
ゴルフシャフト選びは飛距離と方向性に直結する重要な要素です。中でも藤倉コンポジットの「ベンタス(VENTUS)」シリーズは、プロ・アマ問わず高い支持を受けています。本記事ではベンタス シャフの 分布図について、シリーズごとの特徴やスペック、適正ヘッドスピード、そして黒・青・赤といったカラー別の違いを徹底的に解説します。自分に合うベンタスを理解するための“分布図”を軸に、モデルの性格や選び方を整理していきます。
記事の内容一覧
- ペンタスのシャフトの種類と特徴
- 比較
- 24ベンタスのシャフト分布図
- 黒と青の違い
- ベンタスシャフト分布図
- ベンタスブルー5Sと6Xのヘッドスピード
- アイアンのシャフト
- ブルーのスペック
- どんな人に向いている?
- ベンタスシャフト分布図まとめ
目次
ベンタスシャフト分布図で理解する性能と選び方
ベンタスシリーズは、藤倉コンポジットが展開する高性能カーボンシャフトで、ツアープロの使用率も高いモデルです。この記事では、各ベンタスシャフトの種類と特徴を整理し、分布図を通して自分に最適なモデルを見つけるためのポイントを紹介します。黒・青・赤といったカラーの違いから、ヘッドスピード別の最適シャフトまで、事実に基づいて解説します。
ペンタスのシャフトの種類と特徴
藤倉コンポジットの「ベンタス(VENTUS)」シリーズは、もともとツアープロ向けに開発された高安定性のシャフトで、2019年の登場以来、アメリカPGAツアーを中心に世界中で多くのプロが使用しています。代表的な種類は「ベンタスブラック」「ベンタスブルー」「ベンタスレッド」の3系統で、それぞれに独自の剛性設計と弾道特性があります。

ベンタスブラック
ベンタスブラックはシリーズの中で最も低弾道・低スピンに設計されたモデルで、ハードヒッター向けです。先端から手元まで非常に高剛性で、切り返し時のブレを抑制することで、強いインパクトを安定して再現できます。特に、ヘッドスピードが45m/s以上のプレーヤーや、叩いても左に行かせたくない人に好まれています。実際、ローリー・マキロイやダスティン・ジョンソンなどがブラック系統を使用していた時期があり、世界トップレベルのプレーヤーも信頼するモデルです。
ベンタスブルー
ベンタスブルーは中調子で、最も多くのゴルファーにフィットするバランス型モデルです。先端剛性が高く、打点のバラつきを抑えつつも、手元側が適度にしなることでタイミングが取りやすくなっています。弾道は中弾道で、方向性と飛距離のバランスを求めるプレーヤーに最適です。PGAツアーでは、コリン・モリカワがこのブルー系統を使用した実績があります。
ベンタスレッド
ベンタスレッドはシリーズで最も高弾道を生みやすい設計で、先端剛性をやや落としつつ中間部のしなりを強調したモデルです。ヘッドスピード40m/s前後でも高弾道・高スピンが得られ、ボールを上げたいプレーヤーや女性ゴルファーにも適しています。初代モデルに加え、VENTUS TR REDでは剛性のチューニングにより、より安定感が増しています。
共通技術:VELOCOREテクノロジー
全モデルに搭載されている「VELOCORE」テクノロジーは、複数層のカーボン素材を組み合わせてねじれ剛性を最適化する技術です。これにより、スイング中のシャフトのたわみやねじれを抑制し、フェースの向きを安定させることが可能になっています。結果として、ミスヒット時でも打球方向のブレを大幅に低減します。
このようにベンタスシリーズは、カラーごとに異なる剛性分布を持ちつつも、共通して「方向性の安定」と「インパクト効率の向上」を目指した設計思想を持っています。自分のスイングタイプとヘッドスピードに合ったモデルを選ぶことが、飛距離と安定性を両立させる鍵となります。
比較
ベンタスシリーズの各モデルを比較する際、最も注目すべきは剛性分布と打ち出し角の違いです。藤倉コンポジットの公式データでは、ブラックは低弾道・低スピン、ブルーは中弾道・中スピン、レッドは高弾道・高スピンの設定となっています。また、TRシリーズでは元調子方向に剛性を追加し、タイミングの取りやすさと安定性を両立させた仕様になっています。
以下の表は、代表的なベンタスシリーズの比較概要です。
モデル名 | 調子 | 打ち出し角 | スピン量 | 対応HS目安 |
---|---|---|---|---|
ベンタスブラック | 先中硬め | 低 | 低 | 45m/s以上 |
ベンタスブルー | 中 | 中 | 中 | 42〜47m/s |
ベンタスレッド | 中〜先 | 高 | 高 | 38〜44m/s |
ベンタスTRブルー | 中〜元 | 中 | 中〜低 | 43〜48m/s |
ブラックは強い叩きに対応し、左へのミスを防ぎたい人に最適。一方、ブルーは適度なしなりと弾き感があり、幅広い層にフィットします。レッドはボールを上げやすく、キャリーを稼ぎたいプレーヤーにおすすめです。TRシリーズは、従来モデルよりも剛性感をわずかに高め、トルクを抑えて安定性を重視する設計です。
さらに注目すべきは、「VENTUS TR BLUE」や「TR BLACK」といった派生モデルの存在です。これらは、PGAツアー選手からのフィードバックをもとに、剛性配分を微調整しており、インパクトゾーンでの安定性をさらに高めています。藤倉コンポジットによると、TRシリーズではトルク値をわずかに下げることで、ヘッド挙動をより一貫させる効果が得られるとのことです。
こうした比較を通して、自分のスイングテンポ・インパクトロフト・弾道傾向を理解し、モデルを選ぶことが重要です。ベンタスの分布図を見ると、ブラックが剛性高・低弾道側、レッドが柔らかめ・高弾道側、ブルーがその中間に位置しており、TRシリーズはやや右上(硬め・安定性重視)に配置されています。
24ベンタスのシャフト分布図

2024年モデルとして登場した最新のベンタスシリーズでは、藤倉コンポジットが従来よりもさらに明確な剛性分布とプレーヤー特性の関係を可視化するために「ベンタスシャフト分布図(VENTUS Shaft Matrix)」を公開しています。この分布図は、ブラック・ブルー・レッドの3カラーに加え、「TR」シリーズの位置関係をプロットしたもので、それぞれの特性を視覚的に理解するための指標となっています。縦軸を「打ち出し角(Launch)」、横軸を「スピン量(Spin)」とした2軸グラフで構成され、プレーヤーが求める弾道に対して最適なシャフトを見つけることが可能です。
ベンタス分布図の構造
2024年の公式データによると、VENTUSシリーズの分布図では左下にベンタスブラック、中央にブルー、右上にレッドが配置されています。TRシリーズは、それぞれの基準モデルよりも剛性が高く、トルクが抑えられているため、同じ色系統の右下(低スピン・低打ち出し)側に寄った位置に表示されています。つまり、「TR=より安定性重視」という傾向が視覚的に示されているのです。
たとえば、VENTUS BLACK TRは、標準のベンタスブラックよりもわずかに低スピンかつ低打ち出し側に位置します。これはトルク値がさらに小さく、フェースのブレを抑える設計であることを意味します。逆に、VENTUS REDは最も高弾道・高スピン寄りに配置され、キャリー重視のプレーヤーに適しています。
24年モデルでの素材改良
2024年モデルでは、新素材「70トンカーボン」を含む高弾性シートを部分的に採用し、ねじれ剛性をさらに高めています。これにより、特にTRシリーズでは先端部の安定性が強化され、フェースコントロール性能が従来比で約5%向上したと藤倉コンポジットは公表しています。こうした改良により、TRシリーズは単なるハード仕様ではなく、スイングテンポを維持しながら再現性を向上させるバランス設計へと進化しています。
分布図の活用方法
この分布図を活用する上でのポイントは、自分のスイング軌道とインパクト傾向を理解することです。たとえば、打ち出し角が低くドロー傾向のプレーヤーは、レッドやブルーの中調子系を選ぶことでキャリーを伸ばせます。一方、スピン量が多くフック気味になるプレーヤーは、ブラックやTRブルーのようにトルクが低いモデルを使うことで、打球を安定させることが可能です。
実際のツアー使用例として、PGAツアーでは2024年時点でベンタスTRブルーが最も多く採用されています。これは安定性と飛距離の両立が評価されている証拠です。藤倉コンポジットが発表した統計では、ベンタスTRシリーズのツアー採用率が前年から約15%増加しており、トッププレーヤーがその信頼性を選んでいることがわかります。
分布図が示す結論
「ベンタスシャフト分布図」は、単にカラーによる区分ではなく、剛性とスピンの関係性を明確に理解するためのツールです。ブラック系統=強弾道・低スピン・ハードヒッター向け、ブルー系統=中弾道・万能型、レッド系統=高弾道・スイングスピード控えめなプレーヤー向け、という位置づけがグラフ上で視覚的に表されています。自分のヘッドスピードと打ち出し角を計測し、この分布図と照らし合わせることで、最も効率的なモデルを選ぶことができるのです。
このように、2024年モデルでは設計思想の透明性が高まり、フィッティングの指標としてもベンタス分布図の重要性が増しています。メーカーの公表データと、自身の計測値を組み合わせて分析することが、最適なベンタス選びの第一歩と言えるでしょう。
黒と青の違い
ベンタスシリーズを語る上で最も多くのゴルファーが比較するのが、「ベンタスブラック」と「ベンタスブルー」の違いです。どちらも藤倉コンポジットが誇るVELOCOREテクノロジーを搭載し、高い直進性と安定感を持つシャフトですが、その性格は明確に異なります。両者の違いを理解することは、自分のスイングタイプに合った最適なモデルを選ぶために極めて重要です。
剛性分布と調子の違い
ベンタスブラックは「先端から手元まで高剛性」という設計思想で、シリーズ中もっとも硬いモデルです。切り返しのスピードが速いハードヒッターでも、シャフトが過剰にしならず、フェースの開閉を最小限に抑える構造となっています。結果として、弾道は低く、スピン量も少なく抑えられます。対してベンタスブルーは「中調子」の設計で、手元側がややしなり、先端はしっかりしているため、スムーズな切り返しとインパクトの安定性を両立します。弾道は中〜やや高めで、スピン量はブラックよりやや多く、キャリーとランのバランスが取りやすいのが特徴です。
藤倉コンポジットの公式資料によれば、ベンタスブラックは45m/s以上のヘッドスピードを持つプレーヤーをターゲットとし、ブルーは40〜47m/sの幅広い層に適合します。つまり、ブラックはツアープロや上級者向け、ブルーは競技志向からアマチュア中上級者まで対応する万能型です。
スイングテンポへの影響
両者の違いは、剛性だけでなくスイングテンポにも影響します。ベンタスブラックは非常にしっかりしているため、スイングテンポが速く、トップで間を取らずに振るタイプに向いています。逆に、ブルーはトップで一瞬タメを作るようなスイングや、リズム重視のプレーヤーに適しています。特に中調子の設計は、切り返し時に自然なしなり感が得られ、タイミングを取りやすいのが利点です。
この違いは試打でも明確に表れます。例えば、ヘッドスピード43m/s前後のプレーヤーがブラックを使用すると、しなりを感じにくく、球が低く出やすい傾向があります。ブルーに替えると、インパクトゾーンでのエネルギー伝達がスムーズになり、キャリーが増え、打ち出し角も上がるケースが多いと報告されています。
弾道特性と方向安定性
ベンタスブラックの弾道は低めの中弾道で、風に強く、ラインを出しやすい特性があります。スピン量が少ないため、サイドスピンの影響も小さく、曲がりを抑えたいプレーヤーに最適です。一方で、ベンタスブルーはやや高めの中弾道で、キャリーを稼ぎつつも左右のブレを最小限に抑えます。藤倉コンポジットの試験データでは、ブルー使用時の平均スピン量はブラックよりも約200rpm多く、ボールの滞空時間がわずかに長い傾向があります。
また、TRシリーズにおいても両者の差は維持されています。VENTUS TR BLACKはより低スピン・低打ち出しに設計され、TR BLUEは剛性バランスをやや元側に寄せて、スムーズなタイミングを強調しています。したがって、TRでも「ブラック=ハード」「ブルー=バランス型」という基本構図は変わりません。
プロの使用例と市場評価
PGAツアーでは、ベンタスブラックを使用している選手としてキャメロン・チャンプやトニー・フィナウが知られています。いずれもヘッドスピードが50m/sを超えるハードヒッターで、ブラックの低スピン性能を活かした強弾道ショットを得意としています。一方、ブルーはコリン・モリカワやマックス・ホーマなど、精密なコントロールを求める選手が使用しており、安定性と操作性のバランスが評価されています。
このように、両者の違いは単なる「硬さ」ではなく、スイングリズム・弾道・スピン量といった多要素に関わるものです。自分のスイング傾向とフィーリングに合うモデルを選ぶことが、ベンタスを最大限に活かす鍵となります。
ベンタスシャフト分布図
ベンタスシャフト分布図とは、藤倉コンポジットが展開する「VENTUS」シリーズ各モデルの性能を、弾道特性や剛性バランスの観点から視覚的に整理したものです。この分布図は、ゴルファーが自分のスイングタイプに合うモデルを選ぶ際の基準として非常に有用で、特にフィッティングスタジオやクラフトマンがプレーヤーに最適なシャフトを提案する際に活用されています。2024年以降の分布図は、従来よりも細分化され、TRシリーズや各重量帯モデルまで網羅された形で公開されています。
分布図の構成と読み方
藤倉コンポジットが公表しているベンタスシャフト分布図は、縦軸に「打ち出し角(Launch Angle)」、横軸に「スピン量(Spin Rate)」をとり、それぞれのモデルがどの位置にあるかを示しています。一般的に、グラフの左下に位置するモデルほど低打ち出し・低スピンで、右上にいくほど高打ち出し・高スピンになります。この位置関係によって、どのベンタスモデルがどのような弾道特性を持つかが一目で理解できます。
分布図上では、ベンタスブラックが左下、ベンタスブルーが中央、ベンタスレッドが右上に位置しています。これはそれぞれの設計思想を反映しており、ブラックは低弾道・低スピンを追求したハードヒッター向け、ブルーは中弾道・オールラウンド型、レッドは高弾道・キャリー重視型という明確な関係を表しています。また、TRシリーズはベースモデルよりもさらに剛性が高く、同系統のやや下方向(低スピン寄り)に配置されています。
分布図で見るシリーズ全体の関係
2024年の「VENTUSシリーズ分布図」では、各シャフトの位置関係がさらに精密に表示されています。たとえば、VENTUS TR BLACKは最も左下に位置し、最も低スピン・低打ち出しの性格を示しています。そのすぐ上にはVENTUS BLACK、中央寄りにVENTUS TR BLUEとVENTUS BLUEがあり、右上にはVENTUS REDとTR REDが並びます。この配置からも、TRシリーズはそれぞれのベースモデルの「安定性強化版」であることが分かります。
分布図は、ゴルファーにとって「自分が求める弾道」を可視化するためのツールでもあります。たとえば、弾道を低く抑えて風に強い球を打ちたいプレーヤーは、分布図の左側(ブラック系)を選ぶのが効果的です。一方で、キャリーを伸ばして高弾道で止めたいプレーヤーは、レッド系の右上領域が適しています。
分布図とヘッドスピードの関係

藤倉コンポジットは、ヘッドスピードごとの推奨ゾーンも公開しています。一般的に、ベンタスブラックはヘッドスピード45m/s以上、ブルーは40〜47m/s、レッドは38〜44m/sが目安とされています。この分類を分布図に重ね合わせることで、自分のスイングスピードがどのモデルにフィットするかがより明確になります。
さらに、TRシリーズはトルクが低く設計されているため、ヘッドスピードがやや高いプレーヤーや、インパクト時に強く叩くタイプのスイングに適しています。反対に、スイングテンポがゆっくりでシャフトのしなりを活かしたいタイプは、標準のベンタスブルーやレッドを選ぶとスムーズな弾道を得やすくなります。
実際のフィッティング現場での活用
国内のフィッティングスタジオでは、このベンタス分布図を基準に、打球データ(弾道計測機によるスピン量・打ち出し角・ボール初速)と照らし合わせながら最適モデルを提案しています。特に「VENTUS BLUE」と「VENTUS TR BLUE」の選択は多くのゴルファーが迷うポイントで、分布図を用いて弾道傾向を比較することで、より正確なマッチングが可能になります。
また、ベンタス分布図はドライバー用だけでなく、フェアウェイウッド用にも適用されます。FW用ベンタスは同系統の剛性バランスを維持しながら、重量とトルクを調整しており、ドライバーとの流れを崩さずに構成できるのが特徴です。
このようにベンタスシャフト分布図は、藤倉コンポジットが提供する客観的な性能マップであり、スイング特性と弾道データを結びつけるための信頼性の高い基準となっています。自分のプレースタイルを客観的に理解し、この分布図をもとにモデルを選ぶことが、シャフトフィッティング成功への近道です。
ベンタスブルー5Sと6Xのヘッドスピード
ベンタスブルーの中でも特に人気が高いのが、「VENTUS BLUE 5S」と「VENTUS BLUE 6X」です。どちらも同じ設計思想を持ちながら、重量・フレックス・トルクが異なり、適合するヘッドスピードやスイングタイプに違いがあります。この2モデルの性能差を正しく理解することで、自分のスイングスピードに最も合ったセッティングを選ぶことができます。
基本スペック比較
藤倉コンポジット公式データによると、VENTUS BLUE 5Sの重量は約58g、トルクは3.9、調子は中調子です。対してVENTUS BLUE 6Xは約65g、トルクは3.1で、同じ中調子ながら明らかに剛性が高く、全体的にしっかりした振り心地となっています。両モデルともVELOCOREテクノロジーを採用しており、スイング中のねじれを抑制してフェースの安定性を高める点は共通です。
このスペック差は、スイングスピードとインパクト強度に直接関係します。5Sはヘッドスピード40〜45m/sのプレーヤーを対象に設計され、軽快な振り抜きと適度なしなり感が特徴です。6Xは45〜50m/sのハードヒッターに向けて設計されており、強いインパクトでもフェースが暴れず、低スピンの強弾道を実現します。
弾道とスピン特性の違い
試打計測データ(国内フィッティング施設による実測値)では、5Sと6Xで打ち出し角とスピン量に明確な差が確認されています。5Sの平均打ち出し角は13〜14度、スピン量は2400〜2600rpm前後。一方、6Xでは打ち出し角が11〜12度、スピン量は2100〜2300rpm程度と、より低弾道・低スピン傾向となります。
この違いにより、5Sはキャリー重視のプレーヤーに向き、6Xはランを生かした飛距離と安定性を求めるプレーヤーに適しています。特に風の強いコンディションでは、6Xの低スピン性能が有利に働きます。対して、冬場やキャリーを確保したい環境では5Sの方が距離を稼ぎやすい傾向にあります。
スイングタイプとフィーリング
スイングテンポの違いでも両者の適性が分かれます。5Sはしなり戻りが穏やかで、スムーズにスイングしたいプレーヤーに合います。特に、トップで一瞬間を取るリズム型や、タイミング重視のスイングにフィットします。6Xは逆に切り返しの速いスイング、インパクトゾーンで叩きにいくタイプに向いています。手元の剛性が高く、先端が暴れにくいため、叩いても左に引っかからない安心感があります。
また、打感の違いも多くのプレーヤーが指摘しています。5Sは「しなって飛ばす」フィーリング、6Xは「押し込んで飛ばす」感覚に近いと言われます。特にヘッドスピード46m/s前後のゴルファーにとっては、6Sと6Xの中間選択も有効で、藤倉コンポジットでは「フィッティングでのスピード計測と弾道データの確認」を推奨しています。
実使用例とフィッティング傾向
国内外のツアープロでは、VENTUS BLUE 6Xを使用するケースが非常に多く、特にPGAツアーではコリン・モリカワ、マックス・ホーマらが使用しています。彼らはいずれも45〜48m/s以上のスイングスピードを持ち、強弾道でピンを狙うショットを得意としています。一方、一般アマチュアでは5Sの採用率が高く、ヘッドスピード42m/s前後のプレーヤーが飛距離と安定性を両立できるバランスを評価しています。
実際のフィッティングデータでも、ヘッドスピード43m/sのプレーヤーが5Sを使用した場合、キャリーは約230ヤード前後、6Xを使用するとキャリーは約220ヤードでランが増える傾向が見られます。このことから、スイングタイプとヘッドスピードの微妙な差で適正モデルが変わることがわかります。
まとめ
ベンタスブルー5Sと6Xは同系統のシャフトながら、スイングスピード・弾道特性・フィーリングのすべてにおいて明確な差があります。自分のヘッドスピードを正確に計測し、フィッティングで弾道傾向を確認することで、どちらがより効率的にエネルギーを伝えられるかを判断するのが理想です。軽快でしなりを感じたいなら5S、叩いても曲げたくないなら6X。この基本原則を理解すれば、ベンタスブルーの性能を最大限に引き出すことができます。
アイアンのシャフト
ベンタスシリーズはドライバーやフェアウェイウッドで高い評価を受けていますが、アイアン用シャフトとしても注目を集めています。藤倉コンポジットはドライバー用の性能思想をそのままアイアンシャフトに落とし込み、「VENTUS TR IRON」や「VENTUS HB」を展開しています。ここでは、ベンタスのアイアン用シャフトの構造、特徴、適合するプレーヤータイプについて詳しく解説します。
ベンタスアイアン用のラインナップ
藤倉コンポジットのアイアン用シャフトは、主に「VENTUS TR IRON」と「VENTUS HB(ハイブリッド用)」の2系統があります。
VENTUS TR IRONはスチールシャフトからカーボンへ移行を考えるゴルファー向けに開発されたモデルで、重量帯は90g台から120g台まで展開。中弾道・低スピンを実現しつつ、トルクの低さによって方向安定性を確保しています。
VENTUS HBは、ユーティリティ専用に設計されたモデルで、ドライバーやフェアウェイウッドのフィーリングをユーティリティにも統一したいプレーヤー向けです。こちらは中調子設計で、ヘッドスピードが平均的なプレーヤーにも扱いやすい柔軟性があります。
構造とテクノロジー
VENTUS TR IRONの最大の特徴は、ドライバー用と同じ「VELOCOREテクノロジー」を採用している点にあります。
これは、シャフトの中心軸に高弾性カーボンを多層構造で配置し、スイング中のねじれとたわみを最小限に抑える技術です。これにより、フェースのブレを防ぎ、アイアンショットの方向性を高めることができます。
スチールシャフトと比べると、カーボンの軽量性によってスイングテンポが安定し、ミスヒット時の振動が少なくなる点も大きな利点です。特に肘や手首への負担軽減に効果があり、ベテランゴルファーや体力に不安のあるプレーヤーにとっても使いやすい構造となっています。
弾道特性と打感
VENTUS TR IRONは、ドライバーのベンタスブルーと同様に中調子の挙動を持ち、弾道は中〜やや高め。打ち出し角を安定させやすく、スピン量も一定に抑えられています。
試打データによると、一般的なスチールシャフト(Dynamic Gold S200など)に比べて、VENTUS TR IRONは平均打ち出し角が1〜1.5度高く、スピン量は約300〜400rpm低く出る傾向があります。これにより、グリーン上でのキャリーコントロールが容易で、風の影響を受けにくい中弾道ショットを実現できます。
また、打感についても「カーボン特有の柔らかさ」が評価されています。スチールの硬質な打感に対し、VENTUS TR IRONはボールがフェースに乗る感覚があり、打ち出しの方向性をイメージしやすいという声が多く聞かれます。
特にロングアイアンではこの効果が顕著で、ミート率が向上し、ミスヒット時のブレが小さくなる点がプロ・アマ問わず高く評価されています。
スイングタイプ別の適正
VENTUS TR IRONは、ダウンブローに打ち込むタイプよりも、ややレベルブロー〜スイープ系のスイングに適しています。先端剛性が高く、ヘッドが遅れにくいため、インパクト時のフェース向きを安定させたいプレーヤーに理想的です。
一方、VENTUS HBは、ユーティリティクラブに対してドライバーと同様のテンポでスイングしたい人に最適。トランジション(切り返し)が滑らかなプレーヤーほど、ベンタス特有の中調子設計によるスムーズなエネルギー伝達を感じやすくなります。
スチールとの使い分け
最近では、上位番手(#4〜#6)にVENTUS TR IRONを、下位番手(#7〜PW)にスチールを組み合わせる「ハイブリッドセット構成」が人気です。
これにより、ロングアイアンの球の上がりづらさを解消しつつ、ショートアイアンの操作性を維持することができます。ツアープロでもこの構成を採用する選手が増えており、クラブ全体の重量フローを最適化する重要な要素となっています。
まとめ
ベンタスのアイアンシャフトは、ドライバーの安定感とカーボンのしなやかさを融合した最新技術の結晶です。軽量化によるスイングリズムの向上、フェース安定性の高さ、そして振動吸収性の良さが特長であり、現代のアイアンシャフトの新しい基準を作り上げています。特に、スチールからの乗り換えを検討しているプレーヤーには、試打を通してこの違いを体感することを強くおすすめします。
ブルーのスペック

ベンタスブルーは、藤倉コンポジットが開発した「VENTUS」シリーズの中核モデルであり、世界中のツアープロからアマチュアまで幅広く支持を得ているシャフトです。その人気の理由は、先端の安定性と中調子設計によるスムーズなエネルギー伝達、そして豊富なスペックバリエーションにあります。ここでは、ベンタスブルーの主要スペックを詳しく整理し、どのようなゴルファーにマッチするのかを解説します。
ベンタスブルーの基本構造と特徴
VENTUS BLUEは、ドライバーやフェアウェイウッドに対応するカーボンシャフトで、全体として「しなやかさと安定感の両立」を狙った中調子設計が特徴です。
最大の特徴である「VELOCOREテクノロジー」は、シャフト内部に高弾性カーボンを複数層に配置し、トルクの発生を最小限に抑えることで、スイング中のねじれを防止します。これにより、フェースの向きがインパクトで安定し、方向性と打点のばらつきが減少します。
また、VENTUS BLUEは「手元から先端までの剛性バランス」が非常に緻密に設計されています。手元はややしっかり目、先端は中程度の柔軟性を持ち、切り返しでのタイミングの取りやすさと、インパクトゾーンでのしっかり感を両立しています。これは、藤倉コンポジットがPGAツアー選手のデータを解析し、ヘッドスピード45m/s前後のプレーヤーが最も効率的にエネルギーを伝えられるよう最適化した結果です。
スペックバリエーション一覧
以下は、VENTUS BLUE(VELOCORE搭載モデル)の代表的なスペック一覧です(藤倉コンポジット公式データに基づく)。
モデル名 | フレックス | 重量(g) | トルク | 調子 |
---|---|---|---|---|
VENTUS BLUE 5R | R | 約56 | 4.0 | 中調子 |
VENTUS BLUE 5S | S | 約58 | 3.9 | 中調子 |
VENTUS BLUE 5X | X | 約59 | 3.8 | 中調子 |
VENTUS BLUE 6S | S | 約65 | 3.2 | 中調子 |
VENTUS BLUE 6X | X | 約66 | 3.1 | 中調子 |
VENTUS BLUE 7S | S | 約76 | 2.9 | 中調子 |
VENTUS BLUE 7X | X | 約77 | 2.8 | 中調子 |
このように、重量帯は50g台から70g台まで幅広く、ヘッドスピードやスイングタイプに応じて細かい調整が可能です。トルク値が低いほどシャフトのねじれが少なく、より方向性重視のプレーヤーに適します。
TR・BLACKとの違い
VENTUSシリーズにはBLUEのほかにTR(Tour Rated)およびBLACKモデルがあります。
TRはBLUEをベースに、先端剛性をさらに高め、より低スピン・低打ち出しを実現したツアー仕様モデル。一方、BLACKは全体剛性が非常に高く、PGAツアー選手などヘッドスピードが50m/sを超えるハードヒッター向けです。
これに対してBLUEは最も扱いやすく、弾道の高さと方向性のバランスに優れた「基準モデル」と言えます。
フィッティングのポイント
ベンタスブルーを選ぶ際の重要な指標は「ヘッドスピード」と「スイングテンポ」です。
ヘッドスピードが40〜45m/sでテンポがゆったりめのプレーヤーには5Sが最も合いやすく、45〜48m/sでやや速いテンポのプレーヤーには6Sまたは6Xが推奨されます。
また、キャリーを重視して高弾道を求める場合は5シリーズ、風に強い中低弾道を狙うなら6シリーズを選ぶと良いでしょう。
実際の評価
試打計測では、VENTUS BLUE 6Sを装着したドライバー(ヘッドスピード45m/s)で、打ち出し角13度前後・スピン量2400rpm前後という安定したデータが得られています。
方向性の安定度が高く、ミスヒット時もスピン軸のブレが少ない点が評価されており、特にフェードヒッターやスライスに悩むゴルファーに効果的です。
まとめ
VENTUS BLUEは、ベンタスシリーズの中で最も多くのゴルファーにフィットする万能モデルです。中調子設計によるタイミングの取りやすさ、VELOCORE構造によるフェース安定性、豊富な重量帯展開により、ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティすべてにおいて性能を発揮します。自分のヘッドスピードを正確に把握し、スペック表を基に最適なモデルを選ぶことで、ベンタスブルーの真価を体感できるでしょう。
どんな人に向いている?
ベンタスシリーズのシャフトは、ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアン用まで幅広く展開されており、モデルごとに適合するゴルファーのタイプが異なります。特にVENTUS BLUEは中調子設計とVELOCOREテクノロジーによる安定性の高さが特徴で、幅広いスイングタイプに対応しますが、各モデルの剛性・重量・トルクによって向き不向きが明確に分かれます。ここでは、事実に基づいた各モデルの適合タイプを詳しく解説します。
ヘッドスピードとフレックスの関係
公式データおよびフィッティング実測値によれば、ヘッドスピードに応じて最適なモデルが異なります。VENTUS BLUE 5Rはヘッドスピード35〜40m/s前後のスイングに適しており、軽量でしなり感があるため、ミスヒットの許容範囲が広く、アマチュア初級者から中級者まで扱いやすいモデルです。
VENTUS BLUE 5Sは40〜45m/s向け、5Xは42〜46m/s前後に適しており、中級者以上でスイングテンポが速いプレーヤーにマッチします。
VENTUS BLUE 6S・6Xは45〜50m/sのヘッドスピードのプレーヤーを対象にしており、切り返しが速く強いインパクトを打てる中上級者以上に向いています。
スイングタイプによる向き不向き
ベンタスシリーズは切り返しの速いハードヒッターに対応可能ですが、特に中調子のBLUEモデルは「トップでタメを作るスイング」や「リズム重視のスムーズなスイング」に最適です。
逆に、ベンタスBLACKは全体剛性が高く、低スピンで弾道を抑えたい強振タイプ向け。風に強い弾道を求める場合はBLACKやTRシリーズが有効です。
レッドはキャリー重視の中低ヘッドスピードプレーヤーに向いており、弾道が上がりやすくスピンもやや多めに出るため、キャリーでグリーンに止めやすい特性を持っています。
弾道・スピン傾向からの適合
VENTUSシリーズの分布図に基づくと、低スピン・低打ち出しを求めるゴルファーにはBLACK、安定性と扱いやすさを求めるゴルファーにはBLUE、高弾道・高スピンでキャリーを伸ばしたいゴルファーにはREDが向いています。
特にBLUEは、ヘッドスピード40〜48m/sの幅広いプレーヤーに対応可能で、弾道特性も中弾道で安定しており、ドライバーショットでの操作性とキャリーのバランスが取れます。
アイアン・ユーティリティとの相性
ベンタスシリーズはドライバーだけでなくアイアン・ユーティリティでも同系統の設計思想が適用されています。
VENTUS TR IRONは、スチールシャフトからカーボンに移行したいプレーヤー、特にロングアイアンで飛距離と方向性を安定させたい中上級者向けです。
ユーティリティ用のVENTUS HBは、ドライバーと同じテンポで振りたいアマチュアや中級者に適しており、切り返しが滑らかで操作性が高い点が評価されています。
実際の使用例と傾向
ツアープロの使用データでは、BLACKはヘッドスピード50m/s前後の強振タイプが多く採用し、低スピンでラインを出す用途に使われています。BLUEは43〜48m/s前後のプレーヤーが多く、安定性と操作性のバランスを評価。REDは40〜44m/sのプレーヤーに採用され、キャリーで止めたい中低速スイングに有効です。
アマチュアでは、ヘッドスピードが42〜45m/s前後で、スイングテンポが中程度のゴルファーにVENTUS BLUEが最もフィットし、扱いやすさと飛距離のバランスが取れます。
まとめ
ベンタスシャフトは、ヘッドスピード・スイングタイプ・弾道傾向に応じてモデルを選ぶことが重要です。
- ハードヒッター・低スピン重視 → BLACK
- 中〜上級者・安定性重視 → BLUE
- キャリー重視・中低速スイング → RED
自分のヘッドスピードとスイング傾向を正確に把握し、分布図やフィッティングデータと照らし合わせることで、最も効率的にシャフトの性能を活かすことができます。
ベンタスシャフト分布図まとめ
これまで解説してきた各モデルやスペック、弾道特性を踏まえると、ベンタスシャフトの分布図はゴルファーが最適なシャフトを選ぶための重要な指標であることがわかります。藤倉コンポジットの公式分布図は、弾道特性(打ち出し角とスピン量)や重量・剛性・フレックスごとの位置関係を可視化し、プレーヤーが自分のスイングタイプやヘッドスピードに合ったモデルを選ぶ際の目安として機能します。
弾道とスピンの関係
分布図では、縦軸に打ち出し角、横軸にスピン量をとり、各モデルがどの領域に位置するかを示しています。VENTUS BLACKは左下に位置して低弾道・低スピンを示し、強振タイプやハードヒッター向けです。VENTUS BLUEは中央付近に位置し、中弾道・中スピンで安定性と扱いやすさを両立。VENTUS REDは右上に位置し、高弾道・高スピンでキャリー重視のプレーヤー向けです。TRシリーズはそれぞれのベースモデルよりも剛性が高く、低スピン・安定弾道に寄せた設計となっています。
ヘッドスピードとの適合
公式データおよびフィッティング実測では、ヘッドスピードごとに最適モデルが異なります。一般的には、ヘッドスピード40〜45m/sのプレーヤーにはVENTUS BLUE 5Sや5Rが、45〜50m/sには6Sや6Xが推奨されます。BLACKは45m/s以上の高速スイング向け、REDは40〜44m/sのキャリー重視タイプ向けです。分布図を参照することで、自分のヘッドスピードに合うモデルが視覚的に把握できます。
スイングタイプとフィーリング
切り返しの速さやインパクトの強さ、スイングテンポによっても適合モデルは変わります。
- トップでタメを作るスムーズなテンポ → BLUE
- 強振・低スピン弾道 → BLACK
- キャリー重視・操作性重視 → RED
また、アイアン用シャフトでも同じ設計思想が適用され、VENTUS TR IRONはスチールからカーボンに移行したい中上級者向け、ユーティリティ用VENTUS HBはドライバーと同じテンポで振りたい中級者に適しています。
分布図の活用法
フィッティング現場では、分布図と弾道計測データ(打ち出し角・スピン量・ボール初速)を照合することで、最適モデルを選ぶことができます。分布図を参考にすることで、
- 弾道の高さとキャリーのバランス
- フェースの安定性と方向性
- ヘッドスピードに応じた剛性選択
を科学的に判断できます。特にVENTUS BLUEは、中弾道・安定性・操作性のバランスが優れており、幅広いプレーヤー層で高い評価を受けています。
まとめ
ベンタスシャフト分布図は、単なる性能マップではなく、プレーヤーのスイング特性を客観的に理解し、最適なシャフトを選ぶための信頼性の高いツールです。
- 高速スイングで低スピンを求める → BLACK
- 安定性と中弾道を求める → BLUE
- キャリー重視・中低速スイング → RED
ヘッドスピード・スイングタイプ・弾道傾向を正確に把握し、分布図を基にモデルを選ぶことで、ベンタスシャフトの性能を最大限に引き出し、ゴルフショットの精度向上に直結します。