
飛距離と弾道の安定性を追求するゴルファーにとって、ドライバーの調整機能は大きな武器です。中でも「タイトリスト」はその精度とバリエーションの豊富さから、上級者からも絶大な信頼を得ています。
本記事ではタイトリストドライバーウエイト調整についてモデルごとの特徴やおすすめの設定までを詳細に解説します。
記事の内容一覧
- タイトリストで一番飛ぶドライバー
- ドライバー調整
- ウエイト調整でスライスカチャカチャでシャフトの向き
- タイトリストのドライバー別ウエイト調整
- Qi35ウエイト
- TSR2の標準ウエイト
- TSi3の調整と効果
- TSi2おすすめ調整
- GT3のバランス
- おすすめとカチャカチャ
- タイトリストドライバーのウエイト調整まとめ
目次
タイトリストドライバーのウエイト調整機能を解説

この記事ではタイトリストドライバーのウエイト調整に関する情報をモデル別に紹介し、それぞれのウエイトの役割や調整方法、効果的な設定について解説します。飛距離やスライス対策に悩むゴルファー必見の内容です。
タイトリストで一番飛ぶドライバー
タイトリストで最も飛距離性能に優れたドライバーとして多くのプロやアマチュアから評価されているのが「TSi3」と「TSR3」です。特にTSi3はその低スピン設計と打感の良さから、上級者向けとして人気があります。
特徴とスペックの違い
- TSi3:重心位置の微調整が可能なSureFit CGトラックシステムを搭載。弾道の方向性とスピン量を細かくチューニング可能。
- TSR3:TSi3の後継機で、慣性モーメントが向上。フェースの反発性が高く、ボール初速も上がっている。
飛距離に関与する要素
- ロースピン設計
- 高初速フェース
- フィッティングの精度(ウエイト・ロフト・シャフト)
総評
純粋な飛距離性能ではTSR3が最上位。ただし打ち出し角の最適化など、セッティング次第でTSi3が勝るケースもあります。
TSi3とTSR3の詳細な比較
ヘッド性能と操作性
- TSi3 は、クラシカルなコンパクトヘッドで、風に強い中弾道を実現。重心位置を精密にコントロールする「SureFit CG」トラックにより、フェード・ドローの弾道調整が可能。
- TSR3 は、より洗練されたエアロダイナミクス設計によりヘッドスピードが上がりやすくなり、VFTフェースによってオフセンターヒット時でも高初速を維持。
弾道調整機能の進化
- TSi3:初代の「SureFit CG」トラックシステムで5つのポジション調整が可能。内部に鉛のようなウエイトを動かすことで、左右の弾道を調整。
- TSR3:トラックが改良され、より精密かつスムーズなウエイト移動が可能に。安定性が増し、ターゲット方向にまっすぐ構えやすい。
打感と打音
- TSi3は「しっかりした手応え」と「金属的な中高音」が特徴。プロが好むフィーリング。
- TSR3はややソフトな打感で、低音寄りの澄んだ音。フィードバックの中にやさしさを感じやすい。
スペックの違い(補足)
スペック項目 | TSi3 | TSR3 |
---|---|---|
ロフトバリエーション | 8.0° / 9.0° / 10.0° | 8.0° / 9.0° / 10.0° |
ヘッド体積 | 460cc(実際は445ccに見える) | 460cc(見た目も大きめ) |
標準シャフト | TENSEI AV White / Tour ADなど | TENSEI 1K Black / Tour ADなど |
重量(ヘッド) | 約195g | 約196g |
選び方の目安
- 弾道を積極的に操作したいならTSi3がおすすめ。
- 高初速・高安定性を求めるならTSR3が最適。
ドライバー調整

タイトリストのドライバーには「SureFit Hosel(シュアフィットホーゼル)」と呼ばれる調整機構が標準装備されています。これはロフト角とフェースアングルを16通りに調整できるシステムで、打ち出し角や方向性をコントロール可能です。
SureFit Hoselの仕組み
- スリーブ部(上):A~Dの4ポジション
- リング部(下):1~4の4ポジション
- 組み合わせにより16パターンの調整が可能
主な調整目的
- ボールの打ち出し角度を高く・低く
- 左右の曲がり(フェード・ドロー)を修正
- 持ち球の安定性向上
調整時の注意点
- 小さな変化でも弾道に大きく影響するため、段階的なテストが必要
- シャフトの向きにも注意(グリップの差し替え不要な設計)
この機能はアマチュアにも非常に扱いやすく、レベル問わずフィッティングの恩恵を得られます。
ウエイト調整でスライス、カチャカチャでシャフトの向き
スライス改善を目的とする場合、ウエイト調整やSureFit Hoselの組み合わせが非常に効果的です。タイトリストドライバーでは以下の方法で球筋をコントロール可能です。
スライス対策の基本調整
- フェースをクローズ気味に:ホーゼル設定をA2またはD2に
- ヒール寄りにウエイトを配置:捕まりがよくなり、右方向へのミスが軽減
- シャフトの差し込み向き:カチャカチャの位置次第でスパイン(シャフトの軸)向きが変わり、挙動に微妙な違いが出る
カチャカチャ調整手順
- 専用レンチでスリーブを緩める
- 目的に応じたポジションへセット
- トルク音(カチッ)まで締める
実際の調整効果
スライス持ちのプレイヤーがヒール寄りにウエイトを移し、ロフトを増やしただけで10ヤード以上改善する例もあります。とにかく試打とテストが重要です。
タイトリストのドライバー別ウエイト調整
タイトリストのドライバーにはモデルごとに異なるウエイト調整機構が採用されています。特にTSiシリーズからTSRシリーズにかけて、その多様性と機能性が高まっています。
主なウエイト調整機構の違い
モデル | 調整方法 | 特徴 |
---|---|---|
TSi2 | 固定式ウエイト | 安定性重視の設定 |
TSi3 | SureFit CGトラックシステム | 可動式ウエイトで重心位置を調整可能 |
TSR2 | 新設計の固定ウエイト | 深低重心で寛容性アップ |
TSR3 | TSR用CGトラック+高慣性モーメント | 弾道と操作性の両立 |
調整ポイント
- ウエイトの「位置」だけでなく「重量差」による影響も考慮
- トラックタイプは特にスピン量・左右方向の調整に有効
このように、モデルによって調整できる範囲と効果が異なるため、自分のスイングタイプに合ったドライバー選びが重要です。
Qi35ウエイト
「Qi35ウエイト」は、TSi3やTSR3などのタイトリストの一部モデルに採用されている、可動式ウエイトシステムです。正式には「SureFit CGトラック」と呼ばれ、ウエイトをスライドさせることで重心位置を変えられる設計になっています。
ウエイトの構造と特性
- ウエイト自体はネジ固定式で、重量は9g〜16g程度
- スライドトラック上に3〜5ポジション設定されている
- ウエイト位置によりフェードバイアス/ドローバイアス/ニュートラルに切り替え可能
重心位置と弾道の関係
- ヒール側に設定:ボールがつかまりやすくなり、スライス軽減に効果的
- トウ側に設定:フェード系の球筋になりやすく、左方向のミスを防ぎたいゴルファー向き
- センター:もっともバランスが良く、直進性の高い弾道を実現
調整方法と注意点
- ウエイト交換には専用のトルクレンチが必要
- 締め過ぎによる破損やゆるみ防止のため、クリック音が鳴るまで締めること
- セッティングごとの弾道変化は10ヤード以上に及ぶこともあるため、試打が推奨される
このウエイトシステムは、プロゴルファーからアマチュアまで幅広く好評を得ており、特にスイングの癖に合わせた細かいフィッティングに有効です。
TSR2の標準ウエイト
TSR2には標準で装着されている「固定式バックウエイト」があり、深・低重心設計により寛容性を重視した設計がされています。調整可能なトラック式とは異なり、シンプルながら非常に安定した性能を発揮します。
標準ウエイトの仕様
- ウエイト重量はモデルにより異なるが、通常8g〜12g
- クラブヘッド後方に装着されており、ミスヒット時の安定性に貢献
- ウエイト交換用のオプションパーツも公式から提供されている
ウエイト交換による効果
- 軽量化(−2g〜−4g):クラブ全体のスイングスピードが向上し、操作性もアップ
- 重量化(+2g〜+6g):ヘッドの慣性モーメントが増加し、インパクト時の安定感が増す
フィッティングのヒント
- ヘッドスピードが速いプレイヤー:重めのウエイトを使用し、スピン量を抑えて飛距離を伸ばす
- ヘッドスピードが平均的なプレイヤー:標準ウエイトまたはやや軽量を使用し、打ち出し角を最適化
TSR2のウエイトはあくまで補助的なチューニング要素であり、メインはシュアフィットホーゼルによるロフト・フェース角調整との組み合わせになります。
TSi3の調整と効果
TSi3は、タイトリストの中でも特に「調整幅の広さ」が特長のモデルで、ウエイト調整とSureFit Hoselを組み合わせることで多彩なチューニングが可能です。競技志向のプレイヤーに好まれ、打点のばらつきに対して高い許容性を発揮します。
SureFit CGトラックシステム
- ヘッド後方にスライド式ウエイトを搭載
- ヒール、ニュートラル、トウの3ポジションで調整可
- 弾道方向やバックスピン量に明確な影響を与える
調整効果の実例
- スライサーの場合:ヒール寄りにウエイトを寄せ、HoselをA2(アップライト・高ロフト)に設定することでスライス改善
- フッカーの場合:トウ寄りにウエイトを配置し、HoselをC1(フラット・ローロフト)にして低めのドローを抑制
実際の評価と注意点
- TSi3は操作性が高いため、スイングの安定性が求められる
- フィッティング次第で初速と方向性の両方を大きく改善可能
スピン量の調整や打ち出し方向の最適化を行いたいゴルファーには、非常に効果的なモデルです。
TSi2おすすめ調整
TSi2は直進性の高いモデルで、ミスへの許容度が高く、タイトリストの中でも中級者から上級者まで幅広い層に支持されています。可変ウエイトは非搭載ですが、SureFit Hoselによるロフト角とフェースアングルの調整が主要なカスタマイズ手段です。
TSi2の基本特性
- 深・低重心構造で高弾道と高スピン傾向
- オフセンターヒットでも方向性が安定しやすい
- 可動式ウエイトは非搭載(固定式のヘッドバランス)
おすすめのホーゼル設定例
- スライスが多い方:A2(アップライト・ロフト増)でボールのつかまりを向上
- フック気味の方:C1(フラット・ロフト減)で左方向の出球を抑制
- 打ち出し角を上げたい方:B2(やや高弾道・ニュートラルフェース)
調整効果
- ロフト調整でキャリーの最大化が図れる
- スイング軌道と打点位置のブレに対しても安定したパフォーマンス
直進性を重視するプレイヤーには最適なモデルで、ホーゼル調整だけでも十分な効果が得られます。
GT3のバランス
GT3はタイトリストの日本国内限定モデルで、アジア圏のゴルファーのスイング特性に合わせたバランス調整がなされています。最大の特徴は軽量設計と高慣性モーメントの両立にあり、スムーズな振り抜きと方向性の安定を追求したドライバーです。
重心設計の特徴
- 重心は比較的深めで低めに設定されており、高弾道でスピン量はやや多め
- ウエイトバランスは固定式で、ヘッド後方に大きめのバックウエイトを装着
- 標準で約10gのウエイトを搭載し、必要に応じて交換も可能
シャフトとの組み合わせ
- 軽量シャフト(40g〜50g台)との相性が良く、ヘッドスピードが遅めのプレイヤーでも高初速が得られる
- スイングテンポが安定している人には、先中調子のシャフトを装着することで飛距離が伸びやすい
GT3の推奨ユーザー
- 初心者〜中級者のゴルファーで、安定したドローボールを打ちたい方
- スライスが出やすいプレイヤーには特におすすめ
タイトリスト特有の「カスタム対応性」はやや制限されるものの、GT3は完成度が非常に高く、バランス設計によって扱いやすさと飛距離性能を兼ね備えたモデルです。
おすすめとカチャカチャ
「カチャカチャ」と呼ばれる調整機能は、タイトリストのSureFit Hoselを指す俗称で、ロフト角やフェース角を16通りから選択可能な機構です。これに加え、モデルによってはウエイト調整も可能で、最適なセッティングを見つける鍵となります。
SureFit Hoselの基本設定
- ロフト:±1.5度の調整が可能(例:9.0度→7.5〜10.5度)
- フェース角:アップライト/フラットの切替により、ボールのつかまり具合を変更
- 各設定は「A1〜D4」のコードで表記され、A1が標準
ウエイト調整と併用するメリット
- Hoselで弾道の高さと方向を、ウエイトでスピン量と左右バランスを調整できる
- 例えば、「スライス改善+高弾道化」を狙うなら、A2(アップライト+ロフト増)に設定し、ウエイトをヒール側へ配置
おすすめセッティング例
- 初級者:TSi2またはTSR2+A2設定+標準ウエイト
- 中級者:TSi3またはTSR3+B3設定+トウウエイトでフェード補正
- 飛距離重視:TSR4+C1設定+軽量ウエイトで高初速仕様
自分のスイング傾向を把握し、フィッティングを受けることで、カチャカチャ調整の恩恵を最大限に引き出せます。
タイトリストドライバーのウエイト調整まとめ
タイトリストのドライバーは、モデルごとに異なるウエイト調整機構を備えており、それぞれのプレイヤーのニーズに応じて細かいチューニングが可能です。以下に代表的なウエイト調整の要点を整理します。
主なウエイト調整タイプと特徴
モデル | ウエイト調整方式 | 特徴 |
---|---|---|
TSR2 | 固定式(交換可) | 安定性重視、高弾道 |
TSR3 | 可変式(スライド) | 操作性とフィッティング自由度が高い |
TSi2 | 非搭載(Hosel調整のみ) | シンプルで扱いやすい |
TSi3 | スライド式CGウエイト | 弾道調整性能に優れ、中級〜上級者向け |
GT3 | 固定式軽量ウエイト | 初心者向け、直進性とつかまり重視 |
調整時のポイント
- ウエイト位置で重心位置と打ち出し方向が大きく変化
- Hosel調整と併用することで、理想の弾道に近づけやすい
- ウエイト交換や位置変更は、必ず専用レンチを使い、トルク音(カチッ)まで締めること
最終アドバイス
- 一度に大きく変えず、1設定ずつ変えて試打し、変化を確認
- スイングが安定してから調整するのがベスト
- 可能であれば、公認フィッターの診断を受けることを推奨
ウエイト調整は高度なフィッティングの一部ですが、正しく活用すれば、スイングタイプに合った最大飛距離と安定した弾道が手に入ります。