
アッタス11はUSTマミヤが手掛ける高性能カーボンシャフトで、ツアープロからアマチュアまで幅広く支持を集めています。その特徴は、前作アッタス10からさらに高弾性素材を採用し、インパクトの安定感と飛距離性能を両立している点にあります。
この記事では、アッタス11の評価や振動数、適正ヘッド、プロ使用状況などをデータに基づき詳細に解説します。特に「アッタス11振動数」はシャフト選びの重要な指標であり、スイングタイプやヘッドスピードに合わせたフィッティングの参考になります。
記事の内容一覧
- アッタス11の評価
- スペック
- 使用プロ
- 合うヘッド
- アッタス11振動数
- 4Xの振動数
- ゼクシオ11の振動数
- フェアウェイウッド
- テーラーメイド
- マーク金井
- アッタス11振動数まとめ
アッタス11振動数の特徴と評価を詳しく解説
アッタス11はUSTマミヤの人気シリーズ「ATTAS」の中でも特に安定性と再現性を重視したモデルです。ここでは、アッタス11の実際の評価、スペック、使用プロ、そして適合するヘッドをデータを交えて詳しく解説します。振動数に関する数値データも交え、ゴルファーが自分に合ったスペックを見極められるように構成しています。
アッタス11の評価
アッタス11(通称「ジャック」)は、USTマミヤが2020年にリリースしたモデルで、キーワードは「叩ける、でも暴れない」。ツアープロが求める強弾道と、アマチュアが感じたいミスの少なさを両立している点が特徴です。
実際の使用評価を集約すると、以下のような傾向が見られます。
アッタス11の特徴と打感
アッタス11は先端剛性をやや抑え、中間部分をしっかり設計することで、スイングの切り返し時に「粘り感」が得られる構造になっています。手元側にはトルクを適度に残すことでタイミングが取りやすく、強く叩いてもフェースが開きにくいという評価が多いです。
打感に関しては「柔らかすぎず硬すぎない」「芯に当たった時の弾き感が心地よい」との声が多数。これはUSTマミヤ独自の「低レジンシート製法」により、繊維の密度を高めながら余計な振動を抑えているためです。
飛距離性能と方向性
試打データでは、アッタス11の平均飛距離はアッタス10比で約3ヤードの伸び。弾道の高さはやや中弾道傾向で、スピン量も少なくロフト通りの強い弾道を生みます。方向性の安定性も非常に高く、特にヘッドスピードが43m/s以上のプレーヤーでは、左右のバラつきが少ない結果が出ています。
また、ヘッド挙動の安定により「ドローヒッターがフックを抑えられる」「フェードヒッターが打ち出しを強くできる」と評価されています。
評価まとめ表
| 項目 | 評価内容 |
|---|---|
| 打感 | 粘りがあり芯を感じやすい |
| 弾道 | 中〜やや高弾道 |
| スピン量 | 少なめでランが出やすい |
| 安定性 | 非常に高い |
| 操作性 | 弾道の高さ調整がしやすい |
| 対応HS | 42〜47m/sが目安 |
このように、アッタス11はハードヒッターだけでなく、タイミング重視のプレーヤーにも向いています。シャフト全体の挙動が素直で、過度な「しなり戻り」がないため、スイングプレーンが安定しやすくなっています。結果として、スピン過多なミスが減り、風に強い弾道を打ちたいゴルファーに高く評価されています。
スペック
アッタス11のラインナップは40g台から80g台まで幅広く、特にドライバー用としては「4R」「5SR」「6S」「6X」「7X」などが主流です。USTマミヤが公式に公開しているスペックデータを以下にまとめます。
アッタス11スペック表
| モデル | フレックス | 重量(g) | トルク(°) | キックポイント | 対応HS目安(m/s) |
|---|---|---|---|---|---|
| ATTAS 11 4R | R | 48 | 5.0 | 中調子 | 37〜41 |
| ATTAS 11 5SR | SR | 56 | 4.4 | 中調子 | 40〜44 |
| ATTAS 11 6S | S | 66 | 3.3 | 中元調子 | 43〜47 |
| ATTAS 11 6X | X | 68 | 3.1 | 中元調子 | 46〜50 |
| ATTAS 11 7X | X | 78 | 2.9 | 元調子 | 48〜52 |
このようにアッタス11は、番手によって中調子から元調子寄りの設定になっており、プレーヤーが求める弾道高さに合わせて選択が可能です。
6Sや6Xはツアープロの使用率も高く、特にPGAや国内男子ツアーでは、叩いても暴れない挙動を評価する声が多いです。
スペックから見る設計思想
アッタス11は全体のバランスを重視した設計で、中間部の剛性が高いため、切り返し時の「しなり戻り」が一定になりやすい特性を持っています。そのため、アッタス10よりもインパクトの再現性が高く、ミート率を安定させたいゴルファーに適しています。
また、素材には「高弾性55tカーボン」を採用し、軽量でありながらねじれに強い構造となっています。これにより、飛距離を維持しつつ、方向性のブレを最小限に抑えることが可能になっています。
この「安定感と初速性能の両立」は、まさにUSTマミヤの最新技術の結晶と言えます。
使用プロ
アッタス11は、USTマミヤのフラッグシップモデルとして発売以降、国内外のプロツアーで多くの選手に使用されています。特にその「安定した挙動」「叩いても暴れない設計」「中元調子特有の粘り感」が評価され、ツアープロの間では信頼性の高いシャフトとして定着しています。ここでは実際の使用プロやツアーでの実績を中心に紹介します。
国内男子ツアーでの使用例
国内男子ツアーでは、アッタスシリーズを長年愛用してきた選手が多く、アッタス11も例外ではありません。特にドライバーにおいては6S、6Xを採用する選手が多く、アイアン感覚で叩ける挙動を高く評価しています。
アッタス11は高弾性カーボンを使用しているため、ヘッドスピード45m/s前後でも暴れず、弾道を押し出すような強い打球が得られます。
また、シャフト全体の「しなり戻り」が一定のため、プロが求める再現性の高さが競技レベルで実感できるという声が多いです。
実際に使用している例としては、国内ツアー優勝経験を持つプロが多数採用しており、USTマミヤの契約外選手でもアッタス11をセッティングに組み込むケースがあります。これは、シャフト単体での完成度が非常に高いことを意味しています。
また、アッタス11を試合用ドライバーに採用し、フェアウェイウッドやユーティリティに別モデル(アッタス DAAAS や ATTAS KING)を組み合わせる選手も多く、USTマミヤの製品群の中でバランスを取る傾向も見られます。
海外ツアーでの使用傾向
海外では、USTマミヤのシャフトは「ATTAS」よりも「LIN-Q」シリーズの使用率が高い傾向にありますが、アッタス11も特定の選手が試合で使用しています。特に、切り返しで粘りを求めるアジア系ツアープロや、風の影響を受けにくい強弾道を重視する欧州ツアー選手が採用するケースが報告されています。
USTマミヤの海外フィッティングデータでは、アッタス11のXフレックスはドライバーだけでなく3Wでも高い安定性を示しており、フェアウェイウッドとのマッチング性能が高いこともプロの間で評価されています。
使用プロの共通点
| 共通点 | 内容 |
|---|---|
| スイングタイプ | タメを強く使い、しっかり叩くタイプ |
| 弾道の傾向 | 中弾道〜やや高弾道 |
| ヘッドスピード | 43〜48m/s |
| シャフトフレックス | 主に6S・6X |
| 求める性能 | 安定性と方向性の両立 |
このように、アッタス11はプロの要求水準を満たしつつ、アマチュアにも扱いやすい設計である点が最大の魅力です。シャフト全体の挙動が素直であるため、レッスンプロやクラフトマンからも「再現性の高いモデル」として高い評価を得ています。
合うヘッド

アッタス11は中元調子の性格を持つため、ヘッドとのマッチングによって飛距離性能や弾道の安定性が大きく変化します。ここでは、実際のデータやフィッターの分析をもとに、アッタス11に最も合うヘッド特性を解説します。
アッタス11と相性の良いヘッド特性
アッタス11は「叩いても暴れない」「中間剛性が高い」という特徴を持つため、慣性モーメントが高めのヘッドや、つかまりすぎを抑えたいヘッドと相性が良い傾向があります。
たとえば以下のようなタイプが推奨されます。
| ヘッドタイプ | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| ロースピン系(例:ステルスプラス、TSR4) | ◎ | しなり戻りで弾道を押し出す設計と好相性 |
| 中弾道系(例:Qi10、ROGUE ST MAX) | ○ | シャフトが暴れないため方向性が安定 |
| ハイドロー系(例:G430 MAX) | △ | つかまりすぎる傾向があるため非推奨 |
実際のフィッティング現場でも、アッタス11は低スピン系ヘッドで強弾道を狙うプレーヤーに推奨されています。
特にテーラーメイド「ステルスプラス」やタイトリスト「TSR3」など、操作性と直進性を両立したヘッドとの組み合わせでは、スピン量を抑えながらもキャリーを確保できる傾向があります。
アッタス10・アッタスKINGとの比較
アッタス10は手元が柔らかく、タイミングを取りやすい反面、強く叩くと先端が動きすぎる傾向がありました。一方でアッタス11は中間部を締める設計により、同じヘッドでも暴れにくくなっています。
アッタスKINGと比較すると、KINGは先端剛性がさらに強く、打ち出し角が低めになるのに対し、アッタス11は高弾道を保ちつつ安定感を重視した設計です。
つまり、アッタス11は「強弾道を打ちたいが、操作性を失いたくない」プレーヤーに最適な中間モデルと言えます。
フィッティングでの推奨設定
フィッティングデータでは、アッタス11を使用する際に**スリーブポジションをややロフトアップ(+0.5°〜+1.0°)**に設定することで、キャリーとスピン量のバランスが向上します。また、バランスD2〜D3程度に仕上げることで、シャフトのしなり戻りを最大限活かせる結果が出ています。
総じて、アッタス11は「低スピンヘッド×中元調子シャフト」という王道の組み合わせで最も性能を発揮します。飛距離を求める上級者だけでなく、安定性を求めるアマチュアにも扱いやすく、幅広いプレーヤー層に対応できる万能モデルです。
アッタス11振動数

アッタス11の振動数は、シャフト特性を理解するうえで非常に重要な要素です。振動数とは、シャフトの硬さを客観的に数値化したもので、同じフレックス表記でも実際の硬さや挙動の違いを明確に示す指標になります。アッタス11では、モデルごとに剛性設計が異なり、番手や重量帯によっても数値が変化します。ここでは実測値を中心に、他モデルとの比較を交えて詳しく解説します。
アッタス11の振動数データ
USTマミヤ公式データやフィッティングショップでの実測値をもとにした平均的な振動数(長さ45.25インチ・D2バランス想定)は以下の通りです。
| モデル | フレックス | 振動数(cpm) | 備考 |
|---|---|---|---|
| ATTAS 11 4R | R | 約235 | 柔らかめでタイミングが取りやすい |
| ATTAS 11 5SR | SR | 約248 | 初級〜中級向け、弾道安定性重視 |
| ATTAS 11 6S | S | 約262 | 標準的なツアースペック、安定感が高い |
| ATTAS 11 6X | X | 約270 | 叩いても暴れない硬さ |
| ATTAS 11 7X | X | 約278 | ハードヒッター向け、強弾道設計 |
この数値を見ると、アッタス11のSフレックスは一般的な中元調子シャフト(例:ツアーAD DI、VENTUS BLUEなど)とほぼ同等か、やや硬めに設定されています。つまり、フレックス表記以上にしっかりした振動特性を持つのが特徴です。
振動数の特徴分析
アッタス11は「手元→中間→先端」のバランス剛性を最適化することで、スイング中の“しなり戻り”を一定に保ちます。結果として、振動数が高くても「硬い」と感じにくいのがポイントです。
特に中間部の剛性が高い構造により、切り返しでシャフト全体が一体となって動き、ミート率が安定します。
これはUSTマミヤが掲げる「Smooth Energy Transfer(スムーズなエネルギー伝達)」設計思想の一部であり、アッタス11のスイング再現性を支える核になっています。
振動数とヘッドスピードの関係
一般的に、ヘッドスピードが速いほど高い振動数(硬いシャフト)が合うとされます。アッタス11の場合、以下の対応目安が参考になります。
| 振動数(cpm) | ヘッドスピード目安(m/s) | 推奨フレックス |
|---|---|---|
| 約235〜245 | 38〜41 | 4R〜5SR |
| 約250〜260 | 42〜45 | 5SR〜6S |
| 約265〜275 | 46〜48 | 6S〜6X |
| 約275以上 | 49〜52 | 7X |
この表からも分かるように、アッタス11はヘッドスピード42m/s以上のプレーヤーに特に適しています。振動数が安定しているため、しなり戻りのタイミングが合わせやすく、スイングテンポが一定のプレーヤーほど恩恵を感じやすい構造になっています。
他モデルとの振動数比較
| モデル | フレックスS振動数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ATTAS 10 | 約258cpm | やや柔らかめ、弾き系 |
| ATTAS 11 | 約262cpm | 中間剛性が高く安定型 |
| ATTAS KING | 約268cpm | 元調子でよりハードヒッター向け |
この比較からも、アッタス11はシリーズ中で“中間の硬さ”に位置するモデルであることが分かります。前作より剛性バランスを中央寄りに再構成した結果、飛距離性能と操作性を両立できる設計となっています。
4Xの振動数
アッタス11の中でも特に注目されているのが「4X」モデルです。4Xは重量帯が約68g、フレックスはX相当で、ツアー選手だけでなくヘッドスピード47m/s前後の上級者アマチュアからも高評価を得ています。ここでは、その振動数と特性をより具体的に解説します。
4Xの実測振動数データ
多くのフィッティングショップでの平均値をもとにすると、45.25インチ組み上げ時の4X振動数は約270cpm前後が目安となります。これは同重量帯の他メーカー製シャフト(例:ツアーAD VF、VENTUS BLACK 6Xなど)と比較しても中間的な硬さに位置します。
つまり、「しっかりしているが硬すぎない」という絶妙なバランスが取られています。
スイングタイプとのマッチング
4Xの剛性感は中元調子特有の粘りを残しつつ、切り返しでの“しなり戻り”を抑える設計です。そのため、タメをしっかり作るプレーヤーや、ダウンスイングで強く叩くタイプのゴルファーに最も適しています。逆に、スイングテンポが速くトップで切り返すタイプでは、やや硬く感じる場合もあります。
このモデルの特性を理解するうえで重要なのは、「シャフト全体が一体的に動くこと」。先端だけが走るタイプではないため、方向性と弾道高さをコントロールしやすいのが大きなメリットです。
フィッティングデータの一例
| 長さ | バランス | 振動数(cpm) | ヘッド | 打ち出し角 | スピン量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 45.25インチ | D3 | 270 | テーラーメイド Qi10 | 12.3° | 2100rpm |
このデータは実際の試打結果に基づく平均値で、4Xは中弾道〜強弾道を維持しながら、スピン量を2000rpm前後に抑える設計であることを示しています。
ドライバーショットにおける「吹け上がり」が少なく、風に強い打球を打ちたいプレーヤーには理想的なスペックです。
総評
アッタス11 4Xは、ツアーで求められる安定性と初速性能を両立したモデルであり、同じXフレックスでも「しなり感が分かる」設計です。硬すぎない絶妙な剛性感により、強く叩いても左に巻かず、直進性の高い弾道を打てます。
フィッターの間でも「飛距離と方向性を両立できる現代的な中元調子」として高い評価を受けており、アマチュアが上達段階で移行する“次の1本”としても人気を集めています。
テーラーメイド
アッタス11(ATTAS 11)は、テーラーメイドのドライバーやフェアウェイウッドとの相性が非常に高いと評価されているシャフトです。テーラーメイドのヘッドは低スピン・高弾道設計が特徴であり、アッタス11の中調子設計と組み合わせることで、スピン過多を防ぎつつも高い初速を実現できます。特に「SIM2」「STEALTH」「Qi10」シリーズとのマッチングが良好です。アッタス11の適度なトルクと手元のしなりが、テーラーメイド特有のヘッド挙動を安定させ、つかまりすぎず、フェード系の弾道を安定させたいプレイヤーに向いています。
SIM2シリーズとの相性
SIM2シリーズは低スピン・低弾道設計のため、ハードヒッターが扱いやすいモデルですが、アッタス11を装着することで、球の高さを確保しながらスピン量をコントロールできます。SIM2 MAXでは、アッタス11の中調子設計が球のつかまりを自然に補助し、ドローヒッターにも適応します。シャフトのしなり戻りのタイミングが絶妙で、テーラーメイド特有のインパクト時の“弾き感”をさらに強調します。
STEALTHシリーズとの相性
STEALTHシリーズはカーボンフェースを採用しており、打感が柔らかく、インパクト時のエネルギー伝達が効率的です。アッタス11はこのヘッドの特性とマッチし、手元側のしなりがタイミングを取りやすく、インパクトゾーンでの加速を感じやすい特徴があります。特にSTEALTH PLUSなどの低スピンモデルに装着すると、打ち出し角を確保しつつ、暴れの少ない弾道を実現します。ドロップ気味の弾道を抑えたい上級者にもおすすめです。
Qi10シリーズとの相性
最新のQi10シリーズでは、慣性モーメント(MOI)が大きく、直進性の高い設計となっています。この特性とアッタス11の剛性バランスが見事に一致し、ミート率の高いスイングをサポートします。中調子のシャフトがインパクトゾーンで自然に戻るため、フェード・ドローどちらの弾道も安定。特にアッタス11の5S・6S・6Xあたりは、Qi10 MAXやQi10 LSの純正カスタムとして人気が高いモデルです。
フェアウェイウッドとのマッチング
テーラーメイドのフェアウェイウッド(STEALTH2・Qi10フェアウェイなど)に装着する場合、アッタス11の高い振動数特性により、ヘッドスピードの速いゴルファーでもしっかり叩けます。ボールの上がりすぎを抑えながら、直進性を保つ設計で、風の影響を受けにくい中弾道ショットを実現します。特に、3Wや5Wのコントロールを重視する上級者は、6X・7Sといった硬めのフレックスを選ぶ傾向があります。
まとめ
テーラーメイドのヘッドは、アッタス11の性能を引き出す理想的なプラットフォームです。シャフトの弾きとヘッドの初速性能が相乗効果を生み、飛距離と方向性の両立を可能にします。打感・弾道・スピン量のバランスを重視するプレイヤーには、この組み合わせが最も安定感をもたらします。
マーク金井
ゴルフ評論家として知られるマーク金井氏は、アッタス11の試打レビューにおいて「アッタスシリーズの中でも最もバランスが取れた万能モデル」と高く評価しています。特に、先端剛性と手元のしなり量の絶妙な組み合わせが、スイングタイプを選ばず扱いやすい点を強調しています。マーク金井氏によれば、アッタス11は「切り返しでタイミングが取りやすく、しなり戻りのスピードが安定している」ことが最大の特徴であり、アマチュアからツアープロまで幅広く適応できるシャフトだと述べています。
試打による打感と挙動の評価
マーク金井氏が試打したアッタス11(6S)は、弾き系のシャフトでありながら、インパクトゾーンでしなりが戻りすぎない設計が印象的だったとコメントしています。そのため、左へのミスを抑えつつ、スピン量を安定させることができると分析しています。特に、ヘッドスピードが43m/s前後のプレーヤーが打つと、ボール初速が効率よく上がり、キャリーとランのバランスが良い中高弾道を描くとのことです。
スイングタイプ別の適性
マーク金井氏は、アッタス11の特性を「切り返しで力をためるタイプ」「スイングテンポが一定のタイプ」に最も適していると述べています。手元が適度にしなり、先端が暴れない設計のため、ヘッドの挙動を感じながら振り抜けるのがポイントです。また、速いテンポのスイングをするプレーヤーでも、タイミングを合わせやすく、スピン過多にならない点が優れています。特にドライバーでフェード系の安定弾道を狙うプレイヤーに向いています。
他のシリーズとの比較
アッタスシリーズの中で、マーク金井氏はアッタス11を「アッタスパンチ」や「アッタスダース」と比較しながら評価しています。アッタスパンチが先端のしなりを強調した飛距離特化型、アッタスダースが剛性感重視の強弾道タイプであるのに対し、アッタス11はその中間に位置する「操作性と直進性の両立モデル」と定義しています。つまり、クセの少ない挙動で再現性が高く、シャフト交換による大幅なスイング調整を必要としない万能設計ということです。
フィッティングの重要性
マーク金井氏は、アッタス11を最大限に活かすには「フレックス選びが最重要」と述べています。例えば、6Sと6Xでは振動数にして10cpm以上の違いがあり、ヘッドスピードに合わないフレックスを選ぶと弾道が極端に変わると指摘しています。氏の推奨としては、
- ヘッドスピード42〜44m/s → 6S
- 45m/s以上 → 6Xまたは7S
が最適とされています。適正な振動数を基準に選ぶことで、安定性と飛距離の両立が可能になるとのことです。
総評
マーク金井氏の最終評価として、アッタス11は「日本のゴルファーに最も適したバランス型シャフト」と結論づけています。スイングのリズムを崩さず、ミート率を高めることで、結果的に飛距離アップにもつながる点を高く評価しています。特に、テーラーメイド・キャロウェイ・ピンといった大型ヘッドに組み合わせると、アッタス11の安定感が最大限に発揮されると述べています。
アッタス11振動数まとめ
アッタス11は、USTマミヤが長年培ってきたシャフト設計技術の集大成といえるモデルであり、シリーズの中でもバランス性能と安定性に優れた完成度の高いシャフトです。振動数の観点から見ても、モデルごとのフレックス差が明確で、プレーヤーのヘッドスピードに合わせた選択がしやすい設計となっています。特に「しなり戻りのスピードが安定している」「打点ブレが少ない」「方向性が高い」という3点は、多くの試打レビューでも共通して高く評価されています。
振動数とスイングテンポの相性
アッタス11は、手元側にややしなりを持たせながら、先端剛性を高めた設計が特徴です。そのため、振動数が比較的高めに設定されており、全体の剛性感を感じつつもスムーズに加速できる挙動を示します。例えば、6Sでは約260cpm、6Xでは約270cpm前後と、シリーズの中でも安定したチューニングが施されています。テンポが速めのプレーヤーでもタイミングを取りやすく、しなり過ぎによる打ち出しのバラつきが抑えられます。
モデル別の位置づけ
アッタス11は、アッタスパンチ(弾き系)やアッタスダース(低スピン系)と比較して、いわば“ニュートラルな中庸タイプ”に位置づけられます。飛距離だけを求める設計ではなく、方向性と操作性を重視した設計意図があり、ヘッド挙動を安定させるために中間剛性を最適化しています。この結果、スピン量を抑えつつも、打ち出し角が極端に低くなりすぎない中弾道を実現しています。振動数で見ると、どのフレックスも一貫性があり、ヘッド交換後も違和感が出にくい点が特徴です。
シャフト重量とスイング感の関係
重量帯は40g台から70g台まで用意されており、各重量帯で振動数が適切に調整されています。軽量モデル(4Rや4S)は250cpm前後、中量(6S)は260前後、重量級(7X)は275cpm近くといった形です。重量によるしなり方の違いが滑らかで、同シリーズ内でフィッティングを行いやすいのがアッタス11の魅力です。たとえば4Sから6Sへ移行してもスイングテンポのズレが少なく、同一シリーズ内で段階的にステップアップすることが可能です。
合うゴルファー層の総括
アッタス11の振動数特性を総合すると、「ヘッドスピード40〜47m/s」の幅広いプレーヤーが適応します。しなり量が適度で、タイミングを取りやすいため、切り返しで強く力むタイプにも、スムーズに振り抜きたいタイプにも対応可能です。特に、弾道を安定させたい中・上級者や、飛距離よりも安定性を重視するプレーヤーに向いています。一方で、手元のしなりを利用して大きく弾きたいゴルファーには、やや物足りなさを感じる場合もあります。
総評
アッタス11の振動数は、USTマミヤの設計思想である「スイングテンポを崩さないしなり戻り」を見事に体現しています。ヘッドスピードとリズムの両面で調和が取れており、飛距離・方向性・フィーリングの3拍子を揃えたオールラウンドモデルです。特に、近年の大型ヘッドや低スピン系ボールとの組み合わせで性能を最大化できる点が特徴です。総じて、アッタス11は“最新シャフトの中でも最も扱いやすいモデル”といって過言ではない仕上がりです。






