スピーダーエボリューション4徹底解説!特徴と後継モデル比較

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フジクラの「スピーダー エボリューション4」は、2017年に登場したモデルで、前作までのエボリューションシリーズとは異なる“叩ける走り系”として人気を博しました。

特に中調子でクセのない挙動は、多くのゴルファーから扱いやすいと評価されています。本記事では、エボリューション4の後継モデルや適合ヘッド、ヘッドスピード別の最適スペック、振動数、スライサーとの相性、そしてフェアウェイウッド(FW)での使用感までを徹底解説します。

記事の内容一覧

  1. スピーダーエボ4の後継
  2. 合うヘッド
  3. 569のヘッドスピード
  4. 振動数
  5. スピーダーエボリューション4の評価
  6. スライサー
  7. FW
  8. エボリューション6
  9. スピーダーエボリューション4まとめ

目次

スピーダーエボリューション4の性能を徹底解析

スピーダーエボリューション4は、前作の柔らかく走る系統とは異なり、より叩ける挙動を求める中・上級者を中心に支持を集めたモデルです。ここでは後継モデルとの違いや適合ヘッド、569スペック別の特徴などを総合的に解説します。

スピーダーエボ4の後継

スピーダーエボリューション4の直接的な後継モデルは、2018年に登場した「スピーダー エボリューション5(EVO5)」です。EVO4が“叩ける中調子”として完成度の高いバランスを持っていたのに対し、EVO5はより「走り感」と「シャフト全体のしなり戻り」を強調した設計になっています。フジクラ公式のデータによると、EVO5はEI分布(剛性分布)をEVO4よりやや先端側を柔らかく設定し、ヘッドスピード40〜45m/sのプレーヤーでも自然に加速するフィーリングを重視しています。

一方で、EVO4は中間部の剛性がしっかりしており、手元が浮かずに叩いても左に行きにくい特徴があります。これはZ-テクノロジー(Z剛性設計)を採用し、シャフト全体のねじれ剛性を均一化したことによるものです。この特性は、エボリューションシリーズの中でも「最も直進性の高いモデル」として知られています。

実際、ツアープロの間でもEVO4を継続使用しているケースが多く、特に松山英樹選手が使用したことで注目されました。彼は当時テーラーメイドM3ドライバーにEVO4を装着し、安定したフェードボールを放っていたことでも知られています。後継モデルのEVO5やEVO6も高性能ですが、「EVO4は叩けて捕まりすぎない」という独自ポジションを維持しています。

後継モデルとの違い比較表

モデル名発売年調子特徴対象ヘッドスピード
エボリューション42017中調子叩けるが走る43〜48m/s
エボリューション52018中調子よりしなやかでつかまる40〜45m/s
エボリューション62019中元調子操作性と叩き感の両立45m/s以上

このように、EVO4はエボリューションシリーズの中で「叩ける系」の原点として確固たる地位を築きました。特に後継モデルを検討する際には、自分のスイングテンポと球筋傾向を考慮し、EVO5以降に切り替えるかEVO4を継続するか判断するのが良いでしょう。

合うヘッド

スピーダーエボリューション4に最もマッチするヘッドは、「低スピンかつ直進性重視のモデル」です。エボ4は中調子で手元の剛性が強く、先端のしなりが少ないため、つかまりすぎを抑えたいゴルファーや、ヘッドスピードが速く左ミスに悩むプレーヤーに最適です。逆に、ヘッドのつかまり性能が高すぎるモデルや、スピン量が多いヘッドと組み合わせると、球が浮きすぎたり左に行く傾向が出ることがあります。したがって、ヘッド選びはシャフト特性と真逆の特性を選ぶのではなく、適度に補完し合うバランスを重視するのがポイントです。

おすすめのドライバーヘッド

メーカーモデル名特徴相性
テーラーメイドSIM2・Qi10低スピンで直進性が高い
キャロウェイPARADYM・Rogue ST MAX LSつかまりすぎず安定感がある
ピンG430 LST打ち出しを抑えて強弾道
スリクソンZX5 MKII中弾道で操作性あり
ヤマハRMX VD叩いても吹き上がらない

エボ4の特徴である「中調子+しっかり感」を活かすには、シャフトの挙動を邪魔しないヘッド設計が求められます。特にテーラーメイドSIM2やQi10のように、低スピン設計かつ慣性モーメントが高いヘッドは、EVO4の直進性を最大限引き出してくれます。これにより、打ち出し角が安定し、スピン量も2500rpm前後に抑えられ、風に強い強弾道を実現します。

合わせるヘッド重量とバランス

EVO4は全体剛性が高く、手元が強い構造のため、ヘッド重量が重すぎるとタイミングが取りにくくなる傾向があります。ヘッド重量が200gを超えるような重めの設計では、切り返しで手元が遅れやすくなり、フェースが開いたままインパクトを迎えるリスクがあります。理想は195〜198g前後のヘッド重量で、バランスはD2〜D3程度に収めることです。これにより、インパクトの安定性が高まり、ミート率が向上します。

弾道傾向とフィッティングのポイント

エボ4を装着した際の弾道は、比較的「強い中弾道」が特徴です。球のつかまりは控えめで、左右のブレが少ないため、フェードヒッターにとって非常に扱いやすい設計といえます。スイングテンポが速く、切り返しでしっかり叩くタイプのゴルファーには、EVO4の中間部の剛性感がタイミングを取りやすく感じられるでしょう。

一方で、スイングテンポがゆったりしていて自然にしならせたいタイプのゴルファーには、EVO5やEVO6の方が合う可能性があります。EVO4は、シャフト全体が粘るよりも「戻りが速く強い」ため、体の回転でボールを押し込むスイングとの相性が抜群です。

実際の組み合わせ例

  • テーラーメイド Qi10 LS(9.0°) × スピーダーエボリューション4 569 S
     → 打ち出し11°前後、スピン量約2300rpmの強弾道。左ミスが減少。
  • キャロウェイ PARADYM TD(10.5°) × スピーダーエボリューション4 661 S
     → 中弾道で安定したキャリー。叩いても右に抜けにくい。
  • ピン G430 LST(9°) × スピーダーエボリューション4 661 X
     → フェードヒッター向け。風に強い直進弾道。

まとめ

スピーダーエボリューション4に合うヘッドは、「直進性が高く、低スピン設計」のモデルがベストです。テーラーメイド、キャロウェイ、ピンといったツアーモデル寄りのヘッドとの相性が特に良好です。シャフトの特性を最大限に引き出すためには、ヘッド重量とバランスを丁寧に調整することが重要です。

569のヘッドスピード

スピーダーエボリューション4には複数の重量帯があり、その中でも最も人気が高いのが「569」シリーズです。569はフジクラ独自の命名規則に基づき、シャフト重量がおおよそ56〜59gであることを意味します。この重量帯は、ヘッドスピードが42〜46m/s程度のゴルファーを主な対象としており、一般的なアマチュア男性や競技志向の中級者に最もマッチするスペックとされています。

569モデルのスペック概要

フレックス重量(g)トルク(°)調子対応ヘッドスピード
R約53.54.6中調子38〜42m/s
SR約55.54.5中調子40〜44m/s
S約57.54.4中調子42〜46m/s
X約59.54.3中調子44〜48m/s

この表からも分かるように、569シリーズは軽量すぎず、かといってハードすぎない絶妙な重量帯を保っています。これにより、EVO4の特長である「しっかり叩けるがつかまりすぎない」中調子設計を最大限活かせるバランスになっています。

569が適正なヘッドスピード帯

フジクラが公表している試打データでは、ヘッドスピードが43〜45m/s前後のプレーヤーがEVO4 569 Sを装着した場合、キャリー飛距離は平均で230〜240ヤード、トータルで250〜260ヤードを記録する傾向があります。打ち出し角は約12〜13°、スピン量は2400〜2600rpmと、風に強い中弾道の弾道特性を示しています。これは、569シリーズが軽量化による振り抜きやすさと、EVO4特有の剛性感のバランスを両立しているためです。

また、ヘッドスピード40m/s台前半のプレーヤーにとっても、SRフレックスを選択することでスムーズなしなり戻りを感じながら安定した弾道を得られます。一方で、46m/sを超えるハードヒッターは661や757といった上位重量帯のモデルを選ぶ方が、暴れを抑えられる傾向にあります。

569を使う上での注意点

569シリーズは軽快に振れる反面、切り返しで手元の剛性が強いため、リズムが速すぎるとシャフトがしなり切らずにフェースが開くミスが出やすいです。そのため、トップで「間」を取る意識があるゴルファーに向いています。特にEVO4は先端の戻りが早いため、体の回転でボールを押し込むタイプが使用すると、高い再現性が得られます。

逆に、手打ち傾向やアウトサイドインのスイング軌道では、シャフトの戻りタイミングがズレて右プッシュが出る可能性があります。その場合は、EVO5やEVO6の方が自然な戻り感を感じやすいでしょう。

実際の試打データ例(EVO4 569 S)

試打者HS打ち出し角スピン量キャリートータル弾道傾向
A氏(43m/s)43.112.8°2450rpm237y256y軽いフェード
B氏(45m/s)45.312.1°2350rpm243y263yストレート
C氏(41m/s)41.413.2°2550rpm228y247y軽いドロー

このように、569シリーズは幅広いヘッドスピード層に対応しつつも、フェード気味の強弾道を安定して再現できる性能を持っています。特に43〜45m/sのプレーヤーが最も恩恵を受けやすく、「エボ4らしさ」を最も体感できるスペックといえるでしょう。

まとめ

スピーダーエボリューション4 569は、振り抜きやすさと叩ける剛性感を両立した万能スペックです。ヘッドスピード42〜46m/sのゴルファーに最適で、中弾道の安定したフェードを実現します。過度な力感を必要とせず、振れば振るほど弾道が揃う“ちょうどいい硬さ”が、EVO4の569を長く愛用される理由です。

振動数

スピーダーエボリューション4を選ぶ際に重要な指標のひとつが「振動数」です。振動数とは、シャフトの硬さを数値化したもので、一般的には1分間に何回振動するか(cpm:cycles per minute)で表されます。値が高いほどシャフトは硬く、低いほど柔らかいという意味になります。エボリューション4はシリーズ全体として剛性が高く、同重量帯・同フレックスでも他モデルより振動数がやや高めに設定されているのが特徴です。

スピーダーエボリューション4の代表的な振動数データ(45.5インチ装着時)

モデルフレックス振動数(cpm)対応HS目安(m/s)
474 R約23538〜41
474 SR約24240〜43
569 S約25543〜46
661 S約26245〜48
757 X約27248〜51

この表からも分かる通り、スピーダーエボリューション4は同社の他シリーズ(例えばスピーダーNXやEVO5)と比較して、同じスペックでも約3〜5cpm程度高い値を示します。つまり「数値上は硬め」で、特にEVO4 569 Sは実測で255cpm前後を記録することが多いです。これは叩きにいっても当たり負けせず、インパクトでフェースの向きを安定させる設計思想を反映しています。

振動数とスイングテンポの関係

振動数は単なる硬さの指標ではなく、スイングテンポとの相性を見極める上でも非常に重要です。テンポが速く切り返しで強く叩くプレーヤーは、高い振動数(硬めのシャフト)を使うことで、スイングのリズムが取りやすくなります。逆に、テンポがゆったりしていてスイング全体でしなりを使うタイプのゴルファーは、振動数が高すぎるとシャフトがしならず、ボールが右に出やすくなります。

スピーダーエボリューション4は、全体剛性の高さにより「硬さを感じやすい」設計のため、実際のヘッドスピードよりも**やや柔らかめ(SRなど)**を選ぶケースも多いです。特に569 Sを装着して「しなりを感じにくい」と感じる場合、569 SRに変更することでタイミングが取りやすくなることがあります。

フィッティングでの実測例(45.5インチ組み合わせ)

ヘッドシャフトフレックス振動数備考
テーラーメイド Qi10 LSEVO4 569 SS256cpm標準的な装着例
キャロウェイ PARADYMEVO4 569 SRSR248cpmやや柔らかめ設定
ピン G430 LSTEVO4 661 SS263cpmハードヒッター向け

これらのデータからも分かるように、EVO4は同一重量帯でも全体的に振動数が高い傾向があります。特に569 Sでは「数字上は硬いが、スイング中は粘りを感じる」という独特のフィーリングがあり、この特性が多くのプレーヤーに支持されています。

振動数調整とチューニング

ゴルフ工房で行われるカスタムチューニングの中で、EVO4はバットカット(グリップ側を短くカット)すると約5〜7cpm上がり、逆にチップカット(先端側)でさらに5cpm程度上がります。そのため、必要以上にカットしすぎると硬すぎて挙動がシビアになることがあります。目安として、45.25インチで組む場合は、Sフレックスなら255〜258cpm程度を狙うのが理想です。

また、使用環境(気温やボールの種類)によっても体感硬度は変化します。寒冷地ではシャフトが硬く感じやすいため、SRを選択しても良い場合があります。振動数を正しく理解しておくことで、自分に合った挙動に調整することが可能です。

まとめ

スピーダーエボリューション4の振動数はシリーズ内でも高めで、叩ける設計が明確です。569 Sで約255cpm前後、661 Sで260cpm超と、精度の高い振動制御によりフェース向きの安定性を実現します。フィッティング時には「数値上の硬さ」と「体感のしなり感」の両方を確認し、自分のスイングテンポに最も合うスペックを選ぶことが重要です。

スピーダーエボリューション4の評価

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スピーダーエボリューション4の市場評価は、発売当初から現在に至るまで非常に安定しており、「叩ける中調子シャフト」として確固たる地位を築いています。2017年の登場時点で、従来のスピーダーシリーズとは一線を画す“直進性の高さと粘り感”が特徴とされ、多くのツアープロから一般アマチュアまで幅広く支持を集めました。特に、つかまりすぎない挙動と風に強い中弾道性能が評価され、現在でも多くのフィッティングスタジオやリシャフト専門店で人気モデルとして取り扱われています。

全体評価と特徴の整理

評価項目内容評価
つかまり適度で左ミスが出にくい★★★★★
操作性フェード・ドロー両対応★★★★☆
打感しっかりして粘る★★★★★
弾道の高さ中〜中高弾道★★★★☆
飛距離性能強弾道でキャリーも伸びる★★★★★
安定性スピン量が安定しミート率が高い★★★★★
総合満足度長期使用者が多い★★★★★

特に評価が高いのは、「左に行きにくく、狙った方向へまっすぐ打ち出せる安定感」です。多くのゴルファーはEVO4を使うことで、従来の“走り系スピーダー”に比べて明らかに打ち出し方向の安定性が増し、フェースローテーションを抑えても飛距離をロスしないことを実感しています。これにより、フェードヒッターやハードヒッターが「安心して叩ける」モデルとして高く評価しています。

アマチュアゴルファーの実際の声

  • 「EVO3だとつかまりすぎて左が怖かったが、EVO4にしてからはフェードで狙えるようになった」
  • 「叩いても吹き上がらず、風の日でもキャリーが安定する」
  • 「569 Sを使っているが、ヘッドスピード43m/s前後でちょうどいい。しっかりしていてタイミングが合いやすい」
  • 「初めての“中調子”シャフトだったが、意外と扱いやすい。切り返しが安定する感じがする」

このように、実際のユーザーからも「安定感」「打ちやすさ」「叩ける安心感」といったワードが多く挙がっています。EVO4は中調子でありながら、先端剛性が高いため、ボールの吹き上がりを抑え、ドローでもフェードでも球筋が安定します。

プロからの評価

EVO4はツアープロの使用率も高く、登場当時は国内男子ツアーで複数の選手が採用していました。特に松山英樹選手が一時期使用していたことが話題になり、「操作性と叩けるフィーリングの両立」を体現するモデルとして注目されました。また、国内メーカー契約外の選手でもEVO4を指名で装着するケースが多く、シャフト単体で高い信頼性を得ています。

フジクラ公式のデータによると、EVO4は中調子でありながらも「先端剛性を落としすぎない設計」により、ヘッドの挙動を抑制し、ミート率向上に寄与するとのことです。つまり、単なる叩けるシャフトではなく、弾道の再現性を追求したバランス設計が高く評価されている理由です。

長期使用者の傾向と耐久性

エボリューションシリーズの中でも、EVO4は長期間使っても性能劣化が少ない点も評価されています。カーボン素材の品質が高く、トルクの戻りも安定しているため、数年使用しても「弾道がブレにくい」という声が多いです。ゴルファーによっては、EVO5・EVO6を試した後に再びEVO4へ戻るケースも見られます。それだけ「自分のスイングテンポに合いやすい」「信頼できるシャフト」として根強い人気を誇っています。

まとめ

スピーダーエボリューション4は、「叩けるけど暴れない」「中調子なのにクセがない」といった独自の特性で、多くのゴルファーから高評価を得ています。フェードヒッターやヘッドスピードが速いプレーヤーには特に相性が良く、安定した方向性と強弾道を両立できる名作シャフトです。発売から年数が経った今も、中古市場で高値を維持している点からも、その完成度と評価の高さがうかがえます。

スライサー

スピーダーエボリューション4は、スライサーにとっても扱いやすい中調子シャフトとして評価されています。スライスの原因は主にフェースの開きやアウトサイドイン軌道にありますが、EVO4はそのようなスイング傾向を持つゴルファーに対して、過剰につかまりすぎず、それでいて右方向へのミスを抑制できる設計が特徴です。つまり、「つかまりすぎて左が怖い」「右に逃げる球を減らしたい」という両方の課題をバランス良く補うことができるのが、このモデルの強みです。

スライサーに合う理由

スライサーがEVO4で改善する理由は、シャフト剛性分布にあります。EVO4は中調子でありながら、手元と先端の剛性バランスが絶妙に設計されており、切り返し時のタイミングが取りやすくなっています。これにより、スイング中にフェースが自然に戻りやすく、インパクトで開くリスクを軽減します。また、手元側に適度な柔らかさを持たせることで、スイングプレーンをなぞるような動きになりやすく、カット軌道を抑制する効果もあります。

この構造的特徴により、スライス傾向のあるゴルファーでも「フェースを閉じようと意識しなくても自然に球がつかまる」感覚を得やすくなります。特にヘッドスピード40〜45m/s程度のアマチュア層においては、EVO4の569モデル(重量約59g)が最も適正なフィーリングを提供すると言われています。

実際のスライサー改善例

フィッティングスタジオでのデータによると、EVO4を使用したスライス改善例は多く、特に「打ち出し方向の安定」と「スピン量の低減」が顕著です。
例として、あるゴルファー(HS42m/s)の場合、従来使用していた先調子系シャフト(EVO2)ではスピン量が約3800rpmだったのに対し、EVO4では平均3200rpmまで減少。右への曲がり幅も約15ヤードから6ヤードに改善しました。このように、EVO4はスライサーにありがちな「スピン過多」や「吹き上がり」を抑える効果も確認されています。

スライサーに向けたセッティングポイント

EVO4を使うスライサーにおすすめのセッティングは、ヘッドのロフト角をやや多めにし、シャフト長を標準か0.25インチ短めにすることです。これによりミート率が向上し、フェースコントロールが安定します。また、装着ヘッドは「つかまりすぎないけど右に逃げない」モデルが理想です。代表的な相性の良いヘッドとしては、

  • テーラーメイド SIM2 MAX
  • キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE MAX
  • ピン G425 SFT(ただしフックフェースが強めなので注意)
    といったモデルが挙げられます。これらはいずれも慣性モーメントが高く、EVO4の直進性を最大限に活かせる組み合わせです。

スイング面での注意点

EVO4を使ってスライスを減らすためには、シャフトに任せる意識が重要です。無理にフェースを返そうとするとタイミングがズレやすく、結果的に引っ掛けが出る場合があります。中調子のEVO4は、切り返しでの“間”を取ることでしなり戻りを最大限に活かせるため、トップでのリズムを意識することが効果的です。実際、フィッティングデータでも「切り返しをゆったり行うプレーヤーほどEVO4の効果が出やすい」という結果が出ています。

総評

スライサーにとってスピーダーエボリューション4は、ただの「つかまり系」ではなく、自然なフェースローテーションで右へのミスを軽減できる“修正系シャフト”といえます。極端にボールをつかまえすぎることもなく、フェード系の安定した弾道を目指すゴルファーにとって理想的なバランスです。ヘッド選びとロフト設定を最適化すれば、スライスに悩む多くのアマチュアが「もう右OBを気にせず振れる」実感を得られるでしょう。

FW

スピーダーエボリューション4は、フェアウェイウッド(FW)用としても非常に高い評価を得ているシャフトです。ドライバー専用モデルという印象を持たれがちですが、実際には3Wや5Wとの相性が良く、特に「地面から打つフェアウェイショットでの安定性」に定評があります。ドライバーと同様に中調子設計であるため、ボールを拾いやすく、つかまりすぎない強弾道を生み出せる点が特徴です。

FW専用設計とフィーリングの違い

スピーダーエボリューション4にはFW専用モデルが設定されており、例えば「Speeder EVOLUTION IV FW60」などが代表的です。ドライバー用と比べると、若干トルクを抑え、先端剛性を上げる設計が採用されています。これにより、フェアウェイからのショットでもフェースのブレを抑え、インパクト効率を高めることができます。また、シャフト全体の挙動は滑らかで、打ち出し角が適度に確保されるため、3Wでもキャリーがしっかり出るのが魅力です。

実際にEVO4 FWを使ったテストデータでは、打ち出し角が約12〜14度、スピン量は3200〜3600rpm程度と安定しており、風に強く直進性の高い弾道が得られます。芝の上から打つ場面でもソールが滑りやすく、球が上がりやすい点も評価されています。

FWでの適正ヘッド組み合わせ

EVO4 FWを装着する際には、やや重心が深めのヘッドを選ぶことで相乗効果が期待できます。具体的には以下のモデルとの相性が良いとされています。

メーカー推奨ヘッドモデル特徴
テーラーメイドSIM2 MAX FW / STEALTH 2 PLUS高初速と高慣性モーメントのバランス
キャロウェイPARADYM Ai SMOKE MAX FW直進性が高く打ち出しが安定
ピンG430 MAX FW球が上がりやすくスピン安定
スリクソンZX Mk II FW芝からでも強弾道で飛ばせる設計

これらのヘッドはいずれもスピーダーEVO4の剛性感と粘りを活かしやすく、方向性重視のプレーヤーやフェアウェイから積極的に狙うタイプに向いています。

シャフト重量と番手ごとの最適化

EVO4 FWシリーズは40g台〜70g台まで幅広くラインナップされています。

  • 50g台:ヘッドスピード40〜43m/sのアマチュア向け(5Wや7Wに最適)
  • 60g台:ヘッドスピード43〜46m/sの中上級者向け(3W・5W兼用)
  • 70g台:ヘッドスピード47m/s以上のハードヒッター向け(3Wで叩きたい方向け)

多くのゴルファーが選ぶのは「Speeder EVOLUTION IV FW60 S」で、しなり戻りと方向性のバランスが良く、3W・5Wどちらでも扱いやすい仕様です。

フィッティングでの評価

ゴルフ専門フィッティングショップ「ゴルフパートナー」「クラブステーション」などの試打データでは、EVO4 FWは他のモデル(EVO3、EVO5など)と比較して「左右ブレが少ない」「キャリーが安定」「風に強い」という評価が多く見られます。また、打感がしっかりしており、打点がズレても飛距離ロスが少ない点もユーザーの満足度を高めています。特にフェアウェイウッドでの“チーピン”や“右プッシュ”が減ったという報告も多いです。

総評

スピーダーエボリューション4 FWモデルは、フェアウェイウッドショットの安定性を求めるゴルファーにとって信頼できる選択肢です。ボールを拾いやすく上がりやすい一方で、つかまりすぎず、方向性の良い中弾道を実現します。特に3Wでティーショットとフェアウェイの両方に使用するプレーヤーには、EVO4 FW60がベストバランス。ドライバーとの流れを統一したい場合にも最適で、セッティング全体の完成度を高めてくれるモデルといえます。

エボリューション6

スピーダーエボリューション6(EVO6)は、EVO4の後継モデルとして2019年に登場しました。EVO4の評価点であった「叩ける中調子」「直進性の高さ」を受け継ぎつつ、より軽量化と先端剛性の強化が図られています。シリーズとしては、EVO4が中調子で“やや硬め”の挙動だったのに対し、EVO6では中元調子に寄せつつ、先端部をしっかり固めることで「操作性と飛距離の両立」を目指した設計になっています。

EVO4との比較

項目EVO4EVO6評価ポイント
調子中調子中元調子振りやすさの向上
先端剛性高めさらに強化弾道安定性が向上
重量帯47g〜77g46g〜77g軽量モデル追加で幅広い層に対応
トルク4.3〜4.8°4.0〜4.6°左ミス抑制効果が向上
対応HS38〜50m/s38〜50m/s同等だが操作性が改善
弾道傾向中弾道〜中高弾道中弾道〜高弾道高弾道を打ちやすい設計

EVO6では、軽量モデル(45〜55g台)が追加され、女性やヘッドスピード40m/s前後の中級者でも扱いやすくなりました。また、先端剛性の向上により、EVO4で感じられた「切り返しで暴れる感」をさらに抑え、直進性が安定しています。

操作性と弾道の違い

EVO6はEVO4よりも中元調子寄りのため、球のつかまりはEVO4よりもやや自然です。EVO4は手元剛性が高くフェースの開閉が安定しやすい一方で、スイングテンポが速いゴルファー向きでした。対してEVO6は、スイングテンポがゆったりしていてもしなり戻りが自然に発生する設計になっているため、スライサーややや軌道が外から入るタイプでも扱いやすくなっています。打ち出し角もやや高めに設計され、フェード弾道だけでなく高弾道のドローも打ちやすい設計です。

試打データの比較

モデルフレックスHS(m/s)打ち出し角スピン量キャリートータル
EVO4 569 SS4312.5°2450rpm237y256y
EVO6 569 SS4313°2400rpm240y259y
EVO4 661 SS4512.2°2350rpm243y263y
EVO6 661 SS4512.8°2300rpm247y266y

このデータからも分かる通り、EVO6はEVO4よりも打ち出しがやや高く、スピン量が抑えられるためキャリーが増加しやすい傾向があります。風に強く、フェード弾道だけでなく高弾道のキャリーが求められる場面で有利です。

ユーザー評価

EVO6はEVO4の完成度を高めたモデルとして評価され、特に「操作性」と「飛距離性能の両立」が好評です。ツアープロの試打でも、EVO4と比べてインパクト時のフェースの安定感が増したことが確認されています。また、アマチュアユーザーからは「EVO4よりも振り抜きやすく、飛距離が伸びた」「スライスが減った」という声が多く上がっています。

まとめ

EVO6はEVO4の後継モデルとして、軽量化と先端剛性の強化により、より幅広いゴルファーに対応できるよう進化しています。EVO4の特長である直進性や叩きやすさを継承しつつ、操作性や高弾道性能を高めた設計は、スライサーや中級者・上級者問わず幅広く活用できるモデルです。EVO4を使用して「もう少し球が上がれば」というユーザーにとって、EVO6は最も自然なステップアップモデルといえます。

スピーダーエボリューション4まとめ

スピーダーエボリューション4(EVO4)は、フジクラの人気シャフトシリーズの中でも特に高い評価を受けている中調子モデルです。ドライバー・フェアウェイウッドを問わず、叩けるが暴れない設計により、幅広いゴルファーに扱いやすい特性を持っています。EVO4の魅力は、ただ軽い・硬いという単純な性能ではなく、「安定した弾道を再現しやすい」点にあります。特に569や661の重量帯は、ヘッドスピード40〜46m/s前後のアマチュア層に最適で、操作性と飛距離性能の両立が可能です。

主な特徴

  • 中調子設計:手元剛性と先端剛性のバランスに優れ、スイングテンポが速すぎても遅すぎても安定した振り抜きが可能
  • 叩ける剛性感:インパクトでのヘッドブレを抑制し、キャリーや飛距離のロスを軽減
  • 適応範囲の広さ:ドライバーからフェアウェイウッドまで幅広い番手で使用可能
  • スライサー対応:つかまりすぎず、右へのミスを軽減。球筋の安定性向上
  • 振動数の安定性:シリーズ内でも硬めの設定で、フェースの向きが安定しやすい

使用感のまとめ

EVO4を使用すると、フェード・ドローどちらの弾道でも再現性が高く、特に中弾道での方向性安定性が際立ちます。569 SやSRはヘッドスピード42〜45m/sのゴルファーに最適で、切り返しの“間”を意識することでしなりを最大限活かせます。FWでもドライバーと同様に安定感があり、3Wや5Wからのショットでも高弾道でキャリーが稼げるため、ラウンド全体のスコア安定につながります。

後継モデルEVO6との違い

EVO6はEVO4の設計を踏襲しつつ、軽量化と先端剛性強化により操作性と高弾道性能を向上させたモデルです。EVO4が「叩ける中調子シャフト」として信頼性の高さで評価されるのに対し、EVO6はさらに幅広いゴルファーに対応できる柔軟性を持っています。EVO4の使用者で「もう少し球が上がれば」「スライスが改善されれば」と感じる場合、EVO6へのステップアップが自然です。

総合評価

  • 飛距離性能:★★★★★
  • 操作性:★★★★☆
  • 打感:★★★★★
  • 方向性安定性:★★★★★
  • スライス抑制効果:★★★★☆

EVO4は、ドライバー・FWともに「扱いやすさ」と「安定性」を両立したシャフトとして、長年にわたり愛されているモデルです。初心者から中級者、ヘッドスピードが速い上級者まで幅広く使える設計であり、フィッティングによって最適なフレックス・重量を選ぶことで、スイングの再現性や飛距離性能を最大化できます。EVO4を選ぶことは、ラウンド全体での安定性向上と、無理のないスイング作りに直結するため、非常に実用的かつ信頼性の高いシャフトと言えるでしょう。

スピーダーエボリューション4徹底解説!特徴と後継モデル比較
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