
日本シャフト株式会社(Nippon Shaft)の「NS PRO 950GH」は、1990年代後半の登場以来、軽量スチールシャフトの代名詞として長く愛され続けています。
その理由は、絶妙な重量バランスと振り抜きやすさ、そして安定した方向性にあります。現在も多くのメーカー純正アイアンに採用されており、幅広いゴルファーに対応できる万能シャフトです。
本記事ではNS PRO 950GHの重さを中心に、neoやモーダスとの違い、トルク、スペック、さらにはどんな人に合うのかまで、実測値や設計背景に基づいて徹底解説します。
記事の内容一覧
- NS PRO 950GHに合う人
- neoとの違い
- ウェッジとシャフト
- モーダスとの違い
- 950GHのスペックと重さ
- 930GHとの違い
- RとSの違い
- トルク
- NS PRO 950GH重さのまとめ
目次
NS PRO 950GH 重さと特徴を徹底解説
NS PRO 950GHは、その名の通り「約95グラム前後」という軽量スチールシャフトです。従来の120gクラスのスチールと比べると、20g以上軽く設計されており、スイングテンポの安定と飛距離アップを両立しています。中調子設計によりスムーズなしなりを感じやすく、アマチュアゴルファーの再現性を高める設計が特徴です。本記事では、950GHに合うプレーヤー像からneo・モーダス・930GHとの比較、スペックやトルク特性、ウェッジでの使い方まで事実に基づき詳細に解説します。
NS PRO 950GHに合う人
NS PRO 950GHは、ヘッドスピードが38〜43m/s程度のゴルファーに最もマッチします。このヘッドスピード帯は、一般的な男性アマチュアの平均に相当し、「カーボンシャフトだと軽すぎるが、重いスチールでは振り切れない」という層にぴったりです。950GHは軽量ながらもスチール特有の安定感があり、ショットの再現性を高めます。
スイングタイプ別の相性
スイングテンポがゆったりしているプレーヤー、または切り返しでシャフトのしなりを感じたいタイプに非常に相性が良いです。中調子設計により、シャフト全体がなめらかにしなり、自然なタイミングで戻るため、スイングリズムを崩しにくいのが特徴です。逆に、強く叩くタイプやヘッドスピードが45m/s以上の上級者にとってはやや物足りなく感じる可能性があります。その場合、同社の「モーダス105」や「モーダス120」など、重量帯が重めのモデルが適しています。
使用例
ミズノ、スリクソン、ヤマハ、キャロウェイ、テーラーメイドなど多くのメーカーが純正シャフトとして採用しています。特にミズノJPXシリーズやスリクソンZX5/ZX7などでは標準装着されるケースが多く、安定性と扱いやすさを評価されています。クラブフィッティング現場でも「最初の1本」として推奨されることが多いシャフトです。
打感と飛距離
950GHはインパクト時の振動がマイルドで、手首や肘への負担を抑えます。打感は軽快でありながら、スチール特有の芯のあるフィードバックを得られます。弾道は中〜高弾道が出やすく、ボールが自然に上がる傾向があります。そのためキャリーを稼ぎやすく、アイアンの飛距離アップを実現しやすい設計です。結果として、力に頼らずスイングテンポを維持しながら安定した弾道を打ちたい人に理想的なモデルです。
neoとの違い

「NS PRO 950GH neo」は、従来の950GHをベースに2019年に登場した後継モデルです。両者の違いは主に剛性配分と重量バランスにあります。
従来の950GHは中間部のしなりを重視した設計で、スムーズなしなり戻りが特徴でした。一方、neoは近年の大型ヘッドや高慣性モーメント設計に対応するため、中間剛性を高め、先端のブレを抑えた構造となっています。
neoの設計意図
neoは、最近の「ストロングロフトアイアン」や「中空構造アイアン」に合わせて開発されました。これらのクラブは従来よりもボールが上がりやすくスピン量が少ないため、従来の950GHだと弾道が高くなりすぎるケースがありました。そこでneoでは、しなりを抑制して弾道を適正化し、より低スピン・強弾道を実現しています。
重量・スペックの違い
実際の重量はどちらも「R:約94.5g」「S:約98g」とほぼ同等ですが、neoは手元側をやや重く感じるバランス設計となっています。これにより、スイング中のタイミングが取りやすく、インパクトゾーンでの安定性が増しています。
また、トルク値(ねじれやすさ)もneoの方が小さく、より「硬く感じる」傾向にあります。そのため、叩いても左に行きにくく、直進性の高い弾道を打ちやすいのが特徴です。
実際の採用例
neoは特に「飛び系アイアン」や「中空モデル」に標準装着されることが多く、ヤマハinpres DRIVESTAR、ミズノJPX923 HOT METAL、スリクソンZX5 MkIIなどで採用されています。これらはロフトが立っているため、弾道の高さを抑えたいゴルファーに最適です。
結論
950GHは「やさしく飛ばしたい」「スイングテンポを重視したい」タイプに、neoは「叩いても暴れない」「弾道を抑えたい」タイプに最適です。どちらも軽量スチールという共通点を持ちますが、フィーリングと弾道特性は明確に異なります。選ぶ際は、使用クラブのタイプと求める弾道高さを基準に判断するのが理想です。
ウェッジとシャフト
アイアンセットの延長として使われるウェッジにおいても、「NS PRO 950GH」は非常に人気の高いシャフトです。多くのアマチュアゴルファーは、アイアンと同じ950GHをウェッジにも装着することで、スイングテンポやフィーリングの統一を図っています。しかし、ウェッジショットはフルスイングよりもコントロール重視で行うため、場合によってはシャフトの特性がスコアに大きく影響します。ここでは、950GHをウェッジに使用する際の特徴と注意点を解説します。
950GHをウェッジに使うメリット
最大のメリットは「振り心地の一貫性」です。アイアンからウェッジまで同じシャフト重量・バランスにすることで、スイングテンポを変える必要がなく、距離感の再現性が高まります。特にフルショットのPW(ピッチングウェッジ)やAW(アプローチウェッジ)では、アイアン同様のシャフト挙動が得られるため、スピン量や打ち出し角が安定します。
また、950GHは軽量スチールであるため、ヘッドをスムーズに加速させやすく、バンカーショットやピッチショットでの抜けの良さにもつながります。特にグリーン周りでの“抜け感”が良好で、フェースを開いて使うショットでもヘッドがスムーズに滑るのが特徴です。
注意点:重量と打感
一方で、ウェッジ専用設計の「重めのシャフト」に比べると、950GHは軽いため、コントロールショットでヘッドが動きやすいという傾向があります。特にフルショットよりも短い距離でのスイングでは、ヘッドの挙動が敏感に出やすく、打点ブレによる距離のバラつきが出る可能性があります。そのため、スピン量を安定させたい上級者や競技志向のゴルファーは、あえてウェッジのみ「DG S200」や「MODUS 115 WEDGE」など、重めの専用シャフトを装着するケースも多いです。
とはいえ、一般的なアマチュアプレーヤーであれば、950GHのまま統一することで十分なスピン性能と操作性を得られます。実際、メーカー純正ウェッジの多くが950GH装着モデルをラインアップしています。
実際の採用例
ミズノTシリーズやスリクソンZ-FORGED IIなどでは、950GHが純正選択肢のひとつとして設定されています。ヤマハinpres Wedge、ダンロップCleveland RTXシリーズなどにも950GH装着モデルが存在し、軽量スチールを好むプレーヤー向けに用意されています。
プロでも、アマチュア寄りの設計を好むプレーヤーは、アイアンと同様に950GHを使用しており、打感と弾道の連続性を重視する傾向があります。
ウェッジ専用シャフトとの違い
ウェッジ専用シャフトは、通常アイアンよりも10〜20g重く設計されており、スピン量と安定性を高めます。それに対し950GHは軽量でしなやかに動くため、フルショットやハーフショットでの振り抜きやすさに優れます。つまり、「操作性を重視するか」「安定性を重視するか」によって選択が分かれます。
もしスピン量が不足していると感じる場合は、同じ日本シャフトの「NS PRO MODUS3 WEDGE 105」などへの変更を検討するのも良いでしょう。
結論
950GHをウェッジに装着する最大のメリットは、スイング感覚の統一と操作性の高さです。一方で、重量的に軽いことで繊細な距離感を出す際に少しシビアさを感じることもあります。アマチュアゴルファーにとっては、PW・AW・SWまで950GHで統一するのが自然で、総合的な打ちやすさと再現性を高める選択といえます。
モーダスとの違い
「NS PRO 950GH」と「モーダス」シリーズは、どちらも日本シャフト株式会社が製造する人気スチールシャフトですが、その設計思想と対象ゴルファー層には明確な違いがあります。950GHが“軽量で振り抜きやすく、やさしいシャフト”であるのに対し、モーダスは“叩いてもブレない操作系シャフト”としてプロや上級者を中心に支持されています。両者の違いを設計・性能・打感の観点から詳しく解説します。
設計コンセプトの違い
950GHは1990年代に「軽量スチール」という新しいカテゴリーを切り開いたモデルであり、目的は「一般ゴルファーが無理なくスチールを使えるようにする」ことでした。一方、モーダスシリーズ(正式名称:NS PRO MODUS³)は、2009年にツアープロの要求から生まれた“競技志向シャフト”で、「しなり戻りのタイミング精度」「弾道の安定性」「叩ける剛性」を重視しています。つまり、950GHはアマチュア向け、モーダスは上級者・プロ志向向けと位置づけられます。
重量・スペックの違い
950GHの重量は「R:約94.5g」「S:約98g」ですが、モーダスシリーズではモデルごとに重量が異なり、代表的なものとして以下のスペックがあります。
| モデル名 | フレックス | 重量(g) | 調子 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| モーダス105 | R/S | 約103〜112 | 中元調子 | 安定性と操作性のバランス |
| モーダス120 | S/X | 約114〜120 | 元調子 | 弾道を抑えたいハードヒッター向け |
| モーダス125 | S/X | 約125〜129 | 元調子 | 打ち応え重視のツアープロモデル |
このように、モーダスは全体的に重く設計されており、トルク(ねじれ)も少なめ。結果として、ヘッドの挙動が安定し、インパクトでのエネルギーロスを抑えることができます。950GHは軽くしなやかに動くのに対し、モーダスは剛性が高く「叩いても左に行かない」フィーリングが特徴です。
振り心地・打感の違い
950GHはスムーズにしなる中調子設計で、切り返し時にシャフト全体がたわむ感覚を得られます。軽快な打感で、インパクト時には「パシッ」とした爽快な感触が残ります。一方、モーダスはモデルごとにしなりポイントが異なりますが、全体的に“粘り系”のしなり感があり、打ち込んでも暴れにくいです。特にモーダス120は元調子設計のため、インパクト前後でシャフトがしっかりと耐え、低スピン・低弾道を実現します。
使用プレーヤー層の違い
950GHはミズノ、スリクソン、キャロウェイなど多くのメーカー純正アイアンに採用され、アベレージゴルファーを中心に高い人気を誇ります。モーダスシリーズはPGAツアーや国内男子ツアーでも使用率が高く、特に「モーダス120」はプロ使用率が非常に高いモデルです。実際、松山英樹選手が使用していたことでも知られています(クラブセッティングにより時期差あり)。
弾道・スピン量の違い
950GHは中〜高弾道でスピン量もやや多め。キャリーを出しやすく、高さで止めるショットを得意とします。モーダスは低スピン・強弾道設計で、風に強く、操作性を重視するプレーヤーに適しています。
特にアイアンで「高さが出すぎる」「風に影響される」という悩みを持つゴルファーには、モーダスが好まれます。
どちらを選ぶべきか
自分のスイングテンポと目的で選ぶのが基本です。
- スムーズに振りたい・軽快に飛ばしたい → 950GH
- 叩いてもブレさせたくない・弾道を抑えたい → モーダス
950GHは“やさしさと安定性の両立”、モーダスは“コントロールと操作性の追求”がテーマ。両者は同じメーカーでありながら、完全に異なるターゲット層を想定した設計になっています。
950GHのスペックと重さ
NS PRO 950GHは、軽量スチールシャフトの先駆けとして登場して以来、現在でも多くのメーカー純正クラブに採用されています。その理由は、重量・トルク・調子(キックポイント)といったバランス設計が非常に優れているためです。ここでは、実際のスペック数値を中心に、950GHの性能特性を詳しく解説します。
基本スペック一覧
NS PRO 950GHの代表的なスペックは以下の通りです(メーカー公表値)。
| フレックス | 重量(g) | トルク | 調子 | 全長(インチ) | バット径(mm) | チップ径(mm) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| R | 約94.5 | 2.0 | 中調子 | 39.0〜35.0 | 15.24 | 9.02 |
| S | 約98 | 1.8 | 中調子 | 39.0〜35.0 | 15.24 | 9.02 |
| X(特注) | 約104 | 1.6 | 中調子 | 39.0〜35.0 | 15.24 | 9.02 |
これらの数値からわかる通り、950GHは軽量スチールの中でも全体の剛性感としなやかさのバランスが絶妙です。特に中調子設計はスイングテンポを安定させやすく、多くのアマチュアゴルファーに自然にマッチします。
重量とスイングバランスの関係
約95gという重量は、カーボンシャフトと従来のスチールシャフトの中間に位置します。このため、振り抜きやすさと安定性を両立でき、スイングバランスも取りやすいのが特徴です。特にRフレックスでは、軽量アイアンを求めるシニア層や女性ゴルファーにも使いやすく、Sフレックスは一般的な男性アマチュアに最適です。
調子(キックポイント)
中調子設計とは、シャフト全体の中間部分が最もしなりやすく設計されていることを指します。この構造により、インパクトまでのシャフト挙動がスムーズで、打ち出し角が安定します。先調子のようにボールが上がりすぎることもなく、元調子のように弾道が低すぎることもないため、「ちょうど良い高さ」を得やすい万能タイプといえます。
トルク(ねじれ特性)
950GHのトルク値はRで約2.0、Sで約1.8と、スチールシャフトとしては比較的しなやかな部類に入ります。トルクが大きすぎると方向性が安定しにくくなりますが、950GHはその点でも優秀で、軽量ながらも高い方向安定性を確保しています。この“しなやかだがブレにくい”特性が、多くのゴルファーに支持される理由の一つです。
スイングフィール(打感)
950GHの打感は非常にマイルドで、インパクト時の振動が手元に伝わりすぎないように設計されています。特に、従来の重いスチールから乗り換えたゴルファーにとっては、軽快な振り抜き感と心地よいフィードバックが印象的です。
また、軽量シャフト特有の“頼りなさ”を感じにくい構造となっており、ショットごとの再現性も高いです。
フィッティングでの選択指針
クラブフィッターの間では、950GHは“中庸設計の基準シャフト”として扱われることが多いです。これは、極端な特性がないため、他のモデル(モーダス105・DG95・KBS TOUR 90など)と比較する際の基準として最適だからです。自分に合った重量帯や硬さを探す出発点として、まず950GHを試すケースも多く見られます。
まとめ
950GHのスペック設計は非常に完成度が高く、発売から20年以上経った現在でも多くのメーカーが純正採用しています。軽量・中調子・適度なトルクというバランスが、多くのアマチュアゴルファーの“ちょうどいい”フィーリングを生み出しているのです。スチールシャフトに初めて挑戦する方にも、最も安心して使える定番モデルといえるでしょう。
930GHとの違い
NS PRO 930GHは、950GHの前モデルとして1990年代初頭に登場した日本シャフトの軽量スチールシャフトです。950GHと同様に軽量で扱いやすい設計ですが、剛性分布や打感、重量バランスにおいていくつかの違いがあります。ここでは、両者の設計・性能・使用感の違いを詳細に解説します。
重量とバランスの違い
930GHはフレックスRで約93g、Sで約96gと、950GHよりも若干軽めに設計されています。950GHはRで約94.5g、Sで約98gですので、わずかに重量が増えていますが、実際のスイングでのフィーリングには微妙な差があります。930GHは軽量感が強いため、スイングテンポがゆったりしたゴルファーに非常に扱いやすい一方、950GHはややしっかり感が増し、スイング中のヘッドコントロールが向上しています。
調子(キックポイント)の違い
930GHは中調子からやや先中調子に近い設計となっており、インパクト時のしなり戻りがやや先端寄りです。これによりボールが上がりやすく、アマチュアゴルファーにとっては距離感をつかみやすいメリットがあります。対して950GHは完全な中調子設計で、しなりがシャフト全体に分散されるため、スイングテンポの安定性や方向性の再現性が向上しています。
トルクと方向安定性の違い
930GHのトルクはRで約2.1、Sで約1.9と、950GHよりわずかに高めに設定されています。トルクが大きいほどシャフトのねじれが大きくなるため、方向性はやや出やすい傾向があります。一方、950GHはRで2.0、Sで1.8と僅かにトルクを抑えることで、振り抜きやすさを維持しつつ、ヘッドのブレを最小限に抑えています。これにより、ミスヒット時でも弾道のブレが少なく、アベレージゴルファーでも再現性の高いショットを実現できます。
打感の違い
930GHは打感がやや柔らかく、軽くしなって飛距離を補助するイメージです。950GHは重量が少し増したことにより、打感が引き締まり、芯を捉えたときの反発感が増しています。これにより、より安定した飛距離と弾道制御が可能となり、操作性を重視するプレーヤーにも適しています。
適合ゴルファー層の違い
930GHは、軽量で扱いやすく、スイングテンポがゆったりしている中級者やシニアゴルファーに適しています。特に女性ゴルファーでも扱いやすく、振り遅れや打点のバラつきを防ぎやすい設計です。950GHは、930GHよりもわずかに重量感があり、ヘッドスピード38〜43m/sのアベレージ男性ゴルファーを主な対象としています。振り抜きやすさと安定性のバランスを追求した結果、より幅広いゴルファー層に適合するモデルになっています。
まとめ
930GHと950GHの違いは、重量、調子、トルク、打感の微妙な差に集約されます。930GHは軽量で柔らかく、スムーズな振り抜きが特徴。950GHはややしっかり感が増し、中調子設計で方向性・再現性を高めた設計です。どちらを選ぶかは、ヘッドスピードやスイングテンポ、操作性の好みによって決まります。初心者〜中級者で軽快な振り心地を求めるなら930GH、中級〜上級者で方向安定性を重視するなら950GHが適していると言えるでしょう。
RとSの違い
NS PRO 950GHは、フレックスが主に「R(レギュラー)」と「S(スティッフ)」の2種類が設定されており、どちらを選ぶかでスイングフィールや弾道特性が大きく変わります。ここでは、RとSの違いを重量・トルク・しなり特性・適合ゴルファー層の観点から詳しく解説します。
重量の違い
Rフレックスの重量は約94.5g、Sフレックスは約98gとなっており、わずかにSの方が重めに設計されています。この重量差により、同じスイングでもSフレックスの方がヘッドの安定感が増し、振り遅れによるミスを減らす効果があります。一方、Rフレックスは軽めで振りやすく、テンポがゆったりしたスイングでも自然に加速しやすい設計です。
トルク(ねじれ)の違い
Rフレックスのトルクは約2.0、Sフレックスは約1.8です。トルクが小さいSフレックスはねじれが少なく、インパクト時の方向性が安定します。Rフレックスはわずかにねじれやすいため、振り抜きがスムーズで、ボールが上がりやすいという特徴があります。つまり、Rはやさしさ重視、Sは操作性・安定性重視といった性質の違いがあります。
しなり特性の違い
NS PRO 950GHは中調子設計で、どちらのフレックスもシャフト全体がバランス良くしなります。しかし、Rフレックスはやや柔らかく、インパクト前後で先端がしなりやすい設計です。そのため、ボールの高さが出やすく、飛距離を伸ばす助けになります。Sフレックスはやや硬めで、インパクトゾーンでのシャフトの戻りが早く、低スピン・直進性重視の弾道を得やすいのが特徴です。
適合ゴルファー層
- Rフレックス
ヘッドスピード38〜41m/s程度のアベレージゴルファーや、力に頼らずスイングするシニア・女性ゴルファーに最適です。軽く振れるため、ミート率が上がり、方向安定性も比較的取りやすいです。 - Sフレックス
ヘッドスピード42〜45m/s程度の一般男性アマチュアや、ある程度のパワーを持つ中上級者向けです。重量とトルクの低さにより、叩いてもブレにくく、風やライによる影響を受けにくい弾道を打つことができます。
実際の使用例
多くのアイアンセットでは、Rは標準的な男性アマチュアや女性用に採用され、Sは競技志向やややパワフルなスイングをするプレーヤー向けに採用されています。ミズノJPXシリーズやスリクソンZXシリーズでは、標準でRフレックスが設定されており、オプションとしてSを選択可能です。
選び方のポイント
フレックス選択の基本はヘッドスピードです。スイングスピードが遅いのにSを選ぶと振り遅れやすく、打球が右へプッシュする傾向が出ます。逆に速すぎるのにRを選ぶと、ヘッドが暴れやすく左に曲がる可能性があります。また、弾道の高さや飛距離感もフレックスによって変わるため、クラブフィッティングや試打で確認するのが理想です。
まとめ
RとSは、重量・トルク・しなりの違いにより、振り抜きやすさや弾道特性が変わります。950GHの中調子設計は両方のフレックスで安定した操作性を提供しますが、ヘッドスピードやスイング力に応じて適切なフレックスを選ぶことが、最大のパフォーマンスを引き出すポイントです。
トルク
シャフトのトルクとは、スイング中にシャフトがねじれる度合いを示す数値で、ゴルファーにとって弾道の安定性や方向性に直結する重要な指標です。NS PRO 950GHのトルク特性は、軽量スチールとしての振りやすさと方向安定性を両立する設計になっています。ここでは、950GHのトルク数値、特性、他シャフトとの比較、実際のプレーへの影響を詳しく解説します。
950GHのトルク値
NS PRO 950GHのトルクは以下の通りです。
| フレックス | トルク(°) |
|---|---|
| R | 2.0 |
| S | 1.8 |
トルクが小さいほどねじれにくく、インパクトでのヘッド挙動が安定します。950GHはRでも2.0°と比較的低めに設定されており、アマチュアゴルファーでも振り抜きやすく、方向性をコントロールしやすい設計です。Sフレックスはさらに低い1.8°で、しっかり叩いても左方向へのブレを抑えられます。
トルクと弾道の関係
トルクが高いシャフトは、インパクトでヘッドがねじれやすく、ボールが左右にぶれやすくなります。逆にトルクが低いシャフトは、ヘッドのブレが少なく、狙った方向に安定した弾道を打ちやすいです。950GHは軽量スチールの中では低めのトルクを実現しており、特に中調子設計と組み合わせることで、振り抜きやすさと方向安定性を両立しています。
他シャフトとの比較
- 930GH:Rトルク2.1、Sトルク1.9。950GHに比べるとわずかにねじれやすく、柔らかい打感。軽快感はあるが方向安定性は950GHが上。
- モーダス105:Rトルク1.9、Sトルク1.7。950GHより硬めで、叩いてもブレにくい設計。操作性・低スピン弾道重視。
- カーボンシャフト(軽量タイプ):トルク3.0°前後。ねじれやすく軽快だが、方向性はやや安定しにくい。
この比較から、950GHは「スチールシャフトとして軽く振れるが、トルクも抑えて方向安定性を確保」というバランス型であることが分かります。
トルクがプレーに与える影響
トルクが適切に設定されていると、インパクト時にヘッドが正しいフェース角でボールを捉えやすくなります。950GHでは、方向性に不安が少なく、フルショットでもハーフショットでも安定した弾道を維持できます。特にアベレージゴルファーにとって、打点のバラつきやスイングの不安定さをトルクが補助してくれるため、スコアに直結するメリットがあります。
トルク選びのポイント
- ヘッドスピードが遅めのゴルファー:Rフレックス、トルク2.0°で十分安定。
- ヘッドスピードが速めのゴルファー:Sフレックス、トルク1.8°でヘッドブレを抑制。
- 風に強い弾道を求める場合:低トルクのSフレックスを推奨。
まとめ
950GHのトルク設計は、軽量スチールとしては低めであり、方向性と振り抜きやすさを両立させています。RフレックスとSフレックスで僅かに数値が異なるため、自分のヘッドスピードや弾道の安定性を意識して選ぶことが最適です。結果として、950GHはアマチュアゴルファーが使いやすく、再現性の高いショットを実現できるシャフトといえます。
NS PRO 950GH重さのまとめ
NS PRO 950GHは、軽量スチールシャフトとして長年にわたり高い人気を誇るモデルであり、その重量特性が多くのゴルファーに評価されています。ここでは、950GHの重量設計、適合するゴルファー、他モデルとの比較、そして総合的な特徴を整理して解説します。
重量設計の特徴
950GHのフレックス別重量は以下の通りです。
| フレックス | 重量(g) |
|---|---|
| R | 約94.5 |
| S | 約98 |
950GHはスチールシャフトとしては比較的軽量であり、振り抜きやすさを重視した設計です。Rフレックスは特に軽快で、スイングテンポがゆったりしているゴルファーやシニア、女性に向いています。一方、SフレックスはRよりやや重めで、ヘッドスピードが速い男性ゴルファーや安定した弾道を求める中級者以上に最適です。
重さがプレーに与える影響
軽量であることは振り抜きやすさに直結します。950GHはフルスイングでもスムーズにヘッドを走らせやすく、手元に過度な負担がかかりません。そのため、スイング疲労が少なくラウンド全体を通して安定したショットが打てます。また、軽量でありながらトルクが低めに設計されているため、方向性も確保され、軽さと安定性の両立が実現しています。
他モデルとの比較
- 930GH:R約93g、S約96gで950GHよりわずかに軽量。柔らかく振りやすいが、方向安定性は950GHが優れる。
- モーダス105/120:R約103〜114g、S約108〜120g。950GHより重く、叩いてもブレにくい設計。操作性・低スピン弾道重視。
この比較から、950GHは「軽さと扱いやすさを重視するが、方向性も犠牲にしない」という位置付けで、アマチュアゴルファーに最適なバランス型シャフトであることが分かります。
適合ゴルファー
950GHは以下のようなゴルファーに特に向いています。
- ヘッドスピード38〜43m/sの男性アマチュア
- 振り抜きやすさを重視する中級者・上級者
- アイアンとウェッジで同じシャフトを使い統一感を出したいゴルファー
- 軽量スチールを初めて使うシニア・女性ゴルファー
重量とフレックスのバランスが良いため、幅広い層に適合しやすいのが950GHの大きな魅力です。
まとめ
NS PRO 950GHは、R約94.5g、S約98gという軽量設計により、振り抜きやすさと方向安定性を両立したシャフトです。930GHよりしっかり感があり、モーダスより軽く扱いやすいため、多くのアマチュアゴルファーにとって「使いやすいスタンダードシャフト」と言えます。アイアンからウェッジまで統一して使用することでスイングテンポが安定し、再現性の高いショットを実現できます。軽量スチールでありながら信頼性が高く、初心者から上級者まで幅広く対応可能な設計が950GH最大の特徴です。





