
近年、ゴルフクラブの進化は著しく、特にシャフトの性能はプレーヤーのスイング精度や飛距離に直結しています。その中でもフジクラの「スピーダー NX グリーン」は注目を集めており、振動数や挙動、フィッティングの観点から評価が高いモデルです。
本記事ではスピーダー NX グリーンの振動数を中心に、スペックや適性、実際に使用しているプロゴルファーの情報、他モデルとの比較までを詳しく解説していきます。これからシャフト選びを検討しているゴルファーにとって、実践的で役立つ内容となるはずです。
記事の内容一覧
- スピーダーNXグリーンの評価
- スペック
- どのような人に向いてるか
- 使っているプロは?
- スピーダーNXグリーン50Sと60S振動数
- グリーンとブルーの違い
- ブラックに合うヘッド
- 比較
- スピーダーNXグリーン振動数まとめ
目次
スピーダーNXグリーン振動数の特徴と選び方
スピーダー NX グリーンは、振動数の安定性と弾道コントロール性能で人気を集めています。シリーズ内での位置づけや、ブルー・ブラックとの違いを理解することが重要です。本記事では、まず評価やスペックから整理し、プレースタイルに合わせた選び方を解説。その上で50Sや60Sといった重量別の振動数や、他モデルとの比較、ツアープロの使用状況までを網羅的に紹介します。
スピーダーNXグリーンの評価
フジクラの「スピーダー NX グリーン」は、2023年に投入されたシャフトシリーズのひとつで、先中調子系の「ブルー」、中調子の「ブラック」に対し、グリーンはその中間的なポジションにあると評価されています。最大の特徴は「スイングテンポを乱さず、インパクトの再現性を高める設計」にあり、特に振動数が安定しているため、プレーヤーがシャフト挙動をイメージしやすい点が高評価につながっています。
評価ポイント
- 安定性:振動数の設計バランスが良く、方向性を重視するプレーヤーに向く
- 飛距離性能:適度なしなり戻りがあり、ヘッドスピードを効率的に活かせる
- 操作性:中調子寄りで、ドロー・フェードの打ち分けもしやすい
- フィーリング:インパクトでの挙動が直感的にわかりやすく、弾道イメージをつかみやすい
一般的に、先調子シャフトは弾道を上げやすい一方で、タイミングが合わないと左へのミスが出やすいと言われます。しかし、グリーンはしなり戻りのピークを適度に抑えることで、極端なつかまり過ぎを防ぎ、安定したストレート系の弾道を実現しています。実際に試打したユーザーのレビューでも、「ブルーよりは抑えが効き、ブラックよりは上がりやすい」との意見が多く見られます。
市場での評価傾向
国内外のフィッティングショップやクラブレビュー記事では、「中級者以上に適性が高いが、幅広いレベルのプレーヤーに対応できる万能型」と評されます。また、最新のヘッドは低スピン化が進んでいるため、適度に弾道を補助してくれるグリーンはヘッドとの相性が良いとされ、特に海外ツアーでも使用率が伸びています。
このように「スピーダー NX グリーン」は、シャフト単体としての性能はもちろん、現代クラブのトレンドにマッチしたバランス型シャフトとして、多くのゴルファーから高評価を得ています。
スペック
スピーダー NX グリーンのスペックは、重量帯やフレックスのバリエーションが豊富で、幅広いゴルファーに対応できるよう設計されています。特にシャフトの「重量」「トルク」「振動数」のバランスは、プレーヤーのスイングテンポや弾道の高さに直結するため、スペック選びは非常に重要です。ここでは代表的なラインナップを整理し、数値が持つ意味を詳しく解説します。
代表的なスペック一覧

フジクラ公式スペックをもとに、ドライバー用の NX グリーンの主要モデルを以下に示します。
モデル | 重量(g) | トルク(°) | 調子 | 推奨ヘッドスピード(m/s) |
---|---|---|---|---|
NX GREEN 40 R2 | 約46 | 5.0 | 中調子 | 33〜38 |
NX GREEN 40 R | 約47.5 | 5.0 | 中調子 | 35〜40 |
NX GREEN 50 SR | 約56 | 4.6 | 中調子 | 37〜42 |
NX GREEN 50 S | 約58 | 4.5 | 中調子 | 40〜45 |
NX GREEN 60 S | 約65 | 3.9 | 中調子 | 43〜48 |
NX GREEN 60 X | 約67 | 3.8 | 中調子 | 45以上 |
NX GREEN 70 S | 約75 | 3.4 | 中調子 | 45以上 |
NX GREEN 70 X | 約77 | 3.3 | 中調子 | 47以上 |
※数値はメーカー公表値を基にしています。
スペック解説
- 重量
軽量帯(40g台)はシニア層や女性ゴルファー、もしくはスイングスピードが速くないプレーヤーに適しています。中重量帯(50〜60g台)は最も汎用性が高く、アマチュアゴルファーの大半にフィットしやすいゾーンです。70g台はハードヒッターや競技志向のプレーヤー向けで、安定感と操作性を重視する人に選ばれます。 - トルク
トルク値が大きい(柔らかい)ほどヘッドが走りやすく、つかまりやすい特性になります。NX グリーンはモデルごとに3.3〜5.0の範囲で設定されており、軽量帯ほど高トルク、重量帯ほど低トルクの傾向があります。この設定により、重量とトルクのバランスで自然にプレーヤー層が分かれるように設計されています。 - 調子
全モデルで「中調子」に分類されます。中調子はスイングのタイミングが取りやすく、弾道の高さと方向性のバランスが良いのが特徴です。先調子ほどボールは上がらず、元調子ほど低弾道にはならないため、安定したキャリーとランを得やすい設計です。 - 推奨ヘッドスピード
メーカーの目安は33〜48m/s以上まで幅広くカバーしています。実際のフィッティングでは、ヘッドスピードだけでなくスイングテンポや打ち出し角の傾向も加味されますが、この広いレンジによって初心者から上級者まで対応可能であることがわかります。
振動数とスペックの関係
スペック選びにおいて特に重要なのが「振動数」です。同じフレックスでも重量帯によって振動数は変わります。一般的に50Sは250cpm前後、60Sは260cpm前後の数値が目安とされます(装着ヘッドや長さで前後します)。振動数が高いほど硬く感じられ、スイングのパワーに対してシャフトが遅れにくくなります。逆に柔らかい振動数はタイミングが取りやすく、ヘッドを走らせたい人に有効です。
スペック選びのポイント
- ヘッドスピードが40m/s前後 → 50SRや50S
- ヘッドスピードが43m/s以上 → 60S以上
- 弾道を高めたい → 軽量・高トルクモデル
- 低スピンで抑えたい → 重量・低トルクモデル
このように「スピーダー NX グリーン」は、幅広いゴルファー層に対応するために緻密なスペック展開がされています。単にフレックスの硬さだけでなく、重量やトルク、振動数をトータルで見て選ぶことが、最適なフィッティングにつながります。
どのような人に向いてるか
スピーダー NX グリーンは、幅広いゴルファーに対応する設計ですが、特に「弾道の安定性を求めたい人」や「方向性を重視するプレーヤー」に適性があります。ここではどのようなプレーヤーにマッチするのかを、スイングタイプやヘッドスピード別に整理して解説します。
1. スイングタイプ別の適性
- テンポが速いプレーヤー
切り返しで強く力を入れるタイプは、先調子系のシャフトだと挙動が暴れやすく、ミスショットに繋がることがあります。NX グリーンは中調子で振動数設計も安定しているため、速いテンポでもシャフトが過剰にしなりすぎず、安定感を保てます。 - ゆったり振るプレーヤー
一方で、スイングテンポがゆったりしたゴルファーにも合いやすいのが特徴です。先中調子のブルーほどボールを上げすぎず、元調子のブラックほど硬さを感じないため、スイングテンポが遅めでもタイミングが取りやすい設計になっています。 - 方向性を重視するプレーヤー
「飛距離よりもまずは曲がりを抑えたい」というゴルファーには特にフィットします。シャフトの挙動が素直で、左右のばらつきを抑制できるため、フェアウェイキープ率を重視する人におすすめです。
2. ヘッドスピード別の適性
- 35〜40m/s程度のプレーヤー
この層は50g台のSRやSを選ぶケースが多く、振動数の安定感により打点がブレにくくなります。結果としてキャリーが安定し、ランも出しやすい傾向があります。 - 40〜45m/s程度のプレーヤー
アマチュアゴルファーの中心的な層であり、NX グリーンの性能が最も活かされやすいゾーンです。60Sを中心に選ぶことで、飛距離と方向性のバランスを高次元で得られます。 - 45m/s以上のハードヒッター
70Sや70Xなどの重量帯モデルは、強いインパクトにも耐えられる剛性を持ち、吹き上がりを防ぎながら安定した強弾道を実現します。競技志向のプレーヤーや上級者にとっても安心して振り切れるスペックです。
3. 弾道の傾向で見る適性
- 弾道が高すぎて困っている人
先調子系を使うと吹き上がってしまう人は、グリーンに替えることで弾道を抑えられます。適度なスピン量でキャリーとランのバランスを整えやすくなります。 - 低弾道でキャリーが出ない人
元調子系だとボールが上がらず苦労している場合、中調子のグリーンなら弾道を適度に補助してくれるためキャリーを伸ばしやすくなります。
4. 他モデルとの住み分け
- ブルーとの違い:ブルーは弾道が高くつかまりが良いので、球が左に出やすい人はグリーンの方が安定します。
- ブラックとの違い:ブラックは低弾道・低スピンのハード系。球が上がりにくい人や扱いにくさを感じる人は、グリーンの方が扱いやすくなります。
まとめ
スピーダー NX グリーンは、
- 弾道の安定性を重視する人
- 中調子の素直なフィーリングを好む人
- フェアウェイキープ率を上げたい人
- 中級者から上級者まで幅広い層
にフィットするシャフトです。特に「飛距離はそこそこ出るが曲がりが気になる」というタイプのゴルファーにとって、理想的な選択肢になるといえるでしょう。
使っているプロは?

スピーダー NX グリーンは、市場投入後すぐにツアープロの間でも注目を集め、実際に複数の選手が実戦で使用しています。プロがどのような意図でこのシャフトを選んでいるのかを知ることは、アマチュアにとってもフィッティングの参考になります。ここでは国内外のツアーでの採用事例や特徴を整理します。
国内男子ツアーでの使用例
国内男子ツアーでは、ヘッドスピードの速い選手が多いこともあり、ブラックやベンタスTRといったハード系シャフトの使用が多く見られますが、グリーンを選択するプロもいます。特に「方向性の安定」を重視するタイプや、弾道を高めすぎずにコントロールしたい選手に採用される傾向があります。公式発表では具体的な全選手名が網羅されているわけではありませんが、試合会場のギアレポートやメーカーのフィッティングデータでは、60Sや70Sを使うツアープロの事例が報告されています。
国内女子ツアーでの使用例
女子ツアーでは、ヘッドスピード40m/s前後のプロが多いため、50Sや50SRといったモデルの採用が目立ちます。女子プロはシャフトのしなりを積極的に活かす傾向があるため、ブルーよりも抑えが効き、ブラックよりも弾道が上がりやすい「グリーン」のバランスを評価するケースが多いです。特に安定したフェアウェイキープ率を求めるショットメーカー系の選手に人気があります。
海外ツアーでの事例
海外ツアーでも、フジクラは高いシェアを持っています。米PGAツアーでは、ベンタスシリーズが圧倒的な使用率を誇りますが、その一方で「スピーダー NX グリーン」を選ぶ選手も少なくありません。特にフェアウェイウッドにおいては、グリーンの安定した挙動が評価されており、ドライバーではベンタス、フェアウェイウッドではNX グリーンといった使い分けをするプロも確認されています。欧州ツアーやアジアツアーでも同様の傾向が見られ、国際的にも実績のあるシャフトです。
プロが選ぶ理由
プロが NX グリーンを選ぶ背景には、以下のような理由があります。
- 方向性の安定:試合でのフェアウェイキープ率向上につながる
- フィーリングの良さ:中調子特有の素直な挙動で、インパクトの再現性を高められる
- 汎用性の高さ:ドライバーだけでなくフェアウェイウッドやユーティリティにも流用しやすい
- 現代ヘッドとの相性:低スピン化傾向の最新ヘッドに対して、適度な弾道補助をしてくれる
アマチュアへの示唆
プロが使っているという事実は安心材料になりますが、重要なのは「なぜそのプロが選んでいるか」を理解することです。例えば、女子プロが50Sを使って方向性を安定させているなら、同じヘッドスピード帯のアマチュアにとっても有効な選択肢になり得ます。逆に男子ツアーのハードヒッターが70Xを使っている場合、それをそのまま真似してもフィットしない可能性があります。プロの使用事例は参考にしつつ、自分のスイングタイプに合った重量帯・フレックスを選ぶことが大切です。
まとめ
スピーダー NX グリーンは、国内外のツアープロが実戦で使用している実績のあるシャフトです。特に「安定性」と「操作性」のバランスを求めるプロに選ばれており、ドライバーだけでなくフェアウェイウッドにも導入されるケースが多い点が特徴です。プロの選択理由を理解することで、アマチュアも自分のフィッティングに役立てることができるでしょう。
スピーダーNXグリーン50Sと60S振動数
スピーダー NX グリーンの中でも、アマチュアゴルファーの使用率が高いのが「50S」と「60S」です。どちらも人気の中心的なモデルですが、その違いを理解するには「重量」と「振動数」に注目する必要があります。ここでは両モデルの数値を比較し、それがスイングや弾道にどのような影響を与えるのかを詳しく整理します。
振動数の基本
振動数(cpm)は、シャフトの硬さを数値化した指標で、一般的に数値が高いほど硬く、低いほど柔らかいとされます。スイング中のしなり方やインパクト時のタイミングに直結するため、シャフトフィッティングの重要な基準となります。装着するヘッドの重さやクラブ長によっても数値は変動しますが、同じ条件で比較することでモデルごとの特徴を把握できます。
50Sと60Sの振動数目安
フィッティングデータやショップの計測例を参考にすると、以下のような数値が一般的です。
モデル | 振動数の目安 (cpm) | 推奨HS (m/s) | 特徴 |
---|---|---|---|
NX GREEN 50S | 約250前後 | 40〜43 | 振り抜きやすく弾道を確保しやすい |
NX GREEN 60S | 約260前後 | 43〜46 | 安定感が高く叩いてもブレにくい |
※クラブ長45.25インチ、ヘッド装着時の目安値
この10cpmの違いは小さく見えますが、実際にはスイングフィーリングに大きく影響します。一般的に10cpmの差は「フレックス1段階の違い」に相当すると言われており、50Sと60Sでは同じ「S」でも性格がかなり異なります。
50Sの特徴
- 重量が軽め(約58g前後)で振り抜きやすい
- トルク値がやや大きく、つかまりが良い
- ヘッドスピード40〜43m/s程度のアマチュア層にフィット
- 弾道を高めに出したい人、キャリーを伸ばしたい人に向く
50Sは体力に自信がないプレーヤーでも扱いやすく、タイミングを取りやすいのが魅力です。特に、方向性と飛距離を両立したい中級者に人気があります。
60Sの特徴
- 重量がやや重め(約65g前後)で安定性重視
- トルク値が抑えられており、弾道のバラつきが少ない
- ヘッドスピード43〜46m/sのプレーヤーに最適
- 叩きにいっても吹き上がりにくく、強い弾道を実現
60Sは、しっかり振れるゴルファーが使うことで真価を発揮します。プロや上級者が選ぶケースも多く、安定したショットを求める人に適しています。
50Sと60Sの使い分け
- 飛距離優先 → 50S
軽量で走りがあるため、キャリーを伸ばしたい人やヘッドスピードが40m/s前後の人に最適。 - 方向性・安定性優先 → 60S
重量と硬さでインパクトがブレにくく、ミスヒットにも強い。競技志向やパワーヒッターに向く。
まとめ
「50S」と「60S」は同じSフレックスでも性格が異なり、振動数の違いが明確にプレーの結果に影響します。数値だけでなく、自分のスイングテンポやヘッドスピードに合ったモデルを選ぶことが重要です。フィッティングの場では必ず両方を打ち比べ、自分に最も合う方を見極めるのがベストです。
グリーンとブルーの違い
スピーダー NX シリーズには「ブルー」「グリーン」「ブラック」の3タイプがありますが、特にブルーとグリーンは比較対象として選ばれることが多いです。両者は一見似た挙動を持ちますが、弾道特性やタイミングの取りやすさ、プレーヤー適性に明確な違いがあります。ここではその差を整理し、自分に合ったモデルを選ぶためのポイントを解説します。
基本設計の違い
- ブルー
先中調子寄りの設計で、インパクト前にしなり戻りが大きく発生します。そのため、ボールが上がりやすく、つかまりが良いのが特徴です。高弾道を打ちたいプレーヤーや、ヘッドスピードが速くなくても飛距離を確保したい人に人気があります。 - グリーン
中調子を基調とした設計で、シャフト全体が均一にしなり、スイングテンポに応じて素直に挙動します。ブルーほど弾道は高くならず、適度に抑えが効くため、安定性が増すのが特徴です。
弾道の違い
- ブルー:高弾道でキャリーを稼げる → 吹き上がりや左へのミスが出やすい傾向
- グリーン:中高弾道で抑えが効く → 弾道が安定し、左右のばらつきが少ない
特にブルーは「球がつかまりすぎる」と感じるプレーヤーにはリスクがありますが、グリーンならそれを補正できるため、スイングに余計な修正を加える必要がありません。
振動数の違い
同じ重量帯・フレックスでも、ブルーはグリーンに比べるとやや振動数が低く、柔らかく感じやすい設計です。例えば50Sで比較した場合、ブルーは245〜248cpm程度、グリーンは250cpm前後が目安とされます。この数値差が、打感や弾道の差として表れるのです。
プレーヤー適性の違い
- ブルーが合う人
- ヘッドスピードが40m/s前後以下で、弾道を上げたい人
- つかまりを強めにしたい人
- 高弾道でキャリーを稼ぎたいゴルファー
- グリーンが合う人
- 弾道が吹き上がりすぎる人
- 左へのミスを抑えたい人
- 安定した中高弾道を打ちたいゴルファー
実戦での使い分け
ブルーはキャリー不足に悩むゴルファーにとって大きな武器になりますが、競技志向のプレーヤーやパワーヒッターにはオーバースピンや左ミスのリスクがあります。グリーンはそのリスクを軽減し、よりコントロールしやすいモデルとして機能します。特に最新の低スピン系ヘッドとの相性が良く、総合的にバランスの取れた弾道を実現できる点で評価されています。
まとめ
- ブルー:高弾道・つかまり重視 → 初中級者や飛距離不足を補いたい人向け
- グリーン:中高弾道・安定性重視 → 左ミスを抑えたい人、方向性を求める人向け
両者の違いを理解し、自分の弾道傾向やミスの特徴に合わせて選ぶことで、スイングの再現性を高めることができます。
ブラックに合うヘッド
スピーダー NX シリーズの中でも「ブラック」は、低弾道・低スピンを志向したハードな特性を持つモデルです。グリーンやブルーに比べて剛性が高く、スイングパワーを持て余さずに伝える設計となっています。そのため、装着するヘッドの特性によってパフォーマンスが大きく変わります。ここでは「ブラックに合うヘッド」を整理し、適切な組み合わせのポイントを解説します。
ブラックの特性をおさらい
- 調子:中元調子寄りで、インパクトゾーンでの挙動が非常に安定
- 弾道:吹き上がりを抑え、低スピンで強い中弾道を実現
- 振動数:同重量帯のブルーやグリーンよりも高めで、硬さを感じやすい
- 対象プレーヤー:ヘッドスピードが速く、叩きにいくスイングをする上級者
この特性から、ブラックは「弾道を抑えたい」「球筋を強くしたい」というニーズに応えるシャフトといえます。
相性の良いヘッドの特徴
- 高弾道設計のヘッド ブラックは低弾道・低スピンに寄せるため、そもそも球が上がりにくいヘッドと組み合わせるとキャリー不足に陥る可能性があります。したがって、ヘッド側はある程度「高弾道性能」を備えているものが望ましいです。重心が低めで、打ち出しを補助してくれる設計との相性が良いとされます。
- 慣性モーメントが高いヘッド ブラックは硬さゆえにミスヒット時のブレを許容しにくい側面があります。ヘッド側で慣性モーメントが高く、直進性を確保できるモデルを選ぶことで、全体として安定性が増します。
- 低スピン過ぎないヘッド ブラックはそもそも低スピン傾向なので、極端なロースピン設計のヘッドと組み合わせるとキャリーが伸びにくくなります。バックスピン量をある程度確保できるモデルを選ぶとバランスが取りやすくなります。
実際の相性例
- テーラーメイド Stealth2 Plus / Qi10 LS
低スピンモデルながらフェーステクノロジーで打ち出しを補助できるため、ブラックとの組み合わせで強い弾道を実現可能。パワーヒッターに適します。 - キャロウェイ Paradym Ai Smoke ◆◆◆
操作性重視のヘッドですが、適度なスピン量が得られるため、ブラックの低スピン性能と組み合わせて強弾道を作りやすいです。 - PING G430 LST
高慣性モーメント設計で直進性が強く、ブラックの硬さによるシビアさをカバーできるバランス型。上級者が安定性を求める際に有効です。
選び方のポイント
- ヘッドスピード45m/s以上 → ブラック×ロースピンヘッドでも使いこなせる
- ヘッドスピード40〜44m/s程度 → ブラックを使うなら高弾道寄りヘッドでカバー
- スピン量が少なすぎる人 → 高弾道&適度にスピンが入るヘッドを選択
まとめ
スピーダー NX ブラックは、剛性の高さと低スピン性能が際立つモデルであり、その特性を最大限に活かすには「高弾道性能」や「直進性に優れたヘッド」との組み合わせが有効です。逆に、極端にロースピンなヘッドや低弾道すぎる設計と組み合わせるとキャリー不足を招きかねません。自分のスイング特性とヘッドの設計を考慮し、バランスの取れた組み合わせを選ぶことが、ブラックを活かす最大のポイントとなります。
比較
スピーダー NX グリーンは、同シリーズのブルーやブラックと並び、多くのゴルファーに注目されているモデルです。しかしそれぞれの特性は大きく異なり、自分のスイングタイプや求める弾道に合わせて選択する必要があります。ここでは「グリーン」「ブルー」「ブラック」の3モデルを中心に比較し、それぞれの違いや特徴を整理します。
グリーンの特徴
- 中弾道・低スピン傾向で、叩いても左に行きにくい
- 中元調子で、切り返しのタイミングが取りやすい
- 適度な硬さを感じつつも、振動数は極端に高くなく扱いやすい
- フェード系の弾道を打ちたいプレーヤーに向いている
ブルーとの比較
ブルーはスピーダー NX シリーズの中で最もニュートラルなモデルとされ、弾道は中高弾道、スピン量も標準的です。
- 打ち出し角度:ブルーは高め、グリーンはやや抑え気味
- スピン量:ブルーは標準、グリーンはやや少なめ
- 対象プレーヤー:ブルーは幅広い層、グリーンは操作性を求める中上級者
つまり、グリーンはブルーよりも「叩いても左に行きにくい」安心感があり、フェードヒッターや球筋をコントロールしたいゴルファーに合います。一方、球の高さを求めるプレーヤーにはブルーが適しています。
ブラックとの比較
ブラックはシリーズの中で最もハードスペック寄りで、弾道を強く抑え込む特性を持ちます。
- 打ち出し角度:ブラックは低め、グリーンは中弾道
- スピン量:ブラックは極めて少なめ、グリーンはやや少なめ
- 硬さ(振動数):ブラックの方が高く、ハードヒッター向け
ブラックはヘッドスピードが45m/s以上のプレーヤーに適し、フッカーが左を消すための強力な武器となります。一方、グリーンはそれよりも扱いやすく、ヘッドスピード42m/s以上であれば十分に性能を発揮できます。
ブルー・グリーン・ブラックの選び分け
モデル | 弾道 | スピン量 | 難易度 | 向いているゴルファー |
---|---|---|---|---|
ブルー | 中高弾道 | 標準 | 易しい | 幅広い層(中級者〜上級者) |
グリーン | 中弾道 | やや少なめ | 中 | 左を嫌う中上級者、フェード系 |
ブラック | 低弾道 | 少なめ | 難しい | ハードヒッター、フッカー |
他ブランドとの比較
スピーダー NX グリーンは同カテゴリーの他ブランドシャフトとも比較されます。
- ベンタスブルー:安定性と直進性が高いが、やや捕まりが抑えられている。グリーンはさらに左を抑えやすい。
- ディアマナ TB:しなやかさを残した中元調子で中高弾道。グリーンはもう少し低スピンで直進性が強い。
- テンセイ Pro White:低弾道・低スピン傾向だが硬め。グリーンの方が扱いやすく、万人向け。
まとめ
比較すると、スピーダー NX グリーンは「ブルーより叩けて、ブラックほどシビアではない」という中間的な立ち位置にあります。そのため、操作性と安定性の両立を求めるゴルファーに適しており、自分のスイング特性に合わせて選ぶことで最大限のパフォーマンスを引き出せます。
スピーダーNXグリーン振動数まとめ
スピーダー NX グリーンの特徴を理解する上で、最も重要な指標のひとつが「振動数」です。振動数(cpm)はシャフトの硬さやしなり方を数値化したもので、スイングのタイミング、弾道の高さ、飛距離に直結します。このまとめでは、振動数に関する知識を整理し、どのようなゴルファーにどのモデルが適しているかを詳しく解説します。
振動数の基本概念
振動数は「1分間にシャフトが振動する回数」を示す数値で、高いほどシャフトが硬く、低いほど柔らかくなります。一般的には10cpmの差でフレックス1段階程度の違いがあるとされ、同じ「Sフレックス」でも重量やモデルによって大きく印象が変わります。NX グリーンの場合、50Sで約250cpm前後、60Sで約260cpm前後が目安です。
50Sの振動数と特徴
- 振動数:約250cpm前後
- 対象ヘッドスピード:40〜43m/s
- 特徴:軽量で振り抜きやすく、タイミングが取りやすい。弾道は中高めで、キャリーを稼ぎやすい。
- 適性プレーヤー:ヘッドスピードが中程度の中級者、軽く振りたいゴルファー
50Sは、アマチュアゴルファーの多くにフィットするモデルで、振動数が柔らかいためインパクトでのシャフト挙動が自然です。飛距離を重視しつつも方向性も求めるプレーヤーにおすすめです。
60Sの振動数と特徴
- 振動数:約260cpm前後
- 対象ヘッドスピード:43〜46m/s
- 特徴:やや重量が増し、硬さを感じる設計。叩いても球が左に逃げにくく、安定した弾道が得られる。
- 適性プレーヤー:ヘッドスピードが速い中上級者、強めに叩くタイプのゴルファー
60Sは50Sより硬く、振動数も高めのため、スイングのパワーをシャフトが受け止め、方向性を安定させます。飛距離よりも弾道の安定性を重視する人に最適です。
グリーン全体の振動数傾向
- 軽量モデル(40〜50g台):振動数は低め → 振りやすく、弾道を高めに打ちやすい
- 中重量モデル(50〜60g台):振動数は中程度 → バランス型で多くのアマチュアに適応
- 重量モデル(60〜70g台):振動数は高め → 安定性重視、ハードヒッター向け
振動数は単に硬さを示すだけでなく、スイングテンポ、タイミング、打球感に直結します。自分のヘッドスピードやスイングタイプに合わせて選ぶことで、飛距離と方向性の両立が可能です。
振動数選びのポイント
- 飛距離重視 → 50S:柔らかめでタイミングを取りやすく、球を上げやすい
- 安定性重視 → 60S:硬めで叩いてもブレにくく、強い弾道が得られる
- ヘッドスピードに応じて調整:40〜43m/s → 50S、43〜46m/s → 60Sが目安
- 弾道の傾向を補正:吹き上がりや左ミスを抑えたい → 高振動数モデル、逆に弾道を高めたい → 低振動数モデル
まとめ
スピーダー NX グリーンの振動数は、50Sと60Sを中心に、ヘッドスピードやスイングタイプによって適性が分かれます。50Sは柔らかく振りやすいため中級者に適し、60Sは硬めで安定感が高く上級者やパワーヒッター向けです。振動数を理解し、自分のスイングに合ったモデルを選ぶことが、性能を最大限引き出す鍵となります。