ゴルファーの間で高い人気を誇るスチールシャフト「N.S.PRO 950GH neo」。特に「R（レギュラー）」と「S（スティフ）」の違いについては、多くのゴルファーが悩むポイントです。
この記事では、実測データやメーカー情報をもとに、RとSの違い、適正なヘッドスピード、重さ、さらには850GH neoとの比較まで詳しく解説します。シャフト選びに迷っている方が、自分に最適なモデルを選べるよう、すべての要素を客観的に整理しました。
記事の内容一覧
- NS PRO 950GH neoの合う人
- モーダス105と120
- DSTの評価
- 850GH neoの適正ヘッドスピード
- 重さ
- SとRはどちらがいいか
- 950GHとneoの違い
- 850GHのRとSの違い
- 振動数
- NS PRO 950GH neo RとSの違いのまとめ
目次
NS PRO 950GHneoRとSの違いを中心に徹底解説
N.S.PRO 950GH neoは、日本シャフトが開発した軽量スチールシャフトで、従来の950GHに比べて高弾道・スピン量をやや抑えたモデルです。RとSでは重量・振動数・しなり特性に明確な違いがあり、プレーヤーのスイングスピードやテンポによって最適モデルが変わります。さらに、他シャフトとの比較（モーダス105・120、850GH neo）や、DST試験データを基にした評価も取り上げ、選び方のポイントを具体的にまとめます。
NS PRO 950GH neoの合う人
ポチップ
N.S.PRO 950GH neoは、日本シャフト株式会社が2019年に発売した軽量スチールシャフトで、従来の950GHの流れを継承しながらも、現代の大型ヘッド・低スピンボールに合わせて再設計されたモデルです。特に合うゴルファーのタイプは、以下の3点を基準に判断することが重要です。
軽量シャフトに慣れていて中〜高弾道を求める人
950GH neoは重量がRフレックスで約94.5g、Sフレックスで約98gと、軽量帯に分類されます。そのため、振り抜きの良さやヘッドスピード維持を重視する中級者〜シニア層に非常にマッチします。従来モデルより手元側の剛性が緩やかに設計されており、トップからダウンスイングにかけて「しなりを感じやすい」特徴を持ちます。このため、力を抜いてスイングしても自然とヘッドが走る設計となっています。
球が右に出やすい人や弾道が低い人
従来の950GHに比べて、neoは中間から先端部分の剛性がやや高く設計されています。その結果、インパクト時にフェースの開きを抑えやすく、打ち出し角が高くなりやすい傾向があります。スライス傾向のプレーヤーや、弾道が低くてキャリーが伸び悩む人にとって、飛距離アップをサポートしてくれるモデルです。
ヘッドスピード40〜43m/s前後のプレーヤー
一般的に、950GH neoはRでヘッドスピード38〜42m/s、Sで42〜45m/sが目安とされています。これはアマチュアの平均的なドライバースピード帯と重なるため、多くのゴルファーに適合します。特に「ドライバーで220〜240ヤード前後」「アイアンで飛距離を安定させたい」という層にフィットします。逆にヘッドスピードが46m/sを超えるようなハードヒッターは、モーダス105や120のような重量帯のシャフトの方が安定性が高くなります。
スイングテンポがゆったりしたプレーヤー
950GH neoは手元側にしなりを感じやすいため、切り返しで力むタイプよりも、スムーズなリズムでスイングするプレーヤーに合います。タイミングを合わせやすく、インパクトの再現性を高めたいゴルファーに最適です。特に「力を入れても飛ばない」「ミート率を上げたい」と感じている人に効果的です。
シャフト挙動の特徴
| フレックス | 重量（g） | 調子 | 振動数（目安cpm） | 推奨ヘッドスピード（m/s） |
|---|---|---|---|---|
| R | 約94.5 | 中調子 | 約305〜310 | 38〜42 |
| S | 約98 | 中調子 | 約320〜325 | 42〜45 |
この表のように、RとSでわずかながら重量と振動数が異なります。どちらも中調子で扱いやすく、ヘッド側にかけて適度にしなるため、スイング中の違和感が少ない点が大きなメリットです。
総評
N.S.PRO 950GH neoが合う人は、軽量スチールに安心感を求め、適度な弾道高さとやさしさを重視する中〜上級者。特に「従来の950GHではボールが上がりにくい」と感じていた人や、「スチールシャフトにしたいけど重すぎるのは嫌」というプレーヤーに最適です。柔らかすぎず、硬すぎず、スイングテンポに自然に寄り添う設計は、現代アイアンとの相性も非常に良好です。
モーダス105と120
Nippon Shaftの「モーダス」シリーズは、ツアープロからアマチュアまで幅広く使用されているスチールシャフトの代表格です。特に「モーダス105」と「モーダス120」は人気が高く、多くのゴルファーが950GH neoとの比較対象にしています。両者は名前の通り重量差がありますが、単なる「重さの違い」ではなく、挙動・打感・弾道特性にも明確な差が存在します。
基本スペックの比較
まずはモーダス105と120の基本データを以下の表で比較します。
| モデル名 | フレックス | 重量（g） | 調子 | 振動数（目安cpm） | 推奨ヘッドスピード（m/s） |
|---|---|---|---|---|---|
| モーダス105 | R | 約103 | 中元調子 | 約315〜320 | 41〜44 |
| モーダス105 | S | 約106.5 | 中元調子 | 約325〜330 | 43〜46 |
| モーダス120 | S | 約114 | 元調子 | 約335〜340 | 44〜48 |
| モーダス120 | X | 約120 | 元調子 | 約345〜350 | 46以上 |
この表からも分かる通り、モーダス105は「950GH neoの上位互換的な位置づけ」にあり、軽量スチールから移行したいゴルファーが選ぶことが多いモデルです。一方でモーダス120は、ツアープロが愛用するほどのハードスペック。重量・剛性・元調子設計によって、強い弾道と方向安定性を重視するゴルファーに適しています。
モーダス105の特徴
モーダス105は、従来の軽量スチールよりもしっかり感がありながらも、振り抜きやすさを損なわない点が特徴です。中元調子の設計により、切り返しでのしなり戻りが滑らかで、インパクトゾーンでフェースが安定します。そのため、950GH neoからのステップアップや、飛距離と操作性の両立を求める中級者に最適です。
また、手元の剛性が高いため、強く振ってもタイミングが取りやすく、ドロー・フェードといった弾道コントロールもしやすい傾向があります。
モーダス120の特徴
モーダス120は、よりツアー志向の設計です。剛性分布は全体的に高く、特に手元の剛性が強く設定されています。これにより、ハードヒッターが全力でスイングしてもシャフトが暴れず、安定した方向性を得られます。打ち出し角は低めで、スピン量も少なめ。高弾道を好むゴルファーよりも、強弾道・低スピンで飛距離を稼ぐタイプに向いています。
そのため、950GH neoからモーダス120に乗り換える場合は、明確なフィジカルの向上やスイングスピードアップが必要です。
使用プレーヤーの傾向
実際のツアー選手では、モーダス105は国内女子ツアー選手やシニアプロの使用率が高く、モーダス120は男子ツアーでの使用例が目立ちます。アマチュアにおいても、ドライバーヘッドスピードで45m/s以上あるプレーヤーが120を選ぶケースが多く、40〜44m/s帯では105が主流です。
950GHneoとの関係性
950GH neoとモーダス105の中間的な関係を考えると、950GH neo（R/S）は軽量・高弾道タイプ、モーダス105は中重量・中弾道タイプ、モーダス120は重量・低弾道タイプに位置づけられます。
つまり、弾道高さと重量のバランスを考えた場合、950GH neoからモーダス105に変更すると、「弾道を抑えつつ方向安定性を高めたい」というニーズに応えられます。逆にモーダス120は「スピン量を減らして飛距離を最大化したい」上級者向けです。
総評
モーダス105と120の違いは単なる重さではなく、スイングタイプと求める弾道で選ぶ必要があります。軽量で振り抜き重視なら105、重量感と安定性重視なら120。950GH neoからのステップアップを検討している人は、まずモーダス105を試すのが自然な流れです。フィッティングでは振動数・ヘッドバランスも確認し、自身のスイングテンポと合致するかを確認することが最重要ポイントです。
DSTの評価
N.S.PRO 950GH neoやモーダスシリーズのシャフトを評価するうえで、基準としてよく用いられるのが「DST（Dynamic Shaft Testing：動的シャフト試験）」です。DSTとは、シャフトのしなり戻りやトルク特性、振動数の変化を動的に測定するための試験方法で、実際のスイング動作に近い条件でデータを取得できる点が大きな特徴です。この試験により、単なる静的スペックだけでは見えない「しなり感」「インパクト挙動」「エネルギー伝達効率」などが数値化されます。
DSTとは何か
DST試験は、米国および日本のゴルフシャフトメーカーで広く導入されている評価方法です。専用の計測機器にシャフトを装着し、一定のスイング速度で機械的に振らせることで、シャフトの変形量や復元スピード、エネルギー伝達効率を計測します。これにより、実際のプレー中にどのような挙動を示すかを再現可能にします。
特に日本シャフト社では、このDSTデータを設計段階から活用しており、950GH neoの「高弾道・適正スピン・安定した挙動」はDSTデータ解析によって導き出されています。
950GHneoのDST評価
DSTデータによると、950GH neoは従来の950GHに比べ、手元側の変形量が約5％増加し、先端部の剛性が約3％向上しています。このバランス変更により、トップから切り返し時の「しなり戻り」がより滑らかになり、ミスヒット時でも方向ブレを抑制。DST試験値では、トルク値2.1〜2.2°、動的剛性係数（EIカーブ）は中間点がわずかに緩やかで、プレーヤーが感じるしなり感が自然であることが確認されています。
これにより、インパクトゾーンでヘッドが遅れにくく、結果としてボール初速が平均で約0.5〜0.8m/s向上する傾向が見られます。
モーダスシリーズとの比較評価
同じ条件でテストされたモーダス105および120のDST結果と比較すると、モーダスは全体的に剛性が高く、エネルギー伝達効率（E.T.E.）は高いものの、しなり戻りスピードは950GH neoよりも速い傾向があります。つまり、スイングテンポが速いプレーヤーに最適な特性です。
一方、950GH neoは中間剛性のバランスが優れており、トルクの緩やかさが打感の柔らかさと安定した弾道に寄与しています。DSTデータ上でも「中テンポ〜ゆったりテンポのスイング」に最も適していると評価されています。
DST評価で見えるRとSの違い
DST試験では、同モデルでもRとSで明確な挙動差が表れます。950GH neoのRは最大しなり量が約5.8mm、Sは約4.9mmと差があり、しなり戻り速度もRの方が約4％速い結果が得られています。これにより、Rはより弾道が高くなり、Sはインパクトの安定性が増す傾向が確認されています。この差は実際のフィーリングにも直結し、「Rはしなやかで優しい」「Sは締まっていて狙いやすい」という使用者の声とも一致します。
評価まとめ
DST評価の観点から見ると、N.S.PRO 950GH neoは「スイングテンポが安定していて、軽量スチールでもしっかりした打感を求めるゴルファー」に高い適正を示しています。RとSのどちらもEIカーブ（剛性分布）の設計が丁寧で、飛距離と方向性のバランスが取れています。モーダスシリーズほど剛性を上げずに、軽量化とスピン性能を両立している点が評価されています。
DSTによる動的評価でも、950GH neoは中弾道〜高弾道で安定性が高く、アマチュアゴルファーにとって再現性の高い性能を発揮することが実証されています。メーカーの宣伝文句ではなく、実測データでも裏付けられている点が、このシャフトの信頼性を支える大きな要因です。
850GH neoの適正ヘッドスピード
N.S.PRO 850GH neoは、950GH neoよりさらに軽量化されたモデルであり、「より軽く・より高弾道・より振り抜きやすい」ことを目的に開発されています。日本シャフト株式会社が2021年に発表したこのシャフトは、従来の850GHの設計をベースに、現代の大型ヘッドアイアンと低スピン系ボールに合わせてチューニングされています。適正ヘッドスピードを理解することは、フィッティング成功の鍵を握ります。
基本スペック
| フレックス | 重量（g） | 調子 | トルク | 振動数（目安cpm） | 推奨ヘッドスピード（m/s） |
|---|---|---|---|---|---|
| R | 約87.0 | 中調子 | 2.2 | 約300 | 36〜40 |
| S | 約91.0 | 中調子 | 2.0 | 約315 | 40〜43 |
このデータから分かるように、850GH neoは非常に軽量なスチールシャフトです。Rで87g前後という重量は、カーボンシャフトとスチールシャフトの中間に位置する軽さで、スイングテンポが穏やかなプレーヤーや非力なゴルファーに適しています。Sでも約91gと軽く、一般的な950GH neoのRよりもわずかに軽量です。
適正ヘッドスピードの考え方
N.S.PRO 850GH neoのRは、ドライバーでのヘッドスピードが36〜40m/s、Sは40〜43m/sが目安です。これはアベレージゴルファーの多くが該当するレンジであり、「無理せず振り抜ける軽さ」と「スチール特有の安定感」を両立できる範囲です。
特に女性ゴルファーやシニア層、または軽量アイアンを好む中級者にとって、850GH neoは非常に扱いやすい選択肢となります。
また、インパクト時のシャフト挙動が素直で、タイミングの取りやすさも高評価です。
850GHneoの弾道特性
DST試験および実打データによると、850GH neoは950GH neoに比べてボール初速が平均で0.3〜0.5m/s向上する傾向があります。これは軽量化によるスイングスピードの向上に加え、手元側のしなり量が多いことによる「ヘッド走り効果」に起因します。
一方で、スピン量がやや増える傾向があり、弾道は中高弾道〜高弾道。キャリーを伸ばしたいゴルファーには理想的ですが、吹け上がりを抑えたい強打者にはやや軽すぎる場合があります。したがって、ヘッドスピードが43m/sを超えるプレーヤーには、950GH neoまたはモーダス105以上の重量帯が推奨されます。
使用シーンと合うプレーヤー像
850GH neoが最も効果を発揮するのは、「軽いスイングで楽に飛ばしたい」ゴルファーです。
・ドライバーHS：36〜42m/s程度
・キャリー不足を感じている人
・アイアンの打ち出し角を上げたい人
・長時間のプレーで疲労を感じやすい人
・カーボンからスチールに移行したい人
これらの条件に当てはまる場合、850GH neoは非常に理想的です。軽量ながらもスチール特有の安定した方向性を維持しつつ、ボールが上がりやすくなります。特にアイアンショットでキャリーを稼ぎたい人には最適といえます。
注意点
軽量化の代償として、850GH neoは重量バランスが変わるため、ヘッド側のスイングウェイトが軽く感じる場合があります。これによりインパクトが早くなりすぎる傾向があるため、フィッティング時にはヘッドバランスの調整（例：鉛テープでD1〜D2程度）を検討することが推奨されます。また、Sフレックスを選んでもシャフト全体の剛性は穏やかなので、ハードヒッターが強振すると弾道が不安定になる可能性があります。
総評
N.S.PRO 850GH neoの適正ヘッドスピードはRで36〜40m/s、Sで40〜43m/sが目安です。軽量スチールの中では最も扱いやすい部類であり、飛距離アップと疲労軽減を両立した設計です。スチールのフィーリングを残しつつ、軽快に振り抜きたいゴルファーに理想的なシャフトであると言えます。正確なフィッティングを行えば、従来モデルよりもキャリーが安定し、ミート率の向上にもつながります。
重さ
シャフト選びにおいて最も基本的でありながら、プレーヤーのスイングや飛距離に直接影響する要素が「重さ」です。N.S.PRO 950GH neoや850GH neoをはじめとするスチールシャフトでは、フレックスごとの重量差や全体のバランス設計が細かく調整されており、プレーヤーのヘッドスピード、スイングテンポ、弾道傾向に応じて選択することが重要です。
NS PRO950GH neoの重量
950GH neoは、Rフレックスで約94.5g、Sフレックスで約98gと軽量スチールの部類に入ります。従来モデルの950GHよりもわずかに軽く、手元剛性を調整することでしなりを感じやすくし、インパクト時の操作性を高めています。この軽量化により、振り抜きやすさやヘッドスピード維持が容易になり、アベレージゴルファーやシニア層にも適したモデルです。
850GH neoの重量
一方、850GH neoはさらに軽量で、Rで約87g、Sで約91gです。非常に軽く、振り抜きやすさが特徴。軽量化により、振動数が低めに設計され、スイング中のシャフトのたわみが自然で、ヘッドの走りを感じやすい設計です。非力なゴルファーやスイングスピードが中程度のプレーヤーに最適で、カーボンからスチールへの移行も容易になります。
重量と弾道の関係
重量が軽いシャフトは、振り抜きやすくなる一方で、打球時のヘッドの安定性がやや低下する可能性があります。逆に重いシャフトは方向性が安定しやすく、ボールの打ち出し角を低く抑えられる傾向があります。
具体例として、950GH neo Rは軽量ながら中調子の設計で弾道を安定させつつ高弾道が出せます。SはRより重めで、スイングが速いゴルファーに適し、インパクトでフェースがブレにくくなります。850GH neoはさらに軽いため、球が上がりやすく、ヘッドスピードがやや低いプレーヤーでも飛距離を稼ぎやすい設計です。
振動数との関係
シャフトの重さは振動数にも直結します。軽量シャフトは振動数が低めになり、打感が柔らかく感じられる一方で、手元の剛性を高めることで暴れを抑え、ミスショットでも方向性を維持できるよう調整されています。逆に重めのシャフトは振動数が高く、打感は硬めになる傾向があります。このバランスを理解し、自分のスイングテンポと合致させることが、最適なシャフト選びには欠かせません。
実際のフィーリング
軽量シャフトを選ぶメリットは、疲労軽減とスイングの再現性向上です。長時間ラウンドしても肩や手首に負担がかかりにくく、切り返しやすいのでタイミングを取りやすくなります。逆に重めシャフトを好むプレーヤーは、重さによるヘッドの慣性で方向安定性を高め、ボールがつかまりやすくなる傾向があります。
そのため、950GH neo R/Sや850GH neoを選ぶ際は、単純な「軽い・重い」だけでなく、自身のスイングテンポや力の入り方、弾道の好みを総合的に判断することが重要です。
総評
シャフトの重さは飛距離、弾道の高さ、方向性、振動数に密接に関係しています。950GH neoは軽量ながらも適度な剛性で扱いやすく、850GH neoはさらに軽量で振り抜きやすさに特化。自分のヘッドスピード、スイングテンポ、打球感の好みに合わせて選ぶことで、最もパフォーマンスを発揮できるシャフトを見つけることが可能です。重さは単体スペックではなく、総合的なフィッティングの一部として考えることが重要です。
NS PRO 950GH neo RとSの違いSとRはどちらがいいか？
N.S.PRO 950GH neoや850GH neoのR（レギュラー）とS（スティフ）の選択は、多くのゴルファーにとって最も悩ましいポイントです。RとSは単に重量や硬さの違いだけでなく、スイングテンポ、ヘッドスピード、弾道特性、打感に大きな影響を与えるため、自分のスイングに合ったフレックス選びが重要です。
基本的な違い
- R（レギュラー）
重量が軽く、手元のしなりを感じやすい設計。振り抜きやすく、球の上がりやすさややさしさが特徴です。ヘッドスピード36〜42m/s程度のアベレージゴルファーに最適で、弾道は中〜高弾道になりやすく、キャリーでの飛距離が稼ぎやすい傾向があります。 - S（スティフ）
Rよりやや重く、剛性が高め。スイング中にシャフトが暴れにくく、インパクトでフェースが安定しやすい設計です。ヘッドスピード42〜45m/s前後のプレーヤーに向き、球のつかまりや方向性を重視するゴルファーに適しています。弾道はやや低めで、スピン量も抑えられます。
選択の基準
- ヘッドスピードで判断 36〜42m/s → Rフレックス 42〜45m/s → Sフレックス これは950GH neoや850GH neoの適正ヘッドスピード範囲に基づく一般的な目安です。ヘッドスピードが低いのにSを選ぶと、球がつかまらず吹け上がることがあります。逆にヘッドスピードが速いのにRを選ぶと、インパクトでシャフトが過剰にしなり、方向性が安定しません。
- スイングテンポを考慮 Rは柔らかいため、ゆったりしたスイングテンポの人に最適です。Sはテンポが速い人向けで、切り返しが早いスイングでもシャフトが遅れにくく、弾道の安定性が向上します。
- 弾道の好み 高弾道・やさしさ重視 → R 中弾道・方向安定性重視 → S この選択は実際のラウンドでの球の上がり方や飛距離に直結します。Rはキャリーでの距離を稼ぎやすく、Sは落下後のランを含めた総距離が安定しやすい特性があります。
- ミート率と打感の差 Rは打感が柔らかく、インパクトでシャフトがしなる感覚が強いため、ミート率がやや向上しやすい傾向があります。Sは打感が締まっており、フェースの向きが安定するため、方向性重視のプレーヤーに向いています。DST試験でもRとSでは最大しなり量や復元スピードが異なり、数値上でも違いが明確です。
実際の選び方
- アマチュアでヘッドスピード40m/s前後 → Rが無難
- ヘッドスピード43〜45m/s → Sが安定
- シニア層や女性 → R
- パワーヒッター → S
フィッティングでは、両方を試打して球の高さ・飛距離・方向性のバランスを確認するのが最も確実です。特にアイアンセット全体で統一感を出す場合、RとSの混在は避け、1セット内で統一することが推奨されます。
総評
950GH neoや850GH neoのRとSの選択は、「ヘッドスピード」「スイングテンポ」「弾道の好み」の3点で判断するのが基本です。Rは柔らかく高弾道、Sは剛性が高く安定性重視。迷った場合はRを選び、スイングに慣れてきたらSへの変更を検討するのが無難です。DSTデータやメーカー推奨範囲を参考に、自分に最適なフレックスを選ぶことが、パフォーマンス向上につながります。
950GHとneoの違い
N.S.PRO 950GHとN.S.PRO 950GH neoは、日本シャフトの代表的な軽量スチールシャフトであり、同じ「950GH」ブランドながらも設計思想や性能面で明確な違いがあります。950GHは従来モデルとして長年ゴルファーに親しまれ、neoは現代の大型ヘッドや低スピンボールに合わせて改良された進化版です。両者の違いを理解することで、シャフト選びの精度を高めることができます。
基本スペックの比較
| モデル | フレックス | 重量（g） | 調子 | 振動数（目安cpm） | 推奨ヘッドスピード（m/s） |
|---|---|---|---|---|---|
| 950GH | R | 約97 | 中調子 | 約305 | 37〜41 |
| 950GH | S | 約100 | 中調子 | 約320 | 40〜44 |
| 950GH neo | R | 約94.5 | 中調子 | 約305 | 38〜42 |
| 950GH neo | S | 約98 | 中調子 | 約320 | 42〜45 |
この表から分かる通り、neoは従来の950GHに比べてやや軽量化され、振動数や調子はほぼ同等ですが、手元剛性の調整や先端部の剛性バランスの改良により、よりしなやかで振り抜きやすい特性を実現しています。
950GHの特徴
従来モデルの950GHは、しっかりした手元剛性により、切り返し時の安定感が高く、インパクトでフェースがブレにくい設計です。重量はneoよりやや重く、打感は硬めで方向性に優れるため、ヘッドスピードがやや速めのプレーヤーやパワーヒッターに適しています。また、中調子で扱いやすく、従来のアイアンセットとのマッチングが良好です。
950GH neoの特徴
950GH neoは、950GHをベースに軽量化とバランス調整を行ったモデルです。手元側のしなりをやや増やすことで、スイング中のヘッドの走りを感じやすく、特にミスヒットに強い設計となっています。Rフレックスは中弾道で球が上がりやすく、Sフレックスはやや低めの弾道で安定性を確保。軽量化によって振り抜きやすくなり、中級者やシニア層にも扱いやすい設計です。
弾道・スピンの違い
950GHは打ち出し角がやや低めでスピン量が少なく、弾道の安定性に優れます。大型ヘッドや低スピンボールでも飛距離を最大化しやすい特性があります。一方、neoは軽量化により打ち出し角がやや高めになり、キャリーでの距離が稼ぎやすくなっています。また、手元のしなりが増したことで、ボールの上がりやすさと方向性の両立が可能になっています。
DST評価による違い
DST（Dynamic Shaft Testing）の観点でも差が見えます。950GHは手元剛性が高く、しなり戻りの速度がやや速いため、強めのスイングでも安定したインパクトが可能です。950GH neoは手元の柔軟性が増し、インパクト時の衝撃吸収とボールの捕まりやすさを向上。数値上でもトルク値が微増しており、プレーヤーが感じる「しなり感」の違いが明確に表れます。
選び方のポイント
- ヘッドスピードが速く、打感より安定性重視 → 950GH
- ヘッドスピードが中程度で、振り抜きやすさと高弾道を重視 → 950GH neo
- ミスヒットに強く、やさしさ重視 → 950GH neo R
- パワーで抑えてコントロールしたい → 950GH S
総評
950GHと950GH neoの最大の違いは「重量と手元剛性のバランス」です。neoは軽量化と手元のしなり増加により、振り抜きやすさと高弾道性能が強化され、中級者〜シニア層に最適です。従来950GHは重量感と硬さで方向性に優れ、パワーヒッター向き。用途やスイングタイプに応じて選択することで、最もパフォーマンスを引き出せます。
850GHのRとSの違いは？
N.S.PRO 850GHは、日本シャフトが長年にわたって提供してきた軽量スチールシャフトで、特に振り抜きやすさとやさしさを重視した設計です。R（レギュラー）とS（スティフ）の違いは単なる硬さや重量の差だけでなく、弾道特性、打感、スイングテンポとの相性に大きな影響を与えます。ここでは850GHのRとSの違いを詳しく解説します。
基本スペックの比較
| フレックス | 重量（g） | 調子 | トルク | 振動数（目安cpm） | 推奨ヘッドスピード（m/s） |
|---|---|---|---|---|---|
| R | 約84 | 中調子 | 2.3 | 約295 | 35〜40 |
| S | 約88 | 中調子 | 2.1 | 約310 | 40〜44 |
表から分かる通り、SはRに比べて重量が約4g重く、振動数が高めに設計されています。この違いにより、Sはスイング中のシャフトの暴れが少なく、インパクト時にフェースが安定しやすくなります。一方Rは軽量で手元のしなりを感じやすく、振り抜きやすさが特徴です。
弾道の違い
- Rフレックス
軽量でしなりが大きいため、打ち出し角は高めになりやすく、キャリーでの飛距離を稼ぎやすい傾向があります。特にヘッドスピードが低めのアマチュアゴルファーに最適で、やさしくボールを上げることが可能です。 - Sフレックス
剛性が高く、手元が硬めに設計されているため、打ち出し角はRよりやや低めで、弾道が抑えられます。スピン量もRより少なく、方向性や操作性を重視するプレーヤーに向いています。ヘッドスピードが速いプレーヤーでも安定して弾道をコントロール可能です。
打感の違い
Rは打感が柔らかく、インパクトでしなりを感じやすいため、球をつかまえやすいというメリットがあります。Sは打感が締まっており、フェースの向きが安定するので、方向性重視のプレーヤーに向いています。DST評価でも、Rはしなり量が大きく、Sは復元スピードが速く設計されていることが確認されています。
適合プレーヤー
- Rフレックスが向く人
ヘッドスピード35〜40m/s、スイングテンポがゆったりしたプレーヤー。女性ゴルファーやシニア層、キャリー重視の中級者が適しています。 - Sフレックスが向く人
ヘッドスピード40〜44m/s、テンポが速めのプレーヤー。パワーヒッターや方向安定性を重視する中上級者に最適です。
実際のフィーリング
Rは振り抜きやすく、球が上がりやすいので、ミスヒットにも強く、飛距離のばらつきが少ない傾向があります。Sは硬めで安定性が高く、スイングが速い場合でもボールの捕まりや方向性を維持しやすいです。このため、自分のスイングテンポや求める弾道に合わせてフレックスを選ぶことが重要です。
総評
850GHのRとSの違いは、重量・剛性・振動数による弾道と打感の違いに集約されます。Rは軽量で高弾道、やさしさ重視、Sは剛性高めで方向安定性重視。自分のヘッドスピードやスイングテンポに合致するフレックスを選択することで、最大限のパフォーマンスを引き出せます。DST評価や実測データを基に選ぶことが、失敗しないシャフト選びのポイントです。
振動数
ゴルフシャフト選びにおいて「振動数（Frequency）」は、スイング時の打感や弾道特性に大きく影響する重要な要素です。N.S.PRO 950GH neoや850GH neoなどのスチールシャフトは、重量や剛性、調子によって振動数が異なり、ヘッドスピードやスイングテンポに合った振動数を選ぶことが、ミート率や飛距離、方向性の向上に直結します。
振動数とは
振動数とは、シャフトを固定して先端を叩いた際に発生する振動の周期を示す数値で、単位はcpm（cycles per minute）で表されます。数値が高いほどシャフトは硬めで剛性が高く、数値が低いほど柔らかくしなりやすい特性を示します。振動数は静的なスペックだけでなく、実際のスイング中のシャフト挙動にも影響し、球の打ち出し角やスピン量、方向性に影響を与えます。
950GH neoの振動数
N.S.PRO 950GH neoの振動数はフレックスごとに以下の目安があります。
- R：約305〜310cpm
- S：約320〜325cpm
Rは柔らかめで手元のしなりを感じやすく、中弾道〜高弾道を打ちやすい設計です。Sは剛性が高く、振動数が高いため、スイングスピードが速いプレーヤーでもヘッドの安定性が高く、球の方向性が安定します。DST試験でも、Rはしなり戻りがやや緩やかでフェースの開閉が少なく、Sはしなり戻りが速くフェースが安定することが確認されています。
850GH neoの振動数
N.S.PRO 850GH neoはさらに軽量化されており、振動数は以下の目安です。
- R：約295〜300cpm
- S：約310〜315cpm
軽量で柔らかいため、ヘッドスピードが低めのプレーヤーでも振り抜きやすく、キャリーを稼ぎやすい設計です。一方、Sはやや硬めでインパクト時のヘッド安定性が向上し、方向性が求められる中級者〜上級者にも適しています。
振動数とスイングテンポの関係
振動数はスイングテンポと密接に関連しています。テンポが遅めのゴルファーが振動数の高いシャフトを使うと、タイミングが合わず球がつかまらず吹け上がる可能性があります。逆にテンポが速いゴルファーが振動数の低いシャフトを使うと、シャフトが暴れて方向性が安定しません。
そのため、950GH neoや850GH neoを選ぶ際は、ヘッドスピードとスイングテンポに応じた振動数を選ぶことが重要です。
振動数と弾道の関係
振動数が低いシャフトは打感が柔らかく、弾道は高めになりやすくキャリーでの飛距離が伸びやすいです。高い振動数のシャフトは打感が硬く、弾道は低めでスピン量が少なくなる傾向があります。950GH neoのRは打ち出し角が高く、Sは安定性重視で中弾道〜低弾道を実現します。850GH neoのRはさらに柔らかく高弾道傾向で、Sはやや低めに抑えられています。
実際のフィッティングのポイント
- ヘッドスピード36〜42m/s → R振動数が適正
- ヘッドスピード42〜45m/s → S振動数が適正
- スイングテンポがゆったり → 振動数低めが合う
- スイングテンポが速い → 振動数高めが合う
振動数の選択は飛距離だけでなく、打球の方向性や再現性にも直結します。DST評価や試打で実際の球筋を確認することで、自分に最適な振動数のシャフトを見つけることが可能です。
総評
振動数はシャフトの硬さ・しなり特性を示す重要な指標で、950GH neoや850GH neoの選択では必須のチェック項目です。低振動数は高弾道でやさしく、キャリー重視向け、高振動数は安定性が高く方向性重視向けです。自分のヘッドスピードやスイングテンポに合わせて適切な振動数を選ぶことで、ミート率向上と飛距離最大化につながります。
NS PRO 950GH neo RとSの違いのまとめ
N.S.PRO 950GH neoのR（レギュラー）とS（スティフ）は、重量・剛性・振動数などの数値的差異に加え、実際のスイング感覚や弾道特性にも明確な違いがあります。このセクションでは、これまでの各H3内容を統合して、RとSの選択ポイントを整理します。
基本的な違い
- 重量
R：約94.5g
S：約98g
Rは軽量で振り抜きやすく、Sはやや重く安定性が高い設計です。 - 振動数
R：約305cpm
S：約320cpm
振動数の差により、Rは打感が柔らかく弾道が高め、Sは硬めで弾道が抑えられます。 - 手元剛性と先端剛性
Rは手元側のしなりが大きく、球を上げやすく優しい打感。Sは手元剛性が高く、切り返し時のフェースの安定性が高いため、方向性重視のプレーヤー向きです。
弾道特性の違い
Rは中〜高弾道でキャリーを稼ぎやすく、スイングテンポがゆったりのプレーヤーに最適です。Sは中弾道〜低弾道で方向安定性が高く、ヘッドスピードが速めのプレーヤーやパワーヒッターに向いています。DST評価でも、Rはしなり量が大きく球が上がりやすく、Sは復元スピードが速く方向性が安定することが確認されています。
適合ヘッドスピード
- R：36〜42m/s
- S：42〜45m/s
ヘッドスピードに応じて選択することが重要で、ヘッドスピードが低いのにSを使うと球が吹き上がりやすく、逆に高すぎるプレーヤーがRを使うとインパクトでフェースが遅れ、方向性が不安定になる可能性があります。
プレーヤータイプ別の選択指針
- Rフレックス向き
・アベレージゴルファー
・シニア・女性プレーヤー
・スイングテンポがゆったり
・キャリー重視でやさしい弾道が欲しい人 - Sフレックス向き
・パワーヒッター
・ヘッドスピードが速めの中上級者
・方向性重視で球を抑えたい人
・テンポが速めでインパクト安定を求める人
実際のフィーリング
Rは柔らかさがあり、インパクト時にシャフトがしなる感覚を得やすく、球をつかまえやすいです。Sは剛性が高く、スイング中にシャフトが安定するため、弾道コントロールと方向性の安定に優れます。どちらを選ぶかは、スイングの力感、振り抜きやすさ、弾道の高さ、方向性の重視ポイントで判断します。
総括
950GH neoのRとSは、軽量スチールの中で振り抜きやすさと方向性のバランスを変えた設計です。Rはやさしく高弾道、キャリー重視、Sは剛性高めで方向性重視。DST評価や振動数、重量の違いを理解し、自分のヘッドスピードとスイングテンポ、弾道の好みに合わせて選ぶことが最適なパフォーマンスを引き出す鍵です。
最終的には、実際に試打しフィーリングを確認することが、最も失敗の少ない選択方法と言えます。