
ゴルフクラブ選びにおいてシャフトは非常に重要な要素であり、飛距離や方向性に大きな影響を与えます。その中でも藤倉コンポジットが展開する「ベンタスTRブルー」は、ツアープロを中心に高い評価を集めているモデルです。
本記事ではベンタス TR ブルー 評価について、どんなプレーヤーに合うのか、適したヘッドやプロの使用例、スペックごとの特性や振動数までを詳細に解説します。購入を検討している方や、より深くシャフト特性を理解したいゴルファーに役立つ内容をまとめました。
記事の内容一覧
- ベンタスTRブルー合う人
- 合うヘッド
- 使用プロ
- ベンタスTRブルー評価
- 5Sと6Sと6Xのヘッドスピード
- どんなシャフト?
- 振動数
- 分布図
- ベンタスTRブルー評価まとめ
目次
ベンタスTRブルー評価と特徴を徹底解説
ベンタスTRブルーは、ベンタスシリーズの中でも「安定感」と「振り抜きやすさ」を兼ね備えたモデルとして注目されています。藤倉コンポジット独自の「VeloCoreテクノロジー」を採用し、インパクト時のブレを抑えつつ、しなり戻りのスピードを高めることで安定した弾道を実現します。この記事では、どんなゴルファーに合うのか、推奨されるヘッドや実際に使用しているプロ、さらに重量帯やフレックスごとのヘッドスピード適性などを詳しく解説。数値データや分布図を交えながら「ベンタスTRブルー評価」を多角的に整理していきます。
ベンタスTRブルー合う人
ベンタスTRブルーは、幅広いゴルファーに対応できる設計ですが、特に適性が高いのは「適度にしなりを感じたいが暴れを抑えたい」というプレーヤーです。しなり感と安定性のバランスが取れているため、切り返しで強い負荷をかけすぎないスイングタイプにフィットしやすいのが特徴です。
藤倉のTR(Tour Rated)ラインは、従来のベンタスブルーよりも中間部の剛性を強化しており、切り返しでのしなり戻りを安定させています。そのため、ドライバーショットで方向性を重視するゴルファーや、スピン量を適正化したいプレーヤーに向いています。
ヘッドスピードとの相性
一般的にヘッドスピードが40〜47m/s程度のゴルファーが最も恩恵を受けやすいとされています。柔らかすぎず硬すぎない剛性設計により、インパクトのエネルギー伝達効率が高まり、飛距離と安定性の両立が可能になります。特にアマチュアゴルファーの中でもヘッドスピードが平均〜やや速めの層におすすめです。
弾道傾向
ベンタスTRブルーを使うと、弾道は中〜中高弾道で、吹き上がりにくく前に強く伸びる弾道が得られます。ドローやフェードの打ち分けもしやすいため、操作性を求めるプレーヤーに適しています。
他モデルとの比較
同じシリーズの「ベンタスブラック」が低スピン・ハードヒッター向け、「ベンタスレッド」が高弾道・つかまり重視なのに対し、TRブルーは中間的な特性でバランス型。方向性と飛距離の両立を重視した設計のため、極端な癖がなく幅広い層に対応できる点が評価されています。
合うヘッド
ベンタスTRブルーは、シャフトの特性上「低スピンで直進性を高めたい」という目的に応える設計ですが、どのヘッドと組み合わせるかによってその性能は大きく変わります。TRブルーは中調子系のシャフトであり、弾道を抑えすぎず、かつ暴れを最小限に抑えるため、適合するヘッドは「安定性のある低スピン系ドライバー」や「操作性を重視したヘッド」との相性が特に良いとされています。
大手メーカーの代表的な相性ヘッド
- テーラーメイド ステルスシリーズ/Qi10シリーズ
カーボンフェースを搭載したテーラーメイドの最新モデルは、直進性とボールスピード性能に優れています。TRブルーの剛性と組み合わせることで、吹き上がりを抑えつつ安定した弾道を実現できます。特にQi10 LSなどの低スピンモデルとは好相性です。 - キャロウェイ パラダイムシリーズ
反発力が高く、低スピン性能を持つキャロウェイの最新ヘッドは、TRブルーと組み合わせると中弾道で伸びのあるボールが出やすくなります。パラダイム ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)など操作性を重視したツアーモデルは、シャフトの安定性をより引き出します。 - タイトリスト TSRシリーズ
タイトリストのTSR3は弾道調整機能に優れ、安定した中弾道が特徴。TRブルーと組み合わせると直進性とコントロール性が向上します。特にTSR4のような低スピンモデルでは、打ち出し角を確保しながらスピン量を抑えられるため、ヘッドスピードが速いゴルファーにも適しています。 - PING G430シリーズ
PINGのG430は寛容性の高さが魅力で、特に「LST」モデルは低スピン設計。TRブルーと合わせることで、高い許容性を維持しながらスピン過多を防ぎ、安定した弾道が得られます。
シャフトとヘッドのバランス
TRブルーは「剛性のバランスが良いシャフト」なので、過度につかまりすぎるヘッドと組むと左へのミスが出やすくなる可能性があります。逆に、極端にハードなロースピンヘッドと合わせると球が上がりにくくなることもあります。そのため、適度なつかまり性能を持ちつつ直進性に優れるヘッドと組み合わせることで、TRブルー本来の安定した特性を最大限に発揮できます。
アマチュアにおすすめの組み合わせ
一般的なアマチュアゴルファーにおいては、寛容性を備えたヘッド(例えばPING G430 MAXやテーラーメイド Qi10 MAXなど)とTRブルーを組み合わせることで、左右のブレを抑えながら強い弾道を得ることができます。特にスライスに悩むゴルファーは、つかまり性能を持つヘッドとTRブルーを合わせることで、安定性と方向性の改善につながります。
ツアープロが好む組み合わせ
多くのツアープロは低スピン・操作性の高いツアーモデルのヘッドとTRブルーを組み合わせています。これは、プロが求める「スピン量の適正化」と「打ち分けのしやすさ」を満たすためです。例えば、TSR3やQi10 LSのようなヘッドは、TRブルーの中調子設計と組み合わせることで、強弾道と正確なコントロールを両立できます。

使用プロ
ベンタスTRブルーは、PGAツアーや国内男子ツアーをはじめとした世界のトッププロが実際に使用しているシャフトとして高い注目を集めています。藤倉コンポジットの「VeloCoreテクノロジー」を採用したベンタスシリーズは、ツアープロに求められる精度や安定性を兼ね備えている点が評価され、特にTRブルーはバランス型の性能で幅広いプレーヤーから支持を得ています。ここでは代表的な使用プロを紹介し、彼らがどのような理由でTRブルーを選んでいるのかを解説します。
海外PGAツアーでの使用例
- ローリー・マキロイ(Rory McIlroy)
マキロイはドライバーにベンタスTRブルー6Xを装着していることで知られています。彼のヘッドスピードは非常に速いですが、TRブルーの安定性と操作性の高さが彼の力強いスイングにマッチし、弾道のブレを最小限に抑えることに貢献しています。 - ジャスティン・トーマス(Justin Thomas)
トーマスもTRブルーを使用する選手の一人で、切り返しでの安定感とインパクトでの再現性を高く評価しています。しなり感を活かしながらも暴れを抑える特性が、トーナメントで安定したティーショットを支えています。
国内男子ツアーでの使用例
- 星野陸也
日本ツアーのトップ選手である星野陸也もベンタスTRブルーを使用しており、飛距離性能と方向性のバランスを高く評価しています。特に彼のように高いヘッドスピードを持つ選手にとって、シャフトの暴れを抑えるTRブルーは信頼できる存在となっています。 - 稲森佑貴
フェアウェイキープ率の高さで有名な稲森選手も、安定性のあるシャフトを選ぶ傾向が強く、TRブルーを使用しています。方向性を最重視する彼にとって、再現性の高さはスコアメイクの鍵となります。
使用プロに共通する特徴
TRブルーを使用するプロにはいくつかの共通点があります。
- ヘッドスピードが速い:特に45m/s以上のスピードでスイングする選手にとって、暴れを抑えながらしなりを感じられるTRブルーは最適。
- 弾道の安定性を求める:飛距離よりも方向性の再現性を優先するケースでTRブルーが選ばれやすい。
- 操作性を重視する:ドローやフェードを打ち分けたい場面で、TRブルーは意図した弾道を描きやすい。
プロの評価からわかること
プロの使用状況から見ると、TRブルーは「万能型シャフト」として位置付けられています。ブラックのような極端なハード系に比べると扱いやすく、レッドのような高弾道モデルよりも安定感が強い。そのため、ツアープロの中でも「飛距離と方向性を両立したい」と考えるプレーヤーがTRブルーを好んで選んでいます。
アマチュアへの示唆
プロの使用例はアマチュアにとっても参考になります。例えば、マキロイやトーマスのようにヘッドスピードが速くなくても、方向性の安定や中弾道の強い球を打ちたいゴルファーにはTRブルーが適しています。プロが求める性能とアマチュアのニーズは必ずしも同じではありませんが、「安定感」と「操作性」という軸は幅広いゴルファーに共通するポイントです。
ベンタスTRブルー評価
ベンタスTRブルーの評価は、ツアープロからアマチュアゴルファーまで幅広い層で高く支持されています。その理由は、剛性バランスの絶妙さと、VeloCoreテクノロジーによる安定した挙動にあります。従来のベンタスブルーよりも中間部の剛性を強化しているため、切り返しでのしなり戻りが安定し、弾道が左右に暴れるリスクを減らしています。ここでは、実際のゴルファーや試打データを基に、TRブルーの評価ポイントを整理します。
方向性の安定感
評価の中で最も多く挙げられるのが「方向性の安定」です。従来のベンタスブルーでは少しタイミングが合わないと右や左に散らばるケースがありましたが、TRブルーでは中間部の補強によって軌道が安定し、インパクト時のフェースのブレが小さくなっています。これにより、フェアウェイキープ率の向上に直結するとの声が多く寄せられています。
弾道の高さとスピン量
TRブルーの弾道は中〜中高弾道で、必要以上にスピンがかからない点も高評価の要因です。低スピン過ぎて球が落ちる心配が少なく、適度なスピンが入るためキャリーとランのバランスが良いのが特徴です。特にドライバーでキャリーを伸ばしながらランを確保したいゴルファーに向いています。
打感とフィーリング
実際に使用しているゴルファーからは「しなりを感じられるのに暴れない」という声が多く聞かれます。切り返しからインパクトにかけて適度なフィードバックがあり、打ちやすさと安心感を両立。硬すぎてしならないシャフトではタイミングを取りにくいゴルファーも、TRブルーなら自然なリズムで振れると評価しています。
他モデルとの比較評価
- ベンタスブラックとの比較
ブラックはハードヒッター向けで、低スピン・低弾道設計。振り抜きにはパワーが必要で、一般的なアマチュアには扱いにくい傾向があります。一方TRブルーはバランスが良く、扱いやすさが高いと評価されています。 - ベンタスレッドとの比較
レッドはつかまり性能と高弾道が特徴で、ヘッドスピードがそこまで速くないゴルファーに人気です。TRブルーはその中間に位置し、つかまりすぎず、かつ低スピンで安定性があるため幅広い層から支持を得ています。
市場での評価と人気
ゴルフショップや試打会でもTRブルーの人気は高く、特に「方向性が安定して飛距離も落ちにくい」という意見が目立ちます。実際にフィッティングを受けた際に他のモデルからTRブルーへ乗り換えるゴルファーも多く、安定感を求める層に浸透しています。
総合評価
ベンタスTRブルーは「飛距離性能」「方向性」「操作性」の3点をバランス良く備えたシャフトとして高く評価されています。特に安定性を重視するツアープロや、方向性に悩むアマチュアにとって信頼できるモデルです。尖った特徴よりも「クセの少ない万能型」という点が、多くのゴルファーから長期的に支持されている理由といえるでしょう。
5Sと6Sと6Xのヘッドスピード
ベンタスTRブルーは重量帯やフレックスのバリエーションが豊富に用意されており、ゴルファーのヘッドスピードに合わせた選択が可能です。特に人気が高いのが「5S」「6S」「6X」の3モデルで、それぞれ異なる特性を持ちます。適切なフレックスと重量を選ぶことで、シャフトの性能を最大限に引き出し、安定した弾道と飛距離を得られます。ここでは、それぞれのモデルがどのようなヘッドスピードに適しているのかを解説します。
5S(重量帯:約50g台、フレックスS)
5Sは、シリーズの中で比較的軽量で扱いやすいモデルです。ヘッドスピードが 38〜43m/s程度 のゴルファーに適しており、無理なく振り切れる軽さが魅力です。力みにくくスイングテンポを安定させたいアマチュアにおすすめで、特にヘッドスピードが40m/s前後のゴルファーがフィットしやすい傾向にあります。
- メリット:スイングスピードがやや遅めでも自然にシャフトがしなり、ボールが上がりやすい。
- 注意点:ヘッドスピードが速すぎるとシャフトが暴れやすく、方向性が乱れる可能性がある。
6S(重量帯:約60g台、フレックスS)
6Sは最も多くのゴルファーに使用されている標準的なスペックです。ヘッドスピードが 42〜47m/s程度 のプレーヤーに適しており、アマチュアから上級者、さらにはツアープロまで幅広く使用しています。重量感と剛性感のバランスが良く、飛距離と安定性を両立できるのが特徴です。
- メリット:幅広いヘッドスピード層に対応し、方向性と飛距離のバランスが良い。
- 注意点:ヘッドスピードが40m/s以下だと振り遅れや球の上がりにくさを感じやすい。
6X(重量帯:約60g台、フレックスX)
6Xは、同じ60g台でもさらに剛性を高めたハードスペックです。ヘッドスピードが 46〜50m/s以上 のハードヒッターに適しており、強いインパクトでもシャフトが暴れにくく、弾道の安定感が高いのが特徴です。ツアープロや上級アマが多く選択するモデルで、操作性と強弾道を重視するプレーヤーに支持されています。
- メリット:速いヘッドスピードでも吹け上がらず、強い中弾道を実現。
- 注意点:ヘッドスピードが足りないとシャフトのしなりを感じにくく、球が上がりづらい。
選択の目安まとめ(表)
モデル | 推奨ヘッドスピード | 特徴 | 主な対象層 |
---|---|---|---|
5S | 38〜43m/s | 軽量・しなりやすい | 初中級者、ヘッドスピード40m/s前後 |
6S | 42〜47m/s | 標準・バランス型 | 中級〜上級者、幅広い層 |
6X | 46〜50m/s以上 | ハード・安定性重視 | 上級者、ツアープロ、ハードヒッター |
フィッティングの重要性
数値だけで選ぶのではなく、実際に試打して自分のスイングテンポや球筋に合うかを確認することが重要です。同じヘッドスピードでもスイングタイプによって適したスペックは異なります。例えば、切り返しが速いタイプは硬めを好む傾向があり、ゆったりとしたリズムで振るタイプは柔らかめを使う方がタイミングが取りやすいことがあります。
どんなシャフト?
ベンタスTRブルーは、藤倉コンポジットが展開する「ベンタスシリーズ」の中核を担うモデルの一つで、安定性としなやかさをバランス良く兼ね備えたシャフトとして設計されています。TRの名称は「Tour Rated」を意味し、ツアープロの厳しい要求に応えるために開発されました。ベンタスシリーズの中でも中調子に分類され、操作性と方向性の安定を重視するゴルファーに最適です。
特徴的なテクノロジー
最大の特徴は「VeloCoreテクノロジー」です。これはカーボン繊維を多層的に配置し、トルクを抑えてねじれを防止する技術で、インパクト時のフェースの安定性を飛躍的に向上させています。この構造により、オフセンターヒットでも方向性が大きくブレにくく、安定した弾道を実現します。
さらにTRブルーは、従来のベンタスブルーに比べて 中間部の剛性を強化 しているのが特徴です。これにより、切り返しの際に過度にしなりすぎず、スイングテンポを一定に保ちやすい設計となっています。その一方で、先端部のしなり感は残しているため、インパクト時のスピード感や打ち出し角を確保しやすくなっています。

弾道とスピン特性
TRブルーは「中〜中高弾道、低スピン」が特徴とされています。球が上がりすぎて吹き上がるのを防ぎつつ、適度なスピンを維持するため、キャリーとランの両方をバランス良く得ることが可能です。これはアマチュアにとってもメリットが大きく、風の影響を受けにくい強い弾道を実現できます。
プレーヤー層
TRブルーは幅広いゴルファーに対応できますが、特に以下のプレーヤー層に適しています。
- ヘッドスピードが40〜47m/s程度の中級〜上級者
- 左右の曲がりを抑えたいプレーヤー
- スピン量を適正化して飛距離を伸ばしたいゴルファー
- ドローやフェードを打ち分けたい操作派
他モデルとの違い
- ベンタスブラック:剛性が非常に高く、ハードヒッター専用。低スピン・低弾道で、操作性よりも安定性を重視するモデル。
- ベンタスレッド:高弾道・つかまり重視の設計で、球を上げたいゴルファーに適している。
- ベンタスTRブルー:両者の中間に位置し、適度なしなり感と安定感を両立。クセが少なく、幅広いゴルファーが扱いやすいのが最大の特徴。
総合的な位置付け
ベンタスTRブルーは「万能型中調子シャフト」として、多くのゴルファーにフィットする性能を持っています。極端にハードでもなく、かといって柔らかすぎないため、試打した際に「ちょうどいい」と感じるケースが多いのが特徴です。ツアープロの使用率も高く、アマチュアにとっても安心して選べるシャフトといえます。
振動数
シャフト選びにおいて「振動数(cpm: cycles per minute)」は重要な指標の一つです。振動数とは、シャフトを一定条件で固定して先端を振動させ、その振動回数を数値化したもので、一般的には硬さの目安として用いられます。数値が高いほど硬く、低いほど柔らかいシャフトであると判断できます。ベンタスTRブルーも複数の重量帯・フレックスが展開されており、それぞれの振動数を把握することで、自分のスイングに適したモデルを選ぶ参考になります。
ベンタスTRブルーの代表的な振動数(目安)
- 5S:おおよそ240〜250cpm前後
- 6S:おおよそ255〜265cpm前後
- 6X:おおよそ270〜280cpm前後
この数値はあくまで目安であり、カットの長さやヘッド装着状況によって変化します。しかし、一般的な他メーカーの同重量帯シャフトと比較すると、TRブルーは同等かやや硬めの数値を示すことが多いです。
振動数とスイングの関係
振動数はシャフトのしなり感やタイミングに直結します。
- 数値が低い(柔らかい):しなりを強く感じやすく、ヘッドスピードが遅めのゴルファーに適している。
- 数値が高い(硬い):しなりを抑えて暴れを防ぎ、ヘッドスピードが速いプレーヤーに安定感を与える。
TRブルーは中調子のシャフトでありながら、振動数的にはしっかりとした剛性感を持っているため、切り返しでタイミングを取りやすく、インパクトでフェースが安定するという特徴があります。
他モデルとの比較
同じベンタスシリーズで比較すると、TRブルーの振動数は以下のような位置付けになります。
- ベンタスブラック:さらに高い振動数を示し、硬さが際立つ。ハードヒッター向け。
- ベンタスレッド:やや低めの振動数で、しなりを感じやすい。球を上げやすい設計。
- ベンタスTRブルー:両者の中間に位置し、程よい剛性と安定性を提供。
フィッティングにおける活用
振動数はシャフトフィッティングの際に重視されるデータであり、プレーヤーのヘッドスピードやスイングリズムと照らし合わせて適正を判断します。例えば、ヘッドスピードが42m/sのゴルファーが6Xを選ぶと数値が高すぎて振り遅れにつながる可能性があります。逆に、47m/s以上で5Sを使うと柔らかすぎてタイミングが合わず、方向性が不安定になりやすいです。
実際のゴルファーの声
試打を行ったゴルファーからは「思ったよりもしっかりしている」という感想が多く聞かれます。これは振動数が示す通り、数値的にもしっかりめに設計されているためです。一方で、硬さだけでなく適度なしなり感も残しているため、扱いやすいと評価されています。
まとめ
ベンタスTRブルーの振動数は「しっかりしているが扱いやすい」という設計思想を反映しています。ヘッドスピードやスイングタイプに応じて最適なスペックを選ぶことが重要であり、フィッティングで振動数を確認することで自分に合ったモデルを見極める助けとなります。
分布図
シャフトの特性を理解するうえで「分布図(シャフトEI分布図)」は欠かせないデータです。EI分布図とは、シャフトの先端から手元にかけての剛性分布を示すグラフであり、どの部分が硬く、どの部分がしなるかを視覚的に確認できるものです。これにより、シャフトのフィーリングや弾道特性を客観的に把握できます。ベンタスTRブルーの分布図は、従来のベンタスブルーと比較すると中間部の剛性が強化されていることが最大の特徴です。
ベンタスTRブルーのEI分布特性
- 先端部:強めの剛性。インパクトでの当たり負けを防ぎ、方向性を安定させる。
- 中間部:従来のブルーより剛性が高く、切り返しでのブレを抑制。これによりスイングリズムを崩さず振り抜きやすい。
- 手元側:適度なしなりを残しており、タイミングを取りやすい設計。
このような分布は「中調子」のシャフトに分類されますが、TRブルーは中間部の補強によって他の中調子シャフトよりも安定感が強調されています。
従来モデルとの比較
- ベンタスブルー(通常版):手元から先端までなめらかな剛性分布で、中間部は比較的柔らかめ。振りやすさを感じやすい。
- ベンタスTRブルー:中間部の剛性が強化され、振動を抑えることで安定性が向上。直進性と操作性の両立を実現。
- ベンタスブラック:全体的に剛性が高く、特に先端剛性が極めて強い。低スピン・低弾道を志向するハードヒッター向け。
この比較からもわかるように、TRブルーは「ブルーの扱いやすさ」と「ブラックの安定性」を中間的に併せ持ったモデルといえます。
分布図から見えるゴルファーへの適性
EI分布図をもとにすると、TRブルーは以下のようなプレーヤーに適しています。
- 切り返しでシャフトの余計なしなりを嫌うプレーヤー
- インパクトでフェースを安定させたいゴルファー
- 左右のバラつきを減らしつつ、ある程度球を上げたい方
- ベンタスブルーでは物足りないが、ブラックでは硬すぎると感じる中間層
特にヘッドスピードが43〜47m/s前後のプレーヤーがフィーリングと性能のバランスを取りやすいといえます。
分布図のデータ活用
フィッティング現場では、分布図を見ながら試打シャフトを比較することで、自分のスイングに合ったモデルを選びやすくなります。例えば、TRブルーの分布を見て「中間部が硬い」という特徴を理解していると、実際にスイングした際に「切り返しが安定している」と感じる理由がデータ的に裏付けられます。また、ブラックと比較して「硬すぎない」と確認できる点も選択の助けになります。
他ブランドとの比較における分布の位置付け
他社の中調子系シャフトと比較しても、TRブルーは中間剛性が強めで、全体として「しっかり感」があります。これにより、ツアープロの使用率が高い理由の一つとなっています。安定感と扱いやすさを両立した分布は、アマチュアゴルファーにも安心感を与える仕様です。
まとめ
ベンタスTRブルーの分布図は「中間剛性の強化」という点において他モデルと一線を画しています。この構造により、方向性・安定性・操作性のバランスが取れ、幅広いゴルファーにフィットします。従来ブルーからの乗り換えを検討する場合や、ブラックの硬さに抵抗がある場合、分布図を確認することでTRブルーが最適解となる可能性を見極められるでしょう。
ベンタスTRブルー評価まとめ
ベンタスTRブルーは、藤倉コンポジットが展開するベンタスシリーズの中で、方向性・安定性・操作性をバランス良く備えた万能型シャフトとして高く評価されています。ツアープロからアマチュアゴルファーまで幅広い層に支持される理由は、単なる重量や剛性だけでなく、VeloCoreテクノロジーを活用した中間剛性強化によって切り返しやインパクト時の安定性が高まっている点にあります。本節では、これまで解説した内容を総合的に整理し、TRブルーの評価をまとめます。
性能面での総合評価
TRブルーは中調子設計ながら、中間部を強化することで振り抜きやすさと安定感を両立しています。
- 方向性:フェースのブレを抑え、左右の曲がりを最小限にする設計。ドロー・フェードの打ち分けも容易。
- 弾道特性:中〜中高弾道で吹け上がりにくく、スピン量も適正。キャリーとランのバランスが良く、風にも強い弾道を実現。
- 操作性:しなり感を残しつつ暴れを抑えるため、切り返しのリズムが取りやすく、スイングの安定性を高める。
フレックスと重量別の適性
TRブルーは「5S」「6S」「6X」の3モデルで展開され、ヘッドスピードやスイングタイプに応じて最適な選択が可能です。
- 5S:38〜43m/sのやや遅めスイング向け
- 6S:42〜47m/sの標準的なヘッドスピード向け
- 6X:46〜50m/s以上の速めスイング向け
これにより、アマチュアからプロまで幅広く対応できます。
使用プロからの信頼
国内外のトッププロが使用している点もTRブルーの信頼性を裏付けています。マキロイやトーマス、国内ツアーの星野陸也選手など、ハードヒッターでも暴れず安定した弾道を得られることから、方向性と操作性を重視するプロに選ばれています。このことはアマチュアにも示唆があり、安定性と操作性を求めるゴルファーにとって安心して選べるシャフトです。
振動数・分布図から見た特性
TRブルーの振動数は中〜高めに設定されており、剛性としなりのバランスを両立。EI分布図では中間部が強化されており、切り返し時のブレ抑制と方向性安定に寄与しています。従来のブルーやブラック、レッドと比較すると、扱いやすさと安定性の両立が際立つ設計です。
総合的な評価まとめ
- 万能型シャフト:極端な硬さや柔らかさがなく、幅広い層に適応。
- 安定性重視:方向性と弾道安定性に優れ、インパクトの精度向上に貢献。
- 操作性あり:しなり感を残しつつ暴れを抑えることで、球筋の打ち分けが可能。
- フレックス選択可能:5S〜6Xでヘッドスピードやスイングに合わせて選択可能。
- プロも使用:ツアープロからの信頼が厚く、性能面の裏付けあり。
最終評価
ベンタスTRブルーは「飛距離」「方向性」「操作性」を高次元で両立したシャフトとして評価されます。極端な特性に偏らず、幅広い層に扱いやすい点が最大の魅力です。従来のブルーからの乗り換えや、ブラックでは硬すぎると感じるゴルファーにも適しており、信頼性と扱いやすさを兼ね備えたモデルとして推奨できる一品です。