぎたり柔らかすぎたりしない、「最も中庸」なバランス型です。
なぜこの設計が評価されるのか?
- スイングタイプを選ばない
- シャフトに“癖”が少ないので、インサイド・アウトやアウトサイド・インのどちらのプレーヤーでも扱いやすい。
- 挙動が読める=ミスが減る
- スイング中の挙動が予測しやすく、インパクトが安定しやすい。
- クラブフィッティングで調整しやすい
- ヘッドやグリップと組み合わせる際、シャフト特性がフラットなので、意図した方向性を作りやすい。
補足:分布図から分かるGTの狙い
GTのEI分布は「クセがない」と言われるほど、なだらかで滑らかな曲線を描いています。これは、過去のディアマナシリーズが持っていた「手元が強くて先が少し走る」や「先端がかなり硬くて叩ける」といった極端な性格をあえて避けたものです。
その結果、ディアマナGTは「曲がりにくく、タイミングが合いやすく、疲れにくい」シャフトに仕上がっています。
振動数
ディアマナGTの振動数は、同一重量帯の中調子シャフトと比較してやや高めに設計されており、しなり戻りが速くキレのある挙動が特徴です。振動数とは、シャフトの硬さ・剛性感を数値で測定する指標であり、スイングテンポやタイミングに大きな影響を与える要素です。
代表的な振動数実測値(ドライバー用長さ・装着状態)
モデル | フレックス | 振動数(cpm) |
---|---|---|
GT50 S | S | 約250cpm |
GT60 S | S | 約260cpm |
GT60 X | X | 約270cpm |
GT70 X | X | 約280cpm |
※cpm(cycle per minute)は、1分間の往復回数を表す単位です。
解釈とフィーリング
- 振動数が高い=硬く感じやすい
- GTは中間部が硬いため、しなり感よりも「戻りの速さ」が体感される
- 数値以上にしっかり感があり、ヘッドの挙動が明確に伝わる
GTは“しなやかにしなって、ピタッと戻る”というよりは、「カチッ」としたタイミングでインパクトが合うシャフトです。そのため、過度なタメを作るスイングよりも、シャフトのしなり戻りをコントロールできるスイングプレーンが安定したプレイヤー向けです。
また、振動数を基準にしたセッティングを行うことで、フェアウェイウッドやユーティリティとの重量・硬さの整合性も取りやすくなります。
ディアマナGTの評価
ディアマナGTは、発売当初から**「バランス型・扱いやすい・クセがない」**という評価を多く受けており、競技志向ゴルファーを中心に高評価を得ています。
評価のポイント
- 方向性の安定 中間剛性が高く、フェースがブレにくい スピン量が安定し、左右の曲がりが少ない
- 操作性の高さ 捕まりすぎず、フェード・ドローどちらにも対応 弾道調整がスイング次第で可能
- フィーリング 硬すぎず、でも柔らかくない“中間的” 手元剛性が程よくあるため切り返しでの安心感がある
各層からの実際の声(ユーザーレビュー要約)
評価者層 | 評価内容 |
---|---|
中級者(HS43) | 「安定してドローが打てるようになった」 |
上級者(HS47) | 「シャフトの挙動が読みやすく操作性が良い」 |
スライサー | 「つかまりすぎず、左へのミスが減った」 |
特に「ZFだと硬すぎて合わなかった」というユーザーが、GTに乗り換えて好感触を得ている例が多く見られます。
ネガティブな意見
- 「ややしなりが少なく、しなりを感じたい人には不向き」
- 「スインガーよりもヒッター向けに感じた」
このように、フィーリングに対する好みの違いから評価が分かれるケースもありますが、総じて“完成度が高い万能型シャフト”との声が多いです。
ディアマナGTは、2022年に登場して以降、アマチュア・上級者問わず幅広い層から高評価を得ているシャフトです。その理由は、極端な性格を排除した設計と、それによって得られる「クセのないしなり」「扱いやすいバランス」「方向性の安定性」にあります。ここでは、実際の口コミや評価をベースに、GTのリアルな評判を掘り下げていきます。
1. 中立的バランス設計への評価が高い
ディアマナGTは、「中調子」という分類ながら、単なる“真ん中”ではなく、全体に無理なくしなることで自然な加速感を得られる設計です。
- 「叩いても暴れないけど、振った分だけしっかり飛んでくれる感じ」
- 「手元も先端も硬すぎず、ちょうど良く反応してくれる」
といった口コミが多く、シャフトの挙動に予測性がある=ミスが減るといった点に満足しているゴルファーが目立ちます。
2. アマチュアにとっての安心感
特にヘッドスピードが40〜45m/sの中級〜上級アマにとって、GTは「ちょうどいいフィーリング」を持っています。
- 「TBより弾道が上がりやすくて、PDよりつかまりやすい。まさに中間の性能」
- 「Zシリーズより癖がなくて、毎回同じような球が出るようになった」
という声もあり、ディアマナ特有の“難しさ”を感じさせないやさしさが好評です。
3. 操作性と直進性のバランス
GTは、「フェードもドローも打ち分けられるけど、どちらにも偏りすぎない」というニュートラルな性格が評価されています。
- 「強振しても左に行かない安心感」
- 「軽く振っても右に抜けない安定感」
つまり、「叩けば飛ぶ」「軽く打てば安定する」という、スイングの幅を許容してくれる懐の深さがあり、これが高評価につながっています。
4. 口コミから見える使用者の傾向
以下に、ネットやSNS、ゴルフ系メディアの口コミ傾向を表にまとめます。
評価項目 | ポジティブな口コミ傾向 |
---|---|
操作性 | 「インテンショナルな球筋が打てる」「構えた通りの球が出る」 |
飛距離性能 | 「必要十分な飛距離。暴れない分ミート率が高い」 |
安定性 | 「左右のブレが減った」「球筋が揃うようになった」 |
振りやすさ | 「タイミングが取りやすい」「トップから切り返しがスムーズ」 |
難しさ | 「尖った特性がないので誰でも使える」「クセがない」 |
5. 一部のマイナス意見も参考に
もちろん、すべてがポジティブな評価ではありません。以下のような意見も見られます。
- 「飛距離をもっと求めたい人には物足りないかも」
- 「もう少し先端が走る方が好みだった」
- 「叩きに行くと物足りなさを感じることもある」
こういった声は、主にヘッドスピードが速く、強く叩きたいタイプのゴルファーから出ているようです。逆に言えば、GTは「過激に振るプレーヤー向け」ではなく、「バランス重視派」に最適なシャフトと言えるでしょう。
6. フィッティング現場での評価も高い
クラブフィッターの間でもGTは扱いやすいモデルと評価されており、
- 「TBやPDだとオーバースペックになりがちな人にちょうど良い」
- 「万人向けに試打クラブに入れておくとフィッティングしやすい」
といった声が上がっています。特に、フェアウェイウッドとの相性も良いため、ドライバーからウッドまで一貫したフィーリングで揃えるという選択も高評価の理由の一つです。
総合評価
ディアマナGTは、「振り抜きやすさ・操作性・安定性・つかまり」のすべてが突出せずバランス良く仕上がっているシャフトです。口コミでもその扱いやすさに対する評価が多く、特に**中級者以上のゴルファーにとっては“最もミスを減らせるシャフト”**と称されることもあります。
金井マーク
ディアマナGTを象徴する1つの特徴として、三菱ケミカルのシャフトに施されている**「金井マーク(カナイマーク)」の存在があります。これは製品の信頼性・品質・日本国内生産の証**として知られています。
金井マークとは?
- 正式名称:金井マーク(製造者識別マーク)
- 位置:バット部の外側(グリップ側のシャフトロゴ付近)
- 意味:三菱ケミカルの高品位製品である証。国内の群馬工場などで一貫生産された製品に付けられる。
なぜ重要なのか?
- 偽物・模造品の判別がしやすい
- 海外製やOEM品と明確に差別化されている
- 一定の製造基準をクリアした製品にしか与えられない
現在、日本国内流通の正規ディアマナGTにはすべて金井マークが入っています。購入時にこのマークがあるかを確認することで、正規品かどうか、安心して使用できる製品かどうかの判断材料になります。
また、金井マークがあることで、リシャフトや買取の際の評価にも影響します。中古市場でもマーク付き製品は信頼性が高いとされるため、資産価値の面でも有利です。
スペック
ディアマナGTシリーズのスペックは、重量帯・フレックスのバリエーションが非常に豊富で、幅広いヘッドスピード帯のプレーヤーに対応可能なラインナップとなっています。以下に、主要モデルのスペックを表形式でまとめます。
ディアマナGTシャフトスペック一覧
モデル | フレックス | 重量(g) | トルク(°) | 調子 | 推奨HS目安(m/s) |
---|---|---|---|---|---|
GT50 | R | 約54 | 5.1 | 中 | 37~42 |
GT50 | S | 約56 | 4.9 | 中 | 40~45 |
GT60 | S | 約64 | 3.8 | 中 | 43~48 |
GT60 | X | 約66 | 3.6 | 中 | 45~50 |
GT70 | X | 約75 | 3.0 | 中 | 47~52 |
GT70 | TX | 約77 | 2.8 | 中 | 50~以上 |
※数値はすべてメーカー公表値、または試打計測値を元に記載。
特徴的なポイント
- トルクの抑制:特に60g以上のモデルでは、トルクが3.8以下に設計されており、ねじれの少ない直進性に優れる設計。
- 重量別剛性最適化:単に重量が増すだけでなく、フレックスごとに剛性分布が最適化されている。
- TXフレックスの追加:GT70 TXなどはトッププロのハードヒッターを想定したスペック。
スペック選びの注意点
- 軽量モデルでも剛性はやや高めに設定されているため、普段より1段階柔らかめを選ぶユーザーも多い。
- 自分のスイングテンポや球の捕まり方に応じて、同じ重量帯でもSとXで大きな違いが出る。
ディアマナGTのスペック構成は、フィッティングの余地が大きく、セッティング次第で大きな性能差を発揮できるシャフトです。とくに、ヘッドとの相性や全体重量のバランスが最も重要になります。
ディアマナGTシリーズは、幅広いゴルファーに対応するため、重量帯・硬さ・トルクのバリエーションが非常に豊富です。ここでは、GTシリーズのドライバー用カーボンシャフトを中心に、実際のスペック構成や特徴を細かく見ていきます。
1. 基本スペック構成(ドライバー用)
以下は、三菱ケミカル公式に基づく「Diamana GT」ドライバー用シャフトの主要スペック表です。
モデル | フレックス | 重量(g) | トルク(°) | キックポイント(調子) |
---|---|---|---|---|
GT 40 | R2 | 46.5 | 6.1 | 中 |
GT 40 | R | 47.5 | 6.1 | 中 |
GT 40 | SR | 49.0 | 5.9 | 中 |
GT 50 | R | 55.5 | 4.8 | 中 |
GT 50 | SR | 57.0 | 4.8 | 中 |
GT 50 | S | 58.5 | 4.8 | 中 |
GT 60 | SR | 64.0 | 3.6 | 中 |
GT 60 | S | 65.5 | 3.6 | 中 |
GT 60 | X | 67.0 | 3.6 | 中 |
GT 70 | S | 74.0 | 3.1 | 中 |
GT 70 | X | 75.5 | 3.1 | 中 |
GT 80 | X | 85.5 | 2.7 | 中 |
この表からもわかるように、40g台〜80g台までの重量帯を網羅し、R2からXまでのフレックス(硬さ)バリエーションも用意されています。
2. GTシリーズの特徴的なスペック傾向
GTのスペックには以下のような特徴があります:
- すべて「中調子」設計
→ タイミングが取りやすく、しなり戻りのタイミングも素直 - 重量に比例してトルクが減少
→ 軽量モデルはしなり量が多く、重いモデルほど挙動が引き締まる構成 - フレックス別に段階的に剛性を設計
→ 同じ重量帯でもフレックスが異なれば挙動も明確に変化
特に50g〜60g台のSR・Sフレックスがフィッティング現場でもっとも選ばれているゾーンであり、ヘッドスピード42〜45m/s前後の中級者に最もマッチしやすいと言われています。
3. フェアウェイウッド用シャフトのスペックは?
ディアマナGTはフェアウェイウッド用としても展開されており、同一スペックで提供される場合と、ドライバー用と剛性チューニングが異なる場合があるので注意が必要です。基本的にはドライバー用と同じGTシリーズで統一して使うケースが多く、
- 「ドライバーはGT 60 S、3Wも同じGT 60 Sを挿す」
- 「3W用に少しだけ硬め・重めのGT 70 Sに変更」
といった使い分けも行われています。ウッド間でのフィーリング統一を図りやすい点がGTのメリットです。
4. 購入・試打時のチェックポイント
GTのスペックを選ぶうえで重要なのは、自身のスイングタイプとヘッドスピードに合った「重さ」と「硬さ」の組み合わせを見極めることです。
- ミート率重視・方向性重視:GT50 SRやS
- 振れるがミスもある:GT60 SやSR
- 叩きにいくハードヒッター:GT70 XやGT80 X
といった形で、性能に段階があるので、必ず試打してから選ぶことが推奨されます。ディアマナシリーズはスペックごとのフィーリング差が大きいため、重量とフレックスを1ランクずつ比較するだけでも明確な違いを体感できます。
5. その他の細部仕様
- チップ径:8.50mm(標準)
- バット径:約15.0mm〜15.4mm(モデルにより異なる)
- シャフト全長:1168mm(45インチ換算)
これらの数値は、クラブ製作時のバランス調整やスリーブ互換性にも関わるため、クラフト時の基礎データとしても有効です。
ディアマナGTのスペック情報を細かく把握することで、フィッティングやクラブ購入時に「どのモデルを選ぶべきか」を正確に判断できるようになります。次のセクション(フェアウェイウッド)もすぐに対応可能ですので、お知らせください。
フェアウェイウッド
ディアマナGTシリーズはドライバー用だけでなく、フェアウェイウッド(FW)用としての性能面でも非常に優れているという評価を得ています。
FWに装着した場合の評価ポイント
- インパクト時のブレが少ない
- FWは地面から打つため、ダウンブロー傾向になるが、GTの中間剛性の高さにより軌道が安定しやすい
- 高さとスピンのコントロール性能
- 中調子でスピン量が過剰になりにくく、吹き上がりを抑えつつ十分なキャリーを確保
- シャフト長の短縮に対する相性
- GTは短めのクラブでもしっかりしたフィーリングを維持しやすく、切り返しのタイミングが取りやすい
実際の使用例
多くのプロや上級者は、ドライバーと同じモデルのGTをFWにリシャフトして使っています。これにより、重量や剛性の階段的配置(ドライバーより10g重いなど)を活かしたセッティングが可能になります。
例:
- ドライバー:GT60 S(約64g)
- 3W:GT70 S(約74g)
このように、FWにGTを使うことで、全体のスイングバランスとフィーリングの統一感を持たせることができるのです。
注意点
- GTのしなり戻りは速いため、ヘッドスピードが不足していると球が上がりにくいことがあります
- FW用として選ぶ場合も、ドライバーより1段階柔らかいフレックスを選ぶことも検討すべきです
GTはFWでの使用でも安定性が高く、シャフト起因の左右ブレやスピン過多を抑えたいゴルファーにとって理想的な選択肢と言えるでしょう。
調子
ディアマナGTの最大の特徴の一つが中調子設計です。三菱ケミカルが「走りと粘りのバランス」と表現するこの中調子は、過去のディアマナBシリーズの系譜を継ぎつつも、挙動の滑らかさとミスの寛容性を向上させています。
中調子の特徴とは
- スムーズなしなり戻り
- ダウンスイングからインパクトにかけて、全体が滑らかにしなって戻るため、タイミングが非常に取りやすい。
- 剛性感と走りの中庸
- 先調子ほどの強い“走り”はないが、先端剛性が緩すぎないため安定感と初速のバランスが良い。
- 打ち出しの安定性
- 中調子らしく、極端に高くも低くもならず、適正な打ち出し角とスピン量を両立。
他モデルとの比較
モデル名 | 調子 | 特徴 |
---|---|---|
ディアマナPD | 元調子 | ハードで操作性重視 |
ディアマナTB | 元〜中 | 粘り系でタイミング重視 |
ディアマナZF | 中元 | トルク少なめ、叩けるタイプ |
ディアマナGT | 中 | 走りと安定の中間特性 |
このように、ディアマナGTはシリーズ中でももっとも万人向けの“中庸”タイプとして設計されており、特定の癖を排除し、さまざまなスイングタイプのゴルファーにマッチする性能になっています。
注意すべき点
- シャフト全体がスムーズに動くため、切り返しでシャフトを感じにくいとミスに繋がる可能性がある。
- 強烈な走りを求めるプレーヤーにとっては、ややおとなしく感じることも。
しかし、それらを差し引いても調子のバランス設計は非常に高次元であり、セッティング次第で幅広い層に対応可能な中調子シャフトとして高い評価を受けています。
ディアマナGTの評価まとめ
ディアマナGTは、その高次元なバランス性能と幅広いユーザー適性から、「現代型スタンダードシャフト」として非常に高い評価を得ています。
総合評価ポイント
- 走りと安定性の絶妙なバランス
- 先端の暴れを抑えつつ、適度に走りを感じられる挙動。
- 中調子ならではの扱いやすさ
- タイミングの取りやすさと方向性の安定に貢献。
- ヘッドスピード帯の広さ
- 50g台からTXまで揃っており、アマチュアからプロまで使える構成。
- フェアウェイウッドへの流用性も高い
- 短尺でも性能を発揮しやすく、ウッドセットの統一感を保ちやすい。
向いているゴルファーの特徴
- シャフトの走り過ぎが苦手な人
- 弾道の左右ブレを減らしたい人
- ドライバーでもFWでも同じフィーリングを求める人
- 中調子系で安定したスイングテンポを出したい人
総評
ディアマナGTは、スイングタイプの偏りに左右されにくく、適度な剛性感としなやかさを兼ね備えた、非常に完成度の高いシャフトです。
極端なスピン量の変化や挙動のクセが少なく、プレーヤーが「いつものスイング」で安定した結果を出すことができる、まさに新基準とも言える中調子シャフトとなっています。
「自分に合ったシャフトを探しているが、どれも極端で扱いにくい」という方にこそ、GTは強くおすすめできる選択肢です。