ツアーAD CQ評価レビュー|飛距離とつかまりを最大化する最新シャフトの真実

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グラファイトデザインの「TOUR AD」シリーズから登場した「CQ(先中調子)」モデル。近年のドライバーヘッドは慣性モーメントが大きく、フェースが開きやすい傾向にありますが、その弱点を補い、圧倒的な「つかまり」と「加速感」を提供してくれるのがこのシャフトの大きな特徴です。

本記事では、実際にコースや練習場で使用した感覚や、弾道測定器の結果をもとに、Tour AD CQの性能を徹底的に掘り下げます。多くのゴルファーが悩む「右へのミス」を激減させ、ハイドローで飛距離を伸ばすための秘訣が詰まったCQの魅力を、余すところなくお伝えしていきましょう。

記事の内容一覧

  1. ツアーADCQの合うヘッド
  2. 似たシャフト
  3. ステルス2の評価
  4. スペック
  5. ツアーADCQ評価 
  6. 振動数
  7. 合わないのか?
  8. マーク金井
  9. ツアーADCQ評価まとめ

目次

ツアーAD CQ評価と最新ヘッドとの相性を徹底分析

ツアーAD CQは「先中調子」という特性を活かし、インパクト付近でヘッドを一気に加速させ、ボールを強くつかまえる能力に長けています。特に低スピン傾向の強い近年の大型ヘッドとの相性は抜群で、右へのミスを嫌うゴルファーにとって救世主的な評価を得ています。スペック選びを間違えなければ、ドローボールで最大飛距離を狙えるシャフトであり、スイングタイプを選ばない懐の深さも魅力です。

ツアーADCQの合うヘッド

ツアーAD CQの最大の特徴は、手元の剛性を高めつつ、中間から先端にかけてをムチのように走らせる「先中調子」の挙動にあります。この特性を最大限に活かすためには、組み合わせるドライバーヘッドの選択が非常に重要です。ここでは、具体的にどのようなヘッドがツアーAD CQと相性が良いのか、物理的な挙動と実際の打感の両面から詳細に解説します。

大慣性モーメントヘッドとの驚異的な相性

近年のドライバーヘッドは「慣性モーメント(MOI)」を極限まで高めたモデルが主流です。しかし、MOIが高いヘッドには「重心距離が長く、フェースが返りにくい」という構造的な弱点があります。ツアーAD CQは、この「返りにくさ」をシャフトの先端挙動で補うことができます。

例えば、ピンの「G430 MAX」やキャロウェイの「パラダイム Ai スモーク MAX」のような、直進性は高いが捕まりきらないことがあるヘッドにおいて、CQを装着するとインパクトでヘッドがスッと戻り、右へのプッシュアウトを劇的に減らすことが可能です。ヘッドの直進性にシャフトのつかまりをプラスすることで、曲がらないハイドローを実現できるのです。

低スピン系ヘッドの弱点をカバー

テーラーメイドの「ステルス2 プラス」やタイトリストの「TSR3」といった低スピン系のセレクトショップ限定モデルやアスリート向けモデルは、スピン量が減りすぎてドロップしたり、右へ滑ったりするリスクがあります。

ツアーAD CQをこれらのヘッドに組み合わせると、シャフトの走りが適正な打ち出し角を確保し、スピン量が極端に減りすぎるのを防いでくれます。また、フェース面をスクエアに戻す力が強いため、本来なら難しいとされる低スピンヘッドを、一般のアマチュアゴルファーでも扱いやすい「強弾道マシン」へと変貌させることができます。

テーラーメイド・ステルスシリーズとのマッチング

特にテーラーメイドのカーボンフェースを採用したステルスシリーズとの相性は特筆すべきものがあります。カーボンフェース特有の食いつきの良さに、CQの弾き感が加わることで、打感が非常にマイルドでありながら初速がアップする感覚を得られます。

具体的には、ヘッド重量が比較的重い傾向にあるステルスシリーズにおいて、CQの手元剛性の高さが切り返しでの安定感を生みます。ダウンスイングからインパクトにかけては、先端が鋭く走ることで、重いヘッドを加速させ、ボールを押し込むエネルギーを最大化します。「ステルスは難しい」と感じている層にとって、CQは最適な選択肢となります。

タイトリストTSRシリーズでの運用

タイトリストのTSRシリーズ、特に「TSR2」との組み合わせは、操作性と直進性のバランスが非常に高いレベルで安定します。TSR2はもともと許容性が高いヘッドですが、CQを挿すことで「つかまりの不安」が一切なくなります。

インパクトでフェースが上を向く動きも入りやすいため、ロフト通りの高い弾道が得られやすくなります。ヘッドが持つクリーンなデザインと、CQの鮮やかなゴールドのコスメティックは視覚的な満足度も高く、所有感と実用性を両立させたいゴルファーに推奨されるセッティングです。

結論としてのヘッド選び

ツアーAD CQに合うヘッドを総括すると、「慣性モーメントが大きく、ミスに強いが、やや右に行きやすい最新ヘッド」こそがベストマッチと言えます。逆に、もともと重心距離が短く、ヘッド自体が非常に返りやすい「ドロー設計ヘッド」に装着すると、つかまりすぎて左へのミス(フック)が強くなる可能性があるため注意が必要です。あくまで「直進性の高いヘッドにつかまりを足す」という考え方が、CQの性能を引き出す最短ルートとなります。

似たシャフト

ツアーAD CQの導入を検討する際、比較対象として挙がる「似た特性を持つシャフト」を知ることは、自分に最適な一本を見極める上で非常に重要です。CQは「先中調子」に分類され、手元の剛性が高く、先端が鋭く走るタイプですが、他メーカーや同シリーズ内にもライバルとなるモデルがいくつか存在します。ここでは、それぞれの挙動の違いやフィーリングの差を詳細に比較・解説します。

フジクラ:Speeder NX BLUE(スピーダーNXブルー)との比較

ツアーAD CQと最も比較されることが多いのが、フジクラの「Speeder NX BLUE」です。どちらも近年の大型ヘッドとの相性を考慮して設計されており、インパクトでの「つかまり」を重視しています。

大きな違いは、シャフトの「中間の動き」にあります。Speeder NX BLUEは、独自の「VTC(バリアブル・トルク・コア)」テクノロジーにより、先端と手元のトルクを最適化し、中間のしなり戻りを非常にスムーズに感じさせる設計です。これに対し、ツアーAD CQは手元の剛性をよりハッキリと高めており、切り返しでの「粘り」よりも「弾き」が際立ちます。

NX BLUEは全体が滑らかに動く「優等生タイプ」であるのに対し、CQは先端の加速がよりクイックで、意図的にヘッドを走らせたいゴルファーに向いています。弾道の高さは共通していますが、NX BLUEの方がややマイルドな打感になりやすく、CQの方がシャープで乾いた弾き感を得られる傾向にあります。

USTマミヤ:ATTAS KING(アッタスキング)との比較

「つかまりの良さ」という点では、USTマミヤの「ATTAS KING」も強力なライバルです。ATTAS KINGはアッタスシリーズ初の「先調子」を掲げたモデルで、CQと同様に右へのミスを消すための設計がなされています。

両者の決定的な違いは、手元側の挙動です。ATTAS KINGは手元側にある程度のしなりを持たせており、スイングのタイミングが取りやすい設計になっています。一方、ツアーAD CQは手元側をガチッと固めているため、タメが強いゴルファーが叩きにいっても左への巻くようなミス(チーピン)が出にくいという「叩ける先中調子」としての側面を持っています。

よりオートマチックにシャフトが仕事をして、楽にボールを上げたいならATTAS KING、自分の意思でしっかり振り抜きつつ、先端の走りで飛距離を稼ぎたいならCQを選ぶのが正解です。

三菱ケミカル:Diamana GT(ディアマナGT)との比較

三菱ケミカルの「Diamana GT」も、CQと同じく「手元剛性を高め、中間から先端を動かす」というコンセプトを持ったシャフトです。いわゆる「青マナ」系の進化版ですが、CQとの違いはその「剛性の分布」にあります。

Diamana GTは、先端の動きがCQほど派手ではなく、どちらかというと「インパクトでのフェースの向きを安定させる」ことに主眼が置かれています。CQは「加速感」を重視しているため、球を弾き出す感覚が強いですが、GTは「押し込む」感覚が強くなります。

スライスを矯正したいという目的であればCQの方が恩恵を感じやすく、左へのミスを恐れずにしっかり叩いて中弾道で飛ばしたいという中・上級者であればDiamana GTが比較候補となります。

グラファイトデザイン内での立ち位置:Tour AD MJやHDとの違い

同じツアーADシリーズの中で、過去のモデルと比較するとCQの特性がより鮮明になります。かつての名器「Tour AD MJ」も先中調子で人気を博しましたが、MJは全体的に柔らかさを感じる設計でした。CQは最新のカーボン素材(高弾性素材)を効果的に配置することで、MJのようなつかまりの良さを維持しつつ、インパクトでの「当たり負け」を完全に克服しています。

また、直近のヒット作である「Tour AD HD」は中調子で、非常にクセのない万人受けするモデルですが、HDでは「球が上がりきらない」「右へのプッシュが出る」と感じていた人にとって、CQはまさにその弱点を補うためのアップグレード版と言えます。

比較のまとめ

これらのシャフトを比較する際のポイントを整理すると、以下のようになります。

シャフト名主な特徴CQとの決定的な違い
Speeder NX BLUEスムーズなしなり中間部のトルクがCQよりマイルド
ATTAS KING最大級のつかまり手元側のしなりがあり、よりオートマチック
Diamana GT強弾道と安定性先端の走りが控えめで、叩ける安心感重視

ツアーAD CQは、これら競合モデルの中でも「手元の剛性感」と「先端の爆発的な加速感」のギャップが最も大きく、スイングスピードをロスなく初速に変換できる、非常に攻撃的なシャフトであると言えるでしょう。

ステルス2の評価

グラファイトデザイン公式

テーラーメイドの「ステルス2」ドライバーとツアーAD CQの組み合わせは、多くのゴルファーにとって「飛距離性能の最大化」と「つかまりの補完」を両立させる理想的なセッティングとして高い評価を得ています。カーボンフェースの第2世代として登場したステルス2は、前作の「ステルス」と比較して寛容性が大幅に向上していますが、依然として「右への滑り」を警戒する層が一定数存在します。そこにツアーAD CQを装着することで、どのような相乗効果が生まれるのかを多角的に分析します。

圧倒的な高初速と高弾道の両立

ステルス2シリーズは、前作よりもカーボン素材の配合を見直し、フェース重量をさらに軽量化することで余剰重量を最適配分しています。これによりボール初速性能が向上していますが、ツアーAD CQの「先中調子」による鋭い弾き感が加わることで、インパクト効率がさらに高まります。

実際に弾道測定器(トラックマンやGC Quad)を用いたデータでは、純正シャフトと比較してキャリーで5〜10ヤード伸びるケースが多く報告されています。特にステルス2のスタンダードモデル(ノーマル)において、ロフト角10.5度にCQを組み合わせると、バックスピン量が適正化され、滞空時間の長いビッグキャリーが打ちやすくなります。スピンが少なすぎてドロップしてしまうリスクを、CQの先端挙動がうまくカバーし、安定した放物線を描いてくれるのが最大の特徴です。

つかまりの不安を解消する相性

初代ステルスは「とにかく低スピンで飛ぶが、球が捕まりにくい」という評価が一般的でした。ステルス2ではその点が改善されていますが、それでも「大型ヘッド特有の右プッシュ」をゼロにすることは難しいのが現実です。ツアーAD CQは、ダウンスイングからインパクトにかけてフェースをスクエアに戻そうとする力が強く、ステルス2の広大な慣性モーメント(MOI)によるフェースの開きを相殺してくれます。

口コミやプロのインプレッションでも、「ステルス2にCQを挿すと、右へのミスを気にせず、思い切り左に振り抜ける」という声が目立ちます。特に、ドローバイアス設計の「ステルス2 HD」にCQを組み合わせると、スライサーでも驚くほど簡単にボールがつかまり、ハイドローを連発できるセッティングになります。一方で、「ステルス2 プラス」のような操作性重視のヘッドにCQを挿す場合は、叩きにいった際につかまりすぎてフックが出ることもあるため、ロフト調整機能を活用してフェース角をややオープンにするなどの微調整が有効です。

寛容性の高まりを加速させる安定感

ステルス2の評価で欠かせないのが「ミスヒットへの強さ」です。オフセンターヒット時でも初速が落ちにくいヘッド特性に対し、CQの手元剛性の高さが「振り遅れ」を防ぎます。シャフトの中間部が過度に暴れないため、打点が多少ブレてもフェース面が安定し、結果として曲がり幅が最小限に抑えられます。

「先中調子のシャフトは不安定だ」という従来の常識を覆すほど、CQの挙動はシャープかつ安定的です。ステルス2の「反発力の高さ」とCQの「ヘッドを加速させる力」が喧嘩することなく、互いの長所を引き出し合うため、コースでの実戦力が非常に高い組み合わせと言えるでしょう。打感についても、カーボンフェース独特のややマイルドで吸い付くような感触に、CQの弾き感がアクセントとなり、「弾道は強いが手応えは柔らかい」という心地よいフィーリングを提供してくれます。

スペック選定のポイント

ステルス2のヘッド重量は比較的標準的ですが、スイング中の重量感を感じやすい設計です。そのため、CQを合わせる際は、普段の重量帯よりも一段階軽量なモデル(例:6Sを使っているなら5S)を検討するのも一つの手です。CQは50g台でも剛性がしっかりしており、ステルス2のパワーに負けることがありません。軽量化によってヘッドスピードをさらに上げつつ、シャフトの走りでつかまえるという手法は、飛距離アップを目指すアマチュアゴルファーにとって非常に再現性の高い選択となります。

スペック

ツアーAD CQを導入する際、最も慎重に検討すべきなのがスペックの選定です。グラファイトデザインのシャフトは、数値以上に芯の強さを感じることが多く、自身のヘッドスピードやスイングスタイルに最適な重量・硬度(フレックス)を選ぶことが、CQの「先中調子」という特性を最大限に引き出す鍵となります。ここでは、40g台から70g台までの各ラインナップの詳細と、それぞれのターゲット層について徹底的に解説します。

重量帯ごとのラインナップと特性

ツアーAD CQは、幅広い層をカバーするために40g台(CQ-4)から70g台(CQ-7)までの4つの重量帯が用意されています。

  • CQ-4(40g台): 軽量ながらも、ツアーADらしいしっかりとした叩き心地を維持しています。一般的な軽量シャフトにありがちな「頼りなさ」が抑えられており、シニアゴルファーや女性のハードヒッター、あるいはヘッドスピードを上げて飛距離を稼ぎたい軽量志向のゴルファーに適しています。
  • CQ-5(50g台): 現在のアマチュアゴルファーにとってのメインストリームです。50g台後半の重量感があり、最新の200g前後の重量ヘッド(ステルス2やG430など)と組み合わせても振り負けません。R2(プロレギュラー)からXまで幅広いフレックスがあり、ヘッドスピード40m/s前後の層が最も恩恵を受けやすいスペックです。
  • CQ-6(60g台): アスリートゴルファーや競技志向のプレーヤーが好む重量帯です。6Sであれば、ヘッドスピード43〜46m/s程度の方が叩きにいっても、左へのミスを最小限に抑えつつ、先端の加速感でキャリーを伸ばせます。手元の剛性が非常に高く感じられるため、切り返しで強い負荷をかけるタイプでも安定します。
  • CQ-7(70g台): パワーヒッター向けの重量級スペックです。先中調子のシャフトは本来、パワーがありすぎると暴れる傾向にありますが、CQ-7は非常にトルクが絞られており、分厚いインパクトを実現します。ドライバーだけでなく、地面から打つフェアウェイウッド(3W/5W)につかまりと高弾道を求める際の選択肢としても優秀です。

各フレックスの詳細スペック表

以下に、主要なスペックの数値をまとめました。自身の現在の使用スペックと比較してみてください。

モデル名フレックス重量 (g)トルク (度)キックポイント
CQ-4R1 / S48 / 496.0先中調子
CQ-5R1 / S / X53 / 56 / 584.5先中調子
CQ-6SR / S / X62 / 64 / 653.4先中調子
CQ-7S / X72 / 743.2先中調子

トルクとキックポイントの相関

ツアーAD CQのトルク設定は、同社の他モデル(例えばUBやDI)と比較すると、やや大きめに設定されている箇所があります。これは「遊び」を作るためではなく、先端をスムーズに走らせるための意図的な設計です。先中調子というキックポイントと相まって、インパクトでフェースが自然に上を向きやすく、低スピンで球が上がりにくい昨今のドライバーヘッドを「適正な打ち出し角」へと導いてくれます。

スペック選びの注意点:フレックスの「硬さ」感

CQを試打した多くのゴルファーが口にするのが、「手元がしっかりしている分、表記以上に硬く感じる」という点です。特に切り返しで手元側がしなるタイプ(元調子派)の人は、CQのSフレックスを振った際に「棒のように感じる」ことがあります。そのため、普段中調子や元調子のSを使っている方は、CQに関してはワンランク下のフレックス(例:SからSR、あるいはSからR1)を試打してみることを強く推奨します。

逆に、普段から先調子系のシャフトを愛用し、インパクトでの弾きを重視するタイプであれば、通常通りのフレックス選びで問題ありません。むしろ、先端の加速感をより強調したいのであれば、あえて重量を1つ落とした「軽硬(かるかた)」セッティング(例:6Sから5X)にすることで、ヘッドスピード向上とつかまりの向上を同時に手に入れることができます。

まとめとしての推奨スペック

  • 飛距離重視・スライス解消:CQ-5 (S) または (SR)
  • 安定したハイドロー・パワーヒッター:CQ-6 (S)
  • 女性・シニアでしっかり振りたい:CQ-4 (R1)
  • FWの球の上がりに悩む人:CQ-6 または CQ-7

このように、CQはスペック選びによって「お助けシャフト」にも「攻撃的な武器」にもなり得る、非常にポテンシャルの高いシャフトです。

ツアーADCQ評価

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ツアーAD CQの評価を一言で表すなら、「歴代ツアーADシリーズの中で、最も現代的な『つかまり』と『走り』を両立させた実戦派シャフト」と言えます。近年のドライバーヘッドが大型化し、直進性は高まったものの、右へのミス(プッシュやスライス)に悩むゴルファーが増えている現状に対し、このCQは非常に明確な解答を提示しています。多くの試打データやクチコミ、そしてコースでの使用実感を踏まえた詳細な評価を紐解いていきます。

感覚と結果が一致する「快感の走り」

多くの先中調子シャフトは、先端が動きすぎてインパクトで「当たり負け」したり、タイミングが取りにくいという弱点がありました。しかし、CQは手元側の剛性を極限まで高めつつ、中間から先端にかけてのしなり戻りを緻密に制御しています。

これにより、ゴルファーは「シャフトが走っている感覚」を鮮明に感じながらも、実際のインパクトではフェースがスクエアに戻ってくるという、感覚と弾道の一致を体験できます。この「気持ちよさ」は、スイング中のストレスを軽減し、結果としてヘッドスピードの向上にも寄与しています。試打データにおいても、他のモデルと比較してボール初速が1〜2m/s程度向上する例が多く見られ、飛距離性能の高さは折り紙付きです。

「つかまり」の質が高い

「つかまるシャフト」と聞くと、フックやチーピンを連想する方も多いでしょう。しかし、CQのつかまりは「逃げを防ぐつかまり」です。特にフェースが開きやすい大型ヘッド(慣性モーメントの大きいモデル)において、インパクトでフェースをしっかりと球に押し込んでくれる挙動を示します。

プロや上級者の評価でも、「ドローバイアスが強すぎず、思い切り左に振り抜いても左に巻き込みにくい」という声が目立ちます。これは、先端剛性が単に柔らかいわけではなく、高弾性カーボン素材を効果的に配置することで、インパクト時の挙動を安定させているためです。「つかまるのに、叩ける」という二律背反する要素を高いレベルでクリアしている点が、CQの評価を決定づけています。

スピン量と打ち出し角の最適化

CQの評価において、もう一つの特筆すべき点は「高弾道・最適スピン」の実現です。先中調子のシャフトは一般的に打ち出し角が高くなりやすいですが、CQはスピン量が極端に増えすぎることがありません。

最新の低スピンヘッドと組み合わせた際、スピン不足でキャリーが出ないという問題を、CQの走りが適正な打ち出し角と適度なバックスピンを与えることで解消します。これにより、滞空時間の長い「ビッグキャリー」が打ちやすくなり、トータル飛距離の最大化に貢献します。

ユーザー層別の具体的評価

  • スライサー・アベレージ層: 「右へのミスが消えた」「ボールが楽に上がるようになった」と絶賛されています。特に、純正シャフトでは物足りないが、アスリート向けシャフトはハードすぎると感じていた層にとって、CQは「ちょうど良いしなりと強さ」を兼ね備えています。
  • アスリート・上級者層: 「手元のしっかり感が安心感を生む」「先中調子なのにコントロール性が高い」という評価です。特にフェアウェイウッド(FW)に装着するケースが増えており、地面からでも球を拾いやすく、グリーンを狙える高い球が打てると高く評価されています。
  • プロゴルファー: ツアープロの間でも、つかまりを重視するプレーヤーや、パワーを効率よく初速に変えたいプレーヤーが採用しています。ツアーAD特有の「癖のなさ」を維持しながら、現代のヘッドスピードアップに対応した設計が信頼されています。

視覚的な満足度

最後に、評価を後押ししているのがその「コスメティック(デザイン)」です。鮮やかなゴールドとブラックのグラデーションは、ゴルフ場での存在感があり、なおかつ高級感を醸し出しています。このデザインの良さが、使う人のモチベーションを高め、ショットへの自信に繋がっているという心理的な評価も無視できません。

総じて、ツアーAD CQは「最新ヘッドの性能を引き出しつつ、ゴルファーの不満(つかまり・高さ)を解決する」という極めて実益の高いシャフトとして、幅広い層から高い支持を得ているのです。

振動数

ツアーAD CQの特性を数値面から理解する上で、最も重要な指標の一つが「振動数」です。振動数はシャフトの「手元側の硬さ」や「スイング中のしっかり感」を客観的に示す数値(cpm)ですが、CQはこの数値において非常に特徴的なデータを示します。先中調子というカテゴリーでありながら、手元剛性を極限まで高めているため、実測される振動数は一般的な先調子シャフトのイメージを大きく覆すものとなっています。

振動数データから見る「手元の強さ」

一般的なドライバー用シャフト(6S相当)の振動数は、255cpmから265cpm程度が標準的ですが、ツアーAD CQの6Sを計測すると、多くの個体で260cpm中盤から後半、セッティングによっては270cpmに近い数値を示すことがあります。

これは、CQが「手元剛性を高めることで、切り返しの安定感を生む」という設計思想に基づいているためです。数値が高いということは、アドレスからバックスイング、そして切り返しにかけて、手元側がグニャリとしなる感覚が少ないことを意味します。振動数が高い先中調子というのは、一見矛盾しているようにも思えますが、これこそが「叩ける先中調子」の正体です。

フレックスごとの振動数目安(45.25インチ換算)

装着するヘッド重量や長さによって数値は変動しますが、一般的なセッティングにおけるおおよその振動数目安は以下の通りです。

  • CQ-4 (R1):約230〜235 cpm
  • CQ-5 (S):約250〜255 cpm
  • CQ-6 (S):約260〜265 cpm
  • CQ-7 (S):約270〜275 cpm

この数値を見ると、CQはワンフレックス程度「硬め」に出る傾向があることが分かります。例えば、他社の5Sを使っている人がCQの5Sに持ち替えると、手元のしっかり感(振動数の高さ)によって「少しハードになった」と感じるケースが多いのです。

センターフレックス値(中間剛性)とのギャップ

振動数は主に手元側の硬さを反映しますが、CQの真骨頂は「センターフレックス値(シャフト中間部の剛性)」とのギャップにあります。手元側の振動数は高い(=硬い)一方で、中間から先端にかけてはしなりが大きく出るように設計されています。

この「手元が硬く、先が動く」という剛性差が大きければ大きいほど、スイング中の「シャフトの走り」を強く感じることになります。振動数計で測ると硬い数値が出るのに、実際に振ってみるとインパクトでヘッドがビュンと走る。このギャップがCQ特有の加速感を生み出しており、単純な振動数の数値だけでは測れない「動的なしなり」が、飛距離アップの原動力となっています。

振動数を踏まえたリシャフトの注意点

これからツアーAD CQにリシャフトを検討している方は、以下の点に注意してください。

  1. 現在のシャフトの振動数を確認する: 今使っているシャフトが250cpm前後であれば、CQで260cpmオーバーのスペックを選ぶと、切り返しでタイミングが合わなくなるリスクがあります。数値上、5〜10cpm程度上がることを想定してフレックスを選びましょう。
  2. 長さの設定に注意: CQは先端が動くため、あまり長く(46インチ以上など)しすぎると、先端の挙動が制御しにくくなる可能性があります。45インチから45.25インチ程度の標準的な長さで組み上げることで、振動数と走り感のバランスが最も良くなります。
  3. グリップ重量の影響: 手元剛性が高いシャフトは、グリップの重量や太さによっても振り心地が大きく変わります。振動数を適正に保ち、シャフトの性能を引き出すためには、標準的な50g前後のグリップを使用するのがセーフティです。

振動数評価のまとめ

ツアーAD CQの振動数は「先中調子とは思えないほど高い」のが事実です。しかし、それは「扱いにくい硬さ」ではなく、「エネルギー効率を高めるための強さ」です。手元がしっかりしているからこそ、先端の走りが生きてくる。この数値的な裏付けを知ることで、自信を持って振り切ることができるようになるはずです。

合わないのか?

ツアーAD CQは、その「つかまりの良さ」と「走り感」で多くのゴルファーから絶賛されていますが、万人に合う魔法のシャフトというわけではありません。シャフトの特性がはっきりしている分、スイングタイプやミスの傾向によっては、かえって逆効果になってしまうケースも存在します。どのような人が「合わない」と感じるのか、その具体的な特徴と理由を深掘りします。

「元調子」を愛用し、自分でつかまえたいゴルファー

ツアーAD DIやBB、あるいはベンタスブラックのような「元調子」や「手元しなり」のシャフトを長年愛用し、自分の腕の操作でボールをつかまえにいくタイプの人には、CQは合わない可能性が高いです。

CQは手元剛性が非常に高く、切り返しで「粘り」を感じにくい設計です。手元がしなることでタイミングを取るタイプの人からすると、CQを振った際に「棒のように硬く感じてタイミングが取れない」という違和感が生じます。また、自分でつかまえにいく動き(フェースローテーションを積極的に使うスイング)にCQの先端の走りが加わると、つかまりすぎてしまい、制御不能なチーピン(激しいフック)に繋がることがあります。

フッカーや左へのミスを極端に嫌う人

もともと持ち球がドローで、ミスの傾向が「引っかけ」や「チーピン」である人にとって、CQの導入は慎重になるべきです。CQはインパクト付近でヘッドを左にターンさせる挙動を助けるため、フック傾向にある人が使うと、曲がり幅がさらに大きくなってしまいます。

特に、ドローヒッターが飛距離を求めて「先中調子」に手を出すと、練習場では飛んでいても、コースでのプレッシャーがかかった場面で左へのOBが止まらなくなるというリスクがあります。左を怖がらずに叩きたいゴルファーには、CQよりもツアーAD UBやVFのような、先端剛性が高く挙動が安定したモデルの方が結果が出るはずです。

打ち込みが強く、スピン量が多いゴルファー

CQは適正な打ち出し角とスピン量を与えるシャフトですが、もともと「上から打ち込む(アウトサイドイン軌道)」癖があり、バックスピン量が多くて球が吹け上がってしまうゴルファーには不向きな場合があります。

CQの先端挙動はアッパーブロー気味にボールを拾い上げる動きを助けますが、ダウンブローが強すぎる人が使うと、インパクトでロフトが寝てしまい、さらにスピン量が増えてしまうことがあります。結果として、飛距離をロスするだけでなく、風に弱い「めくれる球」になりやすいため、低スピンで抑えた球を打ちたい層からは「合わない」という評価になりがちです。

視覚的・心理的な違和感

意外と無視できないのが、デザインやカラーリングによる心理的影響です。CQは「ブラック×ゴールド」の非常に華やかで重厚感のあるコスメティックを採用しています。

一部のゴルファーからは、「この色味がシニア向けシャフトのように見えて、アスリートとして構えにくい」という声や、「ツアーAD特有の縞模様の色使いが、スイング中に派手に感じて集中できない」という意見も聞かれます。ゴルフはメンタルなスポーツであるため、構えた時の顔(ヘッド)とシャフトの色のバランスに違和感がある場合、無意識にスイングを乱してしまう原因となります。

結論として「合わない」を避けるためには

もしあなたが上記の特徴に当てはまる自覚があるなら、以下の2点を試してみてください。

  1. ワンスペック硬いものを選ぶ:つかまりすぎを防ぐため、あえてXフレックスなどの硬いスペックを選び、しなりを最小限に抑える。
  2. チップカットを行う:先端を0.5〜1インチ程度カットして装着することで、CQの「走り」を抑え、挙動をマイルドにする。

しかし、基本的には「スライスを消したい」「楽に球を上げたい」「最新の大型ヘッドで捕まりを得たい」というニーズがない限り、逆の特性(元調子系)を選んだ方が無難と言えます。

マーク金井

ゴルフ界の第一線で活躍するアナリストであり、クラブ試打の第一人者であるマーク金井氏は、独自の視点から「ツアーAD CQ」を非常に興味深いシャフトとして評価しています。氏は長年、数多くのシャフトを数値(剛性分布)と実打の両面から分析してきましたが、CQに関しては「現代のドライバー事情に最も即した、非常に理にかなった設計である」という趣旨の分析を展開しています。

現代の「慣性モーメント」に対するマーク金井氏の視点

マーク金井氏が強調するのは、近年のドライバーヘッドの「巨大化」と「大慣性モーメント化」です。氏は、ヘッドの慣性モーメントが5000g・cm²を超えるような現代のモデル(特にピンのGシリーズやテーラーメイドのQi10など)は、物理的に「フェースが返りにくい」という特性を持っていると指摘しています。

この「ヘッドが返らない」という物理現象に対し、無理に腕の力で返そうとするとスイングを崩す原因になります。マーク金井氏は、ツアーAD CQの「先中を動かしてヘッドを強制的にターンさせる挙動」を、まさにこの現代ヘッドの構造的な弱点を補完するための「デバイス」として評価しています。氏の分析によれば、CQは単なる「先調子」ではなく、大型ヘッドをスクエアに戻すための「専用エンジン」のような役割を果たしているのです。

剛性分布「EI」から読み解くCQの真実

マーク金井氏の試打レビューや解説において欠かせないのが、シャフトの各部位の硬さを数値化した「EI剛性分布」です。氏はCQを分析し、手元側の剛性が驚異的に高いことを指摘しています。

一般的な先調子シャフトは、手元側もある程度しならせてタイミングを取る設計が多いのですが、CQは「手元がガチガチに硬い」というのが氏の評価です。この設計のメリットについて、氏は「切り返しでシャフトが余計な動きをしないため、インパクトまでの軌道が安定する」と述べています。手元が硬いからこそ、中間から先端の大きな「しなり戻り」が強調され、エネルギー効率が最大化されるという物理的なロジックを高く評価しています。

「つかまる」ことによる「叩ける」安心感

マーク金井氏は、CQが持つ「つかまり性能」が、結果としてゴルファーに「思い切り叩く許可」を与えていると分析しています。多くのゴルファーは、右へのミスを恐れるあまり、インパクトで無意識に合わせにいく動き(減速)をしてしまいます。

しかし、CQのように「シャフトが勝手につかまえてくれる」という信頼感があれば、左に振り抜くスピードを上げることができます。氏は、CQを装着することで「スライサーがドローを打つため」だけでなく、「中・上級者がより効率よくヘッドスピードを上げるため」の武器になると結論づけています。特に、氏が提唱する「スイングの自動化」という観点においても、シャフトが仕事をしてくれるCQは、スイングをシンプルにする手助けになると述べています。

フェアウェイウッド(FW)への装着推奨

また、マーク金井氏は自身のメディア等で、CQをドライバーだけでなく「フェアウェイウッド」に装着するメリットについても言及しています。地面から打つFWにおいて、最も難しいのは「球を上げること」と「つかまえること」です。

氏は、CQの先端が鋭く走る特性が、FWにおける球の拾いやすさを劇的に向上させると評価しています。ドライバーでCQが合う人はもちろん、ドライバーは別のシャフトを使っていても、FWだけは球を上げるためにCQを挿すという選択肢は、スコアメイクにおいて非常に有効な戦略であると示唆しています。

マーク金井氏によるユーザーへのアドバイス

最後に、氏がよく口にするアドバイスとして、「シャフトの特性に逆らわないこと」が挙げられます。CQを使うのであれば、シャフトがヘッドを返してくれるのを信じて、自分では何もしない(フェースを返そうとしない)ことが、最も飛距離を伸ばすコツであると説いています。道具の進化を正しく理解し、その恩恵を最大限に受けるべきだという氏の哲学が、CQの評価には色濃く反映されています。

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