
ベンタスTRシリーズは藤倉コンポジットが展開する人気カーボンシャフト「VENTUS」の進化版として登場し、多くのツアープロからアマチュアまで幅広く支持を集めています。「TR」はTour Ratedの略で、従来モデルのベンタスに比べてさらに安定性と操作性を高めた設計が特徴です。
しかし、TRシリーズの中でもレッド、ブルー、ブラックなどのバリエーションが存在し、さらに従来のベンタスとの違いも気になるところです。本記事ではベンタス TR 違いについて、各モデルの特性や合うゴルファー像、ヘッドスピードとの関係まで詳細に解説します。
記事の内容一覧
- ベンタスTRとは何?どんなシャフト?
- レッドとTRレッドの違い
- TRレッドはどのような人に向いてる?
- ベンタスTR違い
- 合う人
- 5Sヘッドスピード
- シャフト分布図
- TRブルーの合う人
- ベンタスTR違いまとめ
目次
ベンタスTR違いを徹底解説!選び方のポイント
ベンタスTRは従来のベンタスと比べ、捻じれ剛性を高めたVeloCoreテクノロジーを採用し、方向性と安定性を強化しています。TRレッドやTRブルーはそれぞれ異なる弾道特性を持ち、合うゴルファー層も異なります。
この記事ではTRの基本構造、従来モデルとの違い、レッドやブルーが向くプレーヤー像、さらにシャフト分布図やヘッドスピード別の適性についても詳しく解説し、最適な選び方をサポートします。
ベンタスTRとは何?どんなシャフト?
ベンタスTRとは、藤倉コンポジットが2022年に発表した「VENTUS」シリーズの新展開であり、「Tour Rated(ツアーレイテッド)」の頭文字を取ったモデル名が示すように、ツアープロの要求に応えるために開発されたカーボンシャフトです。従来のVENTUSシリーズでは「VeloCore(ベロコア)テクノロジー」を採用し、シャフト全体の安定性と方向性を高めた点が特徴でしたが、TRではさらに捻じれ剛性を強化し、インパクト時のフェースのブレを抑制する設計になっています。
VeloCoreテクノロジーの進化
TRシリーズでも基本となるVeloCore構造は引き継がれています。これはシャフト全体に高弾性カーボンを複数層で配置し、特にトルク(捻じれ)に対して強い設計を持たせることで、スイング中に発生する余分なシャフトの動きを抑制する仕組みです。従来のVENTUSでも大きな評価を得ていましたが、TRでは中間部の補強を強化することで、ヘッドの戻りが安定し、打点のバラつきが少なくなる効果が期待できます。
TRシリーズの位置づけ
従来のVENTUSは「Red(高弾道・中調子)」「Blue(中弾道・中元調子)」「Black(低弾道・元調子)」の3種類が展開されていました。TRはこれらの間に位置する存在で、同じカラー展開ながらも設計思想が少し異なります。例えば、TR Redは従来のRedよりも安定性を重視し、弾道を抑えながらも捕まりの良さを残す設計となっています。一方でTR BlueはオリジナルのBlueに比べ、より安定性と方向性を重視したモデルになっています。

使用プロの実績
TRシリーズはPGAツアーや国内男子ツアーでも使用実績があり、特に方向性にシビアなプレーヤーから支持されています。実際に使用しているプロは、ヘッドスピードが速いプレーヤーに限らず、安定した方向性を求める中級〜上級アマチュア層にも広がっています。
TRの特徴まとめ
- 捻じれ剛性を高めた進化版VENTUS
- 中間部補強により安定性アップ
- 各色ごとに弾道特性を変化させたラインナップ
- プロツアーでも多数採用
このように、ベンタスTRは「より安定したショットを求めるゴルファー」に向けた進化モデルとして位置づけられています。
レッドとTRレッドの違い
VENTUSシリーズの中で「Red」は高弾道でつかまりやすい設計として、多くのアマチュアゴルファーに人気を集めてきました。一方で「TR Red」はその特性を引き継ぎながらも、ツアープロや上級者の要求に応えるべく改良されたバージョンです。両者の違いを理解することで、自分に合ったモデルを選ぶ判断材料になります。
弾道特性の違い
従来のRedは「高弾道・中調子」という位置づけで、シャフトの先端部がよく走る設計になっており、ボールをしっかりとつかまえて高く上げたいゴルファーに適しています。ドローヒッターや、ボールが上がりにくいと感じているプレーヤーに支持されてきました。
一方のTR Redは、同じく「中調子」に分類されますが、中間部の剛性が強化されているため、余分なシャフトのしなり戻りが抑制されます。これにより、従来のRedよりも弾道が抑えられ、打ち出し角やスピン量が安定する設計になっています。結果として「つかまりの良さは残しながらも、吹け上がりを防ぎ、より安定した弾道を実現」するのがTR Redの特徴です。
フィーリングの違い
従来のRedは先端部が走る感覚が強く、シャフトのしなりを積極的に利用して飛ばしたいプレーヤーに心地よいフィーリングを提供します。一方でTR Redは剛性バランスが全体的に整っており、インパクト時の挙動が抑えられているため、ヘッドが暴れにくく「叩いていける安心感」があります。つまり、フィーリングとしてはRedが柔らかくしなりを感じやすいのに対し、TR Redはより硬質で直線的な挙動を感じるゴルファーが多いと言えます。
適性ゴルファー層の違い
- Red:ヘッドスピードがやや遅め〜標準的なゴルファー、ボールが上がりにくい人、スライスを防ぎたい人に適している。特に女性やシニア層、またはアベレージゴルファーに人気。
- TR Red:ヘッドスピードが速めの中級〜上級者、ボールが上がりすぎて困っている人、強弾道で安定させたい人に適している。ツアープロや競技志向のゴルファーにも好まれる。
実際の数値的な違い
メーカーの公表スペックにおいて、RedとTR Redは重量帯やフレックスの展開はほぼ共通しています。しかし、キックポイントやトルク値が微妙に異なっており、それが実際の弾道差につながっています。例えば、TR Redはトルクがやや抑えられているため、インパクト時のブレが少なく、方向性が安定しやすい設計です。この違いは数字上では小さなものですが、実際のスイングでは大きなフィーリング差として感じられます。
選び方のポイント
「高く上げてキャリーを伸ばしたい」「スライスを抑えて捕まったボールを打ちたい」と考えるなら従来のRedを選ぶのが無難です。一方、「吹け上がりを防ぎたい」「強い弾道で安定した飛距離を出したい」と考えるならTR Redの方が適しています。特に、ドライバーでスピン量が多くなりやすい人にとってTR Redは有効な選択肢です。
このように、RedとTR Redは見た目こそ似ていますが、実際の性能や適性は大きく異なります。選ぶ際には自分のヘッドスピードや弾道傾向を把握し、求める弾道に応じて選択することが重要です。
TRレッドはどのような人に向いてる?
ベンタスTRレッドは、従来のRedと比べて中間部の剛性が強化されているため、単に「つかまるシャフト」というだけではなく「安定感を伴ったつかまりの良さ」が特徴です。そのため、どんなゴルファーに最も適しているかを理解することが重要です。ここでは、スイングタイプやヘッドスピード、求める弾道ごとにTRレッドが合うプレーヤー像を掘り下げていきます。

ヘッドスピードが速めのゴルファー
TRレッドは先端部が動きすぎないため、ヘッドスピードが速くてもインパクトでフェースが暴れにくく、打ち出し角やスピン量が安定します。従来のRedでは「ボールが上がりすぎる」「吹け上がって飛距離をロスする」というケースがありましたが、TRレッドはその弱点をカバーしています。特にドライバーでヘッドスピード43〜48m/s程度のゴルファーには非常に相性が良いとされています。
ボールが上がりすぎて困っている人
従来のRedは弾道が高くなりやすく、キャリーは稼げてもランが少ないという声もありました。TRレッドは中間部の剛性が高いため、打ち出し角やスピンを抑えて強弾道を実現できます。そのため、キャリーとランのバランスを取りたい人や、弾道が高すぎて風の影響を受けやすいと感じている人には特に向いています。
方向性を安定させたい競技志向のゴルファー
TRレッドはVeloCoreテクノロジーによる捻じれ剛性の高さが特徴で、左右のバラつきを抑制します。これにより、打点が少しブレても曲がり幅が小さくなる傾向があります。特に競技志向のプレーヤーやシングルハンデを目指す上級者にとっては「叩いても左に行きすぎない安心感」が得られるのが大きな魅力です。
スライスに悩むが吹け上がりを抑えたい人
「スライスを防ぎたいけれど、従来のRedでは弾道が高すぎて逆に飛距離をロスする」というゴルファーに最適です。TRレッドは捕まりの良さを維持しながらもスピンを抑えられるため、スライスを軽減しつつ強い中弾道を実現します。これにより、従来モデルでは得られなかった飛距離性能を確保できます。
使用例から見る適性
国内外のツアープロでもTRレッドを使用するケースが増えており、特に「ボールが上がりすぎる傾向があるが、捕まりは欲しい」というタイプの選手が選択することが多いです。アマチュアでも、ヘッドスピードが標準以上で、風に強い弾道を求める層に広がっています。
適性のまとめ
- ヘッドスピードが速め(43〜48m/s)のゴルファー
- ボールが上がりすぎて困っている人
- スピン量を抑えて強い弾道を打ちたい人
- スライスに悩みつつも吹け上がりを避けたい人
- 競技志向で方向性を重視する上級者
つまり、TRレッドは「捕まりの良さと安定性を両立させたいゴルファー」にとって最適な選択肢です。従来のRedでは弾道が高すぎて使いづらいと感じていた人や、ヘッドスピードが速めで吹け上がりを防ぎたい人には特におすすめできるモデルです。
ベンタスTR違い
「ベンタスTR 違い」というテーマは、多くのゴルファーが最も気になるポイントです。従来のVENTUSシリーズ(Red、Blue、Black)と、TRシリーズの同色モデル(TR Red、TR Blue、TR Black)の違いは、単純に「進化版」という一言では語れません。ここでは設計上の違い、打球の特徴、適性ゴルファーの層などを整理し、具体的に解説します。
設計面での違い
従来のVENTUSは「VeloCoreテクノロジー」によって、捻じれ剛性を高め、安定した方向性を実現してきました。TRシリーズではその技術を引き継ぎながらも、特にシャフト中間部の補強を強化している点が大きな違いです。この設計によって、従来モデルでは感じられた「しなり戻りのタイムラグ」が軽減され、インパクトの再現性が向上しました。
- 従来モデル:先端や手元のしなりを活かした設計で、弾道を打ち分けやすい
- TRモデル:中間部の剛性強化により、インパクト時の安定性と再現性が高い
各カラーごとの違い
- Red vs TR Red
Redは高弾道で捕まり重視、TR Redは弾道を抑えつつ安定性を強化。 - Blue vs TR Blue
Blueは中弾道・中元調子で万能型、TR Blueはより直進性と安定性を高めた設計。 - Black vs TR Black
Blackは低弾道・元調子で叩ける設計、TR Blackは同じ低弾道ながらさらにシビアで安定感重視。
つまり、TRは同じ色でも「一段階引き締まった」モデルとして位置づけられます。
弾道の違い
TRモデル全般に言えるのは「スピン量が抑えられる」「打ち出しが安定する」という点です。従来モデルでは「捕まるけれどスピン過多になる」「ボールが上がりすぎる」といった課題がありましたが、TRではそれを解消しています。結果として「風に強く、曲がりが少ない強弾道」が得られます。
フィーリングの違い
従来のVENTUSはシャフトのしなりを感じやすく、操作性の高さが魅力でした。対してTRは剛性感が増しており、インパクトの挙動が抑えられる分、フィーリングとしては「硬め」「しっかりしている」と表現されることが多いです。特に強振しても暴れない安心感を得たいプレーヤーには高評価です。
適性ゴルファーの違い
- 従来モデル:幅広い層に対応しやすく、アベレージゴルファーにも扱いやすい
- TRモデル:ある程度ヘッドスピードがあり、安定性や方向性を最優先するゴルファーに適している
TRはツアープロを意識した開発背景があるため、競技志向の強いゴルファーや、ヘッドスピードが速めの人にとってのメリットが大きいです。
比較表
モデル | 弾道特性 | 捕まりやすさ | 安定性 | 適性プレーヤー層 |
---|---|---|---|---|
Red | 高弾道 | 高い | 中 | 初級〜中級者、つかまり重視 |
TR Red | 中高弾道 | 中〜高 | 高 | 中級〜上級者、吹け上がり抑制 |
Blue | 中弾道 | 中 | 中 | 幅広い層 |
TR Blue | 中弾道 | 中 | 高 | 中級〜上級者、方向性重視 |
Black | 低弾道 | 低 | 高 | 上級者、ハードヒッター |
TR Black | 低弾道 | 低 | 非常に高い | ツアープロやトップアマ |
このように「ベンタスTR 違い」は単に色のバリエーションではなく、「従来モデルの長所を残しつつ、ツアーレベルの安定性を加えた進化版」と理解するのが適切です。選ぶ際には、自分のスイングタイプや求める弾道に合わせて従来モデルかTRモデルかを見極めることが重要です。
合う人
ベンタスTRシリーズは「安定性」と「方向性の強化」を目的として設計されたシャフトであり、従来のVENTUSと比較すると適性ゴルファー像がより明確になっています。ここでは、ベンタスTRが特に合う人の特徴を、スイングタイプや弾道傾向、プレースタイルごとに詳しく整理していきます。
ヘッドスピードが標準以上のゴルファー
TRシリーズは中間部の剛性が強化されているため、しなりを大きく使って飛ばすスイングよりも、ある程度のヘッドスピードでしっかり叩けるゴルファーに向いています。一般的にヘッドスピード42m/s以上が目安とされ、それ以下だと硬さを強く感じ、ボールが上がりにくくなる可能性があります。したがって、ドライバーの飛距離が230ヤード以上出る中級者以上に適しているケースが多いです。
左右の曲がりを抑えたい人
従来のVENTUSは操作性が高く、ボールを曲げたいときにコントロールしやすい反面、ミスヒットで大きな曲がりになることもありました。TRは捻じれ剛性が強化されているため、オフセンターヒット時の曲がり幅が抑制されます。スライスやフックの幅を小さくしたい人にとっては大きなメリットとなり、「曲がりを減らしてフェアウェイキープ率を上げたい」というゴルファーにぴったりです。
強弾道を求める競技志向のゴルファー
TRは従来モデルに比べてスピン量が抑えられる設計になっています。そのため「吹け上がりが少なく、風に強い弾道」を実現可能です。これは試合で安定した結果を求める競技志向のプレーヤーにとって大きなアドバンテージです。特に風の強いコースや距離の長いコースでは、強い弾道で飛ばせるTRは高い効果を発揮します。
ハードヒッターでなくても使える層
一見するとTRはプロやハードヒッター専用のモデルのように思えますが、実際には中級アマチュアでも十分に使いこなせる設計です。特に「従来のRedやBlueではボールが吹け上がる」と感じるゴルファーがTRに切り替えると、弾道の高さとスピン量が抑えられ、総飛距離が伸びるケースも多くあります。つまり、必ずしもヘッドスピードが極端に速い必要はなく、スイングに安定性を求める人なら幅広く適応可能です。
フェード・ドローの打ち分けを重視しない人
TRは直進性が高いため、意図的に大きな曲がりを打ち分けたい人には操作性がやや物足りなく感じられることもあります。しかし「できるだけ真っすぐ飛ばしたい」「球筋を安定させたい」と考える人には適しています。特に、ドライバーでティーショットをフェアウェイに置くことを最優先するタイプのゴルファーに向いています。
合う人のまとめ
- ヘッドスピード42m/s以上でしっかり叩ける人
- 左右の曲がりを抑えたい人
- 強弾道で風に負けないボールを打ちたい人
- 従来モデルで吹け上がりが気になる人
- フェアウェイキープ率を上げたい競技志向のプレーヤー
総じて、ベンタスTRが合う人は「直進性と安定性を求めるゴルファー」です。従来のVENTUSに比べて少しシビアさは増していますが、その分メリットも大きく、スコアメイクや競技ゴルフにおいて確かな武器になるシャフトです。
5Sヘッドスピード
ベンタスTRシリーズの中でも「5S」というスペックは、多くのアマチュアゴルファーが検討する代表的なフレックスです。ここで言う「5S」は、シャフト重量が50グラム台でフレックスがS(Stiff)というモデルを指します。重量・硬さともに中間的な設定であるため、幅広い層にマッチしますが、特に重要になるのがヘッドスピードとの関係です。このセクションでは、5Sに適したヘッドスピードの目安や使用時のメリット・デメリットを整理します。
5Sの基本スペック
- 重量:おおよそ55〜59g(モデルによって微差あり)
- フレックス:S(Stiff、標準よりやや硬め)
- 調子:TR Redは中調子、TR Blueは中元調子、TR Blackは元調子
このように、同じ5Sでもカラーによってフィーリングは大きく異なります。したがって、単に「5Sだから自分に合う」とは限らず、ヘッドスピードや求める弾道に応じた選択が重要です。
適正ヘッドスピードの目安
一般的に、5Sが適しているヘッドスピードは42〜47m/s前後とされています。これはドライバーでキャリー220〜250ヤード程度を狙える層に相当します。
- 42〜43m/s:振り切るとやや硬さを感じるが、スピンを抑えて飛距離を伸ばしたい人には適する
- 44〜45m/s:最もフィットしやすい領域。安定感と飛距離のバランスが良い
- 46〜47m/s:強く叩いても暴れにくく、直進性を高めたい人に合う
この範囲を超えると「柔らかすぎる」と感じて方向性が乱れる可能性があり、逆にヘッドスピードが40m/s前後だと「硬すぎて球が上がらない」といった問題が出る可能性があります。
メリット
5Sは重量が軽すぎず重すぎないため、振り抜きやすさと安定性のバランスが良い点が大きなメリットです。特に、ヘッドスピードが平均的なゴルファーが「飛距離アップを狙いつつ、方向性も確保したい」と考えるときに適しています。また、TRシリーズ特有の中間剛性強化によって、ヘッドの戻りが安定するため、打点のばらつきが減り、曲がり幅を抑えられる効果も期待できます。
デメリット
一方で、ヘッドスピードが遅めの人(40m/s未満)には硬すぎて扱いにくい可能性があります。また、ハードヒッターで50m/sを超えるような人には柔らかく感じられ、方向性が安定しにくくなる場合があります。つまり、5Sは「中間層に最もフィットする万能スペック」であり、極端に遅い人・速い人には合わない可能性があるのです。
各カラー別5Sの特徴
- TR Red 5S:ボールをつかまえやすく、上がりやすいが、吹け上がりを抑えられる。中級者向け。
- TR Blue 5S:中弾道・直進性重視。幅広い層に適応しやすく、基準となるモデル。
- TR Black 5S:低弾道で叩ける設計。5Sの中でもややハードで、上級者向け。
まとめ
「5Sヘッドスピード」の関係をまとめると、42〜47m/s程度の標準〜やや速めのゴルファーが最もフィットします。このレンジに該当する人がTRシリーズを選べば、安定性と飛距離をバランスよく得られるでしょう。逆にヘッドスピードが極端に遅い人や速すぎる人は、別スペックを検討する必要があります。
シャフト分布図
ゴルフシャフトを選ぶ際に有効な指標となるのが「シャフト分布図」です。これは各モデルの調子(キックポイント)、重量帯、剛性バランスなどを軸に整理し、どのような特性を持つかを比較できる図表のことです。ベンタスTRシリーズを理解する上でも、この分布図は非常に参考になります。TRシリーズはレッド・ブルー・ブラックという3モデルが展開されており、それぞれの位置づけを把握することで、自分に合ったシャフトを見極めやすくなります。
シャフト分布図の基本的な見方
一般的な分布図は「縦軸=球の上がりやすさ(高弾道〜低弾道)」「横軸=つかまり具合(ドロー寄り〜フェード寄り)」で表されることが多いです。そこに各モデルを配置することで、弾道の傾向をイメージできるようになります。
- 左上:高弾道・つかまりやすい
- 右上:高弾道・つかまりにくい
- 左下:低弾道・つかまりやすい
- 右下:低弾道・つかまりにくい
このように4象限で整理され、ゴルファーは自分の課題に応じて位置づけを確認できます。
ベンタスTRの分布図における位置づけ
- TR Red:分布図では左上寄り(高弾道・つかまりやすい)に位置します。ボールを上げたい、つかまえたいというニーズに応えるモデルです。
- TR Blue:中央やや右寄り(中弾道・つかまりすぎない)に位置します。標準的な性能を持ち、幅広い層に適応できる基準モデルです。
- TR Black:右下寄り(低弾道・つかまりにくい)に配置されます。スピンを極力抑え、強弾道で叩きたい上級者向けです。
他ブランドとの比較
分布図は同シリーズ内での比較だけでなく、他ブランドの代表的シャフトとの相対的な位置づけも可能です。例えば、三菱ケミカルの「ディアマナ」や「テンセイ」、グラファイトデザインの「ツアーAD」なども同様に配置されることが多く、ベンタスTRは「しなり戻りの安定性が高く、方向性重視」という点で特徴的な位置を占めます。この比較により、自分が過去に使ったシャフトとの違いを客観的に把握しやすくなります。
分布図から得られる選び方のヒント
- 弾道が低すぎる人 → 分布図で左上に近いモデルを選ぶ(例:TR Red)
- ボールがつかまりすぎて左に行く人 → 右寄りのモデル(例:TR BlueやBlack)
- スピン量が多すぎて飛距離が伸びない人 → 下方向(低弾道側)のモデル(例:TR Black)
分布図を活用すれば、自分の弾道傾向と照らし合わせて「どのカラーを選ぶべきか」がより明確になります。
注意点
ただし、分布図はあくまで「傾向を示す参考資料」であり、最終的なフィーリングは試打によって確認する必要があります。同じTRシリーズでも重量やフレックスによって位置づけが微妙に変化するため、分布図と自分のスイング特性を照らし合わせながら検討することが大切です。
まとめ
シャフト分布図は、ベンタスTRシリーズを選ぶ上で大きな助けとなります。TR Redは高弾道・つかまり系、TR Blueは基準・中弾道、TR Blackは低弾道・フェード系と明確にポジショニングされているため、自分の課題に合った選択がしやすくなります。単にスペック表を眺めるだけでは分からない「弾道のイメージ」を掴むうえで、分布図は欠かせない情報源です。
TRブルーの合う人

ベンタスTRシリーズの中で「TRブルー」は、中弾道・中元調子の設計により、幅広いゴルファーに適応できるモデルです。従来のVENTUS Blueの特性を引き継ぎつつ、TRでは安定性と直進性をさらに高めており、「安定した弾道でミスを減らしたいゴルファー」に向いています。ここでは、具体的にどのような人にTRブルーが合うのかを、ヘッドスピード、スイングタイプ、弾道傾向、プレースタイルごとに詳細に解説します。
幅広いヘッドスピード層に対応
TRブルーは重量帯やフレックスのバリエーションが豊富で、標準的なヘッドスピードのアマチュアゴルファーから、やや速めのヘッドスピードの上級者まで対応できます。目安としてはヘッドスピード40〜46m/sの範囲で最も効果を発揮します。軽量スペックでは振り抜きやすさを重視したい初心者や中級者、重量スペックでは安定性を重視する中級〜上級者に適しています。
中弾道で直進性を求める人
TRブルーは中弾道・中元調子設計で、ボールの吹け上がりを抑えつつ、つかまり過ぎず安定した弾道を打てます。そのため、「ドライバーでキャリーをしっかり稼ぎたいが、球が右や左に大きく曲がるのは避けたい」というゴルファーに向いています。特にコースで風の影響を受けやすいと感じる人にとって、安定した中弾道は大きなメリットです。
ミスヒット耐性を重視する人
TRブルーはVeloCoreテクノロジーによる捻じれ剛性が強化されており、インパクトでシャフトがブレにくく設計されています。これにより、打点が少しズレても左右の曲がり幅が抑えられ、安定した飛距離を確保できます。結果として、ミスヒットに強く、フェアウェイキープ率を上げたいゴルファーに最適です。
フェード・ドローの打ち分けを重視しない人
TRブルーは比較的ニュートラルな設計で、意図的に大きな曲がりを打ち分ける操作性よりも、安定した弾道を優先しています。そのため、「球筋の打ち分けよりも真っすぐ飛ばすことを重視したい」というプレーヤーに向いています。コース戦略上、フェアウェイキープ率を優先する場合に非常に役立つモデルです。
初級〜中級者でも扱いやすい
TRブルーはTRシリーズの中でも中間的な性能を持つため、初心者から上級者まで幅広く扱いやすい点が特徴です。従来のRedやBlackに比べると、極端に硬く感じることが少なく、振り抜きやすさと安定性のバランスが良いのもポイントです。特に、初めてTRシリーズに挑戦する中級者にとって、扱いやすく安心感のあるシャフトとなります。
適性ゴルファーのまとめ
- ヘッドスピード40〜46m/sの中級〜上級者
- 中弾道で直進性を求める人
- ミスヒット耐性を重視したいゴルファー
- フェアウェイキープ率を重視する人
- 初級〜中級者でも扱いやすい安定型シャフトを求める人
TRブルーは「安定感と操作性のバランスが良い万能型」と言えます。特に、弾道のばらつきを抑えつつ、標準的な飛距離を確保したいゴルファーに最適で、TRシリーズの中でも幅広くおすすめできるモデルです。

ベンタスTR違いまとめ
ベンタスTRシリーズは、従来のVENTUSシリーズの長所を残しつつ、ツアープロや上級者の要望に応える形で改良された進化版シャフトです。ここでは、シリーズ全体の違いを整理し、各モデルの特徴や適性ゴルファーを踏まえた上で、選び方のポイントをまとめます。
1. 設計上の共通点と進化点
TRシリーズ全体に共通するのは、VeloCoreテクノロジーによる捻じれ剛性の強化です。これにより、インパクト時のヘッドブレが抑えられ、方向性が安定します。また、中間部の剛性強化によって「しなり戻りのタイムラグ」が軽減され、弾道の再現性が向上しています。従来モデルは先端や手元のしなりを活かす設計でしたが、TRシリーズは安定性を重視しつつ、捕まりやすさや弾道の高さをコントロールできるように進化しています。
2. モデル別の特徴
- TR Red:高弾道・つかまり重視で、ボールを上げたい人やスライス防止を求める中級〜上級者向け。吹け上がりを抑えつつ、捕まりを維持。
- TR Blue:中弾道・中元調子で、幅広い層に対応。安定性と直進性が高く、ミスヒットに強い万能型。
- TR Black:低弾道・元調子で叩きやすく、強弾道で安定性を求める上級者・ハードヒッター向け。スピンを抑えた強い弾道が特徴。
3. 適性ゴルファー
TRシリーズは、従来のVENTUSよりもややシビアな設計ですが、その分「安定性」「方向性」を重視するゴルファーに最適です。ヘッドスピードの目安はモデルによりますが、TR Redは中級〜上級者向け(ヘッドスピード43〜48m/s)、TR Blueは幅広い層に対応(40〜46m/s)、TR Blackは上級者・ハードヒッター向け(45m/s以上)が目安です。
4. 弾道・操作性の違い
- Red:高弾道・捕まりやすい
- TR Red:高弾道を抑えつつ安定
- Blue:中弾道・ニュートラル
- TR Blue:中弾道・安定直進性
- Black:低弾道・叩ける
- TR Black:低弾道・強弾道で安定
TRシリーズは従来モデルよりも直進性が増し、球筋のバラつきを抑えられる設計になっています。そのため、ミスヒット耐性が向上し、競技志向のゴルファーやフェアウェイキープ率を重視する人に最適です。
5. 選び方のポイント
- 弾道の高さ:ボールを高く上げたい → TR Red、安定した中弾道 → TR Blue、低弾道で叩きたい → TR Black
- 捕まりやすさ:スライス防止・捕まり重視 → TR Red、ニュートラル → TR Blue、捕まり抑えたい → TR Black
- ヘッドスピードとのマッチング:目安ヘッドスピードを参考に選ぶこと
- 競技志向か趣味志向か:安定性重視ならTRシリーズ、操作性重視なら従来VENTUS
6. 総括
ベンタスTRシリーズは、従来のRed・Blue・Blackの良さを引き継ぎながら、弾道の安定性や方向性を強化した「進化版シャフト」です。初心者〜上級者まで幅広く扱えるTR Blue、捕まりと高弾道重視のTR Red、低弾道で叩きやすいTR Blackという3モデルの違いを理解すれば、自分のスイングやプレースタイルに最適なシャフト選びが可能になります。シャフト分布図や5Sスペックの目安を参考に、試打と組み合わせて選択すれば、飛距離と方向性の両立が期待できるシリーズです。