
三菱ケミカル製のカスタムシャフト「ディアマナ R60」は、多くのゴルファーから高評価を受けている人気モデルです。その理由は、飛距離性能と安定感、しなやかなフィーリングが高次元で融合されているからです。
本記事では、ディアマナ R60のスペックや振動数、重量、ヘッドスピード別の適正、さらには合うスイングタイプまで徹底的に解説します。これを読めば、自分に合うかどうかがしっかり判断できるようになります。
記事の内容一覧
- ディアマナR60重量
- 何調子シャフトか
- BF60振動数
- ヘッドスピード
- 合うスイング
- R60振動数
- スペック
- ディアマナRF
- R60まとめ
ディアマナR60のスペックや性能を詳しく解説
三菱ケミカルが製造する「ディアマナ R60」は、飛距離と安定感のバランスが取れたシャフトです。重量・振動数・調子・適正ヘッドスピード・適合スイングなど、多角的に評価されており、多くのアマチュアゴルファーや中級者に支持されています。
この章では、各性能面から「R60」がどのようなゴルファーに向いているのかを紐解いていきます。
ディアマナR60重量
ディアマナ R60の「60」はシャフト重量帯を示しており、実際の重量はモデルやフレックスによって若干異なります。たとえば、R60シリーズの中でも「R」フレックスなら約63g前後、「S」なら約65g前後、「X」では67g以上になるのが一般的です。シャフト重量は、スイング全体のリズムやヘッドスピード、ミート率に大きく影響します。

重量の意味と役割
ゴルフシャフトの重量は、単なる重さではなく、スイング全体に与える「負荷のバランス」を決定します。重すぎると振り遅れや疲労につながり、軽すぎるとインパクト時のパワー伝達が落ちる可能性があります。ディアマナ R60の60g台という重量は、一般的なアマチュアゴルファーにとって扱いやすく、飛距離と安定性のバランスを保ちやすいゾーンです。

重量によるフィーリングの違い
63g〜67gのシャフトは、しっかりとした「手応え」があり、インパクトの感触をしっかり感じられる特徴があります。特にスチールシャフトからカーボンに移行したいユーザーにとっても、違和感が少ない重量帯です。ディアマナ R60は中重量帯のため、しっかり振り切りたいがスピードも欲しいという層に向いています。
他シャフトとの比較
シャフト名 | フレックス | 重量(g) |
---|---|---|
ディアマナ R60 | S | 約65g |
テンセイ CK Pro | S | 約67g |
ツアーAD DI-6 | S | 約65g |
このように、R60は同クラスのシャフトと比べて「平均的な重さ」であり、極端に重すぎず軽すぎない点が魅力です。
何調子シャフトか
ディアマナ R60は、「中元調子」に分類されるシャフトです。この“中元調子”という設計は、手元から中間部分までがしなりやすく、先端は比較的しっかりしているという特性を持っています。
中元調子のメリット
- スイングテンポを整えやすい
手元のしなりを感じながらスイングできるため、急激な切り返しを防ぎ、スムーズなスイングを促進します。 - 方向性が安定しやすい
先端が硬めの構造になっているため、インパクト時にフェースが開きにくく、右へのミス(スライス)を減らす効果があります。 - ヘッドが暴れにくい
ダウンスイングでのシャフト挙動が安定しており、打点のバラつきが少ないです。
どんなゴルファー向きか?
中元調子のシャフトは、以下のようなタイプのゴルファーに向いています。
- 切り返しが速いタイプ(スインガーよりもヒッター寄り)
- 左のミスを嫌うプレーヤー
- ドロー系のボールを打ちたい人
- コントロールを重視しつつも飛距離も欲しい人
他の調子との違い
シャフト調子 | 特徴 | 向いているプレーヤー |
---|---|---|
先調子 | 弾道が高くつかまりが良い | スライサー、ヘッドスピードが遅め |
中調子 | バランス型 | オールラウンドタイプ |
中元調子 | 安定感があり方向性に優れる | 切り返しが速い、中級〜上級者 |
ディアマナ R60の“中元調子”設計は、スイングテンポが整っており、ある程度振り切れる人にこそ高いパフォーマンスを発揮するようになっています。
BF60振動数
ディアマナ BF60は、ディアマナシリーズの中でも「Blue」系統に位置づけられるモデルで、R60と比較されることが多いシャフトです。振動数は、シャフトの硬さとしなり戻りのタイミングを数値で表す指標で、特にフィッティングにおいて非常に重要な要素となります。

振動数の基本
シャフトの振動数は、通常「CPM(Cycles Per Minute:1分間あたりの振動数)」という単位で表されます。シャフトを固定し先端に荷重をかけて振動させ、その回数を計測します。一般的に振動数が高いほど硬く、低いほど柔らかいという評価になります。
ディアマナBF60の実測値
フレックス | 振動数(CPM) | 備考 |
---|---|---|
R | 約240〜245 | 軟らかめ、スインガー向け |
S | 約255〜260 | 標準的な硬さ、中級者向け |
X | 約270前後 | 硬め、ヒッター・上級者向け |
※数値は5インチチップカット・44インチ時の一般的な参考値です。
振動数とフィーリングの関係
BF60は中調子のシャフトですが、振動数は比較的しっかりしています。しなりは感じられるものの、インパクトで暴れすぎず、つかまり過ぎを防いでくれるバランス型の設計です。振動数255前後の「Sフレックス」は、平均的なヘッドスピード(43〜45m/s)で安定性と飛距離を両立できます。
R60との比較
ディアマナR60とBF60は、振動数帯が近いものの、しなり戻りの位置やタイミングに差があります。R60は中元調子で、手元のしなりが大きく感じられ、振動数はややマイルド。一方、BF60は中調子でシャフト全体が均等にしなる印象です。
ヘッドスピード
ディアマナ R60を最大限に活かすには、自分のヘッドスピードに合ったフレックスや重量を選ぶことが重要です。このセクションでは、推奨されるヘッドスピード帯と、それに応じたシャフトのフィッティングの考え方を詳しく説明します。
推奨ヘッドスピードとフレックス対応表
フレックス | 推奨ヘッドスピード | 対象ゴルファー |
---|---|---|
R | ~41m/s | シニア・女性ゴルファー |
SR | 41〜44m/s | ゆったりしたスインガー |
S | 44〜47m/s | 一般的な中級者層 |
X | 47m/s〜 | ヘッドスピードの速い上級者 |
ディアマナ R60はフレックスごとに微妙にフィーリングが異なり、特にSとXでは明確に硬さの違いを感じます。
適正マッチングの目安
例えば、ヘッドスピードが43m/sのゴルファーがXフレックスを使用すると、しなり戻りが遅れ、球が右へ出やすくなるリスクがあります。逆に40m/sのゴルファーがRフレックスを選べば、シャフトが走りすぎてタイミングが取りづらくなる可能性があります。
スイングタイプも考慮
スインガー:スイングテンポが安定しており、シャフトに“仕事”をさせる打ち方のゴルファーは、柔らかめのフレックス(RやSR)でも良好な結果が得られる場合があります。
ヒッター:切り返しが早く、力で振るゴルファーは、振動数が高くシャフト先端が暴れにくいSやXがマッチしやすいです。
合うスイング
ディアマナ R60は、その設計特性から適合するスイングスタイルが明確にあります。この項目では、どんなスイングタイプが最もR60の特性を引き出せるのか、具体的に解説していきます。
スインガータイプに適している理由
R60は中元調子であり、手元のしなりを活かしてスイングテンポを整えるタイプに向いています。スイング中にシャフトの“しなり感”を感じながら、リズムよく振れるゴルファーであれば、高いミート率と飛距離が得られます。
切り返しのタイミングが重要
このシャフトは、切り返しで手元がしなる設計のため、急激な切り返しや早いテンポのヒッターには少し不向きな傾向があります。インパクトにかけてシャフトが戻るタイミングを正確に把握し、意識できるタイプには理想的なフィーリングを提供します。

推奨スイングタイプまとめ
- ゆったりとしたトップと切り返しがある
- フィニッシュまでしっかり振り切る
- ボールを押し込むイメージで打てる
- シャフトのしなりを感じながらスイングできる
一方で、ヘッドスピードの高すぎるパワーヒッターや、手元側をあまり意識しないスイングタイプには、別の設計のシャフト(例:先中調子や中調子)を検討した方がフィットする場合もあります。
ディアマナR60振動数
ディアマナR60の振動数は、そのフィーリングやスイングとの相性を見極めるうえで重要な指標です。このセクションでは、R60の振動数について詳しく解説し、他モデルとの比較や選定時の注意点も取り上げます。
振動数の基礎知識
シャフトの「振動数(CPM)」は、硬さとしなりのリズムを数値化したものです。クラブを一定の条件で固定してシャフトを振動させ、その回数を計測します。数値が高ければ高いほど、シャフトは硬く・しなり戻りが速い傾向となり、逆に低ければ柔らかく・しなり戻りが遅い傾向があります。
ディアマナR60の実測振動数
以下は、一般的な組み立て条件(ヘッド装着、44.5インチ、D2バランス前後)で計測されたディアマナR60の代表的な振動数です。
フレックス | 振動数(CPM) | 推奨ヘッドスピード目安 |
---|---|---|
R | 約240〜245 | 〜41m/s |
SR | 約250〜255 | 42〜44m/s |
S | 約260〜265 | 44〜46m/s |
X | 約270〜275 | 46m/s以上 |
この振動数帯は、シャフト全体として標準的~やや柔らかめな設計で、ヘッドスピードが43〜45m/s程度の中級ゴルファーに特にマッチします。
フィーリングと振動数の一致性
ディアマナR60の特徴は「しなり感が自然」であることです。特にSフレックス(260〜265 CPM)では、スイング中にシャフトがしなりながらも、タイミングが取りやすく、多くのゴルファーが扱いやすいと感じる設計です。手元側のしなりが強く、ダウンスイングでの“タメ”を作りやすい点も評価されています。
振動数選定の注意点
- 過度な硬さの選定はNG:ヘッドスピードがないのにXフレックス(270 CPM以上)を選ぶと、しなりが感じられず飛距離が落ちる可能性があります。
- 振動数だけでなく調子も重視:R60は中元調子のため、しなり位置と振動数のバランスを確認しましょう。
- R60のフィッティングには振動数計測が有効:同じ「Sフレックス」でもメーカーやモデルによって振動数は異なるため、実測値をベースに選定することが理想的です。
スペック
ディアマナR60のスペックは、フレックスや重量、トルクなど多岐にわたります。ここでは主要スペックを一覧表で紹介し、各項目の意味とフィッティングにおける重要性を詳述します。
ディアマナR60スペック一覧
フレックス | 重量(g) | トルク(°) | キックポイント(調子) | 振動数(CPM) |
---|---|---|---|---|
R | 約60 | 4.2 | 中元調子 | 約240〜245 |
SR | 約62 | 3.9 | 中元調子 | 約250〜255 |
S | 約64 | 3.6 | 中元調子 | 約260〜265 |
X | 約66 | 3.3 | 中元調子 | 約270〜275 |
※スペックは三菱ケミカル社の公式値および市場流通モデルの参考値。
各スペック項目の意味と影響
- 重量(g):振りやすさやスイングテンポに影響。軽すぎると振り遅れ、重すぎると体への負担が増す。
- トルク(°):ねじれの量。トルクが大きいほどボールのつかまりがよくなるが、ミスヒット時のブレも出やすい。
- キックポイント:シャフトが最もしなるポイントで、R60は「中元調子」。切り返しでのタメが作りやすい。
- 振動数:上述の通り、シャフトの硬さ・しなり感を示す指標。
スペック選定のポイント
- ヘッド重量・クラブ長さと組み合わせて総重量とバランスを確認することが大切。
- スインガーにはトルクがやや多めのR・SRを、ヒッターにはトルクが少ないS・Xが向いています。
- 中元調子という性格上、つかまり過ぎを抑えて左へのミスが出にくい設計です。
ディアマナRF
ディアマナR60と比較されやすいモデルのひとつが「ディアマナRF」です。どちらも三菱ケミカル社製のシャフトで「R」シリーズに属していますが、その設計コンセプトやフィーリングには明確な違いがあります。
ディアマナRFの基本スペック
フレックス | 重量(g) | トルク(°) | 調子 |
---|---|---|---|
R | 約58 | 4.4 | 中元調子 |
S | 約62 | 3.7 | 中元調子 |
X | 約66 | 3.1 | 中元調子 |
RFはR60よりもやや軽量で、全体的にトルクも大きめ。つかまりやすく、高弾道が出やすい特徴があります。
R60との違い
比較項目 | R60 | RF |
---|---|---|
重量感 | やや重め | 軽量モデルに近い |
フィーリング | 手元がしなる | 全体でしなる柔らかさ |
球筋傾向 | 中弾道〜やや低弾道 | 高弾道・つかまり強め |
タイプ | 操作性重視・しなり重視 | 高弾道・飛距離重視 |
RFはつかまりの良さと高弾道が特徴で、R60よりも球を上げたい・捕まえたいゴルファーに向いています。逆に、R60はやや抑えめの弾道で左へのミスを減らしたいプレーヤーに好まれます。
ディアマナR60まとめ
ディアマナR60は、三菱ケミカルのディアマナシリーズの中でも中上級者に広く支持されてきた名シャフトであり、バランスの良いスペックと自然なフィーリングで多くのプレーヤーにフィットするモデルです。ここでは、これまで解説してきた内容を総合的にまとめ、どのようなゴルファーにおすすめできるか、また選定時に重視すべきポイントなどを包括的に整理します。
総合性能
ディアマナR60の特徴は、以下の3点に集約されます。
- 中元調子によるしなりの自然さ
- シャフト剛性と振動数の絶妙なバランス
- 安定性と操作性を両立した挙動
シャフトのしなりポイントが手元寄りにあるため、切り返し時のタイミングが取りやすく、ゆったりしたリズムの中でスイングを組み立てることができます。また、シャフト全体が一体感を持ってしなる構造となっており、暴れすぎず、意図した方向へ球を運ぶ操作性も高い評価を得ています。
向いているゴルファー
プレーヤーの特徴 | R60の適合度 |
---|---|
ヘッドスピード43〜46m/s程度 | 非常に高い |
左への引っかけを抑えたい | 非常に高い |
手元のしなりでタイミングを取る | 高い |
操作性のある弾道を好む | 高い |
安定した中弾道を打ちたい | 高い |
特に、ドライバーで左へのミスが出やすいプレーヤーや、しなり戻りが速すぎてタイミングがずれる方にとって、R60の中元調子は非常にマッチしやすい仕様です。スイングテンポが速すぎず、ややタメを作るタイプのスインガー系ゴルファーと相性が良好です。
シャフト選定時の注意点
- 振動数・スペックの事前確認
フレックス表記(R/S/SRなど)だけでなく、実測の振動数やトルク値、重量を確認することで、理想のフィーリングに近づけます。特に、同じSでもモデルによって挙動が異なるため、試打や数値の比較が重要です。 - クラブ全体バランスを考慮
ヘッドとのマッチングにより、R60のしなり具合も変化します。重心距離の長い大型ヘッドと組み合わせると、先端が安定しやすく、操作性がやや高まります。 - 同シリーズ内の比較
R60はRFやBFといった他モデルと比較検討されますが、どれも設計思想が異なります。高弾道・つかまり重視ならRF、しっかりめで叩ける仕様ならBFが候補になりますが、総合的な扱いやすさはR60が優れています。
長期的な使用にも適応
ディアマナR60は発売から時間が経ってもなお根強い人気を保ち続けているシャフトであり、カスタム市場でも中古市場でも安定した流通があります。スペック選定とフィッティングをしっかり行えば、長く愛用できる信頼性の高いモデルです。
最終的なおすすめポイント
- 自然なしなりを活かしたスイングで、球筋のコントロール性を高めたい方
- 左ミスを減らしたい中級〜上級者ゴルファー
- 中元調子のシャフトでタメを作って打ちたいスイングタイプの方
- トータルバランスに優れたシャフトを探しているプレーヤー
以上のように、ディアマナR60は“平均以上のヘッドスピードを持ち、操作性と安定性の両立を求めるゴルファー”に対して、非常に高い完成度を提供するシャフトです。ゴルフクラブの中核を担うシャフト選びの中で、このR60を候補に入れる価値は非常に大きいといえるでしょう。