
ツアーAD XCはグラファイトデザインが展開する高性能シャフトシリーズの中でも、特に叩いて飛ばしたいゴルファーに人気のモデルです。高弾性素材を使った剛性感のある設計は、スイングに自信のあるプレーヤーに大きな飛距離と安定性をもたらします。
一方で合う人と合わない人がはっきりと分かれるため、購入前に自分のヘッドスピードやスイングタイプを理解することが重要です。
本記事ではツアー AD XC 合う人についてその特徴や適正、プロ使用例、似たシャフトとの比較まで詳しく解説していきます。

記事の内容一覧
- ツアーADXCの特徴
- 適正ヘッドスピード
- IZに合うヘッド
- 使用プロ
- 振動数
- ツアーADXC合う人
- ベンタス
- スライス
- 似たシャフト
- 評価
- ツアーADXC合う人まとめ
目次
ツアーADXC合う人を知るための完全ガイド

ツアーAD XCは叩けるシャフトとして設計され、ツアープロからアマチュア上級者まで幅広く使用されています。しかし、その硬さや重量感から適正ヘッドスピードやスイングタイプにマッチしないと扱いが難しい一面もあります。
本記事では特徴、適正ヘッドスピード、合うヘッド、使用プロ、振動数のデータ、スライス傾向との関係などを詳細に解説し、ベンタスや類似モデルとの比較も行います。最後に「どんな人が合うのか」を総合的にまとめます。
ツアーADXCの特徴
ツアーAD XCはグラファイトデザインが2020年に発売したツアー系シャフトで、名称の「XC」は“Xtra Carry”の意味を持ちます。大きなキャリーを狙える設計でありながら、強い弾道と安定性を兼ね備えているのが特徴です。シリーズ内では中元調子に分類され、インパクトゾーンでのしなり戻りが穏やかで方向性を安定させやすい設計になっています。
高弾性素材と剛性設計
ツアーAD XCは高弾性カーボン素材を使用し、全体的に剛性が高められています。特に手元部分の剛性がしっかりしており、切り返しでのブレを抑えてスイングの力を効率的に伝えられる点が魅力です。また先端部分も強めに設計されているため、インパクトでフェースが過度に開いたり閉じたりしにくく、直進性の高い弾道を実現します。
弾道の特徴
弾道は低スピン・中弾道傾向となり、風に強い球を打ちやすいのが大きなメリットです。バックスピン量を抑えることでランも稼ぎやすく、特にフェード系の弾道を打ちたいプレーヤーや、飛距離を安定して出したいゴルファーに適しています。
操作性
一方で先端剛性が高いため、ドローを強調したいゴルファーには扱いづらさを感じることがあります。スライスのミスが出やすい人にとっては、さらに球が右に出やすくなる可能性もあるため、スイング傾向を考慮する必要があります。
総合評価
総じてツアーAD XCは「叩いて飛ばしたい」「風に負けない強い球を打ちたい」「方向性を安定させたい」というゴルファーに向いています。その反面、ヘッドスピードが不足しているプレーヤーや、スイングリズムが安定していないゴルファーにとっては扱いにくいと感じるでしょう。
適正ヘッドスピード
ツアーAD XCを最大限に活かすためには、適正なヘッドスピードを持っているかどうかが非常に重要です。このシャフトは中元調子で剛性が高く設計されているため、スイングスピードが不足していると十分にしなりを感じられず、球が上がらなかったり、飛距離が落ちる傾向が見られます。逆に一定以上のスピードがあるプレーヤーにとっては、その剛性が安定性につながり、大きな飛距離と方向性を両立させることが可能になります。
ヘッドスピードの目安
一般的にツアーAD XCが適しているとされるヘッドスピードは 43m/s以上 です。具体的には:
- 43〜45m/s … SRやSフレックスで最適
- 46〜48m/s … SまたはXフレックスで高い安定性を発揮
- 49m/s以上 … Xフレックス、場合によってはTXを選択することで、力強いスイングに対応可能
このように、一定以上のヘッドスピードがなければXCの性能を引き出すことは難しく、ヘッドスピードが40m/s前後のプレーヤーにはIZやDIなど、よりしなりを感じられるモデルの方が適している場合があります。
スイングタイプとの関係
ヘッドスピードが高くても、スイングタイプによって適性は変わります。ダウンブローで叩きにいくタイプや、切り返しでタメを作って一気に加速するプレーヤーにはXCの剛性設計がマッチします。一方で、スイングがスムーズでタイミング重視のゴルファーは、シャフトのしなりを活かせずに硬さだけを感じてしまうことがあります。その場合は同じツアーADシリーズでもGPやIZの方が相性が良いと言えます。
弾道とスピン量への影響
ヘッドスピードが適正範囲にあるゴルファーがXCを使用すると、低スピンで伸びのある弾道を得やすくなります。例えば46m/s前後のプレーヤーがSフレックスを使用した場合、バックスピン量は2000〜2300回転程度に抑えられ、ランを含めて飛距離を大きく稼げる可能性があります。しかし、ヘッドスピードが40m/s台前半ではスピン量が不足してキャリーが伸びず、球がドロップ気味になることも少なくありません。
フィッティングの重要性
ヘッドスピードは適正の一つの目安にすぎません。実際のスイングテンポやリリースポイントも考慮する必要があります。特にXCは手元剛性が強いため、切り返しで手元にしなりを感じたい人にはマッチしにくいことがあります。逆に「手元が暴れない安心感」を求めるゴルファーには理想的な選択となるでしょう。フィッティングでは必ずスイングデータを確認し、自分に合ったフレックスや重量帯を選ぶことが重要です。
総括
ツアーAD XCに合う人は、ヘッドスピード43m/s以上で、しっかり叩いていくスイングができるプレーヤーです。ヘッドスピードが不足していると性能を活かしきれず、飛距離も方向性も逆に損なわれる可能性があります。
IZに合うヘッド
ツアーAD XCは中元調子で剛性が強めのシャフトですが、その性能を最大限に発揮するにはヘッドの選択も非常に重要です。特に同じグラファイトデザインのツアーADシリーズ「IZ」と比較すると、どのようなヘッドが適しているかが明確になります。ここではIZの特性を踏まえながら、XCに適したヘッドの条件を整理していきます。
ツアーAD IZの特徴とヘッド相性
ツアーAD IZは2017年に登場した人気モデルで、先中調子に分類されます。シャフト全体がしなやかに動くため、球がつかまりやすく、キャリーを出しやすいのが大きな特徴です。比較的ヘッドスピードが中程度のプレーヤーでも扱いやすく、ボールが上がりにくい人に適しています。そのため、IZは慣性モーメントが大きく、つかまりやすい設計のヘッドと組み合わせるよりも、ややディープフェースで低スピン性能のあるヘッドと相性が良い傾向があります。
XCとIZの違いを踏まえたヘッド選び
XCは剛性が強く低スピンで直進性のある球を打ちやすいため、もともとスピン量の少ないヘッドやつかまりにくいヘッドと組み合わせると、さらに球が上がりづらくなる可能性があります。そのため、XCに適したヘッドは以下のような特徴を持つモデルです。
- フェース角がややクローズ気味、またはニュートラルな設計
- 重心位置がやや後方寄りでボールを上げやすい
- 適度にスピンが入る設計(低スピンすぎない)
これにより、XCの低スピン特性と強弾道を活かしつつ、キャリーをしっかり確保できます。
実際に相性が良いとされるヘッド例
市場で評価されているヘッドとの相性を挙げると、例えば「テーラーメイド SIM2 MAX」や「キャロウェイ EPIC SPEED」「PING G425 LST」などがよく挙げられます。これらは直進性や低スピン性能を持ちながら、ある程度の球の上がりやすさを確保しているため、XCの特性とマッチします。特にPING G425 LSTのような低スピン系ヘッドは、打ち出し角度とスピン量のバランスが取れると飛距離性能を最大化できるケースがあります。
一方で、超低スピン設計の「キャロウェイ エピック MAX LS」や「テーラーメイド Stealth Plus」などは、ヘッドスピードが十分でなければ球が上がらずにキャリーをロスしてしまう可能性もあります。そのため、ヘッド選びでは自分のスイング特性とバランスを考慮することが不可欠です。
フィッティングの重要性
XCとIZの比較で分かるように、シャフトとヘッドの相性は飛距離や方向性に直結します。XCは剛性が強く低スピンなので「ある程度つかまりやすく、打ち出しを確保できるヘッド」と組み合わせるのが鉄則です。逆にIZは「低スピン性能が高く、操作性重視のヘッド」と組み合わせた方が性能を引き出せます。同じメーカーのクラブであっても、ヘッドによって弾道特性は大きく変わるため、試打を通じて最適な組み合わせを確認することが大切です。
まとめ
IZと比較すると、XCはよりパワーヒッター向けのシャフトであり、相性の良いヘッドも異なります。XCを選ぶ際には、ボールをある程度つかまえて打ち出し角を確保できるモデルが理想です。IZとXCを混同せず、自分のスイングや求める弾道に合わせてヘッドを選ぶことで、シャフト本来の性能を最大限に発揮できるでしょう。
使用プロ

ツアーAD XCは2020年の発売以降、多くの国内外のトッププロに使用されてきた実績があります。シャフトの剛性が高く、叩いても暴れにくい設計は、ヘッドスピードの速いプロフェッショナルに特に好まれており、ツアーでの使用例がその性能を裏付けています。ここではPGAツアー、国内男子ツアー、国内女子ツアーでの主な使用プロについて紹介し、彼らのプレースタイルとXCの相性を詳しく解説します。
PGAツアーでの使用例
PGAツアーでは、ヘッドスピードが非常に速く、強弾道を求めるプレーヤーが多いことから、ツアーAD XCのような剛性の高いシャフトは一定の人気を集めています。たとえば、マシュー・ウルフはデビュー当時からグラファイトデザインのシャフトを愛用しており、XCを実戦投入した選手のひとりです。彼のように切り返しで大きなタメを作り、爆発的に振り抜くスイングには、手元剛性が強いXCがマッチしやすいと言えます。
また、リッキー・ファウラーも一時期XCをテストしていたことがあり、強弾道と安定した方向性を求める選手にとって選択肢のひとつになっていることがわかります。PGAツアーの高速グリーンや風の強い環境では、低スピンで風に負けない弾道を実現できるXCの特性が評価されています。
国内男子ツアーでの使用例
日本の男子ツアーでもツアーAD XCは複数のプロに使用されています。代表的なのは今平周吾プロで、彼はドライバーシャフトとしてXCをセッティングし、方向性と安定感を重視したプレースタイルに活かしています。飛距離を求めながらもフェアウェイキープ率を下げないためには、剛性が強く暴れにくいXCが有効であることを証明しています。
さらに、星野陸也プロもXCを実戦で使用した実績があります。ヘッドスピードが速く、高弾道で攻めるスタイルの彼にとって、XCの低スピン特性と直進性の高さはスコアメイクに直結していると言えるでしょう。
国内女子ツアーでの使用例
女子ツアーでは男子ほどヘッドスピードが高くありませんが、それでもヘッドスピードが速く、叩いていくタイプの選手にはXCが採用されています。例えば稲見萌寧プロは一時期ツアーAD XCを使用しており、方向性を安定させながら飛距離を確保することに成功しました。女子ツアーでも飛距離がアドバンテージとなるため、XCのような低スピンで伸びのある弾道を実現できるシャフトは大きな武器になります。
使用プロから見たXCの特徴
ツアーでXCを使用しているプロには共通点があります。それは「ヘッドスピードが速く、叩いていくスイングを得意とする」という点です。彼らは切り返しでしっかりタメを作り、インパクトで一気に加速させるため、手元剛性が高く暴れにくいXCを使うことでスイングの再現性を高めています。また、風の強いコースや長いパー4、パー5での攻め方において、低スピンで強い弾道を打てる点が勝負に直結しているのです。
まとめ
ツアーAD XCはPGAツアーのようなパワーゴルファーが集う舞台から、国内ツアーまで幅広いプロに支持されています。特に男子プロやヘッドスピードの速い女子プロが多く使用していることからもわかるように、このシャフトはパワーを活かして飛距離と方向性を両立したいプレーヤーに適しています。次章では、シャフトの性能を数値で示す「振動数」について詳しく解説します。
振動数
シャフトの性能を客観的に判断する指標のひとつが「振動数」です。振動数とは、シャフトを固定した状態で先端を一定の角度にしならせて離した際に1分間に振動する回数を数値化したもので、一般的には「cpm(cycles per minute)」という単位で表されます。数値が高いほどシャフトは硬く、数値が低いほど柔らかいという性質があり、ゴルファーが自分のスイングに合うシャフトを選ぶうえで重要なデータとなります。ツアーAD XCの特性を理解する上でも、この振動数は欠かせないポイントです。
ツアーAD XCの振動数の特徴
ツアーAD XCは中元調子で剛性が強い設計のため、同じ重量帯・フレックスの他のツアーADシリーズと比較しても振動数が高めに設定されています。例えば45インチで組み上げた際の代表的な数値は以下のようになります(あくまで参考値)。
フレックス | 重量帯 | 振動数(目安cpm) |
---|---|---|
SR | 50g台 | 約245〜255 |
S | 60g台 | 約260〜270 |
X | 60g台 | 約275〜285 |
TX | 70g台 | 約290〜300以上 |
これらの数値からも分かる通り、XCはフレックスごとの硬さが明確で、特にXやTXはパワーヒッターでなければ十分に振り切るのが難しいレベルの剛性を持っています。
振動数とフィーリングの関係
振動数が高いシャフトは「硬い」と感じやすく、タイミングを取りにくいと感じるゴルファーも少なくありません。しかしXCの場合、手元側の剛性が強く設定されていることで切り返しのブレを抑制し、全体としての安定感を生み出します。振動数値だけを見ると非常にハードな印象を受けますが、実際にはインパクトゾーンで素直にしなり戻るため、ヘッドスピードが十分にあるゴルファーにとっては「暴れない安心感」としてプラスに働きます。
他モデルとの比較
同じツアーADシリーズのIZやDIと比較すると、XCの振動数は高めです。例えばIZのSフレックス(60g台)ではおおよそ255〜265cpm程度が目安となるのに対し、XCのSフレックスでは260〜270cpmとやや高めに出ます。つまりIZに比べてXCは硬さを感じやすく、スイング中にしなりを大きく使うタイプのゴルファーにはややタフに感じる可能性があります。逆にパワーヒッターにとっては、IZよりもXCの方が暴れにくく、インパクトの再現性を高めやすいと言えます。
フィッティングでの活用
振動数は数値として客観的に比較できるため、フィッティングの現場では非常に重宝されています。自分が使っているシャフトの振動数を基準に、XCに乗り換えたときにどの程度硬くなるのかを確認することで、ミスマッチを防ぐことができます。特にXCは硬めの設計なので、普段使っているシャフトの振動数よりも10〜15cpm以上高いと感じる場合は、一つ柔らかいフレックスを選ぶのも選択肢のひとつです。
まとめ
ツアーAD XCの振動数は同シリーズ内でも高めに設定されており、その数値は剛性の高さを裏付けています。適正なヘッドスピードとスイングタイプを持つゴルファーにとっては、この振動数の高さが安定性や飛距離性能を引き出す要素となります。一方で、スイングスピードが不足しているプレーヤーが無理に使うと、硬さばかりを感じて逆効果になる可能性もあります。
ツアーADXC合う人
ツアーAD XCは「叩いて飛ばせるシャフト」として設計されており、合う人と合わない人が非常に明確に分かれるモデルです。特にヘッドスピードやスイングタイプ、求める弾道によって適性が左右されます。このセクションでは、どのようなゴルファーがXCに合うのかを具体的に整理します。
ヘッドスピードが速いゴルファー
XCに最も合うのは、ヘッドスピードが 43m/s以上 のゴルファーです。シャフト全体の剛性が高いため、一定以上のスピードがないとしなりを感じられず、弾道が低くなったり、飛距離を損する可能性があります。逆に46〜48m/s以上のプレーヤーであれば、低スピンで強い弾道を打つことができ、キャリーとランを合わせて飛距離性能を最大化できます。特にXフレックスやTXフレックスは、ヘッドスピードが速くないと扱いが難しいため、パワーヒッター向けといえます。
叩いていくスイングタイプ
切り返しでしっかりタメを作り、ダウンスイングで力強く振り抜くタイプのゴルファーにはXCが非常にマッチします。手元剛性が高いため、切り返しで暴れず、スイングのエネルギーを効率的にボールに伝えることができます。逆にスイングテンポがゆったりで、シャフトのしなりを利用して打ちたいゴルファーには硬さばかりを感じ、扱いにくくなる可能性があります。
低スピン弾道を求める人
XCは弾道特性として低スピン・中弾道傾向があり、風に強い球を打ちやすい設計になっています。そのため、普段からスピン量が多すぎて吹き上がる人、あるいは高弾道すぎて飛距離をロスしている人に適しています。逆に、スピン量が不足してキャリーが伸びない人や、球がもともと上がりにくい人にとっては不向きです。
操作性より安定性を求める人
XCは先端剛性が強いため、意図的にドローやフェードを大きく打ち分けたいゴルファーにはやや操作性が物足りなく感じられる場合があります。しかし「大きな曲がりを抑えたい」「真っすぐ強い弾道で攻めたい」というプレーヤーには非常に心強い相棒となります。特に狭いフェアウェイや風の強いリンクスコースなどで効果を発揮します。
プロ使用例との共通点
実際にXCを使用しているプロ選手を見ても、いずれもヘッドスピードが速く、叩いていくスイングを持つプレーヤーばかりです。彼らが求めるのは「飛距離と方向性の両立」であり、XCはその要求に応える設計になっています。アマチュアゴルファーでも、同じようなスイングタイプやヘッドスピードを持っていれば性能を活かすことが可能です。
フィッティングのすすめ
「XCが合うかどうか」を判断するためには、やはり実際に試打して自分のデータを確認することが欠かせません。特にヘッドスピード、打ち出し角、スピン量を測定すれば、自分にXCが合っているかを客観的に判断できます。振動数や重量フローを見ながらフレックスを選び、弾道のバランスをチェックすることが大切です。
まとめ
ツアーAD XCに合う人は、ヘッドスピードが速く、叩いていくスイングを持ち、低スピンの強弾道を求めるゴルファーです。一方で、スピード不足や高弾道を必要とするプレーヤーには不向きとなります。自分のスイング特性を理解し、フィッティングを通じて適合性を確認することで、XCの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
ベンタス
ツアーAD XCと比較されるシャフトとして必ず名前が挙がるのが、藤倉コンポジットが展開する「ベンタス」シリーズです。ベンタスは2019年の登場以来、世界中のトッププロが使用し、現在ではPGAツアーでも高いシェアを誇るシャフトです。特に「VeloCoreテクノロジー」を採用した点が大きな特徴で、安定性と方向性に優れ、プロからアマチュアまで幅広い層に支持されています。ここではツアーAD XCとの違いや共通点を整理しながら、ベンタスの特徴を詳しく解説します。
ベンタスの特徴
ベンタスは「青(ブルー)」「黒(ブラック)」「赤(レッド)」という3種類の調子が用意されており、それぞれ中調子、手元調子、先中調子と異なるフィーリングを持っています。最大の特徴はVeloCoreテクノロジーで、シャフト全体のねじれを抑えることにより、インパクトの再現性を高めています。その結果、オフセンターヒットでも方向性を失いにくく、フェアウェイキープ率の向上につながります。
XCとの違い
ツアーAD XCとベンタスの大きな違いは「剛性感の分布」と「捕まりやすさ」です。XCは中元調子で手元と先端が硬く設計されており、全体的にタフな印象を持ちます。一方、ベンタスはモデルによってフィーリングが異なり、特にブルーは中調子でクセが少なく、幅広いゴルファーに対応します。ブラックは手元調子で強弾道を求めるパワーヒッター向け、レッドは先中調子で球のつかまりやすさを重視する設計になっています。
使用プロの傾向
ベンタスはPGAツアーで爆発的な人気を誇り、ローリー・マキロイやジャスティン・トーマスなどが使用してきました。彼らのようにパワーと技術を兼ね備えたプレーヤーにとって、ベンタスの安定性と方向性は大きな武器となります。一方、日本ツアーでも使用者が増えており、特にベンタスブルーは男子女子問わず幅広い層に採用されています。
XCとベンタスの使い分け
XCは剛性が強いため「叩いても暴れない安心感」を重視するゴルファーに適していますが、ベンタスは「方向性と許容範囲の広さ」を重視するゴルファーに向いています。つまり、ヘッドスピードが速くてしっかり振れる人にはXCが、方向性を安定させたい人や幅広い層にはベンタスが合う傾向があります。特にスイングに自信があり、スピン量を抑えたい場合はXC、安定性を優先するならベンタスを選ぶのが理想です。
フィッティングでの比較ポイント
両モデルを比較する際は、以下の点をチェックすることが重要です。
- 打ち出し角度:XCはやや低め、ベンタスはモデルによって調整可能
- スピン量:XCは低スピン、ベンタスはやや寛容
- 捕まりやすさ:XCは抑えめ、ベンタスはモデルによってつかまりやすさを選べる
- 操作性:XCは直進性重視、ベンタスは安定性重視
まとめ
ベンタスは安定性と方向性に優れ、幅広い層に支持される万能型シャフトであるのに対し、XCは剛性が強く、パワーヒッター向けのシャフトです。両者は性能の方向性が異なるため、フィッティングで自分のスイングや求める弾道を確認した上で選ぶことが大切です。
スライス
ゴルフにおけるスライスは、右打ちのプレーヤーの場合、打ち出しが左方向に始まり、その後大きく右へ曲がってしまう弾道を指します。多くのアマチュアゴルファーが悩む代表的なミスショットであり、特にドライバーでのスライスは飛距離を大きくロスし、フェアウェイを外す原因となります。ツアーAD XCのような低スピンで直進性の高いシャフトを使うと、スライスの度合いが軽減されるケースもありますが、根本的にはスイングメカニズムの影響が大きい点を理解することが重要です。
スライスの原因
スライスが発生する主な原因は「フェースの開き」と「アウトサイドイン軌道」です。インパクト時にクラブフェースが開いていると、ボールに右回転(サイドスピン)がかかり、右に曲がってしまいます。また、カット軌道とも呼ばれるアウトサイドインのスイングパスでは、ボールに余計な横回転が加わりやすくなります。加えて、グリップが弱い(ウィークグリップ)場合もフェースが開きやすく、スライスの一因となります。
シャフトの影響
スライスは主にスイング起因ですが、シャフト選びもある程度影響を与えます。先端が硬いシャフトはフェースが返りにくいため、スライス傾向を強めることがあります。ツアーAD XCは先端剛性が強い設計であり、パワーヒッターが叩いたときに左へのミスを抑えることに特化しています。そのため、もともとスライスが強いプレーヤーが使うと、球がさらに右へ逃げるケースも見られます。一方で、スイングスピードが速くて引っかけを嫌うプレーヤーにとっては、スライス傾向が抑制ではなく「安心材料」となる場合があります。
スライス改善のポイント
スライスを改善するためには、以下の点を意識すると効果的です。
- グリップの強化:ウィークグリップを避け、ややストロング寄りに握ることでフェースが返りやすくなる。
- インサイドアウト軌道を意識:右方向に振り抜くイメージでスイングすることで、カット軌道を防ぐ。
- フェースの向きをチェック:アドレス時にフェースが開いていないかを確認する。
- 適正シャフトを選ぶ:捕まりを助けるシャフト(先中調子や柔らかめのモデル)が有効な場合もある。
XCとスライスの関係
ツアーAD XCは、基本的に「左を嫌う人向け」に設計されています。そのため、右方向のミス(スライス)を根本的に直す効果はありません。しかし、ヘッドスピードが速く、左へのミスを防ぎたい上級者にとっては最適な選択肢となります。逆に、スライスが大きな課題となっているアマチュアにとっては、XCよりも捕まりの良いシャフト(例:ツアーAD VRやベンタスレッド)の方が適している場合があります。
実際の選び方
フィッティングにおいて、スライス傾向のあるプレーヤーがXCをテストすると、弾道が低く右へ逃げるケースが多く見られます。この場合、XCは「スライスを矯正する道具」ではなく「引っかけを防ぐ道具」と考えた方が正確です。スライスを減らす目的であれば、柔らかめのシャフトや先が走るモデルを試すことをおすすめします。ただし、ヘッドのロフト角や重心設計も大きな要素を占めるため、シャフト単独で解決するものではないことを理解しておくべきです。
まとめ
スライスはゴルファーにとって最も多いミスショットですが、ツアーAD XCはその改善を直接的に助けるシャフトではなく、むしろ引っかけを嫌うプレーヤーに向いています。スライスを根本的に解決するにはスイング改善が第一であり、次いでグリップや適正シャフトの選択が補助的に作用します。次章では、XCに似たシャフトとの比較を通じて、自分に合う選択肢をさらに深掘りしていきます。
似たシャフト
ツアーAD XCを検討する際、同じグラファイトデザイン社のシリーズや他メーカーのシャフトと比較して、自分のスイングに合うかどうかを判断することは非常に重要です。XCは中元調子で剛性が高く、低スピンで直進性の高い設計が特徴ですが、似た特性を持つシャフトも市場には複数存在します。このセクションでは、XCに性質が似ているシャフトを紹介し、それぞれの特徴やXCとの違いを詳しく解説します。
ツアーADシリーズ内で似たシャフト
XCと似た特性を持つシャフトとしてまず挙げられるのが、同社のツアーAD GPやDIシリーズです。
- ツアーAD GP
GPは中元調子で、しなり感と直進性のバランスが良く、XCに比べて若干柔らかめのフィーリングがあります。ヘッドスピードがやや抑えめのゴルファーでも扱いやすく、XCほど手元剛性を感じずにスイングできる点が特徴です。XCに比べると、捕まりやすさが若干高く、球を上げやすい設計になっています。 - ツアーAD DI
DIはディアマナシリーズに似た挙動を持つモデルで、先端が走る設計が特徴です。XCほど硬くなく、インパクトでフェースを返しやすいため、スライスを軽減したいゴルファーにも適しています。弾道はやや高めで、低スピンで伸びるXCとは異なり、飛距離と方向性のバランスを取りやすいのが魅力です。
他メーカーで似たシャフト
他メーカーの中でXCに近い特性を持つシャフトとしては以下が挙げられます。
- ベンタスブラック(藤倉コンポジット)
XCと同じく剛性が高く、直進性重視の設計です。手元剛性が高く、しっかり叩けるプレーヤー向けで、XC同様に低スピン弾道を得やすいです。ただし、先端剛性の違いにより打感や操作性に微妙な差があります。 - 三菱ケミカル TENSEI CK Pro Orange
中元調子で、剛性としなりのバランスがXCに近いモデルです。弾道は低中弾道で風に強く、パワーヒッターに好まれる傾向があります。重量帯やフレックスを合わせれば、XCの特性に近い打ち心地を実現できます。
選び方のポイント
XCに似たシャフトを選ぶ場合は、次の点をチェックすると失敗が少なくなります。
- 剛性の分布:手元・中間・先端の硬さがXCに近いか
- 調子(中元・先中・中調子):自分のスイングに合うか
- 重量帯:XCと同じ重量帯でないと弾道特性が変わる
- 振動数:XCに近い数値であれば扱いやすさを維持できる
XCに似たシャフトを試す意義
XCは硬さがあるため、ヘッドスピードが十分でないと打ちこなすのが難しいことがあります。その場合、上記のように少し柔らかめの似たシャフトを試すことで、同じ中元調子のフィーリングを保ちながらも、扱いやすさを向上させることができます。また、XCとの比較を通じて、自分に必要な剛性や打感を客観的に判断できるのも大きなメリットです。
まとめ
ツアーAD XCに似たシャフトは、同シリーズ内のGPやDI、他メーカーのベンタスブラックやTENSEI CK Pro Orangeなどがあり、剛性や中元調子の特性で選ぶことがポイントです。XCが少し硬く感じる場合や、扱いやすさを重視したい場合には、これらの似たシャフトを試打することで、自分に最適な一本を見つけやすくなります。
評価
ツアーAD XCは、発売以来プロアマ問わず高い評価を受けています。評価のポイントは大きく分けて「飛距離性能」「方向性の安定性」「弾道特性」「フィーリング」の4点です。
飛距離性能
XCは中元調子で手元剛性が強く、ヘッドスピードの速いプレーヤーが叩いた際にエネルギーを効率的にボールに伝えることができます。低スピン弾道を実現しやすく、キャリーを伸ばせるため、長いフェアウェイを狙いやすくなります。プロ使用例を見ると、ヘッドスピードが速い選手はキャリーを稼ぎつつ、ランも利用して総飛距離を最大化しています。アマチュアでもヘッドスピードが十分であれば、XCの特性を活かすことで飛距離向上が期待できます。
方向性の安定性
XCは直進性が高く、切り返しで暴れにくい設計です。手元剛性がしっかりしているため、インパクト時にフェースがブレにくく、右や左への大きなミスを抑制します。特にパワーヒッターやヘッドスピードの速いゴルファーにとって、弾道の再現性を高める大きなメリットがあります。スライス対策として直接的な効果は少ないものの、左への引っかけを嫌う上級者には好評です。
弾道特性
XCは低スピンで中弾道の特性を持つため、風に強く、長いパー4・パー5でも安定したキャリーを確保できます。弾道は強く、ボールが浮きすぎず、飛距離のロスを最小限に抑えられる設計です。また、先端剛性が高いため、球筋をコントロールしやすく、左右へのブレを抑える傾向があります。
フィーリング
手元剛性が高い中元調子のXCは、叩いても暴れない安心感が得られます。インパクトの手応えは硬すぎず、しっかりした打感で飛距離性能を体感できるため、特にヘッドスピードが速いゴルファーにとっては操作性と安定感の両方を兼ね備えたシャフトと評価されています。逆にスイングスピードが遅めのゴルファーには硬く感じやすく、フィーリングの評価は低めになる場合があります。
総合評価
XCは「パワーヒッター向け」のシャフトとして高く評価されており、飛距離、方向性、低スピン弾道の安定性に優れています。ヘッドスピードが速く、叩いて飛ばしたいゴルファーには非常に適した選択肢で、フィッティングを通じて自分に合うフレックスを選べば、プロ仕様の性能をアマチュアでも体感できます。一方で、ヘッドスピードが不足するゴルファーや球を高く上げたい人には硬さがネックになるため、試打は必須です。
ツアーADXC合う人まとめ
ツアーAD XCが最も力を発揮するのは、ヘッドスピードが速く、叩いて飛ばすタイプのゴルファーです。低スピンで直進性の高い弾道を求めるプレーヤーに適しており、方向性やキャリーの安定性も高い評価を受けています。XCに合う人の特徴を整理すると以下の通りです。
- ヘッドスピードが43m/s以上のパワーヒッター
- 切り返しでしっかりタメを作り、ダウンスイングで叩くタイプ
- 低スピンで風に強い中弾道を求める人
- 左への引っかけを嫌い、直進性を重視するゴルファー
- 操作性よりも安定性・飛距離を優先したいプレーヤー
逆に、ヘッドスピードが遅めのゴルファーや、球を高く上げて飛距離を稼ぎたい人には不向きです。XCを選ぶ際には、ヘッドスピード、振動数、フレックスをフィッティングで確認することが最も重要です。また、ベンタスやツアーAD DIなどの似たシャフトと比較しながら、自分に最適な一本を見つけることで、シャフト本来の性能を最大限に活かせます。
まとめ
ツアーAD XCはパワーヒッター向けの高剛性シャフトとして、飛距離・方向性・低スピン弾道の安定性に優れたモデルです。適正なヘッドスピードとスイングタイプを持つゴルファーであれば、プロ仕様の性能を実感できるシャフトです。フィッティングを通じて自分に合ったフレックスを選択し、XCの特性を活かすことで、飛距離と安定性の両立が可能となります。