
アイアンシャフト選びで「軽すぎて安定しない」「重すぎて振り切れない」という悩みを持つゴルファーに、長く選ばれ続けているのが NS PRO 1050GH です。950GH の軽快さと、MODUS 120 のような重量系の安定感の、まさに中間に位置するモデルとして発売以来の人気を維持しています。
特に、ヘッドスピードがそこそこあるのに軽量スチールではタイミングが合わない、自分で振りたい人に支持され続けています。
本記事では、「NS PRO 1050GH 評価」を軸に、ヘッドスピード適正、振動数、剛性分布、リシャフトの注意点、プロ使用モデルとの比較などを事実ベースで詳細に解説していきます。
記事の内容一覧
- NSPRO1050GHヘッドスピード
- 振動数
- 合う人
- リシャフト
- NSPRO1050GH評価と特徴
- 剛性分布
- スペック
- 1150GHTOUR振動数
- プロのシャフト比較
- NSPRO1050GH評価まとめ
目次
NS PRO 1050GH 評価|ヘッドスピード・振動数・剛性・比較を総まとめ
「NS PRO 1050GH 評価」をテーマに、ヘッドスピード適正・剛性分布・振動数といった性能に直結する情報を整理します。また、リシャフト検討時の注意点や、同メーカーの 1150GH TOUR、他の人気スチールシャフトとの比較も含めて紹介。1050GH は、重量と振り抜きやすさのバランスが良く、方向性を安定させたいゴルファーに向いています。
NSPRO1050GHヘッドスピード
NS PRO 1050GH が最も性能を発揮しやすいヘッドスピードは アイアンで約 40〜45 m/s が目安 とされています(ドライバー換算 約 43〜47m/s)。1050GH は「軽量スチールよりも安定性が欲しいが、MODUS 120 や Dynamic Gold のような重量系は振り切れない」という中間層向けの重量帯で、R 約 103g / S 約 109g の設定です。
1050GH とヘッドスピードの関係
| アイアンヘッドスピード | 適性度 | コメント |
|---|---|---|
| 37〜39m/s | △ | 重さを感じやすく、球が右に出やすい |
| 40〜45m/s | ◎ 最適な重量帯で最大性能 | |
| 46m/s以上 | ○ | 重量系(MODUS120 / DG)へ移行しやすいが使用可能 |
特徴①:タイミングが取りやすい
軽量シャフトのように手先で操作する動きが減り、切り返しでシャフトが暴れずに 「素直にしなる」 といわれています。
特徴②:左へのミス(引っかけ)が減りやすい
軽量シャフトで球がつかまりすぎる人が 1050GH へ変更すると、
- 弾道が安定
- 左へのミスが減少
- ミート率が向上
というケースがフィッティングで多く報告されています。
特徴③:弾道は低〜中弾道で安定
950GH → 上がりやすい
1050GH → 低めに出てスピンが増える
MODUS120 → 中〜高弾道で強い球
という傾向が現場の試打データにも共通しています。
✅ 軽量スチールで散る → 1050GHへ
✅ 重量スチールがしんどい → 1050GHへ
ヘッドスピードが 42〜44m/s のゴルファーが、最も恩恵を受けるシャフトです。
振動数
NS PRO 1050GH の評価を語る上で欠かせないのが 振動数(CPM:cycles per minute) です。振動数とは、シャフトの硬さを数値化した指標で、一般的に 数値が大きいほど硬い、小さいほど柔らかいと判断されます。重量・剛性・しなり戻りの速さが弾道の安定性に直結するため、フィッティング現場でも非常に重要なデータです。
振動数の基礎
振動数測定の一般的な条件は以下です:
- シャフト単体ではなく クラブ長 5番アイアン(約38インチ)で測定
- バット側を固定し、ヘッド側を振動させて測定
- 数値が 300CPM を超えると「硬い」、280CPM 付近は「標準」とされる
1050GH は 硬めの中量級 に位置づけられ、NS PRO 950GH より明確に数値が高くなります。
1050GH 振動数の実測値(市販スペック基準)
| シャフト | フレックス | 振動数(5番アイアン基準) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| NS PRO 950GH neo | S | 約285 CPM | 軽量、シャフトが動きやすい |
| NS PRO 1050GH | S | 約295〜300 CPM | 中量、剛性感が強く安定性重視 |
| MODUS 105 S | S | 約300 CPM | 同等だがしなり戻りが速い |
| MODUS 120 S | S | 約305 CPM | 重量+剛性で競技志向 |
※クラブ長・組み合わせヘッドによって数値差が出ますが、1050GH の振動数は 「軽量帯より硬く、重量帯より少し柔らかい」 ポジションに収まります。
1050GH の振動数が意味するもの
1050GH の特徴は しなり戻りが素直で、過度に走りすぎない こと。特に、
- 950GH(軽量)で球が左に出る
- スイング中にシャフトが動きすぎる
- オートマチック感より 自分でコントロールする感覚が欲しい
というタイプに対し、1050GH の硬さとしなり特性は非常にマッチします。
実際のフィッティング現場で見られる変化
- インパクト時のばらつきが減る
- 左への引っかけミスが激減
- スイングテンポが整いやすい
特に「切り返しで手元が浮く」「軽いシャフトだと当たりが安定しない」ゴルファーにとって、1050GH は 適度な硬さがスイングの重心を安定させる 効果があります。
✅ まとめ:1050GH の振動数は「安定感に振った中重量・剛性シャフト」
軽量のような走り感より、芯を食う確率を上げるシャフト といえます。
合う人

NS PRO 1050GH が実際にフィッティング現場やクラブメーカーの採用実績から見ても どんなタイプのゴルファーに合うのか を、事実ベースで整理します。1050GH は「ただ中間重量」というだけではなく、剛性設計と振動数バランスによって 明確な対象ユーザーが存在します。
✅ 1050GH が合うゴルファーの共通点(結論)
- アイアンの ヘッドスピードが 40〜45m/s
- 950GH(軽量スチール)だと球が つかまりすぎたり、左に巻く
- MODUS120 や Dynamic Gold では 重すぎて振り切れない
- スイングテンポは 標準〜速め
- シャフトが暴れない 「素直なシャフト」を求めている
一言でいうと、
「軽量では物足りないが、重量シャフトは重い」層に刺さるシャフト
これが 1050GH の存在価値です。
1050GH が特に向いているタイプ(具体例)
① 軽量スチールで球が散る人
軽量スチール(950GH neo、820GH など)は手元が走るため、タイミングが合わない人がいます。
1050GH に変えることで 切り返しでのシャフトの暴れが減り、方向性が安定 します。
例:
- アイアンの飛距離は出るが 左右ブレが大きい
- ラウンド後半で 球が左に出始める
- ヘッドスピードに対して シャフトが軽すぎる
こういう人に 1050GH は 最適な負荷を与え、再現性を高める 効果があります。
② 自分でコントロールして打ちたい人
1050GH は オートマチック系ではなく、操作性系 のシャフトです。
スイング軌道やフェース角を 自分で調整したいタイプ に向いています。
- フェード・ドローを打ち分けたい
- 上がりすぎる球が嫌い
- スピンをしっかり入れたい
というゴルファーに合います。
③ 中〜低弾道+スピン量を増やしたい人
1050GH の剛性配分は、軽量スチールより スピン量が増える傾向 にあります。
特に 7I 以上の番手で グリーンで止まる球が打ちやすくなる と言われています。
| シャフト | 弾道の傾向 |
|---|---|
| 950GH neo | 高弾道、つかまる、初速が出やすい |
| 1050GH | 中〜低弾道、スピン量安定、散らない |
| MODUS120 | 高弾道で強い球、上級者向け |
球が上がりすぎる人は、1050GH で高さを抑えられる ケースが多いです。
④ アイアンを「振らされる」のではなく「振りたい」人
軽いシャフトは、
シャフトに手が振らされる=スイングテンポが乱れやすい
1050GH は、
✅ 自分のタイミングで振れる=スイングが安定する
これは 剛性分布 によるもので、1050GH の設計は手元(バット側)剛性が高く、しなりすぎないので、
- 早い切り返し
- 強いダウンブロー
でも破綻しません。
逆に、1050GH が合わない人の特徴
- アイアンのヘッドスピードが 37〜39m/s未満
- ゆったり上げて、ふわっとタイミングを取るスイング
- 自動的に上がって欲しい人(→ 950GH neo が合いやすい)
重めに感じてしまい、右に抜けるミス が出やすくなります。
実際によく聞くフィッティング結果(事実ベース)
フィッティングスタジオで 950GH → 1050GH に変えたゴルファーの多くは、
- 左右のブレが減る
- 打点が安定する
- インパクトが強くなる
この変化を実感しています。
「重すぎたら振れなくなるのでは?」
→ 実際は逆で、適正重量は再現性を上げる のです。
✅ まとめ:1050GH が合う人とは?
軽すぎるシャフトだと不安定、重すぎると疲れる。
その中間で「振れる範囲で最も安定」するのが 1050GH。
重量ではなく、パフォーマンスで選びたい人のシャフト です。
リシャフト
NS PRO 1050GH を検討する際、多くのゴルファーが直面するテーマが 「リシャフトするべきか、新品を買うべきか」 です。アイアンのシャフト交換はドライバーよりも難しく、費用や適合性の判断を誤ると お金だけかかって効果が出ない ケースもあります。このセクションでは、1050GH へのリシャフトを検討する際に知っておくべき現実的な情報(費用、注意点、失敗しない見極め方)を、事実ベースで 1000 文字以上で解説します。
✅ リシャフトの前に必ず確認すべきこと
1050GH へのリシャフトが成功する条件は以下です。
- 元のシャフトより 重さが重くなる
- 元のシャフトより 剛性(振動数)が上がる
- 自分のヘッドスピードとマッチする
例えば、
- 950GH(約 98g) → 1050GH(約 109g)
- 820GH(約 87g) → 1050GH
このように重さがしっかり増えるケースでは、安定性向上の効果が出やすくなります。
逆に、
- MODUS120(約 114g) → 1050GH(約 109g)
のように 軽くなる方向のリシャフトは基本的に失敗しやすい とされています。
✅ リシャフト費用の相場(2025時点)
| 内容 | 実際の価格帯 |
|---|---|
| シャフト代(NS PRO 1050GH / 1本) | 約 4,000〜6,000円 |
| 組み替え工賃(グリップ交換含む) | 1本あたり 3,300〜5,500円 |
| 8本セットでの合計 | 約 56,000〜88,000円 |
※店舗により価格は前後します。
結論:セットリシャフトはけっこう高い。
新品のアイアンセットを買えてしまう金額になることもあり、
「だったら最初から1050GHを装着したモデルを選ぶ」
この判断も合理的です。
✅ リシャフトして効果が出るケース
- 950GHで 左に巻く or 球が散る
- アイアンが ハイボール・高スピン・吹け上がる
- 軽量シャフトで 振り急いでしまう
- ヘッドスピードが 40〜45 m/s
1050GH に変えることで、
- 振動数(硬さ)が上がり、球が散らなくなる
- シャフトが暴れず、打点の安定につながる
- 弾道が 低〜中弾道になってグリーンに止まる
という効果が期待できます。
✅ リシャフトしない方がいいケース
- アイアンのヘッドスピードが 37m/s 未満
- 上がりやすいシャフトを求めている(→ 950GH neo が合いやすい)
- テンポがゆったりで、スイング中に「走らせたい」タイプ
この場合は 重さが増え過ぎ、右に抜けるミスが出やすい です。
✅ リシャフトは「ヘッドとシャフトの相性」が最重要
よくある勘違い:
「シャフトを変えればすべて改善する」
実際は違います。
アイアンは ヘッド重量・バランス・重心設計 まで影響します。
1050GH と相性が良いヘッド(事実ベース)
共通点は 重心が低すぎず、操作性寄りのモデル。
| メーカー | 合いやすいヘッドの傾向 |
|---|---|
| Titleist(タイトリスト) | T100 / T150 / T200(中級〜上級向け) |
| Mizuno(ミズノ) | JPX ツアー、ミズノプロ シリーズ |
| Srixon(スリクソン) | ZX5 / ZX7 |
| Ping(ピン) | i230 / i525(ややしっかり系) |
逆に、
- 超大型ヘッド
- 超ストロングロフト
- ボールが上がりすぎる設計
こういった アシスト系ヘッド には、1050GH はメリットが減ります。
✅ リシャフト前に必ずやるべき確認(重要)
フィッティングスタジオやゴルフショップで、
- 5番アイアンでの振動数測定
- 適正スイング重量(SW)確認
- 本数(7I だけで判断しない)
これを確認しないで「なんとなく良さそう」で進めると、失敗の原因 になります。
✅ リシャフト成功の判断基準
| 確認項目 | 1050GHに変えて改善すべき点 |
|---|---|
| 打点位置 | ばらつく → 安定 |
| 左へのミス | 減る |
| スイングテンポ | 落ち着く |
| 高さ | 適正になる(吹け上がりが減る) |
✅ 3つ改善すればリシャフト成功と判断できる
まとめ(リシャフトの判断基準)
950GHが軽すぎて散る → 1050GHはリシャフトする価値がある
MODUS120 → 1050GH は失敗しやすい(軽くなるため)
費用対効果は決して安くありませんが、ヘッドスピードが合っている人には確実な改善が出るシャフト です。
NSPRO1050GH評価と特徴

NS PRO 1050GH は日本シャフトが 1990 年代後半から販売している中重量帯スチールシャフトで、長年にわたり多くのアマチュアに使われてきたモデルです。重量の目安は「S フレックスで約 106.5g」、トルクは 1.9° 前後と、軽量の 950GH と重量帯の 1150GH の中間に位置します。この絶妙な重量バランスにより、「軽すぎるとタイミングがとれない」「重すぎると振り切れない」というゴルファーから安定した評価を受けています。
1050GH の特徴は、手元の適度なしなりと先端の剛性が高いことです。これにより、トップからダウンスイングの切り返しでシャフトが戻りやすく、インパクトでヘッドがブレにくいという特性があります。一般的に、中重量帯のシャフトはコントロール性が高くなる傾向がありますが、1050GH は同重量帯の他シャフトと比較しても「操作性と振り抜きやすさ」のバランスが良いと評価されています。
また、シャフト重量がある程度あるため、ヘッドスピードを無理に上げなくても、しっかりとした球を打ちやすいという点も強みです。例えば 950GH を使っているプレイヤーが「振り急ぎ」や「当たり負け(フェースが開く)」を感じている場合、1050GH に変えることでスイングテンポが安定し、重さを感じながら振れるようになります。
使用環境で特に評価される点
- アイアンのバラつきが減る
- ダフリやすいプレイヤーでも、重さがスイングをサポートする
- 重量があることでトップ気味のミスが減る
- 中重量帯なのに、スチールの中では疲れにくい
1050GH は重量のあるシャフトに多い「硬くてシビア」という印象が薄く、中量級ながら扱いやすいというのがユーザーからのリアルな意見として多くあります。
フィードバック(ユーザー傾向)
多くの評価として、
- コントロールが良い
- 高く上がりすぎない
- 左に行きにくい
といった声があります。特に「高さが出すぎない」という点は、軽量シャフトから乗り換えるユーザーがすぐに実感する変化です。軽いシャフトではヘッドが返りすぎてフックするケースがありますが、1050GH は先端剛性があるため方向性が安定します。
他モデルとの違い
| シャフトモデル | 重量帯 | 特徴 | 合うプレイヤー |
|---|---|---|---|
| 950GH | 軽量 | 高弾道、つかまりが良い | ヘッドスピードが遅め |
| 1050GH | 中重量 | 操作性、コントロール性 | 振り急ぎを抑えて安定したい人 |
| 1150GH TOUR | 重量 | 低スピン、強弾道 | ヘッドスピード速め・強い球を打ちたい |
1050GH は「操作性と安定性」を求めるゴルファーに向いており、実際にリシャフトで選ばれるケースも多く、特に 950GH から 1050GH への乗り換え が非常に多いです。これは、重量増によるスイングテンポの安定と、インパクト時のヘッドのブレ低減という効果が期待できるためです。
結論として、1050GH は中量級シャフトでありながら扱いやすく、方向性と安定性を求めるプレイヤーに適しています。重さを利用してスイングを整えたいプレイヤーや、軽量シャフトでのミスが気になるゴルファーにとって、試す価値があるモデルです。
剛性分布

NS PRO 1050GH の剛性分布(シャフト全体の硬さの配分)は、「手元がややしなり、中間部がスムーズに動き、先端がしっかりしている」という特徴がある。これは日本シャフトが公開しているデータや、メーカー説明、クラフトマンの振動数測定結果に基づく評価で、弾道の安定性と方向性を重視した設計となっている。
剛性分布の特徴(手元 → 中間 → 先端)
1050GH の剛性分布は以下のような特徴を持つ。
- 手元側:しなり感があり、切り返しでタイミングが取りやすい
- 中間部:滑らかに動くためスイングテンポが安定する
- 先端側:硬めでフェースがブレにくく方向性が出しやすい
特に先端部の剛性が高いことにより、軽量シャフトで起こりやすい「ヘッドが返りすぎて左に飛ぶ」ミスを抑えられる。先端がしっかりしているため、インパクトでロフトが立ちやすくなり、高さの出すぎやスピン量過多を抑える効果がある。
剛性分布の違いが球筋に与える影響
- 中間部のしなりにより、打ち出し角が必要以上に高くなりすぎない
- 先端の剛性により、方向性が安定しやすい
- 重さと剛性のバランスにより、振り急ぎが減る
同じ重量帯のシャフトでも剛性分布の違いは弾道に大きく影響を与える。1050GH は「高く上がりすぎず、コントロールできる球」を作りやすい。
剛性分布比較(1050GH / 950GH / 1150GH TOUR)
| モデル | 手元剛性 | 中間剛性 | 先端剛性 | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 950GH | やわらかい | やわらかい | しなりやすい | 高弾道・つかまり重視 |
| 1050GH | しなりあり | 滑らか | しっかり | 操作性・方向安定性 |
| 1150GH TOUR | しっかり | しっかり | 非常に硬い | 中低弾道・強い球 |
1050GH は、950GH と 1150GH TOUR の「中間」ではなく、「しなりと先端剛性のバランスが良い」というカテゴリに収まる。
剛性分布が合うスイング
- 切り返しを速くしないゴルファー
- 手元のしなりでテンポを作りたいゴルファー
- 左へのミスを減らしたいゴルファー
ダウンスイングでタメが作りやすく、インパクトまでフェース向きが安定するため、方向性が良くなる。
シャフトを振り比べた際の実例傾向
クラフトマンのフィッティング経験では、1050GH に替えることで以下の変化が見られることが多い。
- 軽量シャフトを使っていた人 → 左のミスが減る
- 重いシャフトから軽くした人 → 球が上がりやすくなる
- 中量帯から乗り換えた人 → コントロール性が向上する
特に軽量の 950GH から 1050GH に変更したユーザーの多くは「方向性が良くなった」と感じやすい。これは先端側の剛性が高く、ヘッドがブレにくいことが要因である。
剛性分布から見た結論
1050GH の剛性分布は「スイングの再現性を高める」方向に寄っている。
手元がしなって中間がスムーズに動くためテンポが取りやすく、先端剛性により方向性が安定する。
軽量シャフトではヘッドが暴れてしまうが、重量と剛性のバランスを持つ 1050GH は、
- 弾道が安定する
- 左に行きづらい
- インパクトで押せる
といったメリットが得られる剛性設計と言える。
スペック
NS PRO 1050GH のスペックは、同シリーズの中で「中重量帯」に分類される。重量は S フレックスで約 106.5g、R で約 103g 前後となる。トルクは約 1.9°。先端径は 9.02mm、シャフト全長は 37.0〜40.0 インチ(番手により異なる)。この数値から、シャフトの設計意図は「軽すぎず重すぎず、適度な重量で安定性を向上させる」にある。
公式スペック(番手ごと)
| フレックス | 重量(g) | トルク(°) | キックポイント | 全長(inch) | 先端径 |
|---|---|---|---|---|---|
| R | 約 103g | 2.0 | 中調子 | 37.0–40.0 | 9.02mm |
| S | 約 106.5g | 1.9 | 中調子 | 37.0–40.0 | 9.02mm |
1050GH の「中調子」設計は、先端剛性が高めながら、シャフト中央部の動きを活かしてスイングテンポを作ることを目的としている。多くの中重量帯シャフトが手元寄りの剛性設計を採用するのに対し、1050GH は手元がしなり、中間が滑らかに動き、先端がしっかりしている。この設計は「スイング再現性の高さ」につながっている。
重量スペックの考え方
スチールシャフトの重量は、コントロール性と安定性に影響する。
- 軽いシャフト → ヘッドスピードは上がりやすいが、インパクトでの安定性が低い
- 重いシャフト → 安定性が高いが、体力が必要でスイングが崩れる可能性がある
1050GH は、その中間に位置する重量設定であり、実際のフィッティング現場でも「ちょうど良い」と評価されるケースが多い。特に 950GH を使っていたゴルファーが 1050GH に変えると、振り急ぎが減り、ミート率が向上する傾向がある。
スペックがスイングに与える影響
- 重量が増すことで手元が安定し、スイング軌道が安定する
- トルクが低めのため、ヘッドのブレが少なく方向性が良くなる
- 中調子のため、球が上がりやすすぎず、吹け上がりにくい
実際のフィッティングでは、「軽いシャフトから変更してミスが減った」という声が多く聞かれる。これはシャフト重量によってスイング軌道が安定し、インパクトのズレが減るためだ。
他シャフトスペックとの比較(950GH / 1050GH / 1150GH)
| モデル | 重量(Sフレックス) | 調子 | 球の高さ | 操作性 | 適性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 950GH | 約 98g | 中 | 上がりやすい | つかまりやすい | 軽量で楽に振りたい人 |
| 1050GH | 約 106.5g | 中 | 高くなりすぎない | 操作性重視 | ミート率と方向性重視 |
| 1150GH TOUR | 約 118g | 手元 | 低め | 振れる人向け | 強弾道でスピン少なめ |
1050GH が「ただの中間」ではない理由は、スペックバランスにある。
950GH からのステップアップ先として選ばれることが非常に多いが、1150GH TOUR に比べて扱いやすく、疲労しにくい。重いシャフトにありがちな「振り切れなさ」が少ない。
番手ごとのシャフト長と重量配分
番手ごとに 37.0–40.0 inch の設定となっているため、ロングアイアンになっても極端に重く感じにくい。すべて同じ重量設計で番手が変わっても重量が変動しない「コンスタントウェイト」構造で、番手間のスイングが揃う。
コンスタントウェイトのメリット
- 番手ごとの打点位置が安定する
- 番手ごとのスイング軌道が揃う
- ロングアイアンでもスイングの再現性が高い
軽量スチールやカーボンシャフトは、番手で重量が変わることが多く、スイングテンポが崩れる場合があるが、1050GH はその心配がない。
最後に
スペックを見ると、1050GH はただの中間シャフトではなく、
- 重量の安定性
- トルクの低さ(方向性のよさ)
- コンスタントウェイトによる再現性
これらを兼ね備えたモデルだとわかる。
スペックはシンプルだが、プレイヤーに与える影響は大きい。
「軽すぎず、重すぎず。安定して振れる重量。」
それが 1050GH のスペックに込められた設計思想である。
1150GHTOURの振動数
NS PRO 1150GH TOUR は、日本シャフトの中でも「ツアーモデル」の位置づけにあり、強い弾道、低スピン、安定した方向性を求めるプレイヤー向けのモデルである。1050GH よりも重量が重く、振動数は明確に高い。振動数とは、シャフトの硬さを数値で測る指標で、一般的に数値が高いほどシャフトは硬くなる。
シャフトフィッティングでは、専用の振動数測定器にシャフトをセットし、シャフトを揺らした際の振動回数(cpm:cycle per minute)を測る。振動数は、重量や剛性分布の違いにより明確な差が出るため、フィッティングの現場では「感覚ではなく数値で判断する」ための重要なデータとなる。
測定された振動数の目安(7番アイアン装着時)
| シャフト | フレックス | 振動数(cpm目安) | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 950GH (S) | 約 305〜310 cpm | 軽量/つかまりやすい | |
| 1050GH (S) | 約 315〜320 cpm | 中重量/操作性と安定のバランス | |
| 1150GH TOUR (S) | 約 325〜330 cpm | 重量/強い球、方向性重視 |
1150GH TOUR の振動数は 1050GH よりも約 10cpm 高く、これは同じヘッドに装着した場合、「明確にしっかりしている・硬く感じる」ということを意味する。一般的に 10cpm の差は、フレックス換算で約半フレックス〜1フレックス違うと言われており、振動数だけ見ても「1150GH TOUR はツアーモデルとして硬さを感じやすい」ことがわかる。
なぜ 1150GH TOUR は振動数が高くなるのか
理由は剛性分布にある。1150GH TOUR は手元側と中間部分を非常に強く設計し、先端部まで硬さが均一に維持される構造となっている。これは、インパクトでヘッドが暴れず、フェースの向きが極めて安定する設計である。
振動数が高い=硬いと感じるだけではなく、以下の効果が生まれる。
- 打ち出し角が低くなる
- スピン量が減る
- 左へのミスが非常に少ない
この傾向は、一般的なアマチュアにとっては「扱いづらさ」にもつながるが、ヘッドスピードが 45m/s 以上のプレイヤーにとっては大きなメリットになる。
1150GH TOUR と 1050GH のフィッティングでの違い
クラフトマンやフィッターの現場でよく聞かれる傾向として、
- 1050GH では球が上がりすぎたり、捕まりすぎる
- 1150GH TOUR にすると高さが抑えられ、曲がらない球になる
という意見がある。シャフトの重量と振動数が増すことで、トップからダウンにかけて余計な動きが出ず、体の回転で球を運ぶスイングになりやすい。
特にヘッドスピードが速く、軽量シャフトで左に曲がるミスが出やすいプレイヤーには、1150GH TOUR の「硬さ」が方向性の改善につながりやすい。
振動数を活かすスイングの特徴
1150GH TOUR は以下のようなスイングプレイヤーに適している。
- 手首を使わず、体の回転で振る
- ダウンスイングで間を作れる
- 左のミスを嫌う(強いフックが出やすい)
逆に、手首を使ってクラブを返すタイプや、トップでタメを作れずにシャフトを早く戻してしまうプレイヤーには向いていない。硬さによって、シャフトが動いてくれる感覚が少なく、球が拾いにくく感じる可能性がある。
1150GH TOUR の振動数は、ただの「硬さ」ではなく、スイングの再現性を高め、方向性と強い球を生み出すための設計と言える。
振動数から見た結論
1150GH TOUR は数値上も明確に硬さを持つモデルであり、1050GH からの「上位互換」ではなく、目的が異なるシャフトである。
- 振動数が高い → フックを抑え、強い球が打てる
- 重量がある → スイングを安定させる
- 低スピン → 強いキャリーが出る
ヘッドスピードが速く、方向性重視のプレイヤーに強く支持される理由は、振動数によって裏づけされている。
プロのシャフト比較
NS PRO 1050GH はアマチュア向けのシャフトという印象を持たれがちだが、実際にはツアープロやトップアマの使用実績がある。特に国内男子ツアーや女子ツアーでは、**「重すぎず軽すぎず、方向性が良い」**という理由で選択されることが多い。
一方、プロのシャフト選択にはシリーズ違い(950GH、1050GH、1150GH TOUR、MODUS シリーズ)などがあるため、その傾向を整理して比較する。
プロがシャフトを選ぶ際の基準
プロの選択基準は、主に次の3点で決まる。
- 方向性(曲がりにくさ)
- 弾道(高さ・スピン量)
- 再現性(打ち出し角・フェース向きの安定)
アマチュアは「楽に打てる」「高さが出る」という要素を重視するが、プロは逆で、
- 曲がらない(左へのミスを消せる)
- 高さが出すぎるシャフトは避ける
という観点でシャフトを選ぶ。
1050GH は、軽量すぎず、先端剛性が高いため、プロが求める「方向性と再現性」に寄った設計になっている。
プロが使うNS PRO スチールシャフトシリーズの特徴比較
| モデル | 特徴 | 重量帯 | 弾道 | 使用傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 950GH | 軽量・高さが出る・つかまり | 軽量 | 高弾道 | 女子プロ・シニアで多い |
| 1050GH | 操作性と方向性のバランス | 中重量 | 中〜中高弾道 | ツアープロ/トップアマ |
| 1150GH TOUR | 方向性特化、低スピン、硬い | 重量 | 中低弾道 | 男子ツアーのハードヒッター |
| MODUS 105 / 120 | 現行ツアープレーヤー使用率が高い | 中〜重量 | 中弾道 | 世界ツアーで支持される |
1050GH は、**プロ使用に耐えうる「適度な重量」と「先端剛性」**を備えている。
950GH のような軽量モデルは高さが出すぎ、MODUS や 1150GH TOUR はハードスペックすぎることがある。そのちょうど間に位置する性能が、1050GH の大きな魅力である。
実際のプロ使用例で見た傾向(一般化した事実)
※ 個人名は出さず、傾向として事実ベースで記載。
- 女子プロトップ層では 950GH → 1050GH に変更するケースが出てきている
→ 理由:方向性が改善し、左のミスが減ったため - 男子プロでは 1150GH TOUR と MODUS が主流だが、1050GH に変えることでミート率が上がった例もある
→ 理由:重さを抑えたことで疲労が減り、ショットが安定した
女子プロでは 950GH が長年人気だったが、年々ヘッドの大型化と軽量化が進み、軽量シャフトではヘッドが返りやすく、左のミスが増えるケースが出てきた。そこで、
「方向性を重視したい」
「打点のバラつきを減らしたい」
このニーズから 1050GH へ移行するケースが増えている。
プロフィッティング現場での実例傾向
クラフトマンやフィッターのデータからよくあるケースをまとめると、
- 950GH → 1050GH に変更して左ミスが減る
- 1150GH TOUR → 1050GH に変更して飛距離と操作性が両立する
- MODUS 120 → 1050GH に変更して体力負担が減る
特に「MODUS 120」を使っていたプロが、シーズン終盤の疲労対策で 1050GH に変更する例がある。
プロが感じる 1050GH のメリット
- 先端剛性が高く、左に行きにくい
- 重さが適正で、振り切れる
- ミート率が上がりやすい
1050GH の強みは 方向性の安定 と 球の強さ にある。
方向性の理由は、コンスタントウェイト構造により番手ごとのスイングテンポが揃うこと。
- 「各番手で重さが変わらない」
→ スイングが変わらない
→ 打点、打ち出し角、方向性が安定
これは、プロにとって非常に重要な要素である。
プロから見た 1050GH のデメリット
- 操作性が高いため、ヘッドスピードが遅い人には重く感じる
- 軽量シャフトと比べ、ヘッドスピードは上がりにくい
つまり、
ヘッドスピードが 37m/s 未満だと 950GH のほうが扱いやすい。
逆に、
38〜43m/s のプレイヤーには 1050GH が刺さる。
プロ使用例から導ける結論
1050GH は、次のようなプレイヤーに向いている。
- 方向性が第一
- 球が上がりすぎるのを抑えたい
- 950GH では軽すぎる
反対に、
- ヘッドスピードが速く、硬いシャフトでコントロールしたい
→ → 1150GH TOUR - 切り返しを強くする、ハードなスイング
→ → MODUS 120
1050GH は、その中間ではなく、
プロのように安定したスイングをしたいアマチュアに最適な“最短距離の答え”
と言える。
1050GH の魅力は、プロでもアマチュアでも方向性が良くなること。
方向性・ミート率・再現性
この3つを同時に改善したいプレイヤーにとって、
1050GH = 性能と扱いやすさのバランスが最も良いシャフト
と言い切れる。
NSPRO1050GH評価まとめ
1050GHの総括:性能・適性・比較から導ける結論
NS PRO 1050GH は、軽量スチールの中では歴史が長く、フィッティング現場でも 「基準となるミドルウェイト」 として扱われることが多いシャフトです。特に、重量帯・剛性分布・しなり戻りのスムーズさがバランスよく設計されており、単純なスペック以上に 「振りやすさの感覚」 が評価されてきました。
ここまでのデータや比較(ヘッドスピード・振動数・剛性分布・プロ使用傾向など)を踏まえて、1050GHを総合的に評価すると、以下の特長が明確になります。
1050GHは軽すぎず重すぎない“ちょうどいい重量帯”
1050GH の最大の魅力は 重量設計 にあります。
- 950GH(約95g)では軽くて振り遅れる
- 1150GH TOUR(約118g)では重くてしんどい
その中間である 約103~106g が、多くのアマチュアにフィットする理由です。
特に、
- 7番アイアンのヘッドスピードが 38〜43m/s
- 軽量スチールから重めにステップアップしたい
という層は、最も恩恵を感じられるシャフトです。
しなり戻りが速く、球が拾いやすい
剛性分布の特徴として、1050GH は
- 中間部がよくしなる
- 戻りがスムーズで、球を上げやすい
という特性があります。
これは 「スイングに合わせて動いてくれる」 シャフトという意味で、アマチュアユーザーが扱いやすい大きな要因です。
特に、
- つかまりにくいアイアン
- ロフトが立っている飛び系アイアン
を使っている人には、1050GH のしなりはメリットになります。
モーダス105・モーダス120との使い分け
1050GH と、近年ツアー使用率が高い モーダスシリーズ を比較すると、はっきり傾向が出ます。
- 1050GH → 操作性・振りやすさ重視
- モーダス → 再現性・方向性重視
どちらが優れているというより、
➡ 何を求めるかで選ぶシャフトが変わる
という理解が最も正しいです。
「プロ使用率が低い=悪い」ではない
1050GH はツアー使用率が少ないと述べましたが、これは
- プロが方向性や再現性を極限まで求める
- 重くて硬いシャフトのほうが安定する
という理由からです。
一方でアマチュアの多くは、
- 軽いほうが速く振れる
- ボールの上がりやすさを求める
- 許容範囲の広いシャフトを好む
1050GH は 「アマチュアに最適化した軽量スチール」 という立ち位置です。
こんな人に1050GHはマッチする
実際のフィッティングでよくあるケースから、1050GHが合う人の特徴を整理します。
✅ 該当する人はフィットする可能性が高い
- スチール105〜110gがしっくりくる
- 球は上げたいが、軽量スチール(950GHなど)は柔らかく感じる
- 軽いスチールにするとタイミングが早くなる
- アイアンの高さが安定しない
逆に モーダス105 / 120 や 1150GH TOUR が向いている人
- 左に行くミスを減らしたい
- 叩いても左にいかないシャフトが良い
- スピン量の管理を最優先する
リシャフトで効果が出やすい
現在以下のような悩みがある人は、1050GH への変更で改善することが多いです。
- アイアンが急に高く上がりすぎる
- 軽くてタイミングが取りづらい
- ヘッドスピードはあるが球がバラつく
→ 1050GH の重量と剛性が、再現性を改善
特に飛び系アイアンとの相性は良く、1050GHに変えることで
- ロフトが立っていても球が上がりやすい
- フェースターンのタイミングが一定になる
という効果が得られます。
「評価まとめ」としての結論
1050GH はアマチュアのために作られた、完成度の高いミドルウェイトスチール。
- クセが少なく、振りやすい
- 球を拾いやすく、高さが出る
- 重量・剛性のバランスがとにかく良い
ただし、
- ヘッドスピードが速く、左ミスを嫌う人
- 再現性を最優先する上級者
には、モーダス120や1150GH TOURが合う可能性が高いです。
1050GH を基準に考え、求める弾道でシャフトを選ぶ。
これが、性能を最大限に引き出す選び方です。
最後に
アイアンのシャフト選びで一番大事なのはスペックではなく、
「自分が気持ちよく振れること」
その意味で 1050GH は、「多くの人が気持ちよく振れる」シャフトです。













