フジクラシャフト比較|性能・飛距離・歴代モデル完全解説

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フジクラのシャフトは国内外問わず非常に高い評価を受けており、プロからアマチュアまで幅広い層に支持されています。

しかし、モデルが多岐に渡るため「どれを選べばよいか分からない」というゴルファーも多いのが現状です。本記事では、「フジクラ シャフト 比較」というテーマのもと、代表モデルの違い、性能、年代、分布図などを網羅的に解説します。購入・試打の前に知っておくべき情報を集約しました。

記事の内容一覧

  1. フジクラのシャフト分布図
  2. 過去モデル一覧
  3. スピーダーNX
  4. スピーダー分布図
  5. フジクラシャフトの比較
  6. 一番飛ぶシャフトは?
  7. NXブルーとグリーンの違い
  8. スピーダー569と661の違い
  9. シャフト界の4大メーカー
  10. マトリックス
  11. フジクラシャフト比較まとめ

目次

フジクラシャフト比較|モデル別の性能と特徴解説

本記事では、「フジクラ シャフト 比較」というキーワードを軸に、最新モデルの特性や過去モデルの流れ、モデルごとの分布図、飛距離性能、さらにはライバルメーカーとの違いも整理しています。特にスピーダーシリーズを中心に詳しく掘り下げ、選び方のヒントも紹介しています。

フジクラのシャフト分布図

フジクラのシャフト分布図とは、同社が公式に発表しているシャフトモデルの「調子(キックポイント)」「剛性(硬さ)」「トルク(ねじれ)」などの軸で整理された位置関係を視覚的に示したものです。これにより、自身のスイング特性に合ったモデルを選ぶ際の大きな手助けとなります。

調子と剛性のマッピング

分布図では、縦軸に剛性(ハード←→ソフト)、横軸にキックポイント(手元調子←→先調子)を設定している場合が多く、シャフトの特性が一目でわかるように整理されています。

  • 手元調子・硬め:TRシリーズやNXブルーなど、ハードヒッター向け
  • 中調子・標準剛性:NXグリーンやスピーダー661など、幅広い層に対応
  • 先調子・柔らかめ:スピーダー569など、スイングスピードが遅めのゴルファーに適合

分布図の活用方法

スイングタイプ別に以下のように参考にできます:

スイングタイプ推奨モデル例傾向
ヘッドスピード速いNXブルー、TR手元調子+低トルク
ミドルレンジNXグリーン、661中調子+標準トルク
ゆったり振るスピーダー569先調子+やや柔らかめ

このように、フジクラの分布図は非常にロジカルに構成されており、スイング解析と組み合わせることで、より高いマッチング精度を実現できます。

最新版は公式サイトで要確認

なお、フジクラの分布図は年々アップデートされるため、購入前には必ず公式サイトで最新版を確認しましょう。特に2024年以降はNXシリーズやTRシリーズが新たに加わっているため、古い資料では不完全な可能性があります。

過去モデル一覧

フジクラは過去30年以上に渡って数多くのシャフトを世に送り出してきました。その中でも代表的なシリーズと、その特徴を以下にまとめます。

スピーダーシリーズの変遷

モデル名発売年特徴
スピーダー6612004年中元調子、叩けるモデル
スピーダー5692004年軽量先調子、シャープな振り抜き
スピーダーEVOシリーズ2014年〜それぞれ違う調子設計(EVOⅠ〜Ⅶ)
スピーダーNX2021年VTC技術採用、手元のしなりが特長

モトーレスピーダーとの違い

2009年〜2013年に展開された「モトーレスピーダー」は、スピーダーとは別軸で設計されたモデルで、より高初速・高弾道を追求した設計思想が特徴でした。EVOシリーズとの大きな違いは、先中調子が多く、タイミングの取りやすさに優れた点です。

レアモデルも存在

また、プロツアー限定で支給されていた「スピーダーHB」や「フジクラプロト」なども存在しますが、これは市販されておらず中古市場で稀に見られる程度です。


スピーダーNX

スピーダーNXは、2021年にフジクラが発表した新世代のシャフトシリーズであり、従来のスピーダーEVOシリーズとは一線を画す設計思想が採用されています。最大の特徴は「VTC(Variable Torque Core)」という新技術を搭載し、シャフト内のトルク分布を部位ごとに最適化している点です。これにより、ヘッドの挙動を安定させながら、シャフト全体のしなり戻りのスピードと再現性を高い次元で両立させています。

VTC構造の特徴

VTC構造では、手元側と先端側のトルクを抑えつつ、中間部分にややトルクを持たせる設計が採用されています。これはインパクト時のフェースの開閉を抑制し、スピン量を安定させる効果をもたらします。また、切り返し時のタメをしっかり作れることで、プレーヤーがタイミングを取りやすいというメリットがあります。

  • 手元:しなりを感じやすい設計
  • 中間:しなり戻りが加速するゾーン
  • 先端:ブレを抑え方向性を安定

この3点のトルク特性が連動して働くことで、弾道の安定性と飛距離性能を同時に向上させています。

モデルバリエーション

スピーダーNXには、重量別・調子別のバリエーションが用意されており、自分のスイングに合ったモデルを選ぶことが可能です。

モデル重量帯調子主な対象プレーヤー
NX 50約55g中調子初〜中級者、HS40前後
NX 60約65g中元調子中〜上級者、HS42〜46
NX 70約75g手元寄り上級者、ハードヒッター向け

いずれのモデルも、先端剛性が高めに設定されているため、打ち出し方向がブレにくく、ドライバーのミスショットを最小限に抑える設計となっています。

スピーダーEVOシリーズとの違い

スピーダーNXとEVOシリーズの大きな違いは、設計コンセプトにあります。EVOシリーズは「シャフトの走り感」を追求しており、モデルによって先調子や中調子などが細かく分かれていました。一方、NXは「安定性と再現性の両立」がテーマで、全体的に挙動が滑らかでタイミングが取りやすく、インパクト効率が高いです。

とくにEVOで球がばらついていた人や、スイングにムラがあるゴルファーにとって、NXは非常に扱いやすく、結果につながりやすいモデルといえるでしょう。

評価とユーザー層

発売以降、PGAツアーや国内男子ツアーでも多くの使用実績が報告されており、とくにドライバー用のNX 60、70は中上級者からの評価が高いです。また、女子プロでもNX 50を使用する選手が多く、全体的に「安定性・方向性の高さ」に対する評価が非常に高いです。

そのため、スピーダーNXは「クラブが暴れにくい」「叩いても左に行きにくい」シャフトを求めるゴルファーにとって、有力な選択肢の一つといえるでしょう。


スピーダー分布図

スピーダーシリーズの分布図は、シリーズごとの特性の違いを理解するための重要な資料です。特にスピーダーEVOシリーズは、それぞれの世代ごとに異なるキックポイントと剛性特性を持っており、打ち比べによって最適モデルを選ぶためには、この分布図が非常に役立ちます。

スピーダーEVO I~VIIの特性まとめ

モデル発売年調子特徴
EVO I2014年先中調子高弾道・つかまり重視
EVO II2015年中元調子操作性・叩けるモデル
EVO III2016年先調子球の上がりやすさ+飛距離
EVO IV2017年中調子バランス型・安定性重視
EVO V2018年先中調子走り感+弾道コントロール
EVO VI2019年中元調子強振対応+低スピン設計
EVO VII2020年中調子VTC採用前夜の完成度高いモデル

これらの分布図を活用することで、自分のスイングタイプに最も合った世代を特定しやすくなります。例えば、つかまりを重視したい人にはEVO IやIII、球のばらつきを抑えたい人にはEVO IVやVIIが適しています。

分布図の活用例

  • フェード傾向のスライサー → EVO III or EVO I
  • ドロー過多のヒッター → EVO II or EVO VI
  • どちらも安定させたい中間層 → EVO IV or EVO VII

EVOシリーズは型落ちとなった現在でも中古市場での流通が多く、価格帯も手頃で入手しやすいことから、これらの分布図を見ながら戦略的にモデル選定するゴルファーが増えています。

フジクラシャフトの比較

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フジクラのシャフトにはさまざまなモデルが存在しますが、ユーザーが本当に知りたいのは「どのモデルが自分に合っているのか」「どれが飛ぶのか」「何が違うのか」といった比較情報です。

代表的なモデル

ここでは、代表的なモデルを軸に、設計思想、ターゲットゴルファー、性能面の違いを明確に比較していきます。

比較ポイント①:調子(キックポイント)

モデル名調子向いているスイングタイプ
NXブルー手元調子切り返しでタメを作るタイプ
NXグリーン中調子オーソドックスなスイング全般
スピーダー569先調子ゆったりスイング、球をつかまえたい人
スピーダー661中元調子ヘッドスピード速い、叩く人

調子によって、弾道の高さ、つかまり具合、タイミングの取りやすさが大きく変わります。初心者〜中級者は中調子〜先中調子の方が扱いやすい傾向があります。

比較ポイント②:重量帯

モデル名重量帯体力・スイングスピードへの適正
スピーダーNX 50約55gヘッドスピード40m/s以下のアベレージ層
スピーダー661約66gヘッドスピード43〜46m/sの中上級者
スピーダーNX 70約75gパワーヒッター、方向性重視型の競技者層

軽量帯のモデルは操作性が高く、振り抜きやすさが魅力ですが、強振するとブレやすくなります。重いシャフトは方向性が安定する反面、しっかり振らないと距離が出ません。

比較ポイント③:方向性と飛距離性能

  • 飛距離性能特化型:スピーダーNX(VTC構造によるエネルギー伝達効率)
  • 安定性重視型:スピーダー661、中元調子モデル
  • タイミング取りやすさ:スピーダー569、EVOシリーズ(先調子)

VTC構造を採用したNXは、エネルギーロスが少ない設計で、方向性と飛距離を高次元で両立している点が特に評価されています。EVOシリーズは「走り感」が強く、ヘッドスピードが遅めでもシャフトが勝手に働いてくれるイメージがあります。

実際の比較評価(プロ・アマ問わず)

  • アマチュア中級者の評価:「NXは暴れにくく方向性が良い」「EVOより弾道が安定する」
  • 上級者の評価:「叩いても左にいかない」「EVOの方が初速は出るがバラつく」
  • クラブフィッターの声:「NXは合えばかなり結果が出る」「EVOは感覚に頼る分フィッティングが重要」

このように、スピーダーシリーズやNXシリーズはそれぞれ強みがあり、「どれが良いか」ではなく「自分に合うかどうか」が大切です。よって、フィッティングを受けた上でモデルを選定することがベストな選び方になります。


一番飛ぶシャフトは?

「フジクラの中で一番飛ぶシャフトはどれですか?」という質問は非常に多く見られます。しかし、ゴルファーのスイングタイプやヘッドスピード、スイングテンポによって“飛ぶシャフト”は変わるため、一概に特定のモデルが最長飛距離を保証するわけではありません。

とはいえ、あらゆる条件を加味した上で、以下のような飛距離性能評価は参考になります。

飛距離性能で高評価のモデル

モデル名飛距離評価特徴
スピーダーNX安定したしなり戻り+初速が出やすい設計
スピーダーEVO IIIシャフトが走り、つかまり感も強い
スピーダー661ヘッドスピードが速い人には飛ぶが合わないと失速

とくにスピーダーNXシリーズは、トルクとしなりを制御するVTC構造により、「誰が使っても平均的に飛ぶ」傾向があります。EVO IIIは、弾道の高さと初速性能が高く、打ち上げ効果でキャリーを稼ぎたい人に向いています。

飛距離に影響を与える要素

  • シャフト重量:軽い方が振りやすいが、インパクト時のエネルギー伝達が弱くなることも
  • しなり戻り速度:タイミング良く加速できるとヘッドが走りやすく飛距離が伸びる
  • つかまり度合い:スライス気味の人は先調子の方が飛距離が出やすい傾向

つまり、「一番飛ぶシャフト」はスイングに合ったモデルであることが大前提です。万人に共通する答えは存在しませんが、スピーダーNXは多くのゴルファーにとって高い飛距離性能を発揮している点で、現在最有力候補といえるでしょう。

NXブルーとグリーンの違い

スピーダーNXシリーズの中でも「NXブルー」と「NXグリーン」は、特に人気の高い2モデルです。どちらも同じVTC構造を採用しているため、シリーズとしての設計思想は共通していますが、その調子設計ターゲット層が異なります。自分に合うモデルを選ぶためには、それぞれの違いを正確に理解する必要があります。

基本スペックの違い

モデル調子トルク重量(Sフレックス)弾道の傾向
NXブルー手元調子低め約65g前後中〜低弾道、抑えめ
NXグリーン中調子やや高め約64g前後中〜高弾道、素直な挙動

NXブルーは手元側にしなりを集中させた設計で、切り返しでタメを作りやすく、ハードヒッターが叩きに行っても左に行きづらい特性があります。一方、NXグリーンは中調子でしなりが自然に生まれるため、スイングリズムを乱さずに素直に飛ばせるモデルです。

スイングタイプ別の適性

  • NXブルーが向いている人
    • ダウンスイングで強く叩きにいく
    • 左へのミスが怖い(引っかけ・フック)
    • 重心が高めのヘッドを使っている
    • インテンショナルにボールを曲げたい
  • NXグリーンが向いている人
    • オートマチックなスイング
    • ミート率や方向性重視
    • 高弾道でキャリーを稼ぎたい
    • ストレート〜軽いフェードが理想

ブルーは「操作性と方向性の安定性」を重視する競技志向のゴルファー向き、グリーンは「素直な挙動と扱いやすさ」を求めるアベレージ〜中級者層に人気があります。

弾道への影響

NXブルーはしなり戻りの位置がやや遅く、スピン量が抑えられてライナー性の強い弾道になります。逆にグリーンはしなり戻りのタイミングが素直で、自然に高弾道を打ちやすい傾向にあります。

モデルスピン量打ち出し角キャリー性能方向安定性
NXブルー少なめ低め伸びるライナー系非常に高い
NXグリーン標準〜多めやや高めキャリー多め安定して素直

このように、単に「NX」と言ってもブルーとグリーンでは性能に明確な差があり、求める球筋やスイングタイプに応じた選択が必要です。

プロ・試打評価

  • 男子ツアー使用率が高いのはNXブルー
    • 特に競技志向の強い選手が選んでいる
    • 叩いても球が暴れにくい設計が評価
  • NXグリーンはレディース・シニアでも人気
    • しなり戻りのタイミングが合わせやすく、高弾道でキャリーを稼ぎやすい
    • ゴルフ量販店でのフィッティングでも評価が高い

結論:ブルー=叩ける安定型、グリーン=扱いやすい素直型

選ぶ際は、「ミスの傾向」と「求める弾道」を基準にするのが理想です。方向性と操作性を重視するならブルー、素直な挙動でやさしく飛ばしたいならグリーン。このように、NXシリーズは同じシャフト名でもモデルごとにキャラクターが明確に分かれており、正確なフィッティングが不可欠です。


スピーダー569と661の違い

スピーダーシリーズにおいて「569」と「661」は、どちらも中核をなすモデルですが、重量や挙動の違いにより、それぞれターゲットとするゴルファー像が明確に分かれています。同じシリーズ名を冠していても、その性格はまったく異なるため、自分のスイングにどちらが合っているかを見極めることが非常に重要です。

基本スペック比較

モデル重量(Sフレックス)トルク調子対象ヘッドスピード
スピーダー569約55g前後やや高め先調子~43m/s
スピーダー661約66g前後標準〜低め中元調子43〜47m/s

スピーダー569は、軽量・先調子の設計で、シャフトの走りが感じられ、ヘッドが自然に返ってくるような動きをします。一方、スピーダー661は重量がある分しっかり感が強く、切り返しでタメを作りやすい設計になっています。

それぞれの特徴

  • スピーダー569
    • シャフトのしなりを感じやすく、タイミングを取りやすい
    • ボールのつかまりが良く、高弾道・高スピンでキャリーが出る
    • 軽量化により振り抜きが良く、体力に不安がある人にも扱いやすい
    • ただし、叩きにいくと挙動が暴れやすくなる可能性もある
  • スピーダー661
    • トルクが抑えられていて方向性が安定
    • 中元調子によりインパクト時のエネルギー伝達が強く、低スピン・直進性が高い
    • 重量があるためしっかり振れる人に向いている
    • ミスヒット時の寛容性は569よりやや劣る

タイプ別の適正比較

タイプ推奨モデル理由
ゆったり振りたい/ミート率重視スピーダー569軽量で扱いやすく、タイミングが取りやすい
ヘッドスピードが速い/操作性を重視スピーダー661方向性と安定感を両立、しっかり叩ける設計
スライスに悩んでいるスピーダー569先調子でつかまりやすく、スピンも入りやすい
フックを抑えたい/フェードヒッタースピーダー661中元調子でフェースが返りにくく、抑えた球筋になる

このように、569と661は単なる重量違いではなく、シャフトの挙動そのものが異なるため、単純に「重い=上級者」「軽い=初心者」とは一概に言えません。

試打における弾道の傾向

  • 569:高弾道・高スピン・キャリー型
    軽量先調子の特徴により、インパクト時にロフトが寝やすく、ボールが高く上がる傾向。キャリーは稼げるが、風に弱い弾道になりやすい。
  • 661:中弾道・低スピン・ラン型
    中元調子によってシャフトの戻りが緩やかになり、フェース面が安定。結果としてボールに強さが出て、風に負けない中弾道の直進性が高い球筋となる。

中古市場やフィッティング現場での人気

  • スピーダー569は、シニア・レディース・スライス系ゴルファーに人気が高く、中古市場でも流通量が非常に多い
  • スピーダー661は、ハードヒッターや競技志向のプレーヤーに根強い支持があり、特にドライバーとスプーンに合わせて使われるケースが多い

結論:フィジカルとスイング特性で選ぶ

569と661の選択基準は明確です。

  • 体力やスイングスピードが標準以下で、振り抜きのしやすさを求めるなら569
  • 振れる体力と技術があり、方向性やスピン量をコントロールしたいなら661

それぞれのシャフトは明確な特徴があるため、フィッティングなしで選ぶことは避け、自身のスイングタイプやスコアメイクの考え方に合わせて最適なモデルを選ぶことが大切です。

シャフト界の4大メーカー

現在、ゴルフシャフト市場で「4大メーカー」と呼ばれているのは、フジクラ(Fujikura)三菱ケミカル(Mitsubishi Chemical)グラファイトデザイン(Graphite Design)、**日本シャフト(Nippon Shaft)**の4社です。それぞれ異なる技術と設計思想を持ち、多くのプロやアマチュアに支持されています。このセクションでは、フジクラを含む4社の特徴を比較し、それぞれの強みと主力製品について解説します。

① フジクラ(Fujikura)

  • 特徴:高い設計自由度とテクノロジーを活かした多彩なシリーズ展開
  • 代表シリーズ:スピーダー、ベンタス(VENTUS)、NX、TR
  • 評価ポイント
    • トルク管理とねじれ抑制技術に優れている(VTC構造など)
    • 各モデルのコンセプトが明確で、フィッティングに適している
    • プロ・アマ問わず人気が高く、中古市場の流通量も多い

② 三菱ケミカル(Mitsubishi Chemical)

  • 特徴:航空宇宙技術由来の高弾性カーボンを使った剛性感
  • 代表シリーズ:ディアマナ(Diamana)、テンセイ(TENSEI)、ケミカルオリジナル
  • 評価ポイント
    • シャフト全体の剛性バランスが秀逸で、打感が非常に良い
    • フレックスのばらつきが少なく、高精度
    • フェード・ドローなど意図的な球筋を作りやすいモデルが多い

特にテンセイシリーズは、トゥアープロから一般層まで幅広く支持されており、近年はUS PGAツアーでの使用率も高まっています。

③ グラファイトデザイン(Graphite Design)

  • 特徴:中〜高弾道設計に強みがあり、飛距離性能を重視
  • 代表シリーズ:ツアーAD(Tour AD)、IZ、DI、UB、CQ
  • 評価ポイント
    • 弾道の高さやキャリー重視の設計が多く、ドローヒッターに向く
    • トルクがやや大きく、しなり戻りのスピードが速い
    • 特にツアーAD DIは「名器」とも呼ばれ、長く愛されている

グラファイトデザインは、シャフトの“走り”を感じたい人や、つかまりを求めるゴルファーにおすすめのブランドです。

④ 日本シャフト(Nippon Shaft)

  • 特徴:スチールシャフトの技術力に定評があり、アイアン用では世界トップクラス
  • 代表シリーズ:NS PRO MODUS³、NS PRO 950GH、Regio Formula(カーボン)
  • 評価ポイント
    • 特にアイアン用スチールシャフトにおける世界的評価が高い
    • 軽量で高弾道設計の950GHは、日本のゴルファーにマッチ
    • ドライバー用カーボンシャフト「レジオフォーミュラ」も性能に優れる

プロ使用率はアイアンで非常に高く、近年はドライバー用シャフトにも注力。特にレジオシリーズはトルクや調子の設計が非常に精密です。


4社の比較まとめ

メーカー強み主力モデル得意な層
フジクラトルク制御・多様な設計スピーダー、NX、ベンタス初心者〜上級者まで幅広い
三菱ケミカル高剛性・打感の良さディアマナ、テンセイ上級者・プロレベルが多い
グラファイトデザイン弾道設計・つかまりツアーAD DI・CQ・UBキャリー重視の中級者向け
日本シャフトスチール技術・軽量設計MODUS³、950GH、レジオアイアン重視・操作性志向

このように、各社とも異なる強みを持っており、スイングの個性やクラブに求める要素によって最適なメーカー・モデルは変わります。


マトリックス

ゴルフにおける「マトリックス」とは、シャフトフィッティングや製品選定において、各モデルの特性を数値や軸で可視化した図や概念のことを指します。特にフジクラや他メーカーが提示するシャフトの硬さ・しなり位置・トルク・重量といった特性を座標軸に落とし込んだものが「シャフトマトリックス」です。

このセクションでは、シャフト選びの強力な武器となる「マトリックス」の概念と、その見方、具体的な応用方法について解説します。

① マトリックスとは何か

「マトリックス」は一般的に、以下のような情報を2軸または3軸のグラフで示します。

  • 縦軸:キックポイント(しなりの位置)
  • 横軸:シャフト剛性(硬さ)
  • カラー・マーク:重量帯やトルク、対象ユーザー層

この図を参照することで、たとえば「中調子・柔らかめでトルクが多いモデルはどれか」などが視覚的にわかります。

② 実際のフジクラのマトリックス活用例

フジクラでは、以下のようなマトリックスが展開されています。

  • VENTUSシリーズ:しなり戻りのスピードや剛性をマッピングし、ブルー・ブラック・レッドの違いを視覚化
  • スピーダーシリーズ:調子(先中・中・中元)別に整理
  • NXシリーズ:硬さ別や弾道設計を軸にしたマップあり

このように、同一ブランド・シリーズ内でも特性が異なるモデルを一目で比較できます。

③ マトリックスの見方と注意点

マトリックスを読み解くうえでのポイントは次の3つです。

  1. 自分のスイングタイプを理解する
    • ダウンスイングでシャフトをしならせたいタイプなのか、インパクトで叩きたいのかによって選択が変わる
  2. 数値にこだわりすぎない
    • 同じトルク値でも、剛性バランスやレイヤー構造の違いで体感は異なる
  3. 同一ゾーンに複数候補がある
    • たとえば「中調子・Sフレックス・60g帯」だけでも、フジクラではNX、スピーダー、ベンタスが該当する

したがって、マトリックスは選定の目安であり、最終的には試打やフィッティングでの確認が不可欠です。

④ シャフト選びにおけるマトリックスの実用性

  • フィッティングの初期段階:自分のスイング傾向と希望球筋から、マトリックス内の“ゾーン”を特定しやすい
  • モデル比較:2つの候補(例:スピーダーNXブルーとグリーン)を定量的に比較可能
  • モデルチェンジの参考:新旧モデルでの位置関係を見て、買い替えの適正を判断できる

特に最近では、デジタルフィッティング機器(例:GC QuadやTrackMan)と併用することで、データに基づいたシャフト選びが可能となっています。


⑤ マトリックスの重要性まとめ

項目内容
定義シャフトの性能特性を座標軸で視覚化した分析ツール
主な軸剛性(硬さ)、キックポイント(しなり位置)、重量、トルク
メリット視覚的比較、フィッティング効率向上、モデル選定の合理化
注意点感覚の個人差、最終判断は必ず試打が必要
フジクラでの活用例スピーダー・NX・VENTUSの弾道ゾーン比較や重量別展開マップ

シャフトマトリックスは、非常に高度かつ有用な情報源です。しかしあくまで「方向性」を示すツールであり、自分のスイングや弾道データとの整合性を確認することが、最適なシャフト選びの鍵です。

フジクラシャフト比較まとめ

本記事では、「フジクラ シャフト 比較」の観点から、現行および過去モデルに至るまで、詳細かつ客観的に検討を行ってきました。最後にこれまでの内容を総括し、読者が自分に合ったフジクラ製シャフトを選ぶ際の参考となるよう、重要なポイントを再整理します。

① シャフト選びに必要な3大要素

フジクラに限らず、ドライバーシャフトを選ぶ際には次の3要素のバランスを重視することが基本です。

  • 重量:スイングテンポやヘッドスピードに直結。重すぎると振り遅れ、軽すぎると安定しない。
  • 調子(キックポイント):弾道の高さとつかまりに大きく影響。先調子=高弾道・ドロー、中調子=バランス型、中元・元調子=低スピン・フェード傾向。
  • 剛性(フレックスとシャフト剛性分布):操作性や振り心地、ミート率に関係。体力とスイングリズムに合った選択が重要。

これらを基に、自分のスイング傾向や悩み(球が上がらない、左右にばらつく、飛距離が出ないなど)に応じて最適な1本を選ぶ必要があります。

② フジクラ各シリーズの比較

シリーズ名特徴対象ゴルファーの傾向
スピーダー高初速・高弾道設計。幅広い層に人気全体的にミート率を上げたい人
NXシリーズトルク配分を最適化したバランス型シャフト安定性と操作性を求める中級〜上級者
VENTUSVELOCORE搭載の高剛性・低スピンモデルヘッドスピードが速く、球を抑えたい人
フジクラ・スピーダーNXブルーやや先調子寄りで捕まりが良く中弾道中〜中上級者でドローを狙いたい人
フジクラ・スピーダーNXグリーン中元〜元調子で低スピンの安定型左のミスを減らしたいフェードヒッター

このように、各モデルはターゲットユーザー層や設計思想が異なるため、スペック表だけでは比較しきれない部分も多いのが事実です。

③ 実際に比較する際のポイント

  • 同シリーズ内での比較
    • 例:スピーダーNXブルーとグリーンの違い → 弾道、捕まり、スピン量
  • 異シリーズ間での比較
    • 例:VENTUS BLUE vs NX GREEN → 剛性、弾道高さ、しなり戻りのタイミング
  • 重量帯での選別
    • 569と661など → 同一シリーズでも重量とフレックスで挙動が変化

④ シャフトフィッティングのすすめ

どれだけ理論的に比較しても、最終的に重要なのは実際の試打結果です。シャフトはスペック値だけでなく、製法や素材の違い、個人のスイングによる感覚的な違いが大きく作用します。以下のような流れでフィッティングを行うと効果的です。

  1. 初期候補をマトリックスから数本選定
  2. 実際に試打し、スピン量・キャリー・左右ブレを確認
  3. データと感覚の両面から比較して最適な1本を選ぶ

特にフジクラのフィッティング施設や公認フィッターでの試打は、最新モデルの打ち比べが可能で、飛距離アップや安定性向上を目指すゴルファーにとって非常に有効です。

⑤ まとめ

  • フジクラのシャフトラインナップは極めて豊富で、初心者から上級者までカバーされている
  • 「スペック」「フィーリング」「目的」によって選ぶべきモデルは変わる
  • すべてのモデルに共通して言えるのは、開発意図が明確で、用途が分かりやすいという点
  • シャフト選びはデータと感覚の両立が不可欠

フジクラのシャフトは、細分化されたニーズに応じて選べるよう設計されており、正しい知識と比較方法があれば、誰でも自分に合った1本に出会えるはずです。本記事を通じて、その選定精度を少しでも高める一助となれば幸いです。

フジクラシャフト比較|性能・飛距離・歴代モデル完全解説
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