
ゴルフシャフトの中でも特に人気のあるフジクラ「スピーダー エボリューション」シリーズ。その中で6代目にあたる「スピーダー エボリューション6」は、多くのゴルファーから注目を集めたモデルです。
特に「捕まらない」と評されることが多く、スライスに悩むゴルファーにとっては難しいと感じる声もあります。一方で、強い弾道や安定性を評価する声も少なくありません。本記事では、エボリューション6の特徴や評価、使用プロ、スペックの違いなどを詳しく解説していきます。
記事の内容一覧
- スピーダーエボリューション6の評価
- スライス
- 使用プロ
- 569と661の評価と違い
- エボリューション7とは
- スピーダーエボリューション6は捕まらない?
- 振動数
- 4と6の違い
- 似たシャフト
- マーク金井
- スピーダーエボリューション6は捕まらないのかまとめ
目次
スピーダーエボリューション6捕まらない評価の全体像
フジクラのスピーダーエボリューション6は、前作の特性を引き継ぎつつ新素材を導入したモデルで、ツアープロからアマチュアまで幅広い層に使用されています。その一方で「捕まらない」と感じるゴルファーも多く、特にスライス傾向のあるプレーヤーにとっては扱いが難しいシャフトといえます。本記事ではエボリューション6の評価やスペック、プロ使用例、他モデルとの比較を通じて、なぜ「捕まらない」と言われるのかを深掘りします。
スピーダーエボリューション6の評価
スピーダーエボリューション6は、2019年に発売されたフジクラの人気シリーズ第6弾で、先端剛性を高めた設計が特徴です。シリーズごとに性格が異なるエボリューションの中でも、6は「直進性」「叩いても暴れない安定性」「ヘッドが返りにくい挙動」で注目されました。実際に試打したゴルファーの声としては、「左へのミスを抑えやすい」「高ヘッドスピード向け」「捕まえにいかないと右に出やすい」という評価が多く見られます。
評価ポイント1:先端剛性の高さ
エボリューション6の大きな特徴は、カーボン素材の改良により先端部分の剛性を強化した点です。これによりインパクトゾーンでヘッドのブレが少なく、安定した方向性が得られます。特にドロー系が過度に強くなることを防ぎ、フッカーには安心感のある挙動を示します。
評価ポイント2:直進性と安定性
多くの試打レビューや計測データでは、エボリューション6は「打ち出しが安定している」「左右への散らばりが少ない」と評価されています。そのため、方向性を重視する上級者や競技志向のゴルファーに好まれる傾向があります。一方で、捕まりに頼って飛距離を稼ぐタイプのゴルファーにとっては物足りなさを感じやすい点も事実です。
評価ポイント3:ターゲット層
ヘッドスピードが40m/s以上の中〜上級者がターゲットとされており、アベレージゴルファーが軽く振ると「右に逃げやすい」傾向が出ます。そのため、スライスに悩む初級者には難しく、逆に左へのミスが怖いプレーヤーにとってはメリットが大きいシャフトです。
総合評価
総合的に見ると、スピーダーエボリューション6は「叩いても左に行きにくい安定系シャフト」と言えます。捕まりの良さを期待するとギャップを感じますが、直進性や安定性を重視するゴルファーにとっては高い評価を得ています。
スライス
スピーダーエボリューション6は「捕まらない」と言われる要因のひとつが、スライスの出やすさにあります。特にアマチュアゴルファーの多くが悩むミスショットであるスライスは、エボリューション6を使うことで顕著に表れることがあります。これはシャフト設計の特徴によるもので、先端剛性が高く、シャフト全体の挙動がニュートラルからやや硬めに設計されているため、インパクト時にヘッドが自然に返りにくくなっているのです。
スライスが出やすい理由
一般的にスライスは、フェースが開いた状態でボールに当たり、右回転がかかることで発生します。エボリューション6は、インパクト時にフェースが自然に閉じにくいため、スイングの中でしっかりと捕まえる動作を入れないと右方向に球が出やすくなります。特にアウトサイドインの軌道が強いゴルファーは、この特性がスライスを助長する結果となります。
ヘッドスピードとの関係
ヘッドスピードが速いゴルファーにとっては、エボリューション6の硬さと安定性は強みとなりますが、ヘッドスピードが40m/s未満のプレーヤーにとっては、シャフトがしなり戻らずにフェースが開いたままインパクトを迎えることが多くなります。その結果、スライス傾向が強くなりやすいのです。したがって、ヘッドスピードとスイングタイプを考慮せずに選ぶと「右ばかりに飛ぶ」と感じるケースが増えます。
スライス対策
スピーダーエボリューション6を使用しながらスライスを防ぐには、以下のような対策が考えられます。
- グリップをややストロング気味に握り、フェースを返しやすくする
- インサイドアウトのスイングを意識し、スイング軌道で捕まえにいく
- シャフトの重量・フレックスを適切に選ぶ(軽め・柔らかめを選ぶことで捕まりを改善できる場合あり)
- フェース角がスクエア〜クローズ気味のドライバーヘッドと組み合わせる
これらの工夫により、シャフト特性が持つ「捕まらなさ」をある程度カバーできます。
スライスをメリットに変えるケース
一方で、スライスが出やすい特性を「左へのミスを防げる」と捉える上級者も少なくありません。特にフッカーにとっては、引っかかりが抑えられるため安心して振り抜けるメリットがあります。ツアープロの中には、あえてこの「捕まらなさ」を利用してフェードを安定させる選手もいます。
まとめ
スピーダーエボリューション6とスライスの関係は、ゴルファーのスイング特性と密接に結びついています。右へのミスが多い人にとっては扱いにくさを感じますが、左へのミスが怖いプレーヤーにとっては強力な武器となります。スライスが出やすい特性を理解し、自分のスイングに合うかどうかを見極めることが重要です。
使用プロ
スピーダーエボリューション6は「捕まらないシャフト」として評価される一方で、ツアープロの中には積極的に採用していた選手もいます。プロがこのシャフトを選ぶ理由には、方向性の安定性やハードヒッター向けの挙動が大きく関係しています。ここでは主な使用プロや、その選択理由について解説します。
日本ツアーでの使用例
日本男子ツアーでは、ヘッドスピードが速く叩けるタイプの選手を中心にエボリューション6の採用が見られました。代表的な例として石川遼プロが挙げられます。石川プロは一時期、スピーダーエボリューション6をドライバーに装着しており、フェードを主体とするショットメイキングに活かしていました。彼のように左へのミスを嫌うタイプのプレーヤーにとって、この「捕まらない特性」はむしろ武器になります。
また、国内女子ツアーでも一部の選手が使用していましたが、女子プロの中ではエボリューション6よりも捕まりやすいモデルが好まれる傾向が強く、使用率は高くありません。それでもフェードヒッターや方向性重視のプレーヤーには採用例があります。
海外ツアーでの採用
米国PGAツアーや欧州ツアーにおいても、スピーダーシリーズは人気があります。特にエボリューション6は、フェード系の弾道を安定させたい選手や、ドライバーでの方向性を重視する選手が使用していました。具体的な名前を挙げると、米ツアーでの公式使用例には複数の契約プロが存在しますが、その多くが「飛距離よりも方向性を重視するタイプ」である点が共通しています。
プロが選ぶ理由
プロがエボリューション6を選ぶ大きな理由は、以下のポイントにあります。
- 左へのミスを抑制できる
- 高ヘッドスピードでも暴れにくい
- 弾道の再現性が高い
- フェードを安定させやすい
特に競技ゴルフでは「一発の左ミス」がスコアに直結するため、左に行きにくいシャフトは重宝されます。アマチュアが右に逃げると感じる挙動も、プロにとっては「安心して振れる」特性になるのです。
使用状況の変化
ただしエボリューション6は2019年モデルであり、その後にエボリューション7、8、さらにはVENTUSシリーズなど新しいモデルが登場したことで、プロの使用状況は移り変わっています。2020年以降は新モデルへの移行が進んでいますが、エボリューション6の特性を気に入って使い続けるプロも一部に存在しています。
アマチュアへの示唆
プロが使用するからといって、アマチュアに最適とは限りません。プロは高いヘッドスピードと技術でシャフトの「捕まらなさ」をコントロールできますが、アマチュアが同じように使うとスライスが強調されやすくなります。そのため、自分のスイングや弾道傾向に合うかどうかを確認して選択することが重要です。
まとめ
スピーダーエボリューション6を使用したプロは、主に高ヘッドスピードで左のミスを嫌うプレーヤーでした。彼らにとって「捕まらない特性」はデメリットではなく、ショットの安定感を高める要素となっていました。このプロの使用例は、アマチュアがシャフトを選ぶ際の大きな参考材料になります。
569と661の評価と違い
スピーダーエボリューション6には複数の重量帯がラインナップされており、その中でも特に多くのゴルファーに選ばれたのが「569」と「661」です。同じシリーズでも重量や硬さの違いによって挙動が変わり、使用感や評価も大きく分かれます。ここでは569と661の特徴と、それぞれの違いについて詳しく解説します。
569の特徴と評価
「スピーダーエボリューション6 569」は、中量級に位置するシャフトで、アマチュアゴルファーに最も人気が高いスペックです。フレックスはR、SR、Sなどがあり、幅広い層が手に取りやすいのが特徴です。
- 重量帯:50g台
- 対象ゴルファー:ヘッドスピード40〜45m/s前後
- 評価ポイント:振りやすさと安定感のバランス
実際に試打したプレーヤーの声では、「振り抜きやすいが捕まりすぎない」「スライスが強調されることは少なく、右に出ても安定した球になる」という評価があります。569はエボリューション6の中でも比較的扱いやすく、アベレージゴルファーでも適合するケースが多いモデルです。
661の特徴と評価
「スピーダーエボリューション6 661」は、重量が増すことでさらに安定性が高まり、ツアープロやハードヒッターに選ばれやすいモデルです。661は569に比べて手元の剛性が強調され、しっかりと叩きにいっても暴れにくい挙動を示します。
- 重量帯:60g台
- 対象ゴルファー:ヘッドスピード45m/s以上
- 評価ポイント:強弾道と方向性の両立
ユーザーの声としては、「左に行かない安心感がある」「しっかり振ると直進性が際立つ」「軽量モデルよりも安定して狙える」といった評価が多く見られます。661は高ヘッドスピードを前提に設計されているため、非力なゴルファーが使うとシャフトが硬すぎて球が上がらない傾向があります。
569と661の違い
両モデルの違いを整理すると、以下のようになります。
スペック | 569 | 661 |
---|---|---|
重量帯 | 50g台 | 60g台 |
対象HS | 40〜45m/s | 45m/s以上 |
振り心地 | 軽快で振り抜きやすい | しっかり感が強く叩ける |
弾道 | やや高め、安定性重視 | 低〜中弾道で直進性重視 |
捕まり | やや捕まる | 捕まりにくい |
この表からも分かるように、569は幅広い層に対応しやすく、661はパワーヒッター向けの特性が強いモデルです。
選び方のポイント
569か661かを選ぶ際は、単純に体力やスイングスピードだけでなく、自分が求める弾道や方向性を基準にすることが重要です。例えば「軽快に振りたいが左に行きすぎるのは嫌だ」という人には569が適し、「とにかく叩いても左に行かず、強いフェードを打ちたい」という人には661が適しています。
まとめ
スピーダーエボリューション6の569と661は、同じシリーズでありながら性格が大きく異なります。569は幅広いアマチュアに合う万能モデル、661はハードヒッター専用の安定モデルと位置付けられます。自分のスイング特性や目指す弾道を踏まえて選択することが、性能を最大限に活かす鍵となります。
エボリューション7とは
スピーダーエボリューションシリーズは、代を重ねるごとに異なる性能特性を持たせるのが特徴であり、ゴルファーの多様なニーズに応えてきました。その中で「エボリューション7」は、2019年のエボリューション6に続く2020年発売モデルであり、「捕まらない」と評価された6に対して、真逆の特性を持つ「捕まりやすい」シャフトとして開発されました。この違いは、ゴルファーが自分に合うモデルを選ぶうえで非常に重要です。
開発コンセプト
エボリューション6が「直進性」「暴れない挙動」「捕まらない特性」に焦点を当てたのに対し、エボリューション7は「つかまりの良さ」「高弾道」「飛距離性能」にフォーカスして設計されました。フジクラは、シリーズごとにあえて真逆の性格を持たせることで、幅広いゴルファー層に対応できるようにしています。
シャフト特性
エボリューション7は、先中調子系の設計で、インパクトゾーンでシャフトが戻りやすく、ボールを自然に捕まえやすいのが特徴です。これにより、スライスに悩むゴルファーでもフェースが返りやすく、強いドローや高弾道を実現できます。具体的な特性としては以下の点が挙げられます。
- 先端がしなりやすく、捕まりが良い
- 打ち出しが高くなりやすい
- 軽快な振り心地でタイミングが取りやすい
- スピン量が適度に入りやすい
これらの特性により、エボリューション7はアベレージゴルファーやスライサーに好まれる傾向があります。
エボリューション6との違い
エボリューション6と7の大きな違いを表で整理すると以下の通りです。
モデル | エボリューション6 | エボリューション7 |
---|---|---|
発売年 | 2019年 | 2020年 |
特性 | 捕まらない、直進性、低スピン | 捕まりやすい、高弾道、飛距離 |
調子 | 中元調子 | 先中調子 |
対象ゴルファー | ハードヒッター、左ミスを嫌う人 | スライサー、球をつかまえたい人 |
この表からも分かるように、6と7は正反対の特性を持っており、自分の弾道傾向や課題に応じて選ぶことが求められます。
使用者の評価
実際の使用者レビューでは、エボリューション7について「スライスが軽減された」「ボールが上がりやすくなった」「飛距離が伸びた」という声が多く見られます。その一方で、「捕まりすぎて左へのミスが増えた」というハードヒッターの意見もあり、パワーゴルファーにはやや扱いにくいと感じるケースもあります。
選択のポイント
エボリューション6と7は、互いに補完関係にあるモデルです。6を試して「右に逃げる」と感じた人は7を試す価値があり、逆に7で「左に行きすぎる」と感じた人には6が適しています。フジクラの販売戦略としても、両モデルを同時期に市場へ提供することで、ゴルファーが自分に合った特性を選べるようになっているのです。
まとめ
エボリューション7は、エボリューション6の「捕まらない」特性に対して「捕まりやすい」性能を前面に押し出したモデルです。スライスに悩むゴルファーや球を上げたいプレーヤーには強力な味方となりますが、ハードヒッターにはオーバースピンや引っかけのリスクもあります。6と7の違いを理解して選ぶことが、最適なシャフト選びにつながります。
スピーダーエボリューション6は捕まらない?

スピーダーエボリューション6を語るうえで避けて通れないテーマが「捕まらない」という評価です。多くのゴルファーが試打や実戦でこのモデルを使用した際に「右に出やすい」「フェースが返らない」と感じる傾向があります。ではなぜそのような評価につながるのか、設計や性能面から詳しく見ていきましょう。
捕まらないと評価される理由
エボリューション6は、先端部の剛性を高めた設計が最大の特徴です。先端が硬いことでインパクト時にシャフトがしなり戻りにくく、結果としてフェースが自然に閉じにくくなります。これが「捕まらない」と言われる主因です。特にインパクトでフェースを返す動作が少ないスイングをするゴルファーにとっては、右への球筋が出やすくなります。
フェード系との相性
一方で「捕まらない」特性は必ずしもデメリットではありません。フェードを持ち球とするゴルファーにとっては、過度に捕まらずに安定したフェードを打てるメリットがあります。プロや上級者があえてエボリューション6を選ぶ理由のひとつが、この「意図したフェードを再現しやすい」という点にあります。
アマチュアの体感
アベレージゴルファーが使用した際の体感として、「とにかく右に逃げる」「高弾道にならない」「飛距離が出にくい」といった声が目立ちます。これはシャフトがしなりにくいため、ヘッドスピードが十分でないとボール初速や打ち出し角を稼げないからです。逆に、ヘッドスピード45m/s以上のゴルファーであれば「直進性が高い」「安心して叩ける」と高評価に変わります。
他シリーズとの比較
エボリューションシリーズを振り返ると、
- エボリューション5:先中調子で捕まりやすい
- エボリューション6:中元調子で捕まりにくい
- エボリューション7:先中調子で捕まりやすい
というように、モデルごとに意図的に性格が異なります。このサイクルの中で、6は「捕まりを抑制する」位置付けのモデルだったと言えます。
捕まらなさを補う工夫
「捕まらない」特性を補うためには、以下のような工夫が有効です。
- 軽めのスペック(569RやSR)を選び、シャフトの戻りを感じやすくする
- 捕まりの良いヘッド(ドローバイアス設計やフックフェース)と組み合わせる
- グリップをややストロングにしてフェースローテーションを助ける
- インサイドアウトのスイング軌道を意識する
これらの調整を行うことで、捕まらなさをある程度緩和し、自分に合った性能を引き出すことができます。
まとめ
スピーダーエボリューション6が「捕まらない」と言われるのは、先端剛性の高さと中元調子設計によるものです。これはスライサーにとっては難しさにつながりますが、左ミスを防ぎたいゴルファーやフェードを安定させたい上級者にとっては大きな武器となります。「捕まらない」という特性をマイナスに捉えるかプラスに活かすかは、ゴルファーのスイングタイプ次第です。
振動数
シャフトの性能を語るうえで欠かせない指標のひとつが「振動数」です。振動数とは、シャフトを固定し先端を揺らした際の1分間あたりの往復回数を表す数値で、一般的には「cpm(cycles per minute)」という単位で表されます。この数値が高ければ硬く、低ければ柔らかいシャフトと判断できます。スピーダーエボリューション6も例外ではなく、その振動数の特性が「捕まらない」と言われる要因のひとつになっています。
振動数の基準
一般的に、ドライバー用シャフトの振動数は以下のような目安があります。
フレックス | 振動数(cpm)目安 | 対応HSの目安 |
---|---|---|
R | 230〜240前後 | 35〜40m/s |
SR | 245〜255前後 | 38〜43m/s |
S | 260〜270前後 | 42〜47m/s |
X | 275〜285前後 | 45m/s以上 |
この基準はあくまで一般的な目安であり、実際にはシャフトの設計や重量によっても変わります。エボリューション6は中元調子で先端剛性が高いため、同じ数値でも体感的には「さらに硬い」と感じやすいのが特徴です。
エボリューション6の振動数の特徴
エボリューション6の代表的なスペック(569S)の振動数は、カット前の状態で約255〜260cpmとされています。これは一般的な50g台Sフレックスと同等かやや高めの値です。実際にクラブに組んだ状態では、長さやヘッドの重さによって変動しますが、平均的には「硬めに感じるシャフト」という評価になります。
特に661Sや661Xといった重量帯では、組み上がりの振動数が270cpmを超える場合もあり、これはかなりハードスペックに分類されます。そのため、ヘッドスピードが45m/s未満のゴルファーには扱いにくさが出やすく、右方向へのミスが増える傾向があります。
振動数とフィーリングの差
重要なのは、振動数が示す「硬さの数値」と、実際にスイングしたときの「しなり感」は必ずしも一致しないという点です。エボリューション6は振動数的には標準的であっても、先端剛性の高さから「さらに硬い」「捕まらない」と感じるゴルファーが多くいます。つまり、カタログ上の数値以上にシビアな挙動を示すのです。
ゴルファー別の適合性
- アベレージゴルファー:振動数が高く感じ、しなりを使えずに右へのミスが出やすい
- 中級者(HS 42〜45m/s):叩いても暴れない安定感を評価できる
- 上級者・プロ(HS 45m/s以上):振動数の高さをむしろ武器にし、強いフェードを安定させられる
このように、振動数とスイング特性の相性によって評価は大きく変わります。
まとめ
スピーダーエボリューション6の振動数は、同重量帯の他モデルと比べると標準〜やや高めの設定であり、体感的には「硬め」に分類されます。そのため、ヘッドスピードが不足するゴルファーには「捕まらない」と感じられやすく、逆にハードヒッターにとっては直進性の高い信頼できるシャフトとなります。振動数を理解し、自分のヘッドスピードに適したスペックを選ぶことが、シャフト選びの失敗を防ぐ重要なポイントです。
4と6の違い
スピーダーエボリューションシリーズには、エボリューション4とエボリューション6という似たモデルが存在します。どちらも藤倉コンポジットが手掛ける人気シャフトですが、その特性には明確な違いがあり、ゴルファーの評価や使用感に大きく影響します。「捕まるか、捕まらないか」という観点でも、両者は対照的な性格を持っています。
設計コンセプトの違い
- エボリューション4:先中調子設計で、シャフト先端がよく動きボールを捕まえやすい。高弾道かつつかまり重視のモデルとして開発されました。スライサーや球が上がりにくいゴルファーに向いています。
- エボリューション6:中元調子設計で、先端の剛性が高くフェースが返りにくい仕様。直進性が高く、左へのミスを抑制したいプレーヤーや、ハードヒッターに好まれるモデルです。
この設計思想の違いが、「エボ4=捕まる」「エボ6=捕まらない」という評価に直結しています。
弾道の違い
エボリューション4は、弾道が高くつかまりが良いため、ドロー系のボールが打ちやすい傾向にあります。逆に、フックに悩むゴルファーにとっては左へのミスが増えるリスクもあります。
一方、エボリューション6は弾道が抑えられ、スピン量も少なめで、ストレート〜フェード系の安定感を得やすいモデルです。特に風の影響を受けにくく、低めの強い球筋を打ちたいゴルファーに適しています。
使用するゴルファー層の違い
- エボ4:ヘッドスピード40m/s前後のアベレージゴルファーがターゲット。スライスに悩む層に効果的。
- エボ6:ヘッドスピード43〜47m/s以上の中級〜上級者が対象。左のミスを嫌うフッカーや競技志向のゴルファーに評価されています。
このように、両者は対象ユーザー層が異なります。
プロの使用傾向
ツアープロでも、左に行くことを嫌う選手はエボ6を選び、ボールを捕まえて飛ばしたい選手はエボ4を選ぶ傾向が見られました。特に男子プロの間では、安定性のあるエボ6が多く採用された一方、女子プロでは捕まりやすいエボ4を使用するケースが多くありました。これは男女の平均ヘッドスピード差とも関係しています。
まとめ
スピーダーエボリューション4と6は、同じシリーズでありながら設計思想が真逆に近いモデルです。エボ4は「捕まえて飛ばす」、エボ6は「捕まりを抑えて安定させる」という目的に応じて選ぶべきシャフトです。自分のスイング特性やミス傾向を踏まえて選択することで、より効果的に性能を活かすことができます。
似たシャフト
スピーダーエボリューション6は「捕まらない特性」を持つシャフトとして知られていますが、市場には似た特性を持つ他のシャフトも存在します。ゴルファーが自分に合うシャフトを選ぶ際には、性能や弾道の傾向が近いモデルを比較することが重要です。ここでは、エボリューション6と似たシャフトの特徴や違いを詳しく解説します。
フジクラ スピーダー エボリューションシリーズ
まず、同シリーズ内で近い特性を持つモデルとしては「エボリューション5」や「エボリューション7」が挙げられます。
- エボリューション5:先中調子で捕まりやすい設計のため、エボ6ほど「捕まらない」とは感じません。やや柔らかめで高弾道を出せるのが特徴です。
- エボリューション7:先中調子で捕まりを強化したモデル。スライスに悩むゴルファー向けに開発され、エボ6とは逆の性格を持っています。
つまり、エボ6は中元調子で直進性重視のシャフトで、シリーズ内では独自の立ち位置を持っています。
ツアーADシリーズ(グラファイトデザイン)
同じく直進性が高く、捕まらない特性を持つモデルとしては、グラファイトデザインの「ツアーAD UB」や「ツアーAD DI」が挙げられます。これらは剛性が高く、先端が硬めに設計されているため、インパクト時にフェースが返りにくい傾向があります。エボ6と同様に、左ミスを抑制したい上級者やハードヒッター向けです。
NSプロ モーダスシリーズ
日本シャフトのNSプロ モーダスシリーズでも、モーダス120Sやモーダス130Sなどの高剛性モデルは、飛距離と直進性を重視する設計で、捕まりが抑えられた傾向があります。特にスイングスピードが速いゴルファーがターゲットで、エボ6と似た感覚を得られるシャフトです。ただし、エボ6ほど先端剛性を強調した設計ではないため、捕まらなさの体感には若干差があります。
似たシャフトの選び方
エボリューション6に近いシャフトを選ぶ場合、以下のポイントを確認すると失敗を防げます。
- 先端剛性:先端が硬いほど捕まりにくい。
- 調子(中元調子か先中調子か):中元調子は直進性重視、先中調子は捕まり重視。
- 重量帯:重量が重いほど直進性と安定性は向上するが、振りにくさも増す。
- 対象ゴルファーのヘッドスピード:自分のスイングに合った設計か確認する。
実際の評価
エボ6と似た特性を持つシャフトは、捕まらなさを武器にしたモデルが多く、右方向へのミスを防ぎたいゴルファーに向いています。一方で、スライスに悩む初心者や中級者は扱いにくく感じるケースがあります。そのため、試打やフィッティングを通じて、自分のスイングに合ったシャフトを選ぶことが重要です。
まとめ
スピーダーエボリューション6に似たシャフトは、フジクラ内外にいくつか存在しますが、共通点は「捕まらない」「直進性重視」「先端剛性が高い」という点です。エボ6の特性を理解したうえで、シリーズ内外のシャフトを比較・試打することで、自分に最適なモデルを見つけることができます。
マーク金井
ゴルフ界でのシャフト評価やクラブフィッティングの解説において、マーク金井氏の意見は非常に影響力があります。彼はプロゴルファーとしての経歴だけでなく、クラブやシャフトの設計知識を持つ解説者としても知られています。スピーダーエボリューション6に関しても、多くの評価コメントやフィッティング解説を行っており、特に「捕まらない」という特性についても具体的に分析しています。
捕まりの特性についての解説
マーク金井氏によれば、スピーダーエボリューション6は「先端剛性が高く、中元調子の設計」であることから、インパクト時にヘッドが返りにくく、自然にドローを打つのが難しいと指摘しています。彼はこれを「右方向に逃げやすいシャフト」と表現し、特にヘッドスピードが標準以下のゴルファーにとっては、スライスが出やすい傾向があると解説しています。
一方で、ヘッドスピードの速いゴルファーや上級者にとっては、左方向のミスを防ぎつつ、直進性の高い球筋を実現できるシャフトとして評価しています。これは、エボリューション6の「捕まらなさ」が逆に方向性の安定性を生むためです。
569と661の評価の違いについて
マーク金井氏は569と661のスペックについても詳細に分析しています。569は中量で扱いやすく、アベレージゴルファーでもスイングに合わせやすいとコメント。一方、661は重量が増えることでさらに直進性が増すものの、非力なゴルファーでは捕まりにくくなる点に注意が必要と解説しています。この評価は、シャフト選びの際に非常に参考になるポイントです。
使用するゴルファーへのアドバイス
マーク金井氏は、エボリューション6を選ぶゴルファーに対して次のようなアドバイスをしています。
- スライスに悩むアマチュアは、569の柔らかめのフレックスを選ぶと扱いやすい
- 左に行きやすいゴルファーやハードヒッターは661で安定性を確保する
- フェードを打ちたいゴルファーは6の特性を武器にできる
これらのアドバイスは、シャフト選びを単なる数値やスペックだけで判断するのではなく、自分のスイング特性や弾道傾向と照らし合わせる重要性を示しています。
メディアでの評価
ゴルフ雑誌やYouTubeなどでの解説では、マーク金井氏はエボリューション6を「直進性と安定性を求めるゴルファー向けのシャフト」と評しつつ、「捕まらなさが逆に武器になる場面がある」と強調しています。この評価は、アマチュアゴルファーにとっても理解しやすく、試打やクラブフィッティングの際に重要な判断材料となります。
まとめ
マーク金井氏の分析によると、スピーダーエボリューション6は「捕まらない」特性があるものの、ヘッドスピードがあるゴルファーにとっては方向性を安定させる武器となります。569や661の選択やスイング特性の理解を組み合わせることで、ゴルファーは自身に最適なシャフト性能を引き出すことが可能です。彼の解説は、エボリューション6の特性を正しく理解し、適切に活用するうえで非常に参考になります。
スピーダーエボリューション6は捕まらないのかまとめ
スピーダーエボリューション6は、多くのゴルファーやプロから「捕まらないシャフト」として認識されています。この評価は、設計思想や性能面に根拠があり、単なる印象ではありません。ここでは、これまでの解説を踏まえて、捕まらない特性とその活用方法を整理します。
捕まらない理由
エボリューション6が捕まらないとされる主な理由は以下の通りです。
- 中元調子設計:シャフトのしなりが手元側中心で、先端剛性が高いため、フェースがインパクトで閉じにくい
- 先端剛性の高さ:インパクト時にフェースローテーションが制限され、ボールを捕まえにくい
- 振動数の高さ:硬めの振動数により、非力なゴルファーではしなりを感じにくく、右方向に逃げやすい
これらの要素が組み合わさることで、特にヘッドスピードが低めのアマチュアゴルファーにとって「捕まらない」という体感が強く出ます。
捕まらないことのメリット
一方で、捕まらない特性はデメリットばかりではありません。
- 左へのミスを防ぐ:フックや引っかけを抑え、直進性の高い球を打ちやすい
- フェードの再現性:意図したフェードを安定して打ちやすく、コントロールショットに有利
- 高ヘッドスピードゴルファー向き:パワーがあるゴルファーなら、捕まらなさを武器にして強い弾道と飛距離を両立できる
特に競技ゴルファーや上級者にとっては、捕まらない特性が「操作性」と「安定性」に直結するため、高く評価されています。
モデル別の違い
エボリューション6には複数の重量帯やフレックスが存在し、捕まらなさの度合いはモデルによって異なります。
- 569(中量):扱いやすく、アベレージゴルファーでもスイングに馴染みやすい
- 661(重量):直進性と安定性が高いが、非力なゴルファーには捕まりにくい
- エボリューション7との比較:7は捕まり重視の設計で、6とは正反対の特性を持つ
これにより、自分のヘッドスピードや弾道傾向に応じて最適なモデルを選択できます。
まとめ
スピーダーエボリューション6は確かに「捕まらない」シャフトですが、それは設計上の特徴であり、ゴルファーのスイング特性によって評価が変わります。右に逃げやすいと感じるゴルファーもいれば、左へのミスを防げると感じるゴルファーもいます。569や661などのモデル別スペックや振動数、先端剛性を考慮し、自分のスイングに合うシャフトを選ぶことが重要です。エボリューション6の捕まらない特性を理解し、適切に活用することで、直進性や方向性の安定といったメリットを最大限に引き出せます。