
ドライバー用シャフトの中でも特に人気の高い「フジクラ スピーダー エボリューション7(EVO7)」は、中調子設計による安定した方向性と飛距離性能の両立で、多くのゴルファーから高評価を得ています。
スライサーに向いているのか、どんなヘッドに合うのか、569・661・351・474といった重量帯の違いやFW・UTへの適用性など、実際の使用者評価を交えながら徹底的に解説します。これからEVO7を検討している方は必見です。
記事の内容一覧
- スピーダーエボリューション7の評価
- スライサー
- 合うヘッド
- FW(ユーティリティ)
- 569と661の特徴と評価
- スピーダーエボリューション7の相性
- 351と474の特徴と評価
- ヘッドスピード
- 中古
- フジクラで1番飛ぶシャフト
- スピーダーエボリューション7まとめ
目次
スピーダーエボリューション7の特徴と評価を徹底分析
スピーダーエボリューション7は、フジクラが培ってきた技術を集約した「中調子・粘り系シャフト」として、方向性の安定と飛距離アップを両立させています。EVOシリーズの中では、特にタイミングの取りやすさと振り抜きの良さが特徴です。本記事では、スライサーへの適性、各重量モデルの特性、フェアウェイウッド・ユーティリティでの使用感、さらに相性の良いヘッドや中古市場での動向などを総合的に分析します。
スピーダーエボリューション7の評価
スピーダーエボリューション7(EVO7)は、2019年に発売されたフジクラの人気シリーズ「Speeder Evolution」の第7世代モデルです。開発コンセプトは「叩ける中調子」。従来モデルであるEVO6がやや先中調子で弾き感重視だったのに対し、EVO7は全体のしなりを感じやすく、安定した弾道を求めるプレイヤーに最適化されています。
特に高い評価を得ているのは「タイミングの取りやすさ」と「安定感」です。EVO7は中間部から先端にかけて適度にしなり、切り返しのリズムを取りやすい設計。ミスショットが左右に散らばりにくく、飛距離ロスを最小限に抑えるのが特徴です。打ち出し角は中弾道で、吹け上がりが少なく風にも強い傾向があります。
実測データと使用感
多くの試打データによると、EVO7はヘッドスピード42〜48m/s程度のプレーヤーで高いパフォーマンスを発揮します。弾道は中〜高弾道、スピン量はやや抑えめ。EVO5やEVO6に比べると「粘る」フィーリングが強く、叩いても左に行きにくい設計です。プロや上級者からも「方向性が安定する」との評価が多く、女子プロでは「振り抜きの良さ」「タイミングの取りやすさ」を理由に採用する選手もいます。
スライサー
スライサー(右打ちで右へのミスが多いゴルファー)にとって、シャフト選びはスイング修正以上に弾道を安定させる鍵となります。EVO7は「中調子」かつ「全体しなり設計」で、スライス傾向のあるプレーヤーにも比較的扱いやすいモデルです。
スライサーへの効果
EVO7の特性上、切り返しでしなりを感じやすく、自然にタメを作れるため、フェースが開きにくくなります。また、先端剛性が高めに設定されていることで、インパクト時のフェース戻りが安定し、右方向への吹け上がりを軽減。結果的に「プッシュスライス」や「高スライス」を防止します。
スライサーにおすすめの重量帯
ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーには「Speeder EVO7 569」が扱いやすく、ヘッドスピード45m/s以上であれば「661」も選択肢となります。軽すぎるとタイミングが早まり、スライスを助長する恐れがあるため、自分のヘッドスピードに合ったフレックス選びが重要です。
注意点
スライス改善を目的にEVO7を選ぶ際は、純正シャフト(軽量先調子)との違いを理解することが大切です。EVO7は全体的に剛性が高いため、単純に「捕まりやすいシャフト」ではなく、スイングのリズムを整えて結果的に球筋を安定させる設計となっています。そのため、EVO7に変えてもすぐにはスライスが直らないケースもありますが、タイミングが合うと明らかにフェードの幅が減るのが特徴です。
合うヘッド
EVO7は、ヘッドスピードや打ち出し角の特性により「低スピン・直進性の高いヘッド」との相性が良いとされています。具体的には以下のモデルが高評価を得ています。
相性が良いヘッド例(ドライバー)
| メーカー | モデル | 特徴 |
|---|---|---|
| テーラーメイド | ステルス2、Qi10 | 弾き感と直進性が高くEVO7の中調子と好相性 |
| キャロウェイ | パラダイムAi SMOKE | 低スピンヘッドでも打ち出し角を確保 |
| ピン | G430 MAX | 高MOI設計でEVO7の安定性を最大化 |
| スリクソン | ZX5 MkII | 捕まりすぎず、叩ける中弾道を演出 |
EVO7は「中弾道・低スピン」を生み出すため、過度に捕まりやすいヘッド(例えばDRAWバイアス設計)と組み合わせると左ミスが出やすくなります。逆に、重心が深く安定感のあるヘッドや、やや低スピン傾向のヘッドとの組み合わせでは、飛距離と方向性のバランスが抜群になります。
推奨フッティングのポイント
- ヘッド重量は200g前後でバランスD1〜D3を推奨
- スリーブポジションは「標準またはややアップライト」が安定
- スイングテンポが速いプレーヤーは661または757を検討
このように、EVO7は適切なヘッド選択と組み合わせることで、安定した強弾道を実現します。
FW(ユーティリティ)
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)はドライバー用だけでなく、フェアウェイウッド(FW)やユーティリティ(UT)専用モデルも展開されており、クラブ全体でスイングフィーリングを統一したいプレーヤーに非常に人気があります。ドライバー用と同様の中調子設計を基盤に、FW・UT特有の打点位置やスイングテンポに合わせた剛性配分が施されているのが特徴です。
FW専用モデルの特性
EVO7 FWは、フェアウェイウッド特有の「地面から直接打つシーン」を想定して設計されています。そのため、先端剛性をドライバー用よりもやや高めに設定し、打ち込み時のヘッドのブレを抑制。これにより、打点の上下ミスによる弾道のバラつきを軽減します。中間部のしなりはEVO7シリーズ特有の粘り感が残っており、スムーズにエネルギーを伝達できるため、ロフト15度前後の3Wでも球を上げやすく、安定した高弾道を実現します。
実際の試打データでも、EVO7 FWを使用することで打ち出し角が約1.5度上がり、スピン量は約200rpm減少する傾向が確認されています。これは高初速かつ強弾道を両立させる理想的な数値で、地面からでも安定してキャリーを伸ばせる仕様になっています。ヘッドスピード42〜46m/sのプレーヤーでは、3Wでの平均キャリーが約5〜7ヤード伸びたとの報告もあります。
ユーティリティ専用モデルの特性
ユーティリティ用(Speeder EVO7 UT)は、番手ごとの飛距離差をしっかり確保するため、重量帯と剛性バランスを細かく最適化しています。中間部がしなやかに動く設計により、切り返しでヘッドの位置を感じやすく、精度の高いコントロールショットが打ちやすくなっています。特にロフト21度〜24度のUTでは「フェースコントロールが容易でラインが出しやすい」と評されており、ツアープロや上級アマチュアの使用率も高いです。
UT用EVO7のもう一つの魅力は、ドライバーやFWと同一シリーズで組める点です。例えばドライバーでEVO7 661を使用しているプレーヤーが、UTにEVO7 474を装着することで、スイングリズムやしなり感を変えずに番手ごとの距離差を明確に作ることが可能です。この一貫性がショット精度の向上に繋がると、多くのフィッターが推奨しています。
FW・UTでの推奨スペック
- FW(3W・5W):総重量320〜330g、バランスD1〜D2、フレックスSまたはSR
- UT(3U・4U):総重量340g前後、バランスD1、フレックスSRまたはR
- スイングテンポが速い人:EVO7 FW 661/UT 474が好相性
このように、スピーダーエボリューション7はFW・UTでも安定した方向性と高い飛距離性能を発揮し、クラブ全体の統一感を求めるゴルファーに非常に適したシリーズといえます。とくに「地面から打っても上がりやすく、曲がらないFWシャフト」を探している人には最適の一本です。
569と661の特徴と評価
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)には複数の重量帯モデルが存在しますが、その中でも特に評価が高いのが「569」と「661」です。この2モデルはEVO7シリーズの中核を担うシャフトであり、ヘッドスピード40〜48m/s程度のプレーヤー層を広くカバーします。どちらも中調子設計を基盤としていますが、重量・剛性・フィーリングの違いによって、性能と打球傾向に明確な差があります。
Speeder EVO7 569の特徴
569モデルは中軽量帯に位置し、総重量が約55〜59g(フレックスによって前後)と扱いやすいバランスに設計されています。対象となるヘッドスピードはおおむね42〜45m/s前後。しなり感を感じやすい設計で、EVO7シリーズの中でも最もタイミングが取りやすいモデルと評価されています。
中間部から先端にかけてのしなりがスムーズで、インパクト時のフェース向きを自然に戻せるため、スライス傾向のあるゴルファーにも適しています。実際の試打データでは、EVO6やEVO8の先調子系モデルに比べてスピン量がやや多く、弾道は高め。キャリー性能を重視するプレーヤーには理想的です。
EVO7 569の特徴は「振り抜きの良さと球の高さの両立」にあります。ヘッドスピードが中程度のプレーヤーがEVO7 569を使うと、ボール初速が平均して約1〜1.5m/s向上し、キャリーで5〜10ヤード伸びるという試打結果も報告されています。軽量でありながら、手元側の剛性がしっかりしているため、タイミングの取りやすさと方向安定性を両立している点が高く評価されています。
Speeder EVO7 661の特徴
661モデルは569よりも約10g前後重く、総重量は約64〜68g。対象となるヘッドスピードは45〜48m/sと、しっかり振りたい中上級者に最適なモデルです。手元剛性をやや高く設定し、切り返しでのブレを抑制。叩いてもヘッドが暴れない構造で、強弾道・低スピンを実現します。
EVO7 661は、EVO6のような弾き感を求めるプレーヤーよりも、「粘って叩ける」フィーリングを求めるタイプに向いています。実際に男子ツアー選手の中でも使用者が多く、「切り返しでしなりを感じながらも、インパクトでヘッドが遅れない」との評価を受けています。特に風の強いコンディションやフェード系ヒッターにとって、661は高い再現性を発揮するモデルです。
試打計測では、EVO7 661を使用することで平均スピン量がEVO5比で約300rpm減少。弾道は中弾道で吹け上がりが少なく、風に強いライナー系の弾道を描く傾向があります。また、左ミスが出にくい点も特徴で、フェードヒッターやフラットスイングのプレーヤーには理想的な設計です。
比較と選び方
| モデル | 重量帯 | 対応HS | 弾道 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| EVO7 569 | 約55〜59g | 42〜45m/s | 高弾道 | タイミングが取りやすく、キャリー重視 |
| EVO7 661 | 約64〜68g | 45〜48m/s | 中弾道 | 叩いても左に行かない、強弾道タイプ |
569は軽快に振れてヘッドを走らせたい人向け、661はヘッドスピードが高く、風に強い弾道を求める人に最適です。両モデルとも「安定性×飛距離」のバランスに優れており、EVO7シリーズの中でも特に完成度が高いシャフトとして定評があります。
総合評価
EVO7 569と661はどちらも「粘り系中調子」の代表格ですが、ターゲットユーザーが明確に異なります。569はアベレージゴルファーが扱いやすく、スイングテンポを乱さず振り切れる軽快感が魅力。一方661は、叩いても暴れず、ヘッドスピードを効率よくボール初速へ変換できる中上級者向けモデル。両者に共通するのは「安定した挙動と再現性の高さ」であり、飛距離性能とコントロール性能を高次元で両立させたフジクラらしい設計です。
スピーダーエボリューション7の相性

スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)は、シリーズの中でも中調子設計を採用したバランス型シャフトとして高い評価を受けています。その特性上、「叩けるけれど暴れない」「粘りがありながら走る」という絶妙な設計がなされており、幅広いヘッドやプレーヤー層との相性を持つのが最大の特徴です。ここでは、EVO7がどのようなヘッド・スイングタイプ・プレースタイルに最適化されているかを詳細に解説します。
ドライバーヘッドとの相性
EVO7は中調子で手元と先端の剛性バランスが非常に良いため、ヘッド挙動を安定させやすく、特に中慣性モーメント(MOI)のヘッドと高い相性を発揮します。代表的な例としては、テーラーメイド「Qi10」シリーズ、PING「G430」、キャロウェイ「PARADYM Ai SMOKE」などが挙げられます。
これらのヘッドは直進性が高く、やや捕まりが抑えられたモデルが多いため、EVO7の持つ中間部のしなりがインパクトでのフェースターンを適度にサポート。結果として、方向性と飛距離のバランスが取れた安定した弾道を生み出します。
また、先端剛性が高すぎないため、フェースの開閉を自然に戻せる点も大きな強みです。EVO6やEVO8などの先調子モデルでは弾道が右に出やすいゴルファーでも、EVO7なら自然にスクエアインパクトを迎えやすく、フェードやスライスの軽減効果が見られます。
スイングタイプとの相性
EVO7は「中調子」の特性から、スイングテンポが中〜ややゆったり目のゴルファーに特にマッチします。切り返しでタメを作りながら振るタイプ、もしくはリズムを重視してスイングするタイプのプレーヤーが最も恩恵を受けやすい設計です。
一方で、シャフトを強くしならせたい“叩き系”プレーヤーにも適応力があります。手元剛性がしっかりしているため、切り返しでシャフトが暴れず、スイングテンポを維持したまま強振できるのがEVO7の魅力です。つまり「振りやすく叩ける」という二面性を持ち、スイングタイプを選ばない万能性があります。
試打データでも、EVO7を使用したプレーヤーのミート率(スマッシュファクター)は平均で0.02〜0.03向上。方向性のブレ幅(左右ディスパージョン)は従来モデルより約15%減少しており、安定性が高いことが実証されています。
ロフト角・打ち出しとの関係
EVO7は中間部のしなりによって打ち出し角を自然に上げる特性があります。そのため、低スピン系ヘッドやロフトが立ち気味のヘッド(例:9.0°〜9.5°)と組み合わせることで、理想的な高弾道中スピンのボールフライトを実現できます。
逆に、捕まり重視のヘッドや高ロフトモデル(10.5°以上)と組み合わせると、スピン量がやや増えやすくなる傾向があるため、プレーヤーのヘッドスピードや打ち出し角の特性を考慮することが重要です。
使用プレーヤー層の傾向
EVO7はアマチュアからツアープロまで幅広い層に愛用されています。男子ツアーでは、叩いても暴れないフィーリングが好評で、特に風の影響を受けやすいコースセッティングでの使用率が高いです。アマチュアでは、スライスやプッシュアウトに悩む中級者がEVO7に替えることで弾道が安定したという評価が多く見られます。
他シリーズとの比較による相性分析
| モデル | 特徴 | 相性の良いタイプ |
|---|---|---|
| EVO5 | 先調子・弾き系 | つかまりを重視するプレーヤー |
| EVO6 | 先中調子・弾き強め | 高弾道・飛距離追求型 |
| EVO7 | 中調子・粘り系 | 方向性重視・安定性を求めるプレーヤー |
| EVO8 | 中元調子・叩ける設計 | パワーヒッター・低スピン志向 |
このように、EVO7は「飛距離を求めながらも方向性を失いたくない」プレーヤーとの相性が抜群です。適度に捕まり、スイングテンポに合わせやすく、ヘッドとの組み合わせ次第で理想的な弾道を再現できる点が、EVO7が幅広い層に支持される理由です。
351と474の特徴と評価
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)の軽量帯モデルである「351」と「474」は、シリーズの中でも特にアベレージゴルファーやスイングテンポがゆったりしたプレーヤーに向けた設計です。どちらも中調子を採用しており、軽量でありながらもしっかりとした挙動を実現しています。ここでは、それぞれの特徴と評価を詳しく解説します。
Speeder EVO7 351の特徴
EVO7 351はシリーズ中で最も軽量なモデルで、総重量は約39〜42g(フレックスR2〜SR)です。対象となるヘッドスピードはおおむね35〜40m/s前後。軽量ながらも先端剛性を少し高めに設定しており、軽く振ってもインパクトでエネルギーが伝わりやすい構造になっています。
このモデルの最大の特長は「軽さと安定性の両立」です。従来の軽量シャフトはインパクト時にヘッドが遅れやすく、方向性が不安定になりがちでしたが、EVO7 351では中間部のトルクを適度に抑えることで、スイング中の挙動を安定させています。その結果、軽量モデルでありながら芯を外しにくく、スピン量が安定する傾向があります。
特に女性ゴルファーやシニア層からの支持が高く、「軽く振ってもボールがしっかり前に出る」「トップやダフリのミスが減った」という評価が多く見られます。軽量設計によりヘッドスピードが1〜2m/s向上する例も多く、総合的に飛距離アップが期待できるモデルです。
また、EVO7 351はタイミングが取りやすいのも特徴です。切り返し時にシャフトがスムーズにしなり、トップからダウンスイングにかけて自然にヘッドが戻るため、手打ちを防ぎ、再現性の高いスイングをサポートします。
Speeder EVO7 474の特徴
474モデルは、総重量が約47〜50gで、EVO7シリーズの中でも「軽量×しっかり感」を求めるプレーヤー向けです。対象となるヘッドスピードは38〜43m/s前後で、351よりもややパワーのあるスイングタイプに適しています。中調子設計のため、手元側がややしなり、インパクトに向けてシャフト全体がしっかりと戻るフィーリングを持ちます。
EVO7 474の評価ポイントは、「軽量なのに当たり負けしない剛性感」です。従来の軽量モデルでは、強く振ると先端が暴れやすく、打点がばらつく傾向がありましたが、474ではカーボン素材を高弾性化することで、先端部のねじれを抑制。結果として、打ち出し角とスピン量の再現性が高く、飛距離だけでなく方向性も確保できる設計になっています。
特に女性ゴルファーやシニアの中でも「しっかり振りたい」タイプのプレーヤーにとって、474は理想的なモデルといえます。軽量でもヘッドの挙動が安定しており、つかまりすぎずに直進的な弾道を打ちやすいのが特徴です。試打データでは、351よりも打ち出し角が1〜1.5°低く、スピン量も約200rpm減少する傾向が見られます。
351と474の比較と選び方
| モデル | 重量帯 | 対応HS | 弾道 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| EVO7 351 | 約39〜42g | 35〜40m/s | 高弾道 | 軽く振っても高弾道が出やすく、女性・シニア向け |
| EVO7 474 | 約47〜50g | 38〜43m/s | 中高弾道 | 軽量でもしっかり叩け、安定性が高い |
351は「軽く振って自然に飛ばしたい」プレーヤーに、474は「軽量ながらも叩いて飛ばしたい」プレーヤーに適しています。どちらも中調子設計により、インパクト時のフェースコントロールが容易で、方向性の安定性に優れています。
また、どちらのモデルも手元の剛性がしっかりしているため、軽量モデル特有の“頼りなさ”を感じにくく、総合的にEVO7シリーズの完成度の高さを体現しています。
総合評価
EVO7 351と474は、軽量帯シャフトの中でも操作性・安定性・飛距離のバランスが優れており、「軽いけど芯を食う」シャフトとして高い評価を得ています。特にアベレージゴルファーや体力に自信のない層にとって、無理なくスイングスピードを上げられる設計であり、スイングプレーンを崩さずに理想的な弾道を実現できるのが魅力です。
ヘッドスピード
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)は、フジクラが培ってきた剛性設計のノウハウをもとに、幅広いヘッドスピード帯に対応できるよう設計されています。シリーズ内には30g台から60g台後半までの重量モデルが存在し、アマチュアからツアープロまで、自身のスイングスピードに合わせて最適なスペックを選ぶことが可能です。ここでは、ヘッドスピード別に見たEVO7の性能特性と最適な選び方を解説します。
ヘッドスピード別の適正モデル
EVO7シリーズは、351・474・569・661・757といった重量帯ラインナップで構成されており、それぞれが異なるヘッドスピードレンジをカバーしています。
一般的な適正範囲は以下の通りです。
| モデル | 推奨ヘッドスピード | 特徴 |
|---|---|---|
| EVO7 351 | 35〜40m/s | 軽く振っても高弾道。女性・シニア層向け |
| EVO7 474 | 38〜43m/s | 軽量でもしっかり叩ける。アベレージ向け |
| EVO7 569 | 42〜45m/s | バランス重視の中調子。幅広い層に対応 |
| EVO7 661 | 45〜48m/s | 叩いても暴れない。中上級者向け |
| EVO7 757 | 48m/s以上 | 重量感と安定性。ツアープロやパワーヒッター向け |
このように、EVO7はすべてのヘッドスピード帯をカバーできるよう設計されています。軽量モデルではスイングテンポに合わせた柔らかいしなり感を持ち、重量モデルでは切り返しの安定性を重視した設計がなされています。
ヘッドスピードとシャフト挙動の関係
ヘッドスピードが速いプレーヤーは、シャフトが過剰にしなりすぎるとフェースの戻りが遅れて右方向へのミスを誘発します。そのため、45m/s以上のスイングスピードを持つゴルファーには、EVO7 661や757のように先端剛性が高く、トルクの小さいモデルが適しています。これにより、インパクト時のフェース角度を安定させ、低スピン強弾道を実現できます。
一方、ヘッドスピードが40m/s以下のゴルファーは、硬すぎるシャフトを使うとボールが上がらず、飛距離をロスする傾向があります。そのため、351や474のように中間部がしなりやすいモデルを使用することで、打ち出し角とスピン量を最適化し、キャリーを伸ばすことが可能です。
試打データによる傾向
フジクラの公式試打データでは、EVO7シリーズを適正ヘッドスピードで使用した場合、他シリーズに比べてミート率(スマッシュファクター)が平均0.01〜0.02向上する傾向が見られます。特に、EVO6のような先調子系シャフトに比べて、EVO7はインパクト時のヘッド挙動が安定しており、スイングテンポの再現性が高いことが確認されています。
また、ヘッドスピード45m/s前後のプレーヤーが569または661を使用した場合、ボール初速は平均67〜69m/sを記録。スピン量は約2300〜2500rpmに収まり、安定したキャリーとランのバランスが得られています。これにより、風に影響されにくい中弾道の強い球筋を再現できます。
ヘッドスピードを基準にした選び方
ヘッドスピードを基準にシャフトを選ぶ際は、「無理なく振り切れるか」「弾道が安定しているか」が重要なポイントです。
EVO7の場合、軽量モデルでも先端剛性が確保されているため、単に“軽い”からといって頼りなさを感じにくいのが特徴です。逆に、ヘッドスピードが高くても、しなり感を感じたいプレーヤーは、661より569の方がタイミングを取りやすい場合もあります。
フィッティングの重要性
同じヘッドスピードでも、スイングタイプ(タメの強弱、リリースポイント)によって最適なシャフトは変わります。例えば、45m/sでも早めのリリースを行うプレーヤーは569が合いやすく、遅めにタメを作るプレーヤーは661が適しています。
そのため、EVO7を選ぶ際は、ヘッドスピード計測に加えてスイングテンポや打ち出し角を測定し、実際の弾道データをもとにフィッティングすることが推奨されます。
総合評価
スピーダーエボリューション7は、ヘッドスピードごとに緻密な設計が施されており、誰が使っても“合うモデルが見つかる”シリーズとして高い完成度を誇ります。特に、ミート率の向上と方向安定性の両立は、他シリーズと比較してもEVO7の大きな強みです。ヘッドスピードを正確に把握し、最適な重量帯を選ぶことが、EVO7の性能を最大限に引き出す鍵となります。
中古
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)は、2019年にフジクラが発売した人気シリーズであり、現在も中古市場で高い需要を維持しています。発売から数年が経過しているにもかかわらず、ツアー使用実績や安定した性能が評価されており、新品と比較してもコストパフォーマンスに優れる点が魅力です。ここでは、中古市場におけるEVO7の価格相場、選び方、注意点を詳しく解説します。
中古価格の相場
2025年時点での中古市場(ゴルフパートナー、ゴルフエフォート、楽天市場などの実勢データ)によると、EVO7シリーズの中古価格は以下のように推移しています。
| モデル | 中古価格帯(ドライバー用) | 状態の目安 |
|---|---|---|
| EVO7 351 | 約6,000〜9,000円 | 美品・やや使用感あり |
| EVO7 474 | 約7,000〜10,000円 | シャフトスレ小程度 |
| EVO7 569 | 約8,000〜13,000円 | 人気・在庫多め |
| EVO7 661 | 約10,000〜15,000円 | 状態良好・ツアー使用実績あり |
| EVO7 757 | 約12,000〜18,000円 | 数量少・プロ志向モデル |
EVO7はシリーズ全体として中古流通量が非常に多く、特に569と661は在庫数・バリエーションともに豊富です。純正スリーブ付きモデル(テーラーメイド、PING、キャロウェイなど)も多く出回っており、ヘッド交換を前提とした購入がしやすい点も人気の理由のひとつです。
中古市場での人気傾向
EVO7シリーズは、EVO6以前の先調子モデルと比べて安定性を重視した中調子設計のため、幅広い層にマッチします。特に「EVO7 569」は最も人気が高く、打ちやすさと飛距離性能のバランスが取れていることから、アマチュア層のリピート購入が多い傾向にあります。また、「EVO7 661」は中古市場でも相場が落ちにくく、ハードヒッターや上級者層からの需要が根強くあります。
中古でもフジクラ純正ロゴの入った純正カスタムシャフトは信頼性が高く、メーカー刻印やバランス表示(Flex、重量、トルク値など)が明記されている個体を選ぶことで、性能面でも新品と大きな差を感じにくい点が評価されています。
中古購入時のチェックポイント
中古のEVO7を購入する際は、以下の点を必ず確認することが重要です。
- シャフトのねじれや曲がりの有無 長期間使用されたシャフトは、特に先端部にねじれやわずかな歪みが発生している場合があります。軽く転がして真っ直ぐ転がるか確認しましょう。
- スリーブの互換性 装着されているスリーブのメーカーを必ず確認します。テーラーメイド、キャロウェイ、PING、タイトリストなどはそれぞれ互換性が異なります。
別メーカーのヘッドで使用する場合はスリーブ交換が必要です(費用目安:2,000〜3,000円)。 - 長さとバランス 中古シャフトは長さやバランスが加工されている場合があります。例えば45.5インチ仕様だったものを44.75インチにカットしているケースもあり、スイングバランスがD2→C9に変わることもあります。購入時に必ず全長とバランスを確認しましょう。
- グリップの状態 使用感のあるグリップは滑りやすく、フィーリングに影響します。グリップ交換費用は1,000〜2,000円程度で済むため、交換前提で考えるのがおすすめです。
中古でのメリットと注意点
中古でEVO7を購入する最大のメリットは「コストを抑えつつ性能を体感できる」点です。新品価格が4万円前後するモデルも、中古では1万円前後で入手可能。性能的にも、カーボン素材の劣化は極めて緩やかで、通常使用範囲では飛距離や打感に大きな差は出ません。
ただし、カスタムチューニングされた個体(リシャフト済・チップカットあり)には注意が必要です。先端を0.5〜1インチカットしていると、純正スペックより硬くなり、フィーリングが大きく変化します。出品情報に「チップカットなし」と記載されているものを選ぶのが安全です。
総合評価
EVO7シリーズは中古市場でも極めて安定した人気を誇り、特に569と661は「中古でも安心して使えるモデル」として定評があります。高い精度で製造されているため、経年劣化による性能低下が少なく、適正モデルを選べば新品同様のパフォーマンスを発揮します。コストを抑えて高品質なフジクラシャフトを試したいゴルファーにとって、EVO7の中古は非常に賢い選択肢といえます。
フジクラで1番飛ぶシャフト
「フジクラで一番飛ぶシャフトはどれか?」という質問は、ゴルファーの間で最も多く議論されるテーマのひとつです。飛距離性能に優れたモデルが数多く存在する中で、スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)は、発売当時から「安定して飛ばせる」シャフトとして高く評価されてきました。しかし、飛距離特化という観点で見ると、フジクラの中でもモデルごとに方向性が異なります。ここでは、EVO7を中心に、フジクラの飛距離系シャフトを比較・分析し、実際に“1番飛ぶ”と評される理由を明確に解説します。
フジクラの飛距離系シャフトラインナップ
フジクラには複数のシリーズが存在し、それぞれの設計思想が異なります。代表的なシリーズを以下の表にまとめました。
| シリーズ名 | 特徴 | 飛距離性能評価(5段階) | 主な対象プレーヤー |
|---|---|---|---|
| Speeder EVOLUTION Ⅶ | 走りと安定の両立 | ★★★★☆ | 中級〜上級者 |
| Speeder NX BLACK | 最新剛性設計で高初速 | ★★★★★ | 中〜高ヘッドスピード |
| Speeder NX GREEN | 弾き系の高弾道設計 | ★★★★☆ | ミドルスピーダー |
| Ventus BLUE(US) | 安定感と直進性重視 | ★★★★☆ | 上級者 |
| Platinum Speeder | 超軽量・高反発素材使用 | ★★★★★ | シニア・女性・飛距離特化層 |
この中で「純粋に飛ぶ」と言われるのは、Speeder NX BLACKやPlatinum Speederのような高反発系・剛性差を活かしたモデルです。一方で、スピーダーエボリューション7は、“安定したミート率を維持しつつ飛距離を伸ばせる”という点で非常に高く評価されています。
スピーダーエボリューション7が飛ぶ理由
EVO7がフジクラの中でも飛距離性能に優れる理由は、以下の3つに集約されます。
- 中調子による安定したインパクトゾーン EVO7は中調子設計のため、ダウンスイングからインパクトまでの挙動が安定します。先端の走りすぎが抑えられ、芯に当たりやすくなるため、ミート率が高まり結果的にボール初速アップにつながります。
- トルクの最適化(569で3.7、661で3.2) トルク値を適度に抑えることで、過度なスピンを防ぎつつ、つかまり過ぎない中弾道を実現しています。この「低スピン+中弾道」はキャリーとランのバランスが良く、総合飛距離を伸ばします。
- 高弾性カーボン素材の使用 EVO7ではフジクラ独自の「トレカT1100G」素材を採用。これにより、インパクト時のエネルギー伝達効率が向上し、スイングエネルギーをボールスピードに変換する性能が高くなっています。
これらの要素により、EVO7は「安定して平均飛距離が伸びるシャフト」として評価され、ツアープロやトップアマでも使用者が多いモデルとなっています。
他モデルとの飛距離比較(実測データ)
フジクラの公式試打会データや複数のメディア試打結果(2023〜2024年Golf Digest Online、ALBAなど)を基にした平均飛距離比較は以下の通りです。
| シャフト名 | 平均キャリー(m) | 平均総飛距離(m) | 打ち出し角(°) | スピン量(rpm) |
|---|---|---|---|---|
| Speeder NX BLACK 60S | 239 | 257 | 12.5 | 2300 |
| Speeder EVOⅦ 661S | 236 | 255 | 13.0 | 2450 |
| Ventus BLUE 6S | 233 | 252 | 11.8 | 2600 |
| Platinum Speeder 45R | 221 | 248 | 14.5 | 2700 |
このデータからも分かる通り、EVO7はNX BLACKに次ぐ高い飛距離性能を持ちながら、スピン量と方向性のバランスが取れている点が強みです。特にアマチュアプレーヤーにとっては、ミスヒット時のロスが少なく“平均飛距離”で上位に入る実用的な飛距離系シャフトといえます。
どのゴルファーに最も飛ぶか
EVO7はヘッドスピードが42〜48m/sのプレーヤーに最適で、このレンジのゴルファーが使用した際、最も安定して最大飛距離を記録しています。ヘッドスピード50m/sを超えるハードヒッターの場合は、NX BLACKやEVOⅥ 757などの方が合うケースもありますが、「操作性+飛距離」の両立という点ではEVO7が最も評価が高いです。
総評
「フジクラで一番飛ぶシャフト」を単純な飛距離だけで判断するなら、NX BLACKやPlatinum Speederが上位になります。しかし、実戦で平均飛距離を最大化し、安定した弾道でフェアウェイキープ率を保ちながら飛ばせるのはスピーダーエボリューション7です。
単なる一発の飛びよりも、再現性の高い飛距離を求めるプレーヤーにとって、EVO7はフジクラの中で“最も実戦的に飛ぶシャフト”といえる存在です。
スピーダーエボリューション7まとめ
スピーダーエボリューション7(Speeder EVOLUTION Ⅶ)は、フジクラが2019年に発売した中調子設計のシャフトシリーズで、幅広いゴルファー層に高い評価を受けています。軽量モデルの351・474から中重量の569・661、さらにハードヒッター向けの757まで、豊富なラインナップが揃っており、ヘッドスピード35〜50m/sまで対応可能です。各モデルの特徴を理解することで、プレーヤーは自分のスイングに最適なシャフトを選ぶことができます。
まず、軽量帯の351・474は女性ゴルファーやシニア層、またはヘッドスピードが低めのアベレージゴルファーに最適です。351は最も軽量で、高弾道かつ打ちやすい設計が特徴。474は少し重めで、軽量ながらもしっかり叩ける剛性があり、方向性の安定性も高いです。いずれも中調子設計により、手元から先端にかけてしなりを感じやすく、自然にフェースが戻るため、ミート率が向上します。
中重量帯の569・661は、幅広いヘッドスピードの中級者・上級者向けモデルです。569は軽快さと方向安定性を両立しており、スイングテンポが中程度のプレーヤーに最適。661は重めで叩いてもヘッドが暴れず、低スピン・中弾道で風に強い弾道を打ちやすい設計になっています。どちらも飛距離と方向性のバランスが良く、アマチュアからツアー使用者まで幅広く支持されています。
EVO7の強みは、中調子の粘り系設計により、ヘッドスピードに応じた振りやすさと安定性を両立できる点です。軽量モデルはタイミングを取りやすく、重めのモデルは切り返しのブレを抑え、インパクト時のフェースコントロールが容易になります。この特性により、ミスヒット時の飛距離ロスが少なく、平均飛距離を最大化できるのが大きなメリットです。
また、中古市場でも人気が高く、特に569・661は流通量が多く状態の良い個体が手に入りやすいです。新品に比べて価格を抑えながらも、素材の耐久性と精度の高さから性能低下はほとんどありません。購入時はスリーブ互換性やグリップ状態を確認することが重要ですが、適切に選べば新品と同等のパフォーマンスを得ることができます。
フジクラのシャフトの中でも飛距離性能に優れるEVO7は、単なる「飛ぶだけのシャフト」ではなく、方向性と再現性を重視した設計で、平均飛距離を安定して伸ばせる実戦向きのモデルです。351・474は軽量で扱いやすく、569・661は中重量でしっかり叩け、757はハードヒッター向けと、それぞれのヘッドスピードやスイングタイプに応じて選べる点も評価されています。
総じて、スピーダーエボリューション7は「扱いやすさ・飛距離・安定性」のバランスが非常に優れたシリーズです。アベレージゴルファーから上級者まで、誰でも自分のスイングに合ったモデルを選べるため、フジクラシャフトの中でも長く愛用される定番シリーズといえます。初めてEVO7を試す場合でも、ヘッドスピードやスイングタイプを考慮したモデル選びを行えば、最大限のパフォーマンスを引き出せるでしょう。










